back numberは、ボーカル清水依与吏を中心に結成され、2011年に「はなびら」でメジャーデビューしたバンド。デビューから数年後に大ブレイクを果たし、以降10年以上に渡りヒット曲を大量輩出し続けている。
back numberはブレイク当初ストリーミング配信に消極的だったため、楽曲人気はダウンロード売上に色濃く表れていた。しかし2018年11月に過去曲をストリーミング解禁し*1、2020年7月に過去曲のフルMVも公開して以降は、ストリーミング・MV再生回数でもその楽曲人気が反映されるようになっている。
ここでは上記ダウンロード売上、ストリーミング再生回数、MV再生回数の3指標を参照し、back numberのヒット史を追っていく。当ブログ独自の計算式により作成した、back numberの人気楽曲ランキングは以下のとおりである。

(ランキング作成方法および歴代デジタルヒット曲ランキングは以下記事参照↓)
上記で挙げた楽曲をリリース順で並べた表も以下に示す。

2011年~2013年
back numberは2004年にボーカルの清水依与吏が彼女をバンドマンに取られたことをきかっけに結成された。フェスへの出演などを通じて徐々に人気となり、2009年にインディーズデビュー、2011年にユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たした。
2011年4月発売のデビューシングル「はなびら」はストリーミング5,000万再生を突破した。しかし、実はこのシングルのc/w「幸せ」がフル配信10万ダウンロード、ストリーミング1.3億再生を突破しており、表題曲を上回る成績を残している。
6月発売の2ndシングル「花束」はくすぐったい歌詞が象徴的な温かいラブバラードとして表題曲らしい人気ぶりを見せ、75万ダウンロードを突破するほどの大ヒットとなった。ただし、発売後すぐにここまでの売上となったわけではない。
- 配信開始から2年4ヶ月後の2013年10月に10万ダウンロード突破
- 2年11ヶ月後の2014年5月に25万ダウンロード
- 4年9ヶ月後の2016年3月に50万ダウンロード
- 配信開始から8年6ヶ月後の2019年12月に75万ダウンロード達成
見てのとおり、当初からジワジワと売上を伸ばすタイプの楽曲だったが、認知拡大とともに過去の人気曲として売上を伸ばし続け、75万ダウンロード達成となっている。他指標でも2018年より順次解禁されて以降の積み上げでストリーミング5.0億再生、MV5,000万再生を突破している。
10月には3rdシングル「思い出せなくなるその日まで」をリリースし、ストリーミング5,000万再生、フル配信10万ダウンロードを記録。Billboard JAPAN Hot 100では本曲で自身初の週間1位を獲得した。
同月にはメジャー1stオリジナルアルバム『スーパースター』をリリースした。アルバム曲の中では、「チェックのワンピース」がストリーミング1.0億再生、「リッツパーティー」「スーパースターになったら」がストリーミング5,000万再生を突破している。
2012年は4枚のシングルを発売する精力的な活動が展開され、「恋」がフル配信10万ダウンロード、ストリーミング2.0億再生、MV3,000万再生、「日曜日」がフル配信10万ダウンロード、ストリーミング1.1億再生、「わたがし」がフル配信10万ダウンロード、ストリーミング2.0億再生、「青い春」がフル配信25万ダウンロード、ストリーミング1.0億再生、MV4,000万再生を記録した。なお、2020年7月に多くのMVがフル公開されるまでは、なぜか「青い春」だけがMVフル公開になっている状態が続いていた。
2013年は6月にシングル「高嶺の花子さん」を発売。片想いをしている相手から見たら自分は「知人B」でしかないなどと自虐する男性主人公の心情を描いたユニークな歌詞などが徐々に人気を広げていき、フル配信75万ダウンロード、ストリーミング7.0億再生、MV1.5億再生を記録した。このうちダウンロード売上推移は以下のとおり。
- 配信開始から1年4ヶ月後の2014年10月に10万ダウンロード突破
- 2年7ヶ月後の2016年1月に25万ダウンロード
- 4年5ヶ月後の2017年11月に50万ダウンロード
- 配信開始から6年6ヶ月後の2020年12月に75万ダウンロード達成
こちらも「花束」と同じように認知拡大とともに過去の人気曲としてコツコツ売上を伸ばしている。
さらに2019年2月に全面ストリーミング解禁されると、代表曲の一つとしてストリーミングチャートの上位に定着するようになり、再生回数を稼いでいる。Billboard JAPANの指標別動向を確認できるサービス『Chart Insight』ではその様子をはっきり確認できる。

見てのとおりストリーミング解禁をきっかけにHot 100に再登場を果たし、以降連続ランクインを続けている。ストリーミング解禁で楽曲人気の可視化が大きく進んだと言える。
なお2019年夏にダウンロード売上が上昇している様子も確認できるが、これはグリーンラベルの新CMにこの曲のアコースティックバージョンが用いられた効果によるもの。このように定番曲として脚光を浴びる場面も多いため、まだまだ記録を伸ばしていくことが予想される。
2014年~2015年
2014年はシングル2枚とアルバム1枚を発売。シングルでは「fish」がストリーミング5,000万再生、「繋いだ手から」がフル配信10万ダウンロード、ストリーミング1.0億再生を突破している。3rdオリジナルアルバム『ラブストーリー』収録曲の中では「世田谷ラブストーリー」がストリーミング1.0億再生を突破している。
2015年はまず1月に11thシングル「ヒロイン」をリリース。本曲は恋に臆病な男性の心情を歌ったウィンターラブバラードで、ヒット曲を多く輩出している『JR SKI SKI』のCMソングに起用されたこともあり、過去にないスピードで人気が普及した。ダウンロード売上推移は以下のとおり。
- 配信開始から2ヶ月後の2015年3月に10万ダウンロード突破
- 8ヶ月後の2015年9月に25万ダウンロード
- 配信開始から1年2ヶ月後の2016年3月に50万ダウンロード達成
見てのとおり、これまでの楽曲では1年以上を要していた10万ダウンロード突破を僅か2ヶ月で達成。1年後には50万ダウンロードに到達している。他指標でもストリーミング4.0億再生、MV6,000万再生を稼いでいる。
なお本作のc/wとしてリリースされた「アップルパイ」もストリーミング5,000万再生を突破している。
続く12thシングル「SISTER」、13thシングル「手紙」はフル配信10万ダウンロード、ストリーミング1.0億再生を記録した。
そして11月に発売された14thシングル「クリスマスソング」はフル配信100万ダウンロードを突破する大ヒットを記録した。本曲は片想いの男性目線で書かれたクリスマスソングとなっていて、最高視聴率12%を記録した月9恋愛ドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』主題歌に起用されたこともあり、一気に楽曲人気が普及した。
- 配信開始から1ヶ月後の2015年12月に25万ダウンロード突破
- 2ヶ月後の2016年1月に50万ダウンロード
- 配信開始から4ヶ月後の2016年3月にミリオン達成
見てのとおり「ヒロイン」をさらに上回る猛烈なペースで売上を重ね、僅か4ヶ月でミリオンに到達した。MVも、再生回数を伸ばしにくいショートバージョンという形での公開でありながら自身初のMV1億再生突破を果たした。なおフルバージョンは2020年7月になってようやく公開され、現在ではこちらが自身最多再生回数となるMV1.5億再生を突破している。
Billboard JAPAN Hot 100でも大ヒットが可視化され、週間チャートでは1位常連のKinKi KidsとHKT48を2位止まりにする形で2週連続1位を獲得。クリスマスの週には1位に返り咲いて通算3週1位を獲得した。
本曲は2018年12月にストリーミング配信が解禁され、以降も根強い人気で再生回数を積み上げており、現在までの累計はストリーミング5.0億再生を突破している。
12月には5thオリジナルアルバム『シャンデリア』をリリース。アルバム曲の中では、「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」がストリーミング1.2億再生を突破している。
2016年~2019年
2016年はまず5月に15thシングル「僕の名前を」を発売し、フル配信10万ダウンロード、ストリーミング5,000万再生を記録。Billboard JAPAN Hot 100では週間1位も獲得した。
11月には16thシングル「ハッピーエンド」を発売。表題曲は興行収入18億円を記録した映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の主題歌となった。タイトルから受けるイメージとは真逆の、報われない恋を歌う切ない歌詞と曲調は映画の内容とも相まって多くの共感を集め、フル配信50万ダウンロード、ストリーミング5.0億再生、MV1.4億再生を突破する大ヒットとなった。
なお本作のc/w「君の恋人になったら」もストリーミング1.4億再生を突破している。
こうしたヒットも後押しする形で、2016年12月にリリースした自身初のベストアルバム『アンコール』は非常に息の長い人気作となった。
2017年は、12月に17thシングル「瞬き」を発売。表題曲は映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』主題歌となった。印象的なフレーズとともに幸せについて歌う本曲は、興行収入28億円のヒットとなった映画の内容とリンクしていたこともあり人気となり、フル配信50万ダウンロード、ストリーミング2.0億再生、MV4,000万再生を突破した。
2018年には2枚のシングルを発売。8月に発売した18thシングル「大不正解」はフル配信25万ダウンロード、ストリーミング1.2億再生を記録した。
11月に発売した19thシングル「オールドファッション」は最高視聴率13%を記録した人気ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』の主題歌として支持され、フル配信50万ダウンロード、ストリーミング2.2億再生、MV4,000万再生を突破した。Billboard JAPAN Hot 100では週間1位を獲得している。
本曲はタイトルでも示唆されているとおり過去の幸せな思い出をユニークな表現で振り返っているラブソングで、温もりを感じる穏やかなバンドサウンドや、現在の二人の関係性の解釈に幅を持たせる歌詞がドラマにもマッチしていたことで支持を広げた。
back number - オールドファッション (full)
2019年2月には20thシングル「HAPPY BIRTHDAY」を発売。表題曲は好きな人の誕生日を祝う曲ではなく、成就しない恋を抱える「俺」の誕生日が寂しいという男性主人公の心情を描いたユニークな内容のバースデーソングとなっている。ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌に起用されたこともあり、各指標の累計はフル配信50万ダウンロード、ストリーミング4.0億再生、MV6,000万再生を記録した。
back number - HAPPY BIRTHDAY (full)
2019年3月には6thオリジナルアルバム『MAGIC』をリリース。アルバム曲の中では、「雨と僕の話」がストリーミング5,000万再生を突破している。
2020年~2023年
2020年には新たな代表曲が生み出された。累計でMV2.8億再生を突破した「水平線」である。本曲は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった全国高等学校総合体育大会の運営を担当していた高校生による1通の手紙をきっかけに制作された。この経緯から収益化を目的とした楽曲ではないということで当初はYouTube限定で公開された。
しかしここまで閉鎖的な展開であったにも拘らずMV再生回数が1億を超えたため、大ヒットに至るポテンシャルを有していることが色濃く示唆されていた。そしてMV公開から約1年後の2021年8月になってようやく全面配信解禁が実現。そこからの積み上げでストリーミング8.0億再生、フル配信25万ダウンロードを突破し、漸く大人気が大々的に可視化された。Billboard JAPAN Hot 100では2022年の年間9位を記録した。
他にも、10月に発売した2nd配信シングル「エメラルド」がストリーミング1.7億再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。
2021年5月には3rd配信シングル「怪盗」をリリース。最高視聴率10%を記録したドラマ『恋はDeepに』主題歌として人気が普及し、ストリーミング4.0億再生、MV5,000万再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。本曲はイントロのシンセ音も印象的な、爽快なアップテンポナンバーに仕上がっており、ヒロインを外の世界へ連れ出す主人公を怪盗に例えたドラマチックな歌詞の展開とともに支持された。
back number - 怪盗 (日本テレビ系 水曜ドラマ「恋はDeepに」主題歌)
同年9月に発売した21stシングル「黄色」もストリーミング1.7億再生、MV3,000万再生を記録した。
2022年8月には5th配信シングル「ベルベットの詩」をリリースし、ストリーミング2.0億再生を記録。
2022年10月には6th配信シングル「アイラブユー」をリリース。この曲はNHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』の主題歌に起用された。恋人と過ごす何気ない日常を積み重ねる中で育まれる愛を表現したラブバラードになっており、温かいサウンドや味わいのある歌唱も繰り返し聴きたくなるポイントになっている。2022年の年末にNHK紅白歌合戦に満を持して初出場しこの曲を披露したことも話題となり、本曲はストリーミング4.0億再生、MV4,000万再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。
back number - アイラブユー (NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』主題歌)
2023年1月には7thオリジナルアルバム『ユーモア』をリリース。アルバム曲の中では、「秘密のキス」がストリーミング5,000万再生を突破している。
2024年以降
2024年1月には8th配信シングル「冬と春」をリリースし、ノンタイアップでありながらストリーミング1.2億再生を記録した。
7月には22ndCDシングル「新しい恋人達に」をデジタル先行リリース。本曲はドラマ『海のはじまり』の主題歌として書き下ろした楽曲である。歌詞は父性がテーマになっており、弱さや未熟さを受け入れながらも懸命に次世代へ愛情を渡そうとするさまが表現されている。『海のはじまり』の内容に沿っていたこともあり人気を得た本曲はストリーミング2.0億再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。
Billboard JAPAN Hot 100では通算2週1位を獲得している。
2025年には10th配信シングル「ブルーアンバー」をリリース。親子愛を描いたドラマ『あなたを奪ったその日から』の主題歌として書き下ろされた。タイトルは太陽光を浴びると青く輝く特殊な琥珀のことで、親子間の内に秘めた相手への想いや葛藤に光を当てる歌詞やMVが多くのリスナーに刺さり、ストリーミング1.0億再生を突破する人気となった。本曲もBillboard JAPAN Hot 100で週間1位を獲得した。
back number - ブルーアンバー 【カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『あなたを奪ったその日から』主題歌】
まとめ
以上まで見てきたとおり、back numberはユニークかつ物語性の強い歌詞で多くのリスナーの共感を呼び大人気を獲得していた。間違いなく日本を代表する大人気アーティストであり、しかもその活躍は現在進行形で続けられている。そのため、各指標に重要なアップデートが生じ次第、この記事で言及しているデータも適宜最新のものに置き換えていく予定である。
以上までに紹介したヒット曲を手元に所有したい場合は、ベストアルバム『アンコール』と、以降に発売されたオリジナルアルバム『MAGIC』『ユーモア』がおすすめ。
この記事で紹介したダウンロードやストリーミングのデータはBillboard JAPANの公式サイトや日本レコード協会の公式サイトから検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのデータを検索してみることをお勧めする。
*1:当初はLINE MUSICにのみ先行配信され、全ストリーミングサービスに音源が解禁されたのは2019年2月。『MAGIC』収録曲は2020年10月になってようやくストリーミング解禁された。


