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配信ダウンロード売上、MV再生数、Billboard JAPANランキングなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

星野源の配信ダウンロード売上&MV再生回数ランキング

星野源は2010年にアルバム「ばかのうた」でデビューした男性ソロシンガーソングライター。2010年代中盤にブレイクを果たし、大きな旋風を巻き起こした。2020年代に突入した今なお存在感を維持し続けている。

 

星野源がブレイクした時期はMV視聴などのストリーミングサービスが音楽視聴方法の主流であるため、通常であれば楽曲人気もMV再生数ランキングを通じて把握することになるのだが、星野源の場合はストリーミング配信の解禁が2019年までされなかったほか、MVは間に広告が挿入される形での公開が基本となっていた。そのため、楽曲人気は既に市場が縮小していた配信ダウンロード売上にもしっかり表れる結果になっている。ここではダウンロード、MVの2指標をもとにしながら、星野源のヒット史を振り返る。

 

なおCD売上はアルバムのみ言及し、楽曲人気指標としての機能が失われているシングルは一切取り上げない。

 

まず配信売上を見ると、日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は8曲で、認定総ダウンロード売上は405万(歴代25位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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次にMV再生数ランキング(YouTube)は以下のとおり。MV再生数では1億が大ヒットのボーダーラインとされているが、これまでに1曲が2億を突破している。また、この曲を含め6曲が3,000万再生を突破している。 

 

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星野源は俳優や文筆家としての顔も持つマルチタレントであるが、アーティストとしては元々2000年に結成したインストゥルメンタルバンドSAKEROCKでの活動をメインとしていた。ソロデビューは2010年に細野晴臣の薦めにより果たされ、1stオリジナルアルバム「ばかのうた」を発売。本作は第3回CDショップ大賞に入選するなど、当時から音楽好きの間では評判を集めていた。

 

2011年には2ndアルバム「エピソード」を発売し、第4回CDショップ大賞準大賞を受賞。評判の高さはじわじわと浸透していき、翌年以降はシングルCD表題曲が安定的にBillboard JAPAN Hot 100でTOP10入りするようになっていく。特に2012年6月に配信開始した3rdシングル表題曲「夢の外へ」は2018年12月に配信売上10万ダウンロードに到達した。

 

2013年5月にはこの曲も収録した3rdオリジナルアルバム「Stranger」を発売し、後のブレイクに沿って長期に渡るランクインを記録して累計11万枚をセールスした。その後もくも膜下出血との闘病などがありながらも、年1作ペースで新作発売が続けられた。

 

「SUN」配信75万ヒット

 

ブレイクのっきかけとなった曲が2015年5月に発売された8thシングル「SUN」である。本曲は所属マネジメント会社のアミューズ移籍後初となるシングルで、最高視聴率10.4%を記録したドラマ「心がポキッとね」主題歌にも起用された。自然と体が動くようなダンスサウンドや、希望が見える歌詞が支持を受け、累計配信売上は75万ダウンロードを記録した。配信売上推移は以下のとおりである。

 

  • 発売4ヶ月後の2015年9月に10万ダウンロード突破
  • 発売8ヶ月後の2016年1月に25万ダウンロード突破
  • 発売11ヶ月後の2016年4月に50万ダウンロード突破
  • 発売1年8ヶ月後の2017年1月に75万ダウンロード達成

 

見てのとおり、2015年5月発売曲でありながら、配信売上の大半が2016年に稼がれていることが分かる。

 

まず10万ダウンロード突破は2015年9月。「夢の外へ」は2018年になって10万を超えたので、「SUN」が自身初の10万ダウンロード達成曲になった。

 

ギアが上がり始めたのは12月で、年内の10万ダウンロード達成を背景に2015年のヒット曲として紅白歌合戦への初出演を含め年末歌番組への大量出演を果たすと、一気に楽曲の普及が加速。翌年1月に25万ダウンロードを突破し、初夏までこの勢いを持続させて4月には50万ダウンロードを突破した。

 

夏には一度勢いが落ち着きを見せたものの、2016年10月になると後述する「恋」の特大ヒットに沿って勢いが回復。そのまま翌年1月まで再点火した勢いをキープさせ、2017年1月に75万ダウンロードを達成するに至っている。

 

この売上動向はBillboard JAPANの指標別動向が分かるサービスChart Insightにて可視化されている。以下が本曲の配信売上とMV再生数の順位推移表である。発売、2015年末、「恋」発売の三つの時期で売上の山が生じていることが分かる。

 

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Billboard JAPAN Hot 100の年間では2015年22位→2016年9位→2017年69位と推移するロングヒットを記録。2015年発売曲ではあるが、2016年に大きなヒットを記録したというのが最も押さえておきたいポイントだが、ビルボードの年間推移でそれを確認することができる。

 

MVは間に広告が挿入する形での公開でありながらも、累計8,000万再生を突破している。


星野源 – SUN (Official Video)

 

2015年12月にはこの曲も収録した4thオリジナルアルバム「YELLOW DANCER」を発売。Billboard JAPAN Hot Albumsでは2016年6位→2017年26位と推移するロングヒットとなり、累計35万枚をセールスした。

 

アルバム曲の中では、MVも作られたリード曲「時よ」配信10万ダウンロード、MV4,000万再生のヒットを記録。「めざましどようび」のテーマソングになった「Week End」も配信10万ダウンロードを記録している。

 

「恋」配信ダブルミリオンの特大ヒット

 

そして2016年10月には2010年代を代表するレベルの特大ヒット曲「恋」が誕生した。この曲は「SUN」に続く9thシングルとして発売され、最高視聴率20.8%を記録した大人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌に起用された。前向きになれる明るい曲調や「恋ダンス」と呼ばれたキャッチーな振り付け、対象を限定しない普遍性の高い歌詞が支持され、配信ダブルミリオン、MV2.3億再生を記録する一大ムーブメントを巻き起こした。

 

配信売上推移は以下のとおりである。

 

  • 発売1ヶ月で25万ダウンロード突破
  • 発売2ヵ月で50万ダウンロード突破
  • 発売3ヶ月後の2017年1月に配信ミリオン突破
  • 発売2年3ヶ月後の2019年1月に配信ダブルミリオン達成

 

見てのとおり1ヶ月25万ペースで配信売上を積み上げる猛烈な初動売上を見せ、年末歌番組披露効果も出て2017年1月には早々に配信ミリオンを達成した。発売3ヶ月以内での配信ミリオン達成は、2010年代発売曲では他に米津玄師「Lemon」、松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」、西野カナ「会いたくて 会いたくて」の3曲しかない。

 

また、2010年代発売曲で配信ダブルミリオン以上を達成した曲は「恋」と米津玄師「Lemon」2曲だけであり、2010年代の音楽ヒットを語るなら真っ先にこの2曲が挙げられて然るべき偉業を残している。

 

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Billboard JAPAN Hot 100では2016年3位→2017年1位→2018年46位→2019年95位と推移する記録的なロングヒットとなった。この曲も2016年より2017年の方が多くの配信売上を稼いでおり、年を跨いで2年に渡りヒットした曲であることは押さえたいポイントである。ビルボードの年間推移はその可視化に成功している。

 

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週間チャートでも「恋」の猛烈な勢いが可視化された。地味にこの曲はCD先行で発売され配信は1週遅れで解禁されており、CD発売初週は配信売上の加算がなかったためHi-STANDARD「ANOTHER STARTING LINE」のゲリラ発売での1位に続く形で2位となった。しかし、翌週以降配信売上の加算が始まると、週間1位常連である関ジャニ∞、Hey!Say!JUMP、NMB48Mr.Childrenらを次々と2位止まりにする形で週間1位街道を驀進。年を跨いだ7週連続1位を含む通算11週の1位を獲得した。これは今でもビルボードにおける同一曲の1位獲得週数史上最高記録である。

 

MV再生数2億以上も、2019年6月達成当時は国内史上6曲目となる偉業であった。間に広告が挿入されているにも拘わらず2億を突破したMVは他になく、もし広告がなかったら再生数はもっと伸びていたかもしれない。

