米津玄師「Lemon」が日本レコード協会より史上最速でダウンロード売上トリプルミリオン認定を受けた。この一報を受けて、「歴代ダウンロード売上ランキングはどうなってるのだろう?」と考えた人も多いのではないだろうか。
日本レコード協会のダウンロード認定は、一定のボーダーラインを超えるごとに認定される。具体的には、10万、25万、50万、75万、100万、以降は100万上積みされるごと、である。つまり、同じ300万認定でも、実際の累計が301万なのか、399万なのかはわからない。
CD売上の集計で有名なオリコンは長らくダウンロード売上の集計を実施せず、2018年になってようやく開始した。しかしご存知のように今や音楽の聴き方はダウンロードからストリーミングに移っており、市場が縮小してから集計を始めても意味は乏しい。CD売上の集計を2007年から始めて、秋川雅史「千の風になって」が史上初のCDミリオンです!と言うようなものだ。
日本レコード協会は着うたが普及した2000年代からダウンロード認定を出しているのだが、上述のように細かい実数が分からないことから、歴代CD売上ランキングのように、歴代ダウンロード売上ランキングを作ることは不可能だと思っていた。
しかし、「Lemon」の記事で「史上最速」という煽りを見て、その視点で作れるじゃないか!と気づいた。
つまり、同じ100万認定でも、1年で100万を突破した曲の方が、10年かけて100万を突破した曲より多くダウンロードされていることがほとんどだろう、という仮定のもと、配信開始日から認定までの日数がより早かった曲を上位に並べることで、ランキング化することができる。何より、日本レコード協会が公式に「史上最速」は偉業だと言わんばかりにプレスリリースしているので、この考え方へのお墨付きはバッチリだ。
認定は月次で行われているが、例えば2019年9月度の認定であれば、認定日は2019年9月末日(2019/9/30)として計算されているようだ。これは「Lemon」の最速200万認定記事で具体的な認定所要日数の言及がされたことから明らかになっている。*1
ということで、上記要領で、これまで日本レコード協会からフル配信100万ダウンロード以上の認定を受けている全97曲を歴代ランキング化した。
上位30曲は以下のとおり。このうち1曲がクアドラプルミリオン、2曲がトリプルミリオン、6曲がダブルミリオンを達成しており、錚々たる大ヒット曲が並んでいる。

TOP10楽曲解説
1位 GReeeeN「キセキ」
歴代1位は国内史上唯一の400万ダウンロードを記録しているGReeeeN「キセキ」。真っ直ぐに相手を想う歌詞に綴られたラブソングとなっており、最高視聴率19%を記録した人気ドラマ『ROOKIES』の主題歌として書き下ろされた。その歌詞が強く支持されたことや、ドラマの人気で楽曲の普及が強力に後押しされたことなどから、超特大ヒットを記録した。
しかし、「キセキ」が大ヒットしていた2008年当時はダウンロード売上が楽曲人気指標として過小評価されていた影響から、今でも「キセキ」の偉業が取り上げられる機会はCD売上データが紹介される機会と比べて少ない。
2008年から立ち上がったBillboard JAPAN Hot 100では通算2週1位と2008年の年間1位を記録した。当時の集計対象指標はCD売上とラジオエアプレイ数で、ダウンロードはまだ対象外だったが、ラジオがダウンロードの代わりに楽曲人気を拾い上げたことで「キセキ」の年間1位という文句なしの結果が生まれた。
2位 米津玄師「Lemon」
2位は国内史上最速で300万ダウンロードを突破した米津玄師「Lemon」。本曲は最高視聴率13%を記録した人気ドラマ『アンナチュラル』主題歌に起用された。他界した祖父への想いをベースに「死」をテーマに作られた本曲はドラマの内容ともリンクし、とてつもない支持を獲得した。
300万ダウンロード以上を記録した曲は「キセキ」「Lemon」「そばにいるね」の3曲しかない。参考までに、3曲の認定までの道のりをグラフ化したものが以下の表となる。最速100万は「キセキ」、最速200万は「そばにいるね」、そして最速300万は「Lemon」が記録している。

Billboard JAPAN Hot 100では通算7週1位と2018年の年間1位、2019年の年間1位を記録。Hot 100史上初の2年連続1位を達成した。
上記数々の偉業により、当ブログでも「Lemon」を2010年代のヒット曲10選に選出している。
米津玄師はこの曲以外に「馬と鹿」もミリオンを記録している(26位)。
3位 青山テルマ feat. SoulJa「そばにいるね」
3位は同じく300万ダウンロードを記録した青山テルマ feat. SoulJa「そばにいるね」。この曲は前年に発売されミリオンを記録していたSoulJa「ここにいるよ feat. 青山テルマ」(21位)のアンサーソングとして発売された。遠距離恋愛の切なさを歌う歌詞が支持され、携帯電話のCMソング(NTT DoCoMoの2008年春季キャンペーンソング)も歌詞に共感する層への普及を強力に後押しした。
国内史上初にして史上最速で200万ダウンロードを2008年内に達成し、これを受けて「日本で最も売れたダウンロード・シングル」としてギネス世界記録に認定された。Billboard JAPAN Hot 100では週間1位と2008年の年間2位を獲得。この年の年間1位は上述したとおり「キセキ」である。
4位 GReeeeN「愛唄」
4位は250万ダウンロードを記録したGReeeeN「愛唄」。本曲はGReeeeN初のラブソングとして支持され、メディア出演が一切ないにもかかわらずモバイル等を通じて人気が広がり、ダウンロードを中心に記録ずくめの爆発的な特大ヒットとなった。
当時のダウンロード市場は着うたフル(R)が中心で、市場規模がピークに達しつつある状況の中、2007年6月にミリオン達成第1号となった*2。
GReeeeNは「キセキ」「愛唄」以外にも、「遥か」(18位)、「歩み」(91位)がミリオンを記録している。
5位 星野源「恋」
5位は所要2年3ヶ月で200万ダウンロードを記録した星野源「恋」。この曲は最高視聴率20%を記録した大人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌となり、「恋ダンス」と呼ばれたキャッチーな振り付けや前向きになれる明るい曲調が支持されたことで特大ヒットを記録した。
この曲が発売された2016年にはとっくにダウンロード市場は縮小しており、ミリオンは年に一作出るかどうかという状況だった中で、僅か2年3ヶ月でダブルミリオンを達成したことを考えると「Lemon」同様に偉業が際立つ。
Billboard JAPAN Hot 100では通算11週1位と2016年の年間3位、2017年の年間1位を記録した。
上記数々の偉業を踏まえ、当ブログでも「恋」を「Lemon」同様2010年代のヒット曲10選に選出している。
6位 コブクロ「蕾(つぼみ)」
6位は所要6年9ヶ月で200万ダウンロードを記録したコブクロ「蕾(つぼみ)」。2007年にリリースされた本曲は、メンバーの小渕健太郎が亡き母親へ贈った感動のバラードであったことや、最高視聴率18%を記録したドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』主題歌に起用されたことなどから特大ヒットとなった。
本曲はサウンドスキャン週間シングルチャートで週間1位と2007年の年間4位を記録したほか、2007年の日本レコード大賞を受賞。同賞ではノミネート作品中、2007年末時点でCD・ダウンロード売上ともにトップの成績であり、文句のつけようがない大賞受賞であった。この効果で年末年始に売上を加速させ、2008年1月にミリオンを突破。その後も売上を積み続け、2014年にダブルミリオンに到達した。
なおコブクロは「蕾」の他に、「桜」(42位)、「流星」(50位タイ)、「永遠にともに」(60位)がミリオンを達成している。絢香×コブクロ「WINDING ROAD」(57位)も含めるならば合計5曲となる。
7位 EXILE「Ti Amo」
7位は所要6年11ヶ月で200万ダウンロードを達成したEXILE「Ti Amo」。本曲は松尾潔とJin Nakamuraが手掛けており、女性目線の報われない恋を描いた歌詞の切なさや格調高く歌い上げるATSUSHIとTAKAHIROのボーカルが支持された。
本曲で2008年の日本レコード大賞を受賞。他のノミネート作品には上述の青山テルマ feat. SoulJa「そばにいるね」がおり、単純にセールスを比較すれば「そばにいるね」の方が適任であったと言えるが、EXILEも大賞を受賞しても全くおかしくない大ヒットだったのである。
なおEXILEはこの後日本レコード大賞3連覇を果たすことになるが、2009年の「Someday」は50万ダウンロード、2010年の「I Wish For You」はミリオン(70位)を記録しており、3連覇という結果に何ら不思議はない大活躍を続けていた。2011年は受賞を辞退したが、やはり「Rising Sun」(62位)がミリオンを記録しており、辞退していなければ4連覇していても何の違和感もない。
8位 絢香「三日月」
8位は所要7年4ヶ月で200万ダウンロードを達成した絢香「三日月」。この曲は、絢香がデビューのため上京するにあたっての思いをベースに作成された、遠距離恋愛を歌うラブバラードとなっている。au『LISMO』CMソングというタイアップが付いたことも、歌詞に共感する層への普及を強力に後押しし、特大ヒットとなった。
年末歌番組で注目を浴びる機会も多く、この曲で文句なしの日本レコード大賞の新人賞を受賞したほか、年末の紅白歌合戦でもこの曲を歌唱したことで、年末年始にかけて配信売上が加速した。実は国内史上初の75万ダウンロード突破曲となっており、2006年当時拡大していたダウンロード市場のパイオニアでもあった。
9位 AI「Story」
9位は所要11年4ヶ月で200万ダウンロードを達成したAI「Story」。この曲は大切な人と過ごす時間の大切さを歌う普遍的なバラードナンバーとなっており、圧倒的な歌唱力と相まってTVやラジオ等を通じて口コミで人気が広がり、非常に息の長いセールスとなった。当初ノンタイアップだったが、2010年代に入り英語版が映画『ベイマックス』の日本版主題歌になるなど、その楽曲人気ぶりから定期的に脚光を浴びていたことが発売11年後の200万ダウンロード達成に繋がった。
10位 EXILE「ふたつの唇」
10位以下はミリオン認定曲を認定所要日数が短い順で並べている。筆頭は所要2ヶ月でミリオンを達成したEXILE「ふたつの唇」。本曲は「Ti Amo」に続いて松尾潔とJin Nakamuraが手掛けたウィンターバラードとして顕著な人気を記録した。最高視聴率18%を記録したドラマ『東京DOGS』主題歌に起用されたことも普及を後押しした。
所要2ヵ月でのミリオンがどれほど早いかは、この曲より短い所要日数でミリオン認定を受けた曲がGReeeeN「キセキ」「愛唄」、米津玄師「Lemon」の3曲しかないと言えば良く分かる。
なおEXILEは他にも「もっと強く」(44位)、「Lovers Again」(61位)、「道」(79位)、「銀河鉄道999 feat.VERBAL (m-flo)」(88位)がミリオンを記録している。既述曲と合わせて計8曲がミリオン以上を達成しており、これはダウンロードミリオン認定曲数歴代1位記録である。EXILEは認定総ダウンロード売上も歴代1位となっている。
11位-30位
11位以下もどこかで聴いたことがあるレベルの大ヒット曲が並んでいる。このうち、松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」(11位)、浦島太郎(桐谷健太)「海の声」(16位)、木村カエラ「Butterfly」(22位)はCDシングル化されていない楽曲である。CD売上だけ見ていては、これらのヒットに気づくことはできない。
また、例えCDシングル化されていても、例えばヒルクライム「春夏秋冬」(12位)など、2000年代後半以降にブレイクした歌手ほどCD売上とダウンロード売上に乖離が生じている。CD売上だけ見ていると多くの楽曲の人気を過小評価してしまいかねないので要注意である。「春夏秋冬」は発売から僅か3ヶ月でミリオンを突破しており、歴史的な勢いでヒットしていたのだが、当時はその勢いがなかなか可視化されず、紅白出場も実現しなかった。
13位の西野カナ「会いたくて 会いたくて」は2010年発売曲で唯一年内にミリオン認定を受けた大ヒット曲。2010年はオリコン年間チャートが嵐とAKB48に独占され、オリコンが楽曲人気指標としての役目を終えた年だが、当ブログでは「会いたくて 会いたくて」が2010年の楽曲人気年間1位になっていたと推定している。
西野カナは他にも「君って」(52位)、「トリセツ」(55位)、「if」(56位)、「Best friend」(59位)、「もっと…」(65位)、「Dear...」(66位)とミリオンナンバーを大連発した。
