Billion Hits!

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SEAMOの配信ダウンロード売上ランキング

SEAMOは2005年に「関白」でデビューした男性ラッパー・シンガーソングライター。2006年に大ブレイクを果たし、00年代後半のヒットシーンを彩った。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は10曲で、認定総ダウンロード売上は310万(歴代33位タイ)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、SEAMOのヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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下積み~BENNIE Kとのコラボ

 

SEAMOは2005年にメジャーデビューする以前にもシーモネーター名義で一度メジャーデビューし、音楽活動を展開していたが、なかなかヒットに恵まれず、一度はメジャー契約も解除されている。しかし解除後も地道な売り込みを続け、ヒップホップ界を中心に交流の幅を広げたことで、再びのメジャーデビューに漕ぎ着けた。

 

発売日順で最初に10万ダウンロードを突破した曲は、3rdシングルとして2005年7月に発売された「a love story」である。この曲はSEAMO with BENNIE K名義で発売されたコラボシングル。コラボ相手のBENNIE Kは直前の6月に発売したコカ・コーラのCMソング「Dreamland」CD34万枚、配信50万ダウンロードを売り上げるヒットを飛ばしており、自然と注目が集まるコラボシングルとなった。なおBENNIE Kとはシーモネーター時代から交流が重ねられており、2004年にもBENNIE Kのアルバム内で一度コラボが実現している。

 

ちなみにBENNIE Kのダウンロード売上データは以下のとおりである。

 

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「マタアイマショウ」配信ミリオン

 

「a love story」のヒットで知名度が上昇したSEAMOは、翌2006年4月に4thシングル「マタアイマショウ」を発売。セールスの出足は目立つものではなかったが、泣けるラブソングとしての評判が徐々に口コミやラジオオンエア等を通じて広がっていき、最終的には配信110万ダウンロード、CD20万枚を売り上げる大ヒットとなった。

 

配信売上推移は以下のとおりである。

 

  • 発売6ヶ月後の2006年10月に25万ダウンロード突破
  • 発売8ヶ月後の2006年12月に50万ダウンロード突破
  • 発売1年1ヶ月後の2007年5月に75万ダウンロード突破
  • 発売2年1ヶ月後の2008年5月に110万ダウンロード突破(配信ミリオン達成)

 

25万ダウンロード突破までに半年を要しているこの認定推移から、ジワジワと支持が広がっていったことが分かる。そこから50万到達までは一気に2ヶ月での突破となっているが、これは後述するアルバムのヒットのほか、年末の紅白歌合戦への初出場とこの曲の披露が決まり、注目が高まったことによるもの。出演後の反響もあり売上は積み上がり続け、発売から所要2年1ヶ月での配信ミリオン突破に至った。

 

なお2006年当時はフル配信ダウンロード数が分かるデータがこの日本レコード協会認定しか無く、ダウンロード数が分かる音楽チャートは存在しなかった。そのため、音楽チャート上ではこの曲のヒットはCD売上で可視化された。週間初登場は14位で、当初はそのまま下降するものと思われたが、週末のデイリーチャートで必ずTOP20にカムバックすることが1ヶ月以上続き、6月頃になって「まだいるの?」という驚きとともにロングセラーに気づかれた。

 

しかし結局最高位は14位のままで、週間売上が2万枚を超えることもなく、「下位で非常にロングヒットしている曲」というのがこの曲の人気評価だった。無論それも十分偉業だが、配信ミリオンという事実を踏まえればやはり過小評価感は否めないものとなっていた。実際、2006年内に配信50万を売り上げており、これにCD20万を足せば70万。この数字は2006年の年間CD売上チャートに当てはめれば3位に相当する数字である。

 

00年代後半は本来CDと配信売上を合算した音楽チャートが存在して然るべきだったが、配信売上の加算が一向に実現しなかった結果、高CD売上曲の過大評価と高配信売上曲の過小評価が蔓延する時代となっていた。このようなケースは本曲以外にも多数見られるため、この時期の楽曲人気規模を把握するうえではCD売上チャートに引っ張られ過ぎないよう、配信売上も必ず参照する必要がある。


SEAMO 『マタアイマショウ』

 

ルパン・ザ・ファイヤー」配信50万ヒット

 

「マタアイマショウ」が大ヒットしている最中の2006年7月には5thシングルルパン・ザ・ファイヤーを発売した。本曲はタイトルからも想像されるとおりアニメ「ルパン三世」の主題歌として有名な「ルパン三世のテーマ」をサンプリングした楽曲になっている。

 