 

上記数々の偉業により、当ブログでも「恋」を2010年代のヒット曲十選に選出している。

 

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星野源 – 恋 (Official Video)

 

このように2017年は「恋」が各種人気指標を席巻したが、新曲「Family Song」も8月に発売され、配信25万ダウンロード、MV3,000万再生のヒットを記録。年末歌番組では主にこの曲が披露された。

 

2018年はまず2月に11thシングルドラえもんを発売。その名のとおりドラえもんのことを歌った曲で、アニメ映画「映画 ドラえもん のび太の宝島」の主題歌に起用された。印象的なフレーズも人気となり、配信25万ダウンロード、MV6,000万再生のヒットを記録。Billboard JAPAN Hot 100では2018年の5位にランクインした。

 

「アイデア」配信50万ヒット

 

8月には、4月よりNHK朝の連続テレビ小説半分、青い。」の主題歌に起用されていた「アイデアを発売したが、その発売方法は趣向が凝ったものになった。具体的には、シングルCDでの発売をせず配信限定発売としたこと、発売直前までフル音源を一切解禁せず、発売と同時に一斉解禁したことである。

 

この施策により、配信発売前まで「アイデア」は毎朝ドラマで流れていた1コーラスしか全容が判明していなかった。1コーラスではマリンバを用いたイントロや自然と体が踊るリズムなど星野源のパブリックイメージが爽やかな朝に合う形で表現されていた。

 

しかしフル解禁で判明した2コーラス目はそれとは真逆のネガティブな歌詞や最新鋭の打ち込みを多用したトラックで構成されており、リスナーに驚きを与えることに成功した。さらにラスサビ前には初期の楽曲を彷彿とさせる弾き語りパートも挿入されており、まさに星野源の今昔が詰まった楽曲に仕上がっていた。MVがこれまでと違い広告を一切挿入しない形でフル解禁されたことも、これらの楽曲の魅力をより引き立てることとなった。

 

朝ドラ効果に加えこの趣向も支持されたことで、本曲は配信50万ダウンロード、MV6,000万再生を記録するヒットとなり、Billboard JAPAN Hot 100では2週連続1位も獲得した。


星野源 – アイデア (Official Video)

 

2018年12月には「恋」や「アイデア」を収録した待望の5thオリジナルアルバム「POP VIRUS」が発売され、44万枚をセールスする自己最高のアルバムヒットとなった。 Billboard JAPAN Hot Albumsでは2019年の2位を獲得した。

 

「POP VIRUS」が渾身の自信作となったことで、音楽活動に関しては一時的に燃え尽き症候群になったと本人は語っているが、そこから解放されてからは既存のイメージに囚われない自由な楽曲を多く輩出するようになっている。全英詩曲「Same Thing」の配信限定EP発売や、世相を反映した弾き語り曲「うちでおどろう」のSNS公開&無料ダウンロード配布など、楽曲発表形態も売上に拘らない形になってきており、今後の活動には要注目である。 

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、星野源が2010年代を語る上では外せない大活躍をしていたことは配信ダウンロード売上とMV再生数の2指標が証明していた。今後は、2019年にオーディオストリーミングを全面解禁したことで、星野源の楽曲人気を把握する指標はダウンロードからストリーミングに移っていくことが予想される。

 

今のところベストアルバムは発売されていないので、上記で紹介したヒット曲を手っ取り早く入手するには、まず4thオリジナルアルバム「YELLOW DANCER」と同5th「POP VIRUS」の2枚を手に取ることをおすすめする。

 

YELLOW DANCER (通常盤)

YELLOW DANCER (通常盤)

  • アーティスト:星野 源
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: CD
 
POP VIRUS (CD)(通常盤)(特典なし)

POP VIRUS (CD)(通常盤)(特典なし)

  • アーティスト:星野 源
  • 発売日: 2018/12/19
  • メディア: CD
 

 

この記事で紹介したダウンロード売上データは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp