Billion Hits!

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倖田來未の配信ダウンロード売上ランキング

倖田來未は2000年に「TAKE BACK」でデビューした女性ソロアーティスト。2000年中盤頃にブレイクし、以降ヒット曲を大量輩出した。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は42曲EXILEに次ぎ、浜崎あゆみと並ぶ歴代2位タイ)で、認定総ダウンロード売上は855万(歴代9位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、倖田來未のヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓) 

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2000年-2006年 ~CD売上全盛期~

 

倖田來未がブレイクした2000年代中盤は、音楽の聴き方がCDから配信へ徐々に移行していたタイミングで、この時期にブレイクしたアーティストは、売上がCDと配信できれいに票割れするケースが多かった。倖田來未の場合もCDと配信の双方でバランスよく実績を残した。

 

デビューから2006年までに発売された楽曲を配信開始日順に並べた配信売上データは以下のとおり。

 

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下積み期からブレイクまで

 

倖田來未はデビュー後数年間ヒット作に恵まれず、下積みを重ねることになる。初のヒット作は、デビューから2年3ヶ月が経過した2003年3月に発売された7thシングル『real Emotion/1000の言葉』。両曲ともにゲーム「FINAL FANTASY X-2」のテーマソングとして起用されたことから楽曲が普及し、CDで28万枚を売り上げた。配信でも、2曲とも10万ダウンロードを記録している。


real Emotion

 

本作のヒットを受けて、2003年3月に発売された2ndアルバム『grow into one』19万枚をセールスした。

 

ただ、「real Emotion」のヒットはタイアップに依るところも大きかったほか、本人のTV出演が当時の事務所の方針で抑えられていたこともあって、倖田來未知名度上昇への寄与度は限定的なものに留まった。

 

倖田來未知名度上昇のきっかけとなった曲がキューティーハニーである。本曲は前川陽子が歌っていた1970年代の同名アニメ主題歌をカバーしたもので、2004年に公開された実写映画の主題歌に起用された。既に原曲の知名度は広く浸透していたが、TV出演時の露出度の高い衣装などが話題となり、この曲が自らの代名詞「エロかっこいい」のイメージを作り上げることに寄与した。

 

この曲は2004年5月発売の4曲A面シングル『LOVE & HONEYの1曲目に収録されているが、初出は2004年2月発売の3rdアルバム『feel my mind』で、実はシングルカットされたナンバーである。シングルのヒットを受けて、2005年2月発売の4thアルバム『secret』に再収録された。配信売上では10万ダウンロードを記録した。CD売上は、『feel my mind』が15万枚、『LOVE & HONEY』が15万枚である。


倖田來未-KODA KUMI-『キューティーハニー』~ 20th Year Special Full Ver. ~ 

 

他に2004年までに発売された楽曲では、9thシングル「Gentle Words」のc/w「最後の雨」10万ダウンロードを記録している。この曲は中西保志のヒット曲のカバーである。また、3rdアルバム収録曲「Rain」10万ダウンロードを記録している。この曲はライブでもよく披露される人気曲である。

 

レコード大賞と12週連続リリース

 

2005年に入ると勢いを増し、1月に発売されたアルバム先行シングル「hands」10万ダウンロードを記録。4thアルバム『secret』52万枚をセールスするヒットとなった。

 

6月には16thシングル「Butterfly」を発売。アルバムのヒットを受けて本作のCD売上は好調を記録し、12万枚をセールス。表題曲は配信でも25万ダウンロードを記録した。また、この年の日本レコード大賞を本曲で受賞。他のノミネート作品と売上実績を比べると、なぜこの曲が?という疑問は押さえられない*1が、上記のとおりヒットしていないわけではなく、大きく知名度を上昇させた楽曲となった。


倖田來未-KODA KUMI-『Butterfly』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

なお、本作のc/w「大切な君へ」もライブでよく披露される人気曲となっており、配信で10万ダウンロードを記録している。

 

8月には17thシングル「flower」がCDで10万枚をセールス。

 

9月にはベストアルバムの先行シングル「Promise/Star」を発売し、1曲目の「Promise」が配信で10万ダウンロードを記録した。この2週間後に発売された自身初のベストアルバム『BEST 〜first things〜』は前述のレコード大賞受賞や後述する12週連続リリースなど年末年始にかけて話題が途絶えなかったことからロングヒットとなり、191万枚をセールスする大ヒットとなった。CD売上の年間チャートでは2005年6位→2006年17位と年跨ぎでランクインを果たした。

 

そして2005年12月からは前代未聞の12週連続シングルCDリリースを開始した。その幕開けとなる第一弾シングル「you」はCDで19万枚、配信で25万ダウンロードを記録したほか、CD売上チャートで自身初の1位を獲得。前述のレコード大賞受賞もあり、年末年始にかけて話題をかっさらうこととなった。 


倖田來未-KODA KUMI-『you』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

実は12週連続リリースのうち9枚は5万枚限定生産盤とされ、9枚全てが4万枚台後半のセールスとなり、実質的に完売した。倖田來未の大きな旋風が感じられる一方、CD売上では9枚の中でどの楽曲が人気なのか分からないというデメリットもあった。しかし、配信では限定措置は取られなかったため、配信の売れ行きでこれらの楽曲の人気を把握することができる。9曲のうち10万ダウンロードを記録した表題曲は「Lies」「WIND」の2曲である。

 

限定とされなかった3枚のシングルのうち「you」以外の売上は、「No Regret」がCDで13万枚、配信で25万ダウンロード。連続リリースの最後を飾ったシングル『Someday/Boys♥Girls』はCDで8万枚をセールスし、1曲目「Someday」25万ダウンロードを記録した。

 

2006年3月には12週連続リリースされた楽曲をまとめたベストアルバム『BEST 〜second session〜』を発売。連続リリース完遂という注目度のピークに達したタイミングでの発売となったことから売上は爆発し、180万枚をセールスして2006年の年間2位にランクインした。

 

アルバム「Black Cherry」ミリオンヒット

 

12週連続リリースの成功で倖田來未の売上はベースアップし、5月に発売された31stシングル恋のつぼみはCDで27万枚、配信で25万ダウンロードを記録した。なお本曲は切り売りの着うたでは自身最大にして唯一となる200万ダウンロードを売り上げている。


倖田來未-KODA KUMI-『恋のつぼみ』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

7月には4曲A面シングル『4 hot wave』を発売。全曲タイアップ付きの4曲収録という内容の豪華さから、CD売上は39万枚となり、シングルCD売上では自己最高記録となった。

 

4曲A面シングルはシングルCD売上の増加に効果的な発売形態で、avexなどのレコード会社が当時多用していたが、一方で4曲のうちどの楽曲が最も人気なのかが分かりにくくなるというデメリットもあった。しかし、単曲ごとの購入が可能な配信なら、その売れ行きで人気を把握することができる。4曲のうち10万ダウンロードを記録した楽曲は、イントロダクションを除き1曲目に収録されている「人魚姫」である。


倖田來未-KODA KUMI-『人魚姫(4 hot wave)』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

なおTV出演では同2曲目の「I'll be there」が披露されることが多かったため、「I'll be there」が今のところ配信売上認定を受けていないのはやや意外な結果である。

 

10月には33rdシングル『夢のうた/ふたりで…』を発売し、CDで30万枚をセールス。配信では、「夢のうた」25万ダウンロード「ふたりで...」10万ダウンロードを記録した。

 

11月にはEXILEとコラボしてバブルガム・ブラザーズのミリオンヒット曲「WON'T BE LONG」EXILE & 倖田來未名義でカバーし、シングルがCDで23万枚をセールスした。配信は10月から先行リリースされており、25万ダウンロードを記録した。

 

12月にはアルバム先行シングル『Cherry Girl/運命』を発売し、CDで10万枚をセールス。配信では「Cherry Girl」10万ダウンロード「運命」25万ダウンロードを記録した。「運命」はCD発売1週間前から先行配信されていたことを考慮する必要があるとしても、1曲目収録の「Cherry Girl」を上回るダウンロード売上になっており、これは両曲の楽曲人気を考えるうえで興味深い事象である。

 

年末には5thオリジナルアルバム『Black Cherry』を発売し、CDで103万枚をセールスする大ヒットとなった。年間チャートでも2007年の年間2位を獲得した。収録曲のうち、「ウイダー プロテインバー」のCMソングに起用された「Candle Light」10万ダウンロードを記録している。

 

2007年- ~ダウンロード売上全盛期~

 

一般的に倖田來未の全盛期は、CD売上がピークになっていた2005年から2006年とされることが多い。確かに2007年以降はCD売上が減少した。しかしこれはCD市場縮小という外的要因も大きく、配信市場は逆に拡大の一途を辿っていた。倖田來未の配信売上もCD売上に反比例して上昇し、2006年までの発売曲で達成できていなかった50万以上の配信売上を記録する曲が3曲誕生することとなった。

 

2007年以降の楽曲を配信開始日順に並べた配信売上データは以下のとおり。

 

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「愛のうた」ミリオンヒット

 

2007年3月には、アルバム「Black Cherry」大ヒット後初のシングル『BUT/愛証』を発売し、CDで12万枚をセールス。配信では「BUT」「愛証」ともに25万ダウンロードを記録している。

 

また、このシングル発売と同時に、企画ベスト『BEST〜BOUNCE & LOVERS〜』を発売し、29万枚をセールスした。内容は、ファン投票バラードベストCDとダンスベストMV集DVDの2枚セットで、期間限定生産とされた。

 

6月には36thシングル「FREAKY」を発売。c/wに新曲3曲が収録され、全曲タイアップ付きという内容の豪華さから、CDは好調な売れ行きとなり、19万枚をセールスした。配信では、表題曲が10万ダウンロードを記録したほか、c/wの「girls」10万ダウンロードを売り上げた。

 

そして2007年9月には大ヒット曲が誕生した。37thシングルCD表題曲として発売された「愛のうた」は、配信で自身初となるミリオンヒットを記録した。ミリオンに至るまで売上推移は以下のとおりである。

 

  • 配信開始3週間で早くも25万ダウンロード突破
  • 配信開始3年4ヶ月後の2011年1月に75万ダウンロード突破
  • 配信開始5年4ヶ月後の2013年1月に85万ダウンロード突破
  • 配信開始8年後の2015年9月に配信ミリオン達成

 

見てのとおり、2007年のうちに25万ダウンロードを記録し、その後は非常に長い年月をかけて配信ミリオンに到達した。長きに渡り楽曲を買い求める人が途絶えなかった大人気曲であることが読み取れる。楽曲は女性目線のラブバラードとなっており、愛する人への想いをストレートに表現した歌詞や、それを歌い上げる倖田來未の確かな歌唱表現力などが支持を集めた。

 

なお、本曲のCD売上は13万枚となり、前作「FREAKY」から減少した。当時はダウンロード売上がリアルタイムで分かる音楽チャートが存在せず、CD売上チャートだけ見ていた当時の私は、この売上減少が体感する楽曲人気と一致せず腑に落ちなかったのだが、配信売上データを知りようやく違和感が解消した。楽曲購入方法は既にCDから配信へ相当程度移行が完了していたのである。

 

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倖田來未-KODA KUMI-『愛のうた(album version)』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

11月には38thシングル「LAST ANGEL feat.東方神起が配信で10万ダウンロードをセールスした。

 

2008年1月にはアルバム先行シングル「anytime」を発売。先行かつ完全限定生産とされたため、CD売上は5万枚に留まったが、例によって限定措置が取られなかった配信では前作「LAST ANGEL feat.東方神起」を上回る25万ダウンロードを記録した。

 

1週間後に発売された6thオリジナルアルバム『Kingdom』61万枚をセールスした。

 

「Moon Crying」75万ヒット

 

2008年6月には、4曲A面シングル『MOON』を発売し、CDで13万枚をセールスした。4曲のうち、1曲目に収録され、実質的なリード曲として扱われた「Moon Crying」が配信で「愛のうた」に次ぐ自身2位となる75万ダウンロードを売り上げた。他の3曲は配信売上認定を受けておらず、4曲A面でありながら、この曲が突出した一番人気となっている。「Moon Crying」が75万ダウンロードに到達するまでの推移は以下のとおり。

 

  • CD発売2週間前の5月末からフル配信がスタート
  • 配信開始1ヶ月後の2008年6月に10万ダウンロード突破
  • 配信開始10ヶ月後の2009年4月に50万ダウンロード
  • 配信開始4年7ヶ月後の2013年1月に60万ダウンロード
  • 配信開始5年7ヶ月後の2014年1月に75万ダウンロード達成

 

CD発売より配信発売が先行したものの配信初動は「愛のうた」と比べ決して多くはない。にもかかわらず、10ヶ月かけて「愛のうた」以来自身2曲目となる50万ダウンロード到達に漕ぎ着け、その後も徐々に売上を伸ばして最終的な売上は75万ダウンロードとなった。

 

この曲も「愛のうた」と同様の珠玉のラブバラードだが、内容は愛する人との死別で悲しみに暮れるという泣きのナンバーで、持ち前の歌唱力で感情移入させ引き込まれる楽曲に仕上がっている。最高視聴率14.1%を記録したドラマ「パズル」の主題歌に起用されたことも楽曲の普及を後押しした。 


倖田來未-KODA KUMI-『Moon Crying』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

2008年10月には41stシングル「TABOO」を発売。配信では9月から先行リリースされ、25万ダウンロードを記録した。

 

12月には42ndシングル「stay with me」を発売。配信ではやはりCD発売2週間前からの先行リリースとなり、25万ダウンロードを記録した。またこの曲はBillboard JAPAN Hot 100で自身初となる週間1位を獲得している。

 

2009年1月には7thオリジナルアルバムTRICKをリリースし、39万枚をセールスした。

 

3月には、実の妹で、バンドday after tomorrowのボーカルであるmisonoとの姉妹コラボが実現。倖田來未×misono名義でリリースした「It's all Love!」が配信で25万ダウンロードを記録した。Billboard JAPAN Hot 100でも週間1位を獲得している。

 

7月には3曲A面シングル『3 SPLASH』を発売。3曲のうち、イントロを除く1曲目に収録された「Lick me ♥」25万ダウンロードを記録した。

 

2010年2月にはベストアルバムとオリジナルアルバムをセット販売した商品『BEST 〜third universe〜 & 8th AL "UNIVERSE"』を発売し、37万枚をセールスした。

 

「好きで、好きで、好きで。」50万ヒット

 

2010年7月には、毎年夏の発売が半ば恒例と化していた4曲A面シングル『Gossip Candy』を発売。4曲のうち、1曲目に収録されていた「Lollipop」が「Lick me ♥」以来となる25万ダウンロードを記録した。この1年の間、シングルCDは2枚発売されたが、何れの表題曲も配信売上認定は受けておらず、3作ぶりのヒット作となった。

 

9月には、両A面シングル『好きで、好きで、好きで。/あなただけが』を発売。この2曲は配信で目立ったヒットを記録し、「好きで、好きで、好きで。」が自身3曲目となる50万ダウンロードを、「あなただけが」25万ダウンロードを達成した。「好きで、好きで、好きで。」の配信売上推移は以下のとおり。

 

  • CD発売1週間前からフル配信がスタート
  • 配信開始2週間で10万ダウンロード突破
  • 配信開始1ヶ月後の2010年10月に25万ダウンロード突破
  • 配信開始3年4ヶ月後の2014年1月に50万ダウンロード達成

 

見てのとおり、発売から僅か1ヶ月で25万ダウンロードを突破する人気ぶりとなり、この勢いが効いて最終的に自身3曲目となる50万ダウンロードを達成した。

 

楽曲はやはり「愛のうた」「Moon Crying」と同系統の聴かせるラブバラード。本人出演のCMソングやAbemaTV配信連続ドラマ挿入歌など複数のタイアップが付いたことも楽曲の普及を後押しした。


倖田來未-KODA KUMI-『好きで、好きで、好きで。』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

「め組のひと」TikTokでブームに

 

2010年10月には自身初のカバーソング集『ETERNITY〜Love & Songs〜』を発売。アルバム自体は当時10万枚に僅かに届かない程度の売上だったが、収録曲のうち、郷ひろみが1994年に発売し36万枚をセールスしたヒット曲「言えないよ」のカバーが発売から6年4ヶ月後の2017年2月に10万ダウンロードを記録するなど、一部楽曲は人気を得ていた。

 

そして、2018年になるとこのアルバムのある収録曲が突如脚光を浴びることとなった。ラッツ&スターが1983年に発売し63万枚をセールスしたヒット曲「め組のひと」のカバーである。発売から約8年でヒットした理由は、2018年当時新しく流行し始めたSNSTikTok」の存在にある。TikTokは音楽に合わせたダンスやパフォーマンスを短時間動画で気軽に投稿・共有できるリップシンクアプリで、主に女子高生の間でインフルエンサーの投稿を通じて人気が広がった。短時間でインパクトのある振り付けや歌唱パートがある本曲はTikTokとの相性が良く、倖田來未のカバーアレンジが30年前の原曲をJKが発掘することに繋がった。

 

