Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

ONE OK ROCKの人気曲【売上・再生回数ランキング】

ONE OK ROCKは2007年に「内秘心書」でメジャーデビューした男性4人組ロックバンド。2010年代に大ブレイクを果たし、以降10年以上に渡りヒット曲を大量輩出している。

 

ONE OK ROCKがブレイクした時期はYouTubeでのMV再生が音楽視聴方法の主流であったため、楽曲人気は主にMV再生回数ランキングを通じて把握する。ここではMV3,000万再生以上を記録した楽曲を抽出する。これまでに16曲がMV3,000万再生以上を突破している。

 

 

 

(歴代MV再生回数ランキングはこちら↓)

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このMV再生回数ランキングの欠点は、MVが制作されていない楽曲の人気が把握できないことである。そこでこの欠点を補うべく、オーディオストリーミング再生数ランキングも以下に示す。こちらはRIAJストリーミング認定と、Billboard JAPANが公表している再生回数を基に作成した。ストリーミング市場は令和時代に突入して以降に本格的に拡大したため、主に2019年以降の楽曲人気を把握するのに適しているが、過去曲も気軽に聴ける特性上、2018年以前の曲でも特筆すべき根強い人気を示している曲は多くの再生回数を稼いでいる。

 

 

(歴代ストリーミング再生回数ランキングはこちら↓) 

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なお2010年代はMV・ストリーミング再生回数だけでなく、RIAJダウンロード認定で確認可能なダウンロード売上も重要な楽曲人気指標となっていたが、ONE OK ROCKの場合は殆どの楽曲がこの認定を受けておらず、ダウンロード売上不明となっている。その理由は、ONE OK ROCKの所属レコード会社A-SketchRIAJの正会員ではなく準会員であり、ダウンロード認定の対象外だったためと思われる。認定対象外アーティスト一覧は以下記事にまとめている。

 

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しかしONE OK ROCKは2021年にRIAJの正会員であるワーナーミュージック・ジャパンに移籍。これにより2021年以降の楽曲はダウンロード認定を受けられるようになった。この背景のため、今のところONE OK ROCKのダウンロード認定受領曲は以下1曲のみとなっている。

 

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上記で挙げた楽曲を配信開始日順で並べたうえで楽曲人気データを一覧化した表も以下に示す。

 

 

Nicheシンドローム

 

ONE OK ROCKはデビューしてすぐにブレイクしたわけではないが、ライブ活動を通じて着実に人気と実力を積み上げていき、2009年にはドラマタイアップの話が来るほどに業界内外からの期待を高めていた。この話はメンバーの不祥事と脱退による活動休止があったため流れてしまったが、これを経て流動的だったメンバー編成も4人組に落ち着き、2010年には本格的に活動を再開。その名を轟かせ始める。

 

その再始動を飾った曲が4thシングルとして発売された「完全感覚Dreamer」である。その位置づけに相応しく、本曲は未来に向かって進んでいく強い決意が歌詞になっており、それをボーカルTakaのエモーショナルな絶唱と激しいバンドサウンドで表現したものになっている。ライブで盛り上がる曲の鉄板にもなったこの曲は、この先のONE OK ROCK知名度上昇とともにジワジワ普及していき、今や累計でMV1.2億再生を突破するに至った。


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この曲を収録した4thオリジナルアルバム『NicheシンドロームONE OK ROCKの人気が徐々に高まっていく中で継続的に注目され続け、Billboard JAPAN Top Albums SalesではTOP100圏内登場週数112週を記録するほどのロングヒットとなった。累計売上は27万枚を突破している。

 

同年間チャートでは、2016年になって初めてのTOP100入りとなる51位を獲得した。さらに、2015年下半期よりスタートした、CD売上だけでなく配信売上やルックアップ(CDのPC読取数)も加味した総合アルバムチャートBillboard JAPAN Hot Albumsでは2016年28位→2017年62位→2018年90位と、より高い順位で推移しており、週間TOP100圏内登場週数は驚異の184週となっている。

 

発売から6年を経て売上のピークが訪れた理由は、アルバム収録曲「Wherever you are」の大人気にある。この曲は純愛を歌ったロックバラードとして発売当初から人気の高い楽曲だったが、2016年にNTTドコモのCMソングに起用されたことで人気が爆発。累計ではストリーミング2.1億再生を突破し、Billboard JAPAN Hot 100では登場週数228週を記録するほどの人気規模となった。本曲への高需要がアルバムセールスにも波及した。

 

なおこの曲はMV未制作。ダウンロード売上も上述した理由により不明のため、Billboard JAPANがストリーミング1億再生突破の事実を公表するまで、その大人気を証明する定量的データがないという異常事態となっていた。その事態が解消されて以降も、YouTubeでは、MVに代わる公式動画もアップされていないため、非公式ライブ動画がアップされ再生数を数千万回稼ぐが結局削除されることが繰り返されるという極めて不健全な状況になっている。本曲への高需要を適切に満たす公式コンテンツの供給が待たれるところである。*1

 

ダウンロード売上に関しても実数不明ではあるが、2017年から公表開始したBillboard JAPAN Download Songsの年間では2017年39位→2018年50位→2019年78位と推移しており、超ロングセラーになっている。もしRIAJダウンロード認定の対象になっていれば、相当ハイレベルな認定を受けているはずである。

 

このようにデータ上色々と残念な点が多い「Wherever you are」だが、もしMV再生回数やダウンロード売上データが可視化される環境になっていれば、自身最大の数字を記録していたかもしれないほどのポテンシャルは十分に感じられる。ONE OK ROCKの楽曲人気を語る上では外せない一曲である。

 

この曲の他、アルバム曲では「じぶんROCK」MV3,000万再生を突破する人気となっている。

 

残響リファレンス

 

2011年は2枚のシングルを発売。「アンサイズニア」MV3,000万再生「Re:make」MV5,000万再生を突破するヒットとなった。同年10月には5thオリジナルアルバム『残響リファレンス』を発売し、16万枚をセールス。リード曲「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」は2012年4月にMVが公開され、以降の積み上げでMV5,000万再生を突破している。

 

人生×僕=

 

2012年8月に発売された7thシングル「The Beginning」興行収入30億円を記録した実写映画るろうに剣心の主題歌。起伏をつけた迫力あるロックサウンドが映画を通じて支持を広げ、自己最高となるMV2.1億再生を突破する大ヒットを記録した。これは2012年に公開されたMVの中でも最高記録となる。2012年のヒット曲を語るうえでは外せない一曲である。

 

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2013年1月には8thシングル『Deeper Deeper/Nothing Helps』が発売され、「Deeper Deeper」MV5,000万再生を記録。3月には6thオリジナルアルバム人生×僕=が発売され、30万枚を売り上げた。このアルバムもロングヒットとなり、「Wherever you are」がリバイバルヒットした際には再浮上し、Billboard JAPAN Hot Albumsの年間では2016年の72位を獲得している。

 

収録曲のうち、リード曲「Clock Strikes」は「The Beginning」に次ぐ自身2位となるMV1.2億再生を記録する大ヒットなった。ONE OK ROCKはこの年から海外公演も積極的に行っており、サビが全て英詞で構成されているこの曲は海外ファンからの人気も高かった。2014年にはゲームソフト龍が如く 維新!のタイアップも付き、そのタイミングでLyric Videoも公開されている。歌詞は考察性が高く、限りある時間の中で人生を歩むことへの決意を歌ったものになっている。


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このほか、「Be the light」MV3,000万再生を突破している。

 

35xxxv

 

2014年7月には、実写映画るろうに剣心 京都大火編」主題歌となった8thシングル「Mighty Long Fall」を発売し、MV7,000万再生を記録。なおCDシングルの発売は今作が自身最後になっている。

 

2015年2月には本作を収録した7thオリジナルアルバム『35xxxv』を発売し、27万枚をセールス。Billboard JAPAN Top Albums Salesの年間では2015年の9位を獲得し、自身初の年間TOP10入りを果たした。本作もロングヒットとなり、Billboard JAPAN Hot Albumsの年間でも2016年の40位にランクインした。アルバム曲の中では、リード曲「Cry out」MV4,000万再生、実写映画るろうに剣心 京都大火編」主題歌の「Heartache」MV7,000万再生を記録している。

 

また、本作は9月にDelux Editionとしてアメリカでも発売された。Delux Editionの収録曲は全編英詞となっているほか、新曲も2曲追加されている。追加された新曲のうち「Last Dance」MV4,000万再生を突破している。

 

Ambitions

 

2017年には8thオリジナルアルバム『Ambitions』を発売し、自身最大セールスとなる36万枚を売り上げた。元々TV出演を全くしないうえ、CDシングルも出さなくなったONE OK ROCKだが、前述の「Wherever you are」リバイバルヒットや配信市場を中心にしたシングル発売で存在感を高め続けていたことが結果に現れた。Billboard JAPAN Hot Albumsの年間では2017年5位→2018年59位と推移するロングヒットを記録した。

 

収録曲中最大人気となったのはMV3,000万再生を突破した「We are」。この曲はNHKが企画した、ONE OK ROCKと1,000人の18歳世代(17 〜19歳)が一緒に歌いひとつのステージを作り上げる「18祭(フェス)」で歌われた楽曲。不安や迷いがある中でも未来へ向かって進むことを後押しするような歌詞は該当世代の共感を呼び、企画は1,000人のエネルギッシュな若さと思いが開放された圧巻のステージとなった。この模様は1月にTVでも放送されたが、これがONE OK ROCKのTV初出演となったこともあり、多くの反響を集めた。


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Eye of the Storm

 

2019年2月には9thオリジナルアルバム『Eye of the Storm』を発売し、30万枚をセールス。Billboard JAPAN Hot Albumsの年間では2019年3位→2020年72位と推移するロングヒットを記録した。収録曲の中では、「Stand Out Fit In」MV5,000万再生「Wasted Nights」MV5,000万再生、ストリーミング1億再生を記録した。

 

「Wasted Nights」は興行収入57億円を記録した実写映画「キングダム」主題歌。壮大なサウンドに乗せて夢に向かって挑戦する決意を歌ったこの曲は、主人公が中華統一という壮大な夢を持つ「キングダム」との親和性も高かった。


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Luxury Disease

 

2021年4月には所属事務所アミューズから独立後初の配信シングルとなる「Renegades」を発売。興行収入42億円を突破した実写映画るろうに剣心 最終章 The Final」主題歌として人気を博し、MV3,000万再生、ストリーミング1億再生(RIAJ)、配信10万ダウンロードを記録した。


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2022年9月にはこの曲も収録した10thオリジナルアルバム『Luxury Disease』を発売し、11万枚を売り上げた。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、ONE OK ROCKはエモーショナルなロックサウンドと夢を追う若者の背中を後押しする前向きな歌詞を中心に大人気を獲得し続けており、その人気はMV再生回数やCDアルバム売上に現れていた。ダウンロード売上が殆ど不明という状況は残念な限りで、もしこのデータも明らかになればより多くの楽曲が人気となっていたことが定量的に可視化されると思われる。今後の何らかの進展に期待したい。

 

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上記ヒット曲を手元に所有したい場合は、入り口として以下4枚のオリジナルアルバムをお勧めする。

 

 

この記事で紹介したデータのうちストリーミング再生回数やダウンロード売上はBillboard JAPANの公式サイト日本レコード協会の公式サイトから検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのデータを検索してみることをお勧めする。

 

(参考)ONE OK ROCKの総合ヒット曲ランキング

 

最後に、ONE OK ROCKの各楽曲・各指標数値を当ブログが採用する一定の計算式で総合ランキング化した表を参考として掲載する。

 

 

(ランキング作成方法および歴代総合ヒット曲ランキングはこちら↓)

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*1:最近になりようやく検索最上位にYouTube側で自動作成されるアートトラックが表示されるようになった。