Billion Hits!

配信ダウンロード売上、MV再生数、Billboard JAPANランキングなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

歴代ストリーミング再生回数ランキング

2020年のBillboard JAPAN Hot 100年間1位はYOASOBI「夜に駆ける」が獲得する結果となった。この年間総合1位を牽引した指標がストリーミング再生数であり、「夜に駆ける」は集計期間中にストリーミング2.7億再生を記録してストリーミング指標における年間1位も獲得した。

 

www.billboard-japan.com

 

この「CDリリースなしで年間総合首位」という結果は、もはや楽曲人気を広めるうえでCD発売がマストではなくなったこと、新たな音楽の聴き方としてストリーミングが主役に躍り出たことを象徴する出来事である。そこで、歴代ストリーミング再生数ランキングが2020年末時点でどうなっているのか調べてみた。

 

ストリーミング再生数を調べるうえで信頼のおける参照先はBillboard JAPAN日本レコード協会である。

 

Billboard JAPANは各曲の累計再生数が1億上積みされるごとにその事実を公表する。一方、日本レコード協会は各曲の累計再生数が3,000万、5,000万、1億、5億を突破した都度その事実を認定する。このことから、ヒットの最低ボーダーラインは3,000万、大ヒットのボーダーラインは1億と考えることができる。

 

両者とも細かい桁数まで累計再生数を公表することはしていないため、例えば1億認定を受けた曲の実際の再生数が1億1,000万回なのか、1億9,999万回なのかは分からない。しかし、認定までに要した日数で昇順に並べることで、同じ認定でもどちらの方がより高い再生数になっている可能性が高いかを推し量ることは可能である。具体的には、1年で1億再生を突破した曲の方が、10年かけて1億を突破した曲より多く再生されていることがほとんどだろう、と考えることができる。

 

したがって、Billboard JAPANと日本レコード協会の認定数情報を統合し、3,000万、5,000万、1億、2億、3億、…という刻みで並べ、同一認定は認定所要日数の早い順で並べる、という手順で歴代ストリーミング再生数ランキングを作成することが可能である。

 

なお両者の再生数調査方法は共通してGfK Japan(ジーエフケー・インサイト・ジャパン株式会社)の提供データを基にしているため、両者のデータは公表タイミングがずれる以外、基本的に整合するものとして考えることができる。

 

ちなみにオリコンストリーミングランキングが発表する数字は上記2機関と比べ精度が低いため使用不可能である。理由は以下の3点が挙げられる。

 

  1. チャート開始がビルボードより1年遅い2019年であり、2018年以前の再生数が集計できていないこと
  2. ビルボードと違いSpotifyを集計対象に含めることができておらずデータの精度に信頼がおけないこと
  3. このことや無料アカウントからの再生数を含めていないなどの複合的理由から、全体的な再生数水準がビルボードRIAJより2割ほど小さくなっており、楽曲人気を過小にミスリードしていること

 

オリコンはかつてCD売上の集計で有名だったが、音楽の聴き方のCDから配信への移行に対応せず、配信売上の集計を一向に開始しなかった。そのうえCD売上を楽曲人気指標として扱う姿勢も変えなかったため、配信が普及した2006年以降に高配信売上曲の人気過小評価と高CD売上曲の人気過大評価を蔓延させる原因を作った。オリコンはもはや楽曲人気指標ではなくなってから10年以上が経過しており、楽曲人気が知りたいという場合においてはほぼ必要のないデータになっている。

 

なおオリコンが配信市場を無視している間に音楽の聴き方として主流に君臨していたダウンロード購入とMV再生に関する歴代ランキングは当ブログで以下のとおりまとめている。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

billion-hits.hatenablog.com

 

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楽曲人気指標はCD売上→ダウンロード売上→MV再生と変遷していき、ついには現代の音源ストリーミング再生に行き着いた。ストリーミングランキングは現代の楽曲人気を計る上で参照が欠かせない指標である。

 

そこで、最新の楽曲人気事情を把握すべく、2020年12月末時点歴代ストリーミング再生数ランキングを以下に示す。これまでに39曲が大ヒット基準の1億再生を突破している

 

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3億再生以上達成曲の楽曲解説

 

1位 Official髭男dism「Pretender」

 

1位は歴代で唯一4億再生を突破しているOfficial髭男dism「Pretender」。2019年4月に配信された本曲は切ないラブソングになっており、印象的な韻を踏むメロディーや共感性の高い歌詞が支持されたことや、主題歌となった映画「コンフィデンスマンJP -ロマンス編-」が興行収入29億円を記録する人気となったことをきっかけに、髭男を大ブレイクに導く特大ヒットとなった。

 

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ストリーミングだけでなく、MV2億8,100万再生、フル配信ダウンロードミリオンも記録しており、歴史的な数字を各指標で打ち立てた。Billboard JAPAN Hot 100では通算7週1位を獲得し、年間でも2019年3位→2020年2位と推移している。これらの偉業により、当ブログでも2010年代を代表する楽曲十選に「Pretender」を選出している。

 

billion-hits.hatenablog.com

 


Official髭男dism - Pretender[Official Video]

 

2位 YOASOBI「夜に駆ける」

 

2位はYOASOBI「夜に駆ける」。2019年12月に発売された、YOASOBIにとってデビュー曲となる本曲はネット小説「タナトスの誘惑」を音楽で表現した曲となっており、アニメ仕立てのMVや小説を踏まえた歌詞が視聴者の想像を掻き立てる形で人気を拡大した。中毒性のある速いテンポのリズムも支持された。

 

ストリーミング再生数は、史上最速となる指標チャートインから僅か9ヶ月で3億再生を突破している。YouTubeではMV1億3,400万、アートトラック1億、THE HOME TAKE(一発撮り歌唱映像)7,300万合計3億以上の再生数となった。Billboard JAPAN Hot 100では通算6週1位を獲得し、冒頭に述べたとおり2020年の年間1位に輝いた。2020年末の紅白歌合戦では角川ミュージアムからの中継でTV初歌唱を披露し、大きな話題を呼んだ。

 

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YOASOBI「夜に駆ける」 Official Music Video

 

3位 King Gnu「白日」

 

3位はKing Gnu「白日」。ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」主題歌として2019年2月に配信で発売された。かねてより音楽ファンの間では注目を集めていたバンドだったが、ドラマ主題歌への起用やメディア出演を機に認知が普及し、洗練されたサウンドやボーカル井口理のファルセットに耳を奪われた人が続出し大ヒットした。

 

ストリーミングは指標チャートインから1年6ヶ月をかけて3億再生を突破しているほか、MVでも3億700万再生を突破している。Billboard JAPAN Hot 100の年間では2019年4位→2020年5位と推移している。 


King Gnu - 白日

 

4位 あいみょんマリーゴールド

 

4位はあいみょんマリーゴールド。この曲は2018年8月に発売され、ノンタイアップでありながらも、音楽フェスでの披露を重ねながらストリーミングを中心に懐かしさを感じさせるサウンドが支持を広げていき、年末歌番組での連続的な披露を決定打に大ヒットに至った。

 

ストリーミングではこの曲が記念すべき国内アーティスト史上初の1億再生達成曲とされている。最終的には指標チャートインから所要2年4ヶ月で3億再生に到達した。MVも2億2,200万再生を突破している。Billboard JAPAN Hot 100の年間では2018年48位→2019年2位→2020年8位と推移している。 


あいみょん - マリーゴールド【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

まとめ

 

以上までの4曲が国内で3億再生以上を記録している楽曲となる。他にも5位以下の8曲が2億再生、27曲が1億再生を突破しており、合計39曲のMVが1億再生以上を記録している。今後音楽の聴き方の主流がストリーミングになっていくことが確定的であることからしても、ストリーミング1億再生以上を記録する大ヒット曲は今後ますます増えていくものと思われる。

 

思えば10年以上前の2000年代後半は音楽の聴き方がCDから配信に移行したことが全く考慮されず、ひたすらCDヒットの減少が嘆かれ、まるでもう高人気楽曲は出ないとでも言うかのような悲観的誤謬が蔓延していた。2010年代後半になってようやく新しい音楽の聴き方が捕捉され、再生数で楽曲人気を計ることがスタンダード化してきている。こうなれば、今後どんな大ヒット曲が誕生するのか(=どんな曲が1億再生を達成するのか)、未来への期待は高まるばかりである。

 

この歴代ストリーミング再生数ランキング記事は暫く2020年末時点のデータとして保存するつもりだが、一定のスパンで最新の再生数データにアップデートしていく予定である。