15位のback number「クリスマスソング」は月9ドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』主題歌として大ヒット。Billboard JAPAN Hot 100では、なんと1位常連のKinKi Kidsを2位止まりにする形で週間1位を獲得。一冬でミリオンとなった。近年では完全にクリスマスソングの定番となっており、毎年年末にヒットチャート上位に顔を出すようになっている。
本ランキングは冒頭で述べたとおり、現行基準の認定ボーダーラインごとの認定所要日数でランキング化しているが、2013年までは着うたフルとPC配信で別々の認定がされていたので、当時の曲の一部はより細かなダウンロード数を窺い知ることができる。例えば17位の宇多田ヒカル「Flavor Of Life」は原曲(アップテンポの方)のことで、着うたフルで100万、PC配信で25万認定を受けた。一方大ヒットドラマ『花より男子2』に使われたバラードバージョンは別途着うたフル75万、PC配信10万認定されている。合算すればダブルミリオンとなる。
宇多田ヒカルは他にも「Prisoner Of Love」(14位)、「Beautiful World」(80位)の2曲がミリオンを記録した。
19位のOfficial髭男dism「I LOVE...」は2020年代発売曲では歴代1位のスピードとなる所要167日でミリオンを突破した。なおこの曲はオリコンやビルボードの集計ではミリオンに達していないが、上述のとおり両者はダウンロード市場が縮小してから集計を始めた機関であり、その数字には歴史的権威がないため、「I LOVE...」のダウンロード売上参照先は日本レコード協会一択である。日本レコード協会よりオリコンの数字を信頼する根拠も無い。
なおOfficial髭男dismは「Pretender」(33位)もミリオンを記録している。
20位のLiSA「炎」は2020年10月発売曲だが、今のところミリオン認定を受けた曲の中では最も新しい曲となっている。ダウンロード市場は縮小しており、本曲がリリース順では歴史上最後のダウンロードミリオン達成曲となるかもしれない。なおLiSAは「紅蓮華」もミリオンを突破している(30位)が、この2曲はいずれもアニメ『鬼滅の刃』のタイアップを受けて大人気を博した。
23位のRADWIMPS「前前前世」もCDシングル化されていない曲の一つである。興行収入250億超えの特大ヒット映画『君の名は』主題歌として大ヒットした本曲は、Billboard JAPAN Hot 100で2016年の年間2位となった。なおこの年はビルボードがAKB48の劇場盤の集計を開始した年で、当時は反映率制限を設けていなかったことから、年間1位はAKB48となっている。翌年以降は制限がかけられ、AKB48がCD売上だけで年間1位となることはなくなったことから、制限適用が一年早ければ「前前前世」が年間1位であり、もはや実質的な年間1位と言って差し支えない。
AKB48についてはAKB商法が度々批判されているが、全盛期は握手券が付属していないダウンロード販売でもミリオンセラーを多数輩出しており、28位の「ヘビーローテーション」を筆頭に「恋するフォーチュンクッキー」34位、「フライングゲット」41位、「Everyday、カチューシャ」47位、「Beginner」53位、「ポニーテールとシュシュ」58位となっている。CD売上に惑わされることなく、人気楽曲を抽出できるのはダウンロードチャートの良いところだ。ちなみにミリオン認定数では1位のEXILE(8曲)、2位の西野カナ(7曲)に次いでAKB48が3番手(6曲)となっており、全盛期の凄まじい人気が見て取れる。
24位のSpontania feat. JUJU「君のすべてに」や25位のJUJU「明日がくるなら with JAY'ED」は青山テルマが築いた当時のヒットトレンドであるデュエットナンバーとして大ヒット。JUJUは「君のすべてに」のアンサーソングである「素直になれたら feat. Spontania」(71位)もミリオンヒットさせており、この路線の印象が強いが、単独でも「この夜を止めてよ」(50位タイ)、「やさしさで溢れるように」(92位)をミリオンヒットさせている。ミリオン4曲はGReeeeN、コブクロに並ぶミリオン認定曲数歴代4位タイとなっている。「君のすべてに」も含めれば5曲となる。
2010年に突如登場し大人気を博したK-POPからは、29位にKARA「ミスター」、36位に少女時代「Gee」、63位にKARA「ジャンピン」、77位に少女時代「MR.TAXI」がランクイン。この2組は女性K-POPアイドルグループのの先駆者として日本国内の道を開拓した。もちろん当時のメディアの猛プッシュの恩恵もあってのことではあったが、売上を見ればK-POPの楽曲が当時受容され、支持されていたことに疑いの余地はない。
31位-60位

31位の植村花菜「トイレの神様」は当時紅白で9分弱の楽曲をノーカットで歌いたいと望んだことに対し賛否両論を起こしていたが、「CDがそれほど売れていない」ことを理由にした批判も多かった。少なくともその点についてはダウンロードに目を向けられていなかったという点で明確に誤りであることがわかる。フル配信100万ダウンロード突破曲はそれだけ尺を取ってもおかしくない大ヒット曲である。
32位のB'z「イチブトゼンブ」はドラマ『ブザー・ビート』主題歌として大ヒット。Billboard JAPAN Hot 100では2009年の年間1位となった。当時のBillboard JAPANはダウンロード売上を集計しておらず、CD売上とラジオエアプレイが集計対象指標であったが、この曲はCD売上だけでも年間TOP10入りを果たしていることから、納得できる結果である。
35位のキマグレン「LIFE」はCDとダウンロードで売れ行きの乖離が凄まじく、CD売上では年間TOP100圏外だがダウンロードミリオンを記録。楽曲人気を過小評価しないよう注意したい。なおBillboard JAPAN Hot 100では2008年の年間4位を記録した。上述のB'zでも言えるが、ラジオエアプレイは侮れないヒット指標だ。
37位のSEAMO「マタアイマショウ」は発売直後は目立ったセールスとはならなかったが徐々に口コミで評判が広まっていく形でロングヒットし、ミリオンを達成。同時期にはmihimaru GT「気分上々↑↑」(84位)やDJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」(86位)も発売され、やはりロングヒットでミリオンを突破しており、2006年の音楽シーンを賑やかにしていた。
38位のテイラー・スウィフト「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」は、国外アーティストの楽曲では最高順位を記録。『テラスハウス』の主題歌にも起用されるなど大ヒットした。他の国外アーティストの楽曲では、レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」が49位、カーリー・レイ・ジェプセン「CALL ME MAYBE」が73位、シェネル「ビリーヴ」が75位を記録している。
39位の秦基博「ひまわりの約束」はアニメ映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌。映画は興行収入83億円を記録するヒット作となったが、主題歌である本曲も歌声や歌詞が温かい愛情で溢れており、映画の感動を増幅させたことでミリオンを突破する大ヒットとなった。
40位の斉藤和義「やさしくなりたい」は最高視聴率40%を記録した歴史的人気ドラマ『家政婦のミタ』主題歌。再起を図りたいと歌う楽曲内容はドラマの内容ともリンクしており絶大なタイアップ効果を増幅させ、ミリオンを突破する大ヒットとなった。
42位のいきものがかり「ありがとう」はNHK朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』主題歌として大ヒットし、ミリオンを突破した。なおいきものがかりはNHK合唱コンクール課題曲のタイアップが付いた「YELL」もミリオンを突破している(67位)が、このタイアップではアンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」もミリオンを達成しており(82位)、NHKのタイアップ効果は大きかった。
45位の三代目 J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」は発売年の2014年末時点での認定は25万ダウンロードとそこそこのヒットだったが、年末に2014年の日本レコード大賞を受賞、年末特番でも歌いまくった結果、2015年に入り人気が爆発し、Billboard JAPAN Hot 100では2015年の年間1位となった。「ランニングマン」のダンスが話題となったこともヒットを後押しする大きな要因となった。
46位のKing Gnu「白日」はドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』主題歌。洗練されたサウンドやボーカル井口理のファルセットに耳を奪われた人が続出し大ヒットした。
48位の薫と友樹、たまにムック。「マル・マル・モリ・モリ!」は、人気子役の鈴木福と芦田愛菜が出演していたドラマ『マルモのおきて』内の役名で発売した楽曲である。その子供らしい素朴な歌唱や可愛らしい振り付けが話題となったことや、ドラマが最高視聴率23%を記録する右肩上がりの人気となったことなどからミリオンを突破する大ヒットとなった。当時小学生のユニットによるミリオン達成は本曲が史上唯一である。
54位の坂本冬美「また君に恋してる」はビリー・バンバンの同名曲のカバー。演歌唯一のミリオンとなっている。この曲は当初『アジアの海賊』のc/w曲であったが、人気が出るにつれて特に曲順を変えていないにもかかわらずCDタイトルの表記も『また君に恋してる/アジアの海賊』と変更された。
61位-97位

64位のSuperfly「愛をこめて花束を」はミリオンだけでなくMV1億再生も突破しているが、2000年代発売曲でこれを達成した曲は他にスキマスイッチ「奏 (かなで)」等数曲しかない。「奏 (かなで)」もミリオンを突破しており(85位)、この2曲は突出して長きに渡り楽曲人気を維持していると言える。
68位の加藤ミリヤ×清水翔太「Love Forever」は当時のトレンドであるデュエットナンバーだが、既に実績を積んでいた両者による豪華なコラボだったこともあり、大きな支持を受け大ヒットした。Billboard JAPAN Hot 100では週間1位も獲得。楽曲は4つ打ちで構成されており、当時の加藤ミリヤの音楽性が反映されている。
69位の高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」はアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のテーマとしてカラオケで長年上位に居座る人気曲だが、その人気を裏付けるようにミリオンを記録している。
74位の羞恥心「羞恥心」はバラエティ番組『クイズ!ヘキサゴンII』から誕生した、上地雄輔、つるの剛士、野久保直樹による3人組期間限定ユニットのデビューシングルである。当時の番組人気が絶大だったこともあり大きな話題性を獲得した本曲はミリオンを突破する大ヒットとなった。
76位のmiwa「ヒカリヘ」は2012年のヒット曲を語るうえでは外せない一曲である。2012年発売曲でミリオンを達成した曲は4曲しかないが、他の3曲は何れも上記で示した国外アーティストの楽曲であり、日本語曲に限って言えば「ヒカリヘ」がこの年を代表する大ヒット曲と言える。
78位のYUI「CHE.R.RY」はau『LISMO』のCMソングに起用されたポップでキュートなラブソングとして大ヒット。当時のYUIにとっては新しい路線の楽曲だったが、時代を的確に反映した歌詞が大きな共感を生み出し、自身最大のヒット曲となるまでに至った。
81位のAqua Timez「千の夜をこえて」は人気アニメ『BLEACH』の映画主題歌として大ヒットし、メジャーデビュー曲「決意の朝に」の75万ダウンロードを上回る自己最高セールスを記録。Aqua Timezはドラマ『ごくせん』の主題歌として親しまれた「虹」もミリオン(93位)を記録しており、2000年代後半にヒット曲を連発していた。
83位の倖田來未「愛のうた」は倖田來未の歌唱表現力が存分に活かされたストレートなラブバラードとして大ヒット。CDシングル売上は4曲A面シングルだった前作『FREAKY』から減少していたが、ダウンロードで突き抜けた売上となり、文句なしで自身最大のヒット曲と言える地位を樹立した。
85位のAKINO「創聖のアクエリオン」は同名テレビアニメの主題歌として発売当初より人気だったが、発売から2年経過した2007年にSANKYO『CRフィーバー創聖のアクエリオン』のCMソングに起用されたことで人気が本格化し、2014年にミリオンとなった。CDシングルだと一定時間経過すると店頭からなくなってしまうので、発売から間をおいて人気が出た曲がCD売上では捕捉しにくいが、店頭面積の制限がないダウンロード市場では発売年関係なく人気曲が売れる。
89位のMISIA「逢いたくていま」はMISIAにとって自身唯一のフル配信ダウンロードミリオン達成曲である。この曲は最高視聴率25%を記録したドラマ『JIN-仁-』の主題歌に起用されたことで人気が広がった。
90位の福山雅治「家族になろうよ」も自身にとって唯一のダウンロードミリオン達成曲である。本曲はリクルート結婚情報誌『ゼクシィ』CMソングにも起用されたウェディングソングとして人気が定着した。
94位の大塚愛「プラネタリウム」も自身唯一のミリオン達成曲。大塚愛は「さくらんぼ」が代表曲として扱われることが多いが、実際には「プラネタリウム」が自身最大人気曲となっている。
95位の中島美嘉「雪の華」は2003年に発売された楽曲としては唯一のダウンロードミリオンを達成している。発売当時はノンタイアップだったが、美しいメロディーと歌声で奏でられた極上のウィンターラブバラードとして絶大な支持が長期に渡り継続している。中島美嘉は他にも「ORION」(72位)がミリオンを記録している。
96位の中島みゆき「糸」はカラオケの人気曲であるが、配信開始となった2002年から16年でミリオンを記録した。10万~75万認定をすっ飛ばしていきなりミリオン認定だったので推移は読めないが、2013年代に入ってからカラオケの定番と化したことから、その時期から本格的にダウンロード数を伸ばしたものと思われる。
そして97位のスピッツ「チェリー」も同様に長きに渡り愛されている定番楽曲となっている。本曲がCDシングルとして発売されたのは1996年だが、ダウンロードでは2006年3月にリリースされ、それから19年4ヶ月後の2025年6月にミリオンを達成した。100万ダウンロード到達スロー記録ランキングでは歴代1位となる。また、本曲はCDミリオン、フル配信ダウンロードミリオン、MV1億再生、ストリーミング1億再生すべてを達成した国内史上初の楽曲となった。
98位以下のミリオン予備群
98位以下には75万ダウンロードを最高認定とする楽曲が合計72曲、認定所要日数順で並んでいる。これらは将来的なミリオン到達が期待される楽曲群でもあり、認定所要日数の早い上位曲ほどその期待が高い。
98 「Darling」 西野 カナ
99 「まちがいさがし」 菅田 将暉
100 「ハピネス」 AI
101 「Flavor Of Life -Ballad Version-」 宇多田 ヒカル
102 「SUN」 星野 源
103 「Hero」 安室 奈美恵
104 「マリーゴールド」 あいみょん
105 「好きだよ。~100回の後悔~」 ソナーポケット
106 「ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~」 DREAMS COME TRUE
107 「Aitai」 加藤 ミリヤ
108 「たとえ どんなに…」 西野 カナ
109 「なんでもないや」 RADWIMPS
110 「ベイビー・アイラブユー(English Ver.)」 シェネル
111 「シェイク・イット・オフ」 テイラー・スウィフト
112 「にじいろ」 絢香
113 「夜に駆ける」 YOASOBI
114 「LOSER」 米津玄師
115 「アイノカタチ feat. HIDE (GReeeeN)」 MISIA
116 「花火」 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
117 「100万回の「I love you」」 Rake
118 「ベイビー・アイラブユー」 TEE
119 「花束を君に」 宇多田 ヒカル
120 「365日の紙飛行機」 AKB48
121 「大丈夫」 ヒルクライム
122 「タカラモノ~この声がなくなるまで~」 ナオト・インティライミ
123 「ずっと好きだった」 斉藤 和義
124 「Share The World」 東方神起
125 「じょいふる」 いきものがかり
126 「キミに歌ったラブソング」 Lil'B
127 「最愛」 KOH+
128 「Moon Crying」 倖田 來未
129 「HOME」 清水 翔太
130 「U.S.A.」 DA PUMP
131 「home」 木山 裕策
132 「おかえり」 絢香
133 「I Believe」 EXILE
134 「LIFE」 中島 美嘉
135 「Lifetime Respect -女編-」 RSP
136 「イケナイ太陽」 ORANGE RANGE
137 「PEACH」 大塚 愛
138 「ピースサイン」 米津玄師
139 「赤い糸」 コブクロ
140 「ガールフレンド」 アヴリル・ラヴィーン
141 「刹那」 GReeeeN
142 「タマシイレボリューション」 Superfly
143 「ブルーバード」 いきものがかり
144 「会いたかった」 AKB48
145 「高嶺の花子さん」 back number
146 「決意の朝に」 Aqua Timez
147 「Precious」 伊藤 由奈
148 「I believe」 絢香
149 「ただ・・・逢いたくて」 EXILE
150 「ENDLESS STORY」 伊藤 由奈
151 「花束」 back number
152 「ここにしか咲かない花」 コブクロ
153 「何度でも」 DREAMS COME TRUE
154 「Missing」 久保田 利伸
155 「魂のルフラン」 高橋 洋子
156 「M」 PRINCESS PRINCESS
157 「たしかなこと」 小田 和正
158 「Baby Don't Cry」 安室 奈美恵
159 「タイヨウのうた」 Kaoru Amane
160 「SAKURA」 いきものがかり
161 「GLAMOROUS SKY」 中島 美嘉
162 「花」 ORANGE RANGE
163 「君の知らない物語」 supercell
164 「ライオン」 May'n / 中島 愛
165 「大阪LOVER」 DREAMS COME TRUE
166 「secret base ~君がくれたもの~」 ZONE
167 「君に会いたくなるから」 西野 カナ
168 「空も飛べるはず」 スピッツ
169 「Get Wild」 TM NETWORK
発売年別ダウンロードランキング
上記で紹介した楽曲を含む高ダウンロード売上曲を発売年別に振り分けたランキングも作成し、下記リンク先の記事に載せている。
2017年以降はBillboard JAPAN年間チャートを参照して各年のヒット曲を振り返っている。
まとめ
このランキング作成作業は発見の連続だった。なにせ2000年代後半~2010年代前半はリアルタイムで数字を出していたダウンロードチャートがなかったので、CD売上チャートだけ見ても実人気との乖離を感じていたのだが、その違和感がことごとく解消された。「この曲、あまりCD売れてない割に流行ってる感すごいな…」と思っていた曲が軒並みここにいた。とにかく2000年代~2010年代の人気曲を知りたいならCD売上だけではなくダウンロード売上データをチェックすることは必須だ。
特に2000年代後半~2010年代前半はAKB嵐EXILEしかいない時代などと言われることも多いが、見てのとおり全くそんなことはなく、フル配信ダウンロードミリオンを記録した多様な大ヒット曲によって彩られた時代だったのである。以下当ブログ別記事『ダウンロード売上では分からない2006年以降のヒット曲』も併せて参照すれば、2006年以降のヒット曲はほぼ押さえることができると言って良い。
なお、楽曲人気だけでなくアーティスト人気に関してもダウンロード売上から導くことが可能であり、以下当ブログ別記事『歴代アーティスト・トータル・ダウンロード売上ランキング』でまとめている。
ダウンロード売上データは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。自分の好きな曲がどれだけダウンロードされているのか、検索してみるのも楽しいかもしれない。
*1:ただし、このニュースリリースは、昔の曲で着うたフルのみで200万となった曲を含めていない点に注意。それも含めれば、最速200万は青山テルマ feat.SoulJa「そばにいるね」となる。
*2:『2007年上半期最も成功した新人アーティストGReeeeN 大ヒット曲『愛唄』が史上初「着うたフル®」100万ダウンロード達成 「着うた®」関連を含む配信ダウンロード総数は300万突破 - UNIVERSAL MUSIC JAPAN』より。なお、「着うたフル(R)」と「PC配信」の合算では宇多田ヒカル「Flavor Of Life」も同じタイミングでミリオンを達成している