配信では2019年2月になって10万ダウンロードを突破した。ただ、2010年代後半は既にダウンロード市場が縮小しており、音楽の聴き方はダウンロードから定額制音楽ストリーミングサービスやMV視聴へ移行していた。実際に「め組のひと」はストリーミングサービスの一つであるLINE MUSICでデイリー1位となったほか、YouTubeにおけるMV再生数では自身1位となる1,000万回再生を突破している*2

 

上記のとおり、この曲はダウンロード売上だけではなく、ストリーミング再生数とMV再生数にも目を向けないと人気の規模を過小評価してしまいかねないので注意が必要だ。


倖田來未-KODA KUMI-『め組のひと』~ 20th Year Special Full Ver. ~

 

2011年2月にはアルバム先行シングル「POP DIVA」を発売。配信ではCD発売1週間前の1月に先行リリースされ、10万ダウンロードを記録した。9thオリジナルアルバム『Dejavu』21万枚をセールスした。

 

8月には恒例の夏曲4曲入りシングル『4 TIMES』を発売。収録曲のうち、イントロを除く1曲目に収録されている「Poppin' love cocktail feat.TEEDA10万ダウンロードを記録した。

 

9月にはこれも毎年秋の発売が恒例となっていたラブバラード「愛を止めないで」を発売し、25万ダウンロードを記録した。

 

11月には、最高視聴率18.1%を記録したドラマ「謎解きはディナーのあとで」の主題歌「Love Me Back」を発売し、10万ダウンロードを記録。

 

2012年1月には10thオリジナルアルバム『JAPONESQUE』を発売し、15万枚をセールスした。

 

2012年はその後産休に入ったが、秋口に復帰。復帰2作目のシングル「恋しくて」は得意のラブバラードだったこともあり、10万ダウンロードを記録するヒットとなった。

 

2020年4月現在までのところ、この「恋しくて」が配信売上認定を受けた最後のヒット曲となっている。しかし、2013年以降新作の発売が途切れることはなく、安定した活動が続いており、前述の「め組のひと」への注目など定期的に過去作品へのスポットが当たっている。2020年には遂にデビュー20周年に突入し、秋にはアリーナツアーが予定されているなど、一層の精力的な活動が期待される。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、倖田來未は2000年代中盤から2010年代前半にかけてヒット曲を大連発していた。特筆すべきは、「エロかっこいい」が代名詞となってはいるものの、ダウンロード売上TOP3の楽曲はいずれも歌唱表現力を存分に活かしたラブバラードナンバーとなっていること。配信売上データは決して見た目のインパクトだけで人気が稼がれているわけではないことを伝えてくれる。もちろんエロかっこいいダンスナンバーも外せない魅力の一つであり、「め組のひと」が2018年になって支持されたことはその証といえるだろう。

 

倖田來未のヒット曲を入手する上で、ここでは敢えて通販等販路限定のベストアルバム『COMPLETE BEST』をおすすめする。2009年までの倖田來未のヒット曲を1枚のCDに凝縮して王道選曲した内容になっており、なぜ一般発売しないのか不思議なほどの豪華盤となっている。

 

倖田來未 コンプリートベスト AQCD-50643

倖田來未 コンプリートベスト AQCD-50643

  • アーティスト:倖田來未
  • 発売日: 2013/10/01
  • メディア: CD
 

 
ただ、「好きで、好きで、好きで。」や「人魚姫」等の本作未収録のヒット曲がほしい場合は、2010年発売の3rdベスト『BEST 〜third universe〜』、2016年に発売されたウィンターラブバラードコレクション『WINTER of LOVE』等をすすめる。

 

BEST~ third universe~ & 8th AL “UNIVERSE"

BEST~ third universe~ & 8th AL “UNIVERSE"

  • アーティスト:倖田來未
  • 発売日: 2010/02/03
  • メディア: CD
 
WINTER of LOVE(​CD+スマプラ​)

WINTER of LOVE(​CD+スマプラ​)

  • アーティスト:倖田來未
  • 発売日: 2016/01/20
  • メディア: CD
 

 

この記事で紹介したダウンロード売上データは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp

 

*1:対抗馬となるノミネート作品には、のちに配信ミリオンを記録するコブクロ「桜」大塚愛プラネタリウム」がおり、この2曲はCD売上でも「Butterfly」を上回っている。

*2:2011年に公開されたショートバージョン。2020年になってフルバージョンが別途公開されており、ここではフルMVを載せている。