2000年代以降に流行した曲を知るためには、CD売上データだけでなく、日本レコード協会が認定しているダウンロード売上のチェックが必須であることは、以下の記事「歴代配信ダウンロード売上ランキング」で述べたとおりである。
2010年代中盤以降は、YouTubeをはじめとしたストリーミングサービスが普及したことにより、ストリーミング再生数のデータもチェックしないと流行は分からなくなったが、それまでは着うたフルにより楽曲を配信するサービスがピークを迎えていたので、ほとんどの流行歌はダウンロード売上ランキングを確認して押さえることが可能である。
特に日本レコード協会が配信認定を始めた2006年以降の人気曲はダウンロード売上をメインにチェックすれば大半を押さえることができる。2005年までは、CD売上をメインに参照しつつ、ダウンロード売上を補足的に参照していくのが良いだろう。
ただし、2006年以降のヒット曲も、一部の曲はダウンロード売上で人気を把握することができない。主な理由は以下のとおりである。
また、上記の理由に当てはまるアーティストは、大きく4つの勢力にまとめることができる。以下にて勢力ごとに説明していく。
SMILE-UP.(STARTO ENTERTAINMENT)勢
芸能事務所SMILE-UP.所属アーティスト(大半のアーティストは2024年よりSTARTO ENTERTAINMENTへ移籍)はデジタル市場への音源解禁をほとんど行っていない。嵐が2019年秋に突如多くの主要曲をデジタル市場に全面解放したことが驚きを以て受け止められたほどである。
嵐の場合はこの配信解禁により楽曲人気指標として使用可能なストリーミング再生回数やMV再生回数のデータが積み上がったことで楽曲人気把握が可能となった。詳しくは以下記事にまとめている。
しかし嵐以外のアーティストは今でもほとんどデジタル未解禁のままで、CD限定販売という手法を続けている。以下記事で説明しているとおり、CDシングル売上は2011年以降楽曲人気指標として機能していないので、SMILE-UP.勢の人気曲を定量的に把握することは大変困難な状況に陥っている。
とはいえそれでは話が終わってしまうので、可能な限りSMILE-UP.勢の人気曲を抽出することを試みる。2011年以降の楽曲の人気に関しては以下別記事で整理した。(なお、2023年に顕在化した事務所創業者ジャニー喜多川氏による性加害問題を受けた当ブログの対応方針の説明も以下記事に譲る。)
別記事で整理した嵐の楽曲を除いた2006年から2010年までの楽曲*1に関しては素直にCD売上を参照し、売上規模で分類してみた。結果は以下のとおり。
CD売上100万以上
- KAT-TUN「Real Face」
該当期間中、SMILE-UP.勢が出したCDミリオンはこの1曲。この曲は上記歴代配信ダウンロード売上ランキングにおいて言及した配信ミリオン96曲と同列のヒットとして扱える(複数種販売などの個別具体的な販売手法に言及すると話が複雑になるのでここでは考慮しない)。
CD売上50万以上
大ヒット曲としてはミリオン1曲を押さえるだけで十分なのだが、CD売上50万以上の中ヒット曲も多くはないので、余裕があれば押さえておきたい。
CD売上25万以上
対象作品多数であることから、ここでは25万枚以上のCDセールスを一度でも記録したことがあるアーティスト(ここまでで既に言及したアーティストは除く)と、そのアーティストの対象期間中の最大売上曲を1曲ピックアップする。
- TOKIO「宙船(そらふね)」
- SMAP「Dear WOMAN」
- 関ジャニ∞「無責任ヒーロー」
- NEWS「weeeek」
- Hey! Say! JUMP「Ultra Music Power」
- KinKi Kids「SNOW! SNOW! SNOW!」
- タッキー&翼「Venus」
トイズファクトリー勢
SMILE-UP.の陰に隠れがちではあるが、レコード会社トイズファクトリー所属アーティストも、当時は楽曲の配信リリースに消極的な姿勢を取っていた。SMILE-UP.同様一切解禁しようとしなかったり、解禁したとしてもCD発売から数年が経過してから、という手法をよく取っていた。
また、解禁後にダウンロード売上を積み上げたとしても、日本レコード協会への認定申請をしていないと思しきケースも見られている。トイズファクトリーは2012年末まで日本レコード協会に非加盟で、2013年より賛助会員となっており、今なら過去曲も含めて申請可能なはずだが、上記背景が何らかの影響を及ぼしているのかもしれない。
このため、トイズファクトリー勢のヒット曲はダウンロード売上からは読み取ることができない。代表的なアーティストを以下に示す。
Mr.Children
以下個別記事で解説している。
ケツメイシ
ケツメイシのダウンロード売上ランキングは以下のとおりである。
ケツメイシは2000年代前半からヒットを飛ばし続けていたが、ダウンロード認定を受けている曲は不自然に2012年以降に発売された曲のみとなっている。勘の良い人は気づくと思うが、これらの曲はすべてavexに移籍して以降に発表された曲である。ケツメイシはトイズファクトリー時代に着うたフルやiTunesで楽曲を配信することはしなかった。
そこでケツメイシの場合もまずはシングルCD売上を参照してみる。2006年以降に発売されたシングルCDでは、「旅人」が唯一25万枚超えとなる34万枚を売り上げている。本曲を収録したアルバム『ケツノポリス5』も70万枚を売り上げ、年間でも2007年の8位に入った。
ただ、ケツメイシの場合もCD売上だけではヒットを把握するのに十分ではなく、やはりMV再生回数でヒットの情報を補うことができる。ケツメイシは一部の曲しかMVを公開していないが、MV再生回数自身1位は「友よ~この先もずっと・・・」であり、MV1.2億再生を突破している。この曲は自己最高の25万ダウンロード認定を受けているが、それよりも大きなヒットの規模感が得られる。この曲はMVに出演しているダチョウ倶楽部の上島竜兵の訃報があった2022年に多くのリスナーの故人への哀悼の想いが反映される形で大きく再生回数を伸ばした。
続くMV再生回数自身2位は「バラード」で、こちらも1.2億再生を突破している。この曲のCD売上は4万程度であり、CD売上だけ見ていては気づくことができない人気である。冒頭でも述べたが、2010年代後半になるとストリーミングやMVが音楽を聴く方法の主流となっており、ケツメイシの楽曲人気もそれらの指標で可視化されている。
BUMP OF CHICKEN
BUMP OF CHICKENのダウンロード売上ランキングは以下のとおりである。
見てのとおり、「リボン」が自己最高の25万ダウンロード認定を受けているに留まっている。
BUMP OF CHICKENはケツメイシのように途中で移籍したわけではないが、やはり不自然に直近の楽曲しか認定を受けていない。バンプの場合はCD発売から時間をおいて着うたフル・iTunes解禁するようにしていた。ただ、「天体観測」のような時代を超えた人気曲であれば時間差解禁後も徐々にダウンロード売上を積み重ねていると思われ、そのような曲が10万ダウンロードに達していないのは不自然である。ミスチル同様、トイズファクトリーが協会非加盟だった2012年以前の曲が認定申請できない状況になっている可能性がある。
そのためやはり他指標のデータを参照して人気曲を把握することになる。2006年以降に発売されたCDシングルを対象に売上を分類した結果は以下のとおり。
- 25万以上:『supernova/カルマ』「涙のふるさと」「花の名」「メーデー」「ゼロ」
このうち『supernova/カルマ』はほぼ50万枚に近い49万枚を売り上げ、年間でも2006年の9位を獲得した。両曲を収録した収録アルバム『orbital period』も68万枚を売り上げており、Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2008年の10位に入っている。「カルマ」はMV4,000万再生を突破している。
続いて、MV・ストリーミング再生回数に目を向ける。自身1位は「天体観測」で、MV1.3億再生、ストリーミング1億再生を突破している。BUMP OF CHICKENはCDシングル・アルバムともにミリオンセラー未達成なのだが、現在に至る人気を考えると意外であり、これはちょうどCDから配信への移行期にブレイクが重なったという時代的な不運によるものも大きいと思われる。MV・ストリーミング1億達成により晴れて名誉ある大ヒットの称号を手にすることとなった。
ゆず
ゆずのダウンロード売上ランキングは以下のとおりである。
見てのとおり、「雨のちハレルヤ」が自己最高の25万ダウンロード認定を受けているに留まっている。
やはり2000年代の楽曲がない。ゆずは当初ダウンロード販売に消極的で、iTunesに全楽曲を解放したのは2011年であったことも影響しているが、一方で、「栄光の架橋」のように2010年代前半にリバイバルヒットしてダウンロードを積み重ねたと思われる曲が認定されていないことは違和感である。やはりトイズファクトリーが協会非加盟だった2012年以前の楽曲は認定申請できない何らかの事情があるのだろうか。
「栄光の架橋」については震災を受けて応援歌としても使われる場面が増えたこともあり、レコチョク年間ダウンロードランキングで2011年以降7年連続TOP100入りしており、普通に認定を受けていれば相当なダウンロード売上になっていると思われる。
さらに勿体ないことに本曲はMVもYouTubeにアップロードされていない状況が長らく続いていたのだが、2020年4月になってついに公開され、そこからの積み上げでMV4,000万再生を突破している。このMVやストリーミングで今後再生回数が積み上がっていけば、この曲の大人気もデータで可視化されるようになるかもしれない。今後の推移に注目である。
2010年代以降の曲は早くからYouTubeにMVがアップロードされていたケースが多いので、再生回数を見ていくと、自身1位はアニメ『HUNTER×HUNTER』主題歌「表裏一体」で、MV7,000万回再生を突破している。2位は「友~旅立ちの時~」でMV4,000万回。この上位曲はダウンロード売上ランキングとは全く異なる様相である。異なる媒体で異なる曲が支持されているということは、それだけ支持層の裾野が広いということが言えるだろう。
湘南乃風
湘南乃風のダウンロード売上ランキングは以下のとおりである。
認定曲は2014年のヒット曲「パズル」のみ。「え、この1曲だけ?」という違和感を抱いて当然の状況となっている。湘南乃風も発売から時間をおいて着うたフル・iTunes解禁するようにしていたほか、配信したとしてもdwangoなど一部サービスに限定して展開していた。
湘南乃風の代表曲は2006年に発売された「純恋歌」。ストレートな歌詞のラブソングが口コミで広がり、ノンタイアップながらCD50万枚を記録。また、着うたフルは当時未解禁だったが、楽曲の切り売りである着うたは解禁されており、レコチョク2006年着うた年間1位となった*2。他にもMV5,000万再生、ストリーミング5,000万再生も突破しており、ダウンロード以外の指標では漏れなくその人気が可視化されている。
以上のとおり「純恋歌」が総合的に見て自身最大人気曲であることに疑いの余地はないが、再生回数に関しては「睡蓮花」が自身最多となるMV6,000万再生、ストリーミング5,000万再生を記録している。「睡蓮花」のCD売上は10万枚だが、これだけでは本曲のヒット規模を過小評価してしまうので要注意だ。本曲はカラオケで最もカロリーを消費する夏うたとして定番化しており、長く歌われ続けていることが再生回数の伸びに繋がっているものと思われる。
インディーズ勢
日本レコード協会はその名の通り日本のレコード会社によって構成されている一般社団法人だが、協会に加盟していない独立系レーベル、いわゆるインディーズから発売された楽曲については、日本レコード協会のダウンロード売上認定の対象外となっている。ここでは特に人気の捕捉が難しい以下の2曲をピックアップする。
ゴールデンボンバー「女々しくて」
「女々しくて」は言わずと知れたゴールデンボンバーの代表曲。発売は2009年だが2011年に替え歌「眠たくて」がCMに起用されたことをきっかけに、Mステ出演などを通じて知名度が徐々に広がっていき、オリコンカラオケランキング51週連続1位を記録するなど長く愛されている人気曲である。
この曲はレコチョクダウンロードランキングにおいてAKB48「恋するフォーチュンクッキー」を抑えて2013年の年間1位を記録していることから、相当なダウンロード売上になっているはずだが、前述の理由から認定対象外となっている。切り売りの着うたも含めれば100万ダウンロードを突破したという報道もあったが、フル配信だけのダウンロード売上は不明だ。当時数字を出しているダウンロードチャートが日本に存在しなかったのは非常に痛い。
切り売りの着うたの合計ダウンロード売上では、楽曲のどの部分が支持されたのかが分からないうえ、楽曲の一部分のみが支持されているに過ぎない可能性もあるので、一概に人気指標として使うことができない。CD売上で人気をつかめる時代でもなくなっている。上記で挙げたカラオケ連続1位記録は偉業ではあるが、順位記録であるため相対評価の域を出ない。
となればやはりMV再生回数をチェックすることになるのだが、ここでも勿体ない事態が起きている。なんと非公式にアップロードされたMVの再生回数が公式のそれを上回っており、なおかつ両者で再生回数が分散してしまっているのである。この現象についてゴールデンボンバー本人は取り締まるつもりがないようで、この状況は今後も放置される可能性が高い。
非公式動画は5,000万回視聴を突破している。公式動画はMV1,600万再生を突破していたのだが、2020年3月に公式チャンネルの移行に伴い一度削除され、新チャンネルから改めてアップロードし直されている。MV再生回数はそのときに一度リセットされ、現在の公式MVはそこからの積み上げでMV1,700万再生を突破しているという状況である。
最初から一本の公式動画にMV再生回数が集約されていれば1億再生も狙えたであろう。大変惜しい。
HY「366日」
「366日」は2008年に発売されたHY5枚目のオリジナルアルバム『HeartY』収録曲。ドラマ『赤い糸』主題歌に起用されたことなどから人気となり、カラオケの定番として長く愛されている。現在も人気は持続しており、2018年に上白石萌歌がCMでカバーしたことも話題となったことなどから、なんとBillboard JAPAN Streaming Songsでは2019年の79位にランクインしている。
HYは基本的にシングルCDを発売しないので、この曲もシングルCD売上としての記録は残っていない。アルバム『HeartY』の売上は46万枚だが、この数字は「366日」のヒット規模を表すには過小評価であろう。例によって切り売りの着うたも含めたダウンロード総数という形なら450万という数字も出てはいるが、フル配信のみ絞った数字は不明だ。清水翔太によるカバーが25万ダウンロード認定を受けていることを考えると、本家はダウンロードミリオンとなっていてもおかしくないと思われる。
MVも、制作はされているが、大変勿体ないことに長らくYouTube上では非公開となっていて、代わりに2019年3月にアップロードされたLive Videoが自身最多となる4,000万回視聴を稼ぐ事態になっていた。ライブバージョンにも拘らずここまで積み上げていることを考えれば、MVが当初から公開されていれば1億再生となっていてもおかしくなく、色々と惜しい。
なおMVは2020年9月に非公開状態が解除された。新規公開ではなく、あくまで非公開としていただけなので、動画公開日は2010年11月のままとなっている。このため、視聴回数は10年以上かけて稼がれたものではないことには十分に注意したい。現在までの累計ではMV3,000万再生を突破している。
HY - 366日 (Official Music Video)
このように、本曲の大人気実態を示すデータが存在しない不健全な事態は長らく続いていたが、2024年7月にBillboard JAPANの集計でストリーミング1億再生を突破したことが発表されたことで、ようやく本曲の息の長い支持が大ヒット指標で可視化された。なおこの記録は2000年代発売曲では史上11曲目の達成となる。
レコード会社A-Sketchに関しても、所属アーティストの一切の楽曲が何のダウンロード認定も受けていないため、ダウンロード売上でヒットが把握できない。A-Sketchは配信リリースに消極的だったわけではなくむしろ積極的なのだが、これにはA-Sketchが日本レコード協会の正会員ではなく準会員であることが背景にあるようだ。ゴールドディスク認定はA-Sketchも含む準会員の作品が認定を受けている例もあるが、ダウンロード認定ではごく僅かの例外を除き準会員の作品の認定は無いため、準会員はインディーズレーベル同様認定対象外になっているものと思われる。
A-Sketchに所属している(いた)主なアーティストはONE OK ROCK、flumpool、THE ORAL CIGARETTES、フレデリック、三浦春馬などが挙げられる。ここではONE OK ROCK、flumpoolを例に取り上げる。
ONE OK ROCK
以下個別記事で解説している。
flumpool
flumpoolは2008年に当時としては珍しい配信限定シングル「花になれ」でデビューした4人組男性ロックバンド。au「LISMO」CMソングに起用されたことでこれがいきなりヒット。本曲を収録したデビューミニアルバム『Unreal』は24万枚を売り上げた。
ヒットした「花になれ」は例によって切り売りの着うたも含める形で150万ダウンロードという数字も出てはいるが、フル配信のみのダウンロード売上は不明。ただ10万未満になっているはずがなく、普通に認定を受けていればかなりの数字になっている可能性がある。当初から配信限定シングルを連発するかなり時代の先端を走っていた売り方をしていたのだが、一切の認定を受けていないのは非常に惜しい。しかも公式MVも未公開となっており、「花になれ」の定量的楽曲人気把握は残念ながら不可能となっている。
公式MVの中では2010年発売の「君に届け」が自身最多となるMV4,000万再生を突破している。同名映画『君に届け』主題歌に起用されたことで話題となり、Billboard JAPAN Hot 100でも週間1位を記録した。
少なくとも本曲はflumpoolの代表曲の一つであると言って良い。
その他
ダウンロード売上でヒットが把握できないアーティストはほとんど上記の4勢力に該当するのだが、例外もある。以下にて2組ピックアップする。
マキシマム ザ ホルモン
マキシマム ザ ホルモンは非常にマイペースな活動を続けている。2006年に「恋のメガラバ」がCD売上チャートTOP10入りし、翌2007年に発売したアルバム『ぶっ生き返す』が31万枚のセールスを記録して完全にブレイクしたのだが、以降に発売したCDシングルは2008年の『爪爪爪/「F」』、2011年の3曲A面『グレイテスト・ヒッツ〜2011-2011〜』のみ。オリジナルアルバムも2013年に発売した『予襲復讐』1作しかリリースしていない。その間ダウンロードやストリーミングを解禁することはなく、『予襲復讐』に至ってはCDレンタルすら禁止した。
ということで、マキシマム ザ ホルモンのダウンロード売上の記録は当然一切残っていない。さらにMVも全曲はYouTubeに公開していないので、マキシマム ザ ホルモンの人気曲の捕捉はSMILE-UP.所属アーティスト並みに困難になっている。公式MVの中では「maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」が自身最多となるMV3,000万再生を突破している。
マキシマム ザ ホルモン 『maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~』 Music Video
秋川雅史
秋川雅史は2007年に「千の風になって」でCD123万枚を記録した男性テノール歌手。「千の風になって」より後にCDシングルミリオンを記録した作品はすべて楽曲人気と全く関係がない複数枚購入促進施策に頼ったものであるため、本作は事実上100万人が購入した最後のCDシングルといえる。
そんな大ヒット曲であるが、ダウンロード売上においては何の認定も受けていない。それもそのはずで、この曲は当時着うたフルなどの配信を解禁していなかった。CDで聴いてほしいという意向があったと言われている。この曲の大ヒットはまさにCDシングル売上が楽曲人気指標だった時代の最後の大きな打上花火だったのである。
まとめ
以上までが、ダウンロード売上でヒットが把握できないアーティストの一覧である。これと歴代配信ダウンロード売上ランキングを合わせれば、ダウンロード市場全盛時代の大人気楽曲はほぼ押さえることができる。
2020年以降はMV・ストリーミングを通じた楽曲視聴が主流となっており、MV・ストリーミング再生回数のデータが楽曲人気を掴むうえで欠かせなくなるだろう。
なお、日本レコード協会のダウンロード認定データは下記サイトより検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。