「マタアイマショウ」の大ヒットでSEAMOへの注目度が上昇していたこと、元々馴染みのある楽曲をベースに作られていたこと、そこにSEAMOがこれまで培ってきたスピーディーでキレのあるラップが乗ったことで、本曲の格好良さは存分に認知されるとともに支持を受け、配信売上は50万ダウンロードを記録した。

 

配信売上推移を見ると、セールスの出足は認知度の上昇により「マタアイマショウ」を上回るペースとなり、2007年1月までに25万ダウンロードを突破。その後も売上を積み上げ、2014年に50万ダウンロード認定を受けるに至っている。

 

CD売上チャートでも過去最高の出足となり、自身初のTOP10入りとなる9位を記録した。ただ累計売上は惜しくも10万枚に届かず、結局SEAMOのシングルCD売上10万超えは「マタアイマショウ」1曲のみとなっている。冒頭に示したとおり配信では10曲が10万ダウンロードを超えており、やはりCD売上の楽曲人気指標としての機能は相当低下していた。


SEAMO 『ルパン・ザ・ファイヤー』

 

2006年9月にはヒットシングル2枚を収録した2ndオリジナルアルバム「Live Goes On」を発売。自身初の週間1位を獲得するとともに累計でも35万枚をセールス。自身最大のヒット作となった。アルバム曲からも人気曲が生まれており、「心の声 feat. AZU」10万ダウンロードを突破している。

 

「Cry Baby」配信50万ヒット

 

翌2007年はまず4月に6thシングル「Cry Baby」を発売。この曲は興行収入15億円を記録したアニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」主題歌に起用された。下ネタを由来とするアーティスト名からしてもこのタイアップは相性抜群と思われたが、提供された楽曲に下ネタ要素は一切なく、人生や友情をテーマにした泣けるミディアムバラードになっており、ギャップも効果的だったのか人気を集め、50万ダウンロードを売り上げた。

 

配信売上推移を見ると、セールスの出足は前作「ルパン・ザ・ファイヤー」を更に大きく上回り、発売から僅か1ヶ月で25万ダウンロードを突破している。その後も売上を積み上げ、2014年1月に50万ダウンロード認定を受けるに至った。

 

CD売上チャートでは自己最高位を更新する6位に初登場していたが、累計はまたも惜しいところで10万枚に届かなかった。配信売上チャートが存在しなかったことで、1ヶ月で25万ダウンロードを売り上げる勢いのあるヒットが音楽チャートで可視化されなかったことは本当に残念だ。


SEAMO 『Cry Baby』

 

2007年はこの後も7thシングル「Fly Away」、8thシングル「軌跡」10万ダウンロードを記録。発売したシングル3枚全てが10万ダウンロード以上をセールスするヒットを飛ばした。10月には3rdオリジナルアルバム「Round About」を発売し、10万枚を売り上げた。

 

2008年以降

 

2008年に入っても活躍は続いた。まず5月に発売された9thシングル「MOTHER」25万ダウンロードを記録。本曲はヒットの定番路線と化したミディアムバラードだが、タイトルのとおり母へ贈る感謝の歌になっていたことが新鮮で、その歌詞が多くの感動を集めた。


SEAMO 『MOTHER』

 

10月には11thシングル「Continue」が発売され、こちらも25万ダウンロードを記録。ドラマ「夢をかなえるゾウ」のタイアップも付いたことで楽曲が普及した。本曲はエドワード・エルガーの「威風堂々」第1番をサンプリングしている。

 

翌2009年は、9月に発売された配信限定シングル「キミヲワスレナイ feat. AYUSE KOZUE10万ダウンロードを記録した。本曲は言わずと知れたアニメ映画「天空の城ラピュタ」のメインテーマをサンプリングしている。

 

以降は新たなダウンロード認定が途絶えているものの、2020年にはデビュー15周年を迎えており、自身の歩みを赤裸々に描いたドキュメンタリー映画の公開やオンラインフェスへの出演など、精力的な活動が展開されている。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、SEAMOは泣けるミディアムバラードと往年の名曲の大胆なラップアレンジの二軸で多くのヒット曲を輩出していた。その人気は配信ダウンロード売上に表れており、CD売上だけを見て「マタアイマショウ」の一発屋だという誤解をしないように十分に注意したい。

 

ここで紹介した曲を手っ取り早く入手するには、2009年に発売されたベストアルバム「Best of SEAMOがおすすめ。10万ダウンロード以上を記録している10曲が全て1枚のCDに収録されている。

 

Best Of SEAMO

Best Of SEAMO

 

  

この記事で紹介したダウンロードデータは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp