Billion Hits!

配信ダウンロード売上、MV再生数、Billboard JAPANランキングなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

miwaの配信ダウンロード売上ランキング

miwaは2010年に「don't cry anymore」でメジャーデビューした女性シンガーソングライター。すぐにブレイクを果たし、2010年代に渡りヒット曲を大量輩出した。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は12曲で、認定総ダウンロード売上は260万(歴代43位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、miwaのヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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上表を発売日順に並べたダウンロード売上データは以下のとおり。

 

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デビュー~2012年上半期

 

miwaは学生の頃より音楽活動を始めており、19歳だった2010年3月に1stシングル「don't cry anymore」を発売してメジャーデビューを果たした。デビューにあたっての決意を歌ったこの曲は、ギターサウンドや芯の強い歌声がインパクトを与える仕上がりになっていた。最高視聴率14.9%を記録したドラマ「泣かないと決めた日」の主題歌というデビュー作にしていきなり強力なタイアップも付いたことで本曲は25万ダウンロードを記録。デビュー作でブレイクするという幸先の良い滑り出しを見せた。


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凛とした佇まいでギターを抱えながら歌う女性シンガーソングライターというイメージは、先に同じレーベルでブレイクしていたYUIを彷彿とさせるものであった。同年9月に発売した3rdシングル「chAngE」もそのイメージを踏襲したロックナンバーになっており、人気アニメ「BLEACH」主題歌のタイアップが付いたこともあってこちらも10万ダウンロードを売り上げるヒットを飛ばした。しかしmiwaは決してそのイメージだけには留まらない多彩な楽曲を次々と生み出していく。

 

同年11月には4thシングル「オトシモノ」を配信。本曲は自身初のミディアムバラードナンバーに仕上がっており、メロディーラインや地に足のついた歌唱が支持され10万ダウンロードを記録した。最高視聴率16.0%を記録したドラマ「獣医ドリトル」の主題歌としても普及した。

 

2012年2月には8thシングル「片想い」はシングルでは「オトシモノ」以来となるバラードナンバーだが、こちらはピアノサウンドが印象的な仕上がり。タイトルのとおり片想いの心情を描いた歌詞も共感を呼び、10万ダウンロードを記録した。


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2012年下半期~2014年

 

2012年8月には自身最大の大ヒット曲が誕生した。9thシングル表題曲として発売された「ヒカリヘ」である。8thシングルまではギターポップスをメインの曲調としていたmiwaだが、今作では新たな路線と言える四つ打ちエレクトロダンスナンバーに仕上がっており、キュートな浮遊感のあるサウンドが聴きどころになっている。最高視聴率15.8%を記録したドラマ「リッチマン、プアウーマン」主題歌にも起用された本曲は、ドラマを通じて前向きになれる歌詞も支持を広げていき、累計売上は配信ミリオンを突破した。

 

配信売上推移は以下のとおりである。

 

  • 配信1ヶ月で10万ダウンロード突破
  • 配信3ヶ月後の2012年11月に20万ダウンロード突破
  • 配信11ヶ月後の2013年7月に35万ダウンロード突破
  • 配信1年6ヶ月後の2014年2月に75万ダウンロード突破
  • 配信5年11ヶ月後の2018年7月に配信ミリオン達成
     

2012年発売曲で2012年内認定ダウンロード数20万は「ヒカリヘ」を含め9曲しか達成していない。そして2012年発売曲でフル配信ダウンロードミリオンを突破した曲は「ヒカリヘ」、テイラー・スウィフト私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」、カーリー・レイ・ジェプセン「Call Me Maybe」、シェネル「ビリーヴ」4曲しかない日本人アーティストの楽曲では「ヒカリヘ」が唯一となる。まさに2012年を代表する大ヒット曲と言って良かった。

 

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それにも拘わらず、2012年当時はダウンロード売上が楽曲人気指標として不適切に軽視され、楽曲人気指標として全く機能していないCD売上データばかりが注目されていたため、「ヒカリヘ」の大人気には十分にスポットライトが当たらなかった。そのため、2012年末のMステスーパーライブや紅白歌合戦に出場することも叶わなかった。

 

2012年は配信ミリオン達成曲数が大きく落ち込んだ大ヒット曲不作の年であった。そのような中で「ヒカリヘ」の需要は間違いなく高まっていたが、当時はAKB48や嵐による過度な独占が続くCD売上チャートばかりが最前面で提示されていた。消費者の潜在需要と音楽業界の供給内容に乖離が生じていたのである。

 

「ヒカリヘ」のCD売上は8万枚で、これは一応自己最高記録であったが、各種商法でCDを大量販売する特定アーティストによる独占状態となっていたCD売上チャートにおいて目立つことができる数字ではなかった。楽曲を聴く手段がCD購入から配信ダウンロード購入に移行する市場環境の中では、楽曲人気だけでCD売上チャート上位へ進出することは不可能な構造になっていたのである。

 

こうしたランキングへの違和感は抱きつつも、この不適切な構造に気づいている消費者は多くなかったため、年末歌番組の歌唱曲に「ヒカリヘ」が選ばれなかったことに対する異論の声は大きくならなかった。当時本曲が脚光を十分に浴びることができなかったことは音楽業界にとって大きな機会損失であったと言う他ない。当時楽曲人気ランキングを作成し人気曲の需要を最大化しようとしなかった音楽業界及び音楽チャート作成者の責任は重大である。

 

なお「ヒカリヘ」を収録した3rdオリジナルアルバム「Delight」は2013年5月に発売され、自身最大ヒットとなるCD売上12万枚を記録した。このヒットはCD売上しか集計しないオリコンでも可視化することができた。そのためか、2013年になって初めてmiwaは紅白歌合戦に出場。1年遅れで「ヒカリヘ」を披露することが叶った。「ヒカリヘ」はタイムリーな大人気の捕捉こそ十分にされなかったものの、こうした形で遅れてスポットを浴びる機会はこの先も多いと思われる。今からでもこの曲の大ヒットを確実に認知しておきたい。


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2013年の紅白歌唱曲は2012年発売曲の「ヒカリヘ」となったmiwaだが、2013年にも新しいヒット曲をしっかり輩出している。アルバム「Delight」の先行シングルとして2013年4月に発売された「ミラクル」である。本曲は爽やかな夏うただが、楽しい夏への期待を描いた歌詞は夏が来る前に聴くのに適している。資生堂SEA BREEZEのCMソングとしても普及した本曲は25万ダウンロードを突破するヒットとなった。


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2014年6月に配信された14thシングル「君に出会えたから」もこの路線を踏襲する夏うたである。「ミラクル」が好評だったこともあってかmiwaの楽曲としては2年連続となる資生堂SEA BREEZEのCMソングに起用され、10万ダウンロードを突破する人気の広がりを見せた。

 

2015年以降

 

2015年のmiwaはヒット曲を3曲も輩出しており、引き続き多くの人気を獲得していた。2月に発売された17thシングル「360° 」10万ダウンロードを記録。本曲は興行収入39億円を記録した映画「ドラえもん のび太の宇宙英雄記」の主題歌に起用され、このタイアップに沿って制作されたポップナンバーとなっている。

 

続いて8月に発売された18thシングルの1曲目「夜空。feat.ハジ→」は、自身初めて他アーティストをフィーチャーし制作された、失恋を歌うバラードナンバー。印象的な二人の歌声とメロディーが泣けるとして、ノンタイアップでありながら口コミで広まり、25万ダウンロードを記録するほどのヒットとなった。


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更に11月には19thシングル「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」を発売。本曲は最高視聴率12.6%を記録したドラマ「コウノドリ」第1シリーズの主題歌として書き下ろされたバラードナンバー。産婦人科医療をテーマにしたドラマに沿う形で歌詞は新しい命に巡り会えたことの喜びや尊さが表現されている。優しいメロディーやmiwaの伸びやかな歌声も相まって支持された本曲は25万ダウンロードを突破する人気曲となった。

 

その後は暫くヒットシーンから遠ざかるが、2018年には7月に発売した自身初のベストアルバム「miwa THE BEST」を区切りとして、なんとそれまでのトレードマークであった前髪パッツンロングヘアーをバッサリカットしイメージチェンジを敢行。2019年8月に発売されたベスト盤後初のCDシングル表題曲「リブート」は久々にギターを軸としたロックサウンドが展開されており、ショートヘアとともに強いインパクトを与えたことで久々に10万ダウンロードを突破するヒットとなった。本曲は最高視聴率10.8%を記録したドラマ「凪のお暇」主題歌としても親しまれた。

 

その後も結婚や出産などプライベートで大きな慶事を経験しながらも継続的な創作活動が続いており、「リブート」以降の楽曲をまとめたオリジナルアルバムの発売が待たれる状況となっている。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおりmiwaは音楽チャートが楽曲人気指標として機能不全を起こしていた2010年代前半~2010年中盤にかけてヒット曲を大量輩出しており、この時期のヒットシーンを彩ったアーティストとして扱われて然るべき活躍を残していた。ダウンロード売上データはその人気の証拠であり、配信指標で人気を計る手法が確立した今こそ人気再評価の流れが進むことを期待したい。

 

この記事で紹介したダウンロードデータは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp