Billion Hits!

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コブクロの配信ダウンロード売上ランキング【コブクロのヒット曲】

コブクロは2001年に「YELL~エール~」でデビューした男性2人組音楽デュオ。2000年代後半になって本格的にブレイクし、2010年代前半にかけてヒット曲を大量輩出した。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は27曲で、認定総ダウンロード売上は1,145万(歴代5位)となっている。ダウンロードミリオン4曲は歴代4位タイ記録である(絢香×コブクロも含めれば5曲)。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、コブクロのヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓) 

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2001年-2006年 ~デビューから大ブレイクまで~

 

コブクロは1998年に路上ライブ活動をしていた小渕健太郎黒田俊介が意気投合したことで結成された。インディーズでの活動を経たのち、2001年3月にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビューを果たした。

 

デビュー年の2001年から2006年までは、まだCD売上が楽曲人気指標の主流だった時期で、配信サービスは普及の途上であった。しかし、CD市場が急速に縮小し始めてきていたため、CD売上を見れば楽曲人気の規模を測れるかというと必ずしもそうとは言い切れない。むしろ、2006年になってコブクロの初期の楽曲が全面ダウンロード解禁されると、人気曲は順当にダウンロード売上を積み上げ続け、CD売上枚数を上回る配信ダウンロード数を記録した曲も多い。そのため、この時期の曲でも、配信ダウンロード数で楽曲人気の規模を測ることが可能である。

 

この6年間に配信解禁された楽曲に絞って配信開始日順に並べたダウンロードデータは以下のとおり。

 

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2001年-2003年

 

デビューシングル『YELL~エール~/Bell』は、すでに路上ライブの評判が広がっていたこともあり、いきなりCD売上チャートTOP10入りを果たし、累計CD売上24万枚を記録した。しかし、2006年に「YELL~エール~」がダウンロード解禁されるとコツコツとダウンロード売上を積み上げ続け、解禁12年後の2018年に25万ダウンロードを突破し、CD売上枚数を超えるに至った。

 

次のヒットは2002年に発売された4thシングル「風」。CD売上は7万枚に留まったものの、登場週数16週という明らかに前後作品比で抜き出たロングヒットを記録した。2006年に配信が解禁されるとこの人気が本格的に顕在化し、解禁5年後の2011年にCD売上枚数の3倍以上となる25万ダウンロードを突破した。2006年の紅白歌合戦では、ベストアルバム発売直後のタイミングだったこともあるが、数あるヒット曲の中からこの曲が歌唱曲に選ばれている。

 

CDシングルは発売してしばらくすると店頭から消えてしまうため、1年以上人気が持続する曲のヒットを可視化するのにCD売上は適さない。もしダウンロード数が不明だったら、危うくこの曲のヒットを表す具体的な数字が7万という過少数になってしまうところだったが、日本レコード協会のおかげでそれは回避された。

 

2004年 ~大ヒット曲「永遠にともに」誕生~

 

2004年には大ヒット曲が誕生。10thシングル『永遠にともに/Million Films』の1曲目永遠にともにNHKみんなのうたにも起用された普遍的なウェディング・ソングとして人気となり、15万枚をセールスした。しかし、配信ではCD売上の数字を圧倒的に上回るダウンロードミリオンを記録するに至った。

 

2004年という時期には、すでにCDシングルミリオンは配信未解禁の戦略を採った曲しか達成できなくなっており、楽曲人気をとらえるには、CDから配信への音楽の聴き方の変化に対応し、ダウンロード数を把握する必要があった。しかし、オリコンがダウンロード数の集計を実施しなかったことなどからダウンロードミリオンの偉業がなかなか可視化されず、CDミリオン達成曲にばかり注目が集まることとなってしまった。

 

そんな偉業を達成した「永遠にともに」のダウンロード数の推移は以下のとおり。

 

  • 2004年11月に配信解禁
  • 2006年8月に10万ダウンロード認定受領
  • 2006年11月に25万ダウンロード突破
  • 2007年6月に50万ダウンロード
  • 2007年9月に75万ダウンロード
  • 2008年1月に85万ダウンロード
  • 発売4年後の2008年11月に110万ダウンロード突破(配信ミリオン達成)

 

そもそも日本レコード協会がダウンロード認定を開始したのは2006年8月からである。つまり10万ダウンロードはそれまでに達成済みであったことになる。初動のダウンロード数はCD売上枚数と大差ないことが分かる。

 

凄まじいのはこの後の推移である。2007年になってからダウンロード数を50万積み増している。この理由は、2007年4月に開かれた陣内智則藤原紀香の結婚披露宴の中で陣内がこの曲をピアノ弾き語りによって披露したことで楽曲人気が爆発したためである。この披露宴は関東地区で24.7%、関西地区で40.0%の視聴率を記録したほどの注目度の高さであった。 

 

CD売上15万枚という数字では、この曲がここまで大ヒットとなっていたことが把握できない。ダウンロードミリオンという数字は後世にこの曲の大ヒットを正しく語り継ぐうえで必要不可欠である。

 

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なお、上記披露宴の反響を受けて2007年6月には本曲のライブ音源永遠にともに(LIVE Ver.2006)」が配信され、こちらも10万ダウンロードを記録している。


コブクロ「永遠にともに」

 

両A面シングルの2曲目「Million Films」50万ダウンロードを記録している。この曲も時間差でヒットしており、推移は以下のとおり。

 

  • 2006年9月に配信解禁
  • 2007年6月に10万ダウンロード
  • 2008年1月に25万ダウンロード
  • 2013年5月に35万ダウンロード
  • 2014年1月に50万ダウンロード達成

 

この曲の着うたフル解禁は2006年9月だったが、2007年にカルビーポテトチップスのCMソングに起用されたことで人気が普及し、2008年1月までに25万ダウンロードを積み上げ、最終的にハーフミリオンを達成している。

 

CD売上だけ見ていては、両A面の2曲目であるこの曲がヒットしていることは掴めない。 c/wやアルバム曲でも楽曲人気が可視化できるのはダウンロード売上指標の良いところである。

 

この2曲を収録した4thアルバムMUSIC MAN SHIP21万枚をセールスした。


コブクロ「Million Films」

 

2005年-2006年 ~「桜」大ヒット~

 

本格的な大ブレイクは2005年に訪れた。まず5月に発売された11thシングルCD表題曲ここにしか咲かない花が、最高視聴率16.0%を記録したドラマ「瑠璃の島」主題歌となったことでヒット。CD売上では40万枚をセールスした。

 

しかし、配信ではもっと良い数字を叩き出しており、この曲の配信売上は75万ダウンロードである。推移は以下のとおり。

 

  • CD発売から1ヶ月遅れて2005年5月に配信解禁
  • 2006年8月時点で25万ダウンロード突破済み
  • 2007年1月に50万ダウンロード
  • 2010年10月に60万ダウンロード
  • 2014年1月に75万ダウンロード達成

 

参考程度ではあるが、CD売上とダウンロード売上を合算すればミリオンセラーとなる。2005年前後は、音楽の聴き方がCDからダウンロードへ移行する過渡期であったことから、本曲のようにきれいにCD売上とダウンロード売上で票割れを起こした曲が多い。


コブクロ「ここにしか咲かない花」

 

ここにしか咲かない花」のヒットを受け、コブクロは自身にとっての勝負曲を繰り出した。2005年11月に発売された12thシングルCD表題曲「桜」である。この曲は二人がストリート時代に出会い、最初に作成されたオリジナルナンバーで、「YELL~エール~」とどちらをデビュー曲にするか悩んだ末、しばらく温めることとしていた曲である。文字通り桜ソングであるが、11月発売としたのは、冬の寒さに負けないようにという思いを込めてのことであった。

 

タイアップは発売後に付き、2006年1-3月期に最高視聴率16.4%を記録したドラマ「Ns'あおい」主題歌に起用された。2月にはジャケットを変え、ショートムービーやテレビスポットを収録したDVDを追加したSpring Packageとして再発売。このような施策も功を奏し、桜の季節である春にかけてロングヒットを記録した。最終的なCD売上は43万枚。年間では集計割れを起こし、2005年61位→2006年30位と推移した。

 

しかしこの曲もダウンロード売上でCD売上を大きく上回る配信ミリオンを叩き出しており、最終的な配信売上は125万ダウンロードとなっている。推移は以下のとおりである。

 

  • CD発売から3週間遅れて配信解禁
  • 2006年8月時点で50万ダウンロード突破済み
  • 2007年3月に75万ダウンロード
  • 2008年6月に配信ミリオン突破
  • 2013年5月に125万ダウンロード達成

 

この曲は、2006年8月から開始された日本レコード協会のダウンロード数認定において、唯一2006年8月に50万ダウンロード認定を受けた曲になっている(切り売りの着うたは除く)。この時点では50万以上の認定を受けた曲はこの曲だけであった。つまり国内史上初めてフル配信50万ダウンロードを突破した曲が本曲となる。配信ミリオンは2008年6月に達成した。

  

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ここにしか咲かない花「桜」を収録した5thオリジナルアルバム『NAMELESS WORLD』87万枚をセールスし、年間でも2006年の9位にランクインした。


コブクロ「桜」

 

2006年7月には13thシングル君という名の翼が発売され、配信25万ダウンロード、CD10万枚を売り上げた。c/wの「あなたへと続く道」10万ダウンロードを記録する人気曲となっている。

 

好調が持続する中、9月には自身初のベストアルバム『ALL SINGLES BEST』が発売。これまで発表された多くの大ヒット曲が収録されていたこともあり、累計売上305万枚という爆発的な超特大セールスを記録した。年間チャートでは2006年3位→2007年3位→2008年29位となり歴史的なロングヒットとなった。現時点で国内最後のCDアルバム300万突破作品となっている。

 

2007年-2010年 ~全盛期~

 

ベストアルバムの大ヒットや過去曲への再注目を受けてコブクロの人気は絶大なものとなり、2007年からの数年間はまさに全盛期と呼べるほどの大量のヒット曲が輩出されることとなった。2010年までの4年の期間に発表された楽曲に絞って配信開始日順に並べたダウンロードデータは以下のとおり。

 

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2007年 ~「蕾」特大ヒット~

 

特に2007年は大活躍の年となり、既述した「永遠にともに」のリバイバルヒットもさることながら、新曲が目覚ましい成績を残し、新旧の楽曲が注目され話題が途絶えなかったことが、前年発売のベストアルバムが2007年になっても1年中売れ続ける要因となった。

 

先陣を切ったのは、2月に発売された絢香とのコラボシングルWINDING ROAD絢香も前年に「三日月」が大ヒットして勢いに乗っており、上昇気流にある両者のコラボということで抜群の相乗効果が発揮され、配信ミリオンの大ヒットを記録した。推移は以下のとおり。

 

  • CD発売から2ヵ月後の2007年4月に配信解禁
  • 2007年4月末時点で早くも10万ダウンロード突破
  • 2007年6月に25万ダウンロード
  • 2007年12月に35万ダウンロード
  • 2008年4月に60万ダウンロード
  • 2008年11月に75万ダウンロード
  • 発売3年6ヶ月後の2010年10月に配信ミリオン達成(着うたフル+PC配信)

 

留意すべきは、配信解禁がCD発売から2ヶ月後となったことである。これはなるべくCDに売上を集中させるための当時の戦略と思われる。その甲斐あってか、CD売上でも35万枚をセールスし、2007年の年間11位を記録した。

 

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しかし、ヒット曲の楽曲人気は世代を超えて継がれてゆくものである。配信解禁が遅れたためか、2007年内のダウンロード数は35万に留まっているが、2008年になってもダウンロード数を積み上げ続けて75万に到達、そして2010年に配信ミリオンを達成するに至った。

 

絢香コブクロも、大ヒット曲はバラードナンバーが多いイメージであるが、アップテンポナンバーでも持ち前の歌唱力を存分に活かし、ヒットの実績を残した。


コブクロ - WINDING ROAD(絢香×コブクロ)

 

そして4月には特大ヒットが誕生した。3月に発売された14thシングルCD表題曲「蕾(つぼみ)」は小渕が亡き母親へ贈った感動のバラードであったことや、最高視聴率18.1%を記録したドラマ「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」主題歌に起用されたことなどから、歴代で9曲しか達成していない配信ダブルミリオンを記録した。推移は以下のとおり。

 

  • CD発売から1ヵ月後の2007年4月に配信解禁
  • 2007年4月末時点で早くも10万ダウンロード突破
  • 2007年5月に25万ダウンロード
  • 2007年7月に50万ダウンロード
  • 2007年12月に75万ダウンロード
  • 2008年1月に配信ミリオン達成
  • 発売6年9ヶ月後の2014年1月に配信ダブルミリオン達成

 

この曲もやはりCD発売から間を空けての配信解禁であり、その甲斐あってかCD売上でも50万枚をセールスし、2007年の年間3位を記録している。

 

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しかしやはり圧巻なのはダウンロード売上であり、年末にかけて順調にダウンロード数を積み上げ、年末年始で一気に勢いが加速し、2008年1月に国内史上4曲目となる配信ミリオン認定となった。その後2014年1月に配信ダブルミリオンに到達した。

 

年末年始に人気が加速した理由は、年末歌番組へ多数出演したこともあるが、2007年の日本レコード大賞を受賞したことも大きい。「蕾」はノミネート作品中、2007年末時点でCD・ダウンロード売上ともにトップの成績であり、文句のつけようがない大賞受賞であった。


コブクロ - 蕾

 

なお、本作のc/wである「風見鶏」も「進研ゼミ」CMソングとなるなど人気となり、10万ダウンロードを記録している。

 

11月には15thシングル蒼く 優しくが発売され、表題曲は最高視聴率12.9%を記録したドラマ「ドリーム☆アゲイン」主題歌に起用された。このシングル以降、表題曲に限っては、CD発売とダウンロード発売が同時に行われるようになった。CDでは21万枚をセールス。ダウンロードでは、CDとの同時解禁が功を奏したようで、解禁したその月のうちに25万ダウンロードを突破した。最終的には50万ダウンロードを記録している。


コブクロ - 蒼く 優しく

 

2007年12月に発売された6thオリジナルアルバム『5296』142万枚をセールスする大ヒットとなり、Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2008年の年間3位を獲得した。アルバム曲の中では、興行収入10.4億円を記録した映画「銀色のシーズン」主題歌に起用された「WHITE DAYS」が人気となり、25万ダウンロードを記録している。

 

2008年

 

2008年上半期はアルバム『5296』を引っ提げたツアーに専念することとなったが、下半期に入ると新曲発表が再開された。まず9月には「WINDING ROAD」に続く絢香とのコラボ曲「あなたと」がCD・配信で同時発売され、CDでは15万、ダウンロードでは50万のセールスを記録した。


コブクロ - あなたと(絢香×コブクロ)

 

続いて10月には16thシングル「時の足音」が発売。表題曲はドラマ「オー!マイ・ガール!!」主題歌に起用された。CDと配信で同時発売され、配信50万ダウンロード、CD21万枚のセールスを記録した。この曲は小渕と黒田による共作で、短針を小渕、長針を黒田に例え、自身のことをイメージして制作されている。2008年は結成10周年ということもあり、それに相応しい内容になっている。


コブクロ - 時の足音

 

「時の足音」はCDと配信の合算で75万という申し分ない成績であったが、実はこのCDシングルのc/wが表題曲を上回る配信売上を残している。日本生命CMソングに起用された「赤い糸」である。

 

この曲の歴史は古く、元々インディーズ時代から存在していたラブバラードで、既にライブではよく披露されている人気曲になっていた。「蒼く 優しく」のc/wに2007年の大阪城ホールでのライブ音源「赤い糸 ~Live at 大阪城ホール 2007.07.05~」が収録され、これが配信でも解禁されると25万ダウンロードを記録。大ヒット曲となりうるポテンシャルは充分に秘めていた。

 

「時の足音」c/wにメジャーデビュー後では初めてとなるスタジオ音源が収録されることになるのだが、この発売の2週間前に、新垣結衣「赤い糸」のカバーをシングルとして発売した。これが25万ダウンロードを売り上げるヒットとなり、Billboard JAPAN Hot 100では週間1位を記録した。

 

ちなみにこの週のCD売上1位は東方神起呪文-MIROTIC-で、総合チャートで逆転が生じた理由は、ラジオエアプレイ数が集計対象となっていたことによる。ビルボードは当時ダウンロード数を集計対象としていなかったものの、代わりにラジオが楽曲人気を拾い上げており、CD売上のみのランキングと比べ偏りが緩和されていた

 

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年間チャートでも、CD売上チャートはTOP100圏外であっったが、Billboard JAPAN Hot 100では2008年の年間97位に入った。

 

そして満を持して発売されたコブクロのスタジオ音源は、配信で75万ダウンロードを記録するヒットとなった。推移は以下のとおり。

 

  • CD発売から3週間後の2008年11月に配信解禁
  • 2008年12月に10万ダウンロード
  • 2010年9月に25万ダウンロード
  • 2011年6月に50万ダウンロード
  • 配信開始6年8ヶ月後の2015年7月に75万ダウンロード達成

 

CD発売から3週間遅れて配信解禁されると、ゆっくりと着実にダウンロード数を伸ばし続け、75万ダウンロード到達にはなんと6年8ヶ月を要している。楽曲人気が世代を超えて継がれていることが分かる。先に述べたライブ音源25万ダウンロードと合算すればミリオンと言うこともできる。


コブクロ「赤い糸」

 

2009年

 

2009年には2枚のCDシングルと1枚のオリジナルアルバムを発売。4月に発売された17thシングル「虹」配信25万ダウンロード、CD10万枚をセールスした。この曲は全国民放FM53局「MEET THE MUSIC」フィーチャリングソングとしてラジオでパワープレイされたため、Billboard JAPAN Hot 100ではCD発売の1週間前に週間1位を獲得した。ちなみに同週のCD売上1位は剛紫堂本剛)「空~美しい我の空~」で、週間CD売上が4万枚とさほど高くなかったため、総合チャートではラジオのポイントのみで逆転した。

 

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さらに年間でも2009年の4位を獲得している。これについてはラジオの比重が高すぎるのでは?という声も聞かれるが、上述のとおり本曲はCDと配信の合算では35万のセールスを記録しており、オリコンの2009年の年間ランキングTOP10のボーダーラインが29万なので、オリコンと比べればさほど変な順位ではない

 

7月には18thシングル「STAY」をリリースし、配信35万ダウンロード、CD8万枚をセールス。本曲もBillboard JAPAN Hot 100週間1位を獲得した。ちなみに同週のオリコン1位は中山優馬 w/B.I.ShadowNYC boys『悪魔な恋/NYC』。逆転となった理由はラジオの加算だけではなく、オリコンでは通常盤と初回限定盤A/Bの3種類を合算集計したのに対し、ビルボードでは「悪魔な恋」を1曲目に配置した通常盤・初回盤Aと、「NYC」を1曲目に配置した初回盤Bを別集計したことで、CD売上が分散したこともある。楽曲単位での集計を基本としているビルボードならではの結果であった。

 

なお、『悪魔な恋/NYC』の3種合計のCD売上は28万で、配信では未解禁。「STAY」はCDと配信の合算で43万のセールスで『悪魔な恋/NYC』を上回っており、この結果に違和感はない

 

8月にはアルバム『CALLING』をリリースし、47万枚をセールスした。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2009年の年間8位を獲得した。

 

2010年 ~「流星」大ヒット~


2010年は、8月にカバーソングベスト『ALL COVERS BEST』を発売し、38万枚をセールスした。

 

11月には、19thシングル「流星」を発売。表題曲は最高視聴率15.8%を記録したドラマ「流れ星」主題歌に起用された。本曲はコブクロが得意とする壮大なバラードで、タイトルから分かるとおり、歌詞はドラマの内容とリンクしている。CDとダウンロードで同時発売されるとこれが大ヒットとなり、CDでは20万、ダウンロードでは自身4曲目となる配信ミリオンを記録した。推移は以下のとおり。

 

  • 発売2週間弱で35万ダウンロード
  • 発売1ヶ月後の2010年12月に60万ダウンロード
  • 発売1年2ヶ月後の2012年1月に75万ダウンロード
  • 発売3年2ヶ月後の2014年1月に配信ミリオン達成

 

見てのとおり初速が凄まじく、発売から僅か1ヶ月で60万ダウンロードを突破。その後もダウンロード数を積み上げ続け、2014年にミリオンに到達するに至った。

 

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Billboard JAPAN Hot 100では集計期間で票割れを起こしたものの、最高2位2週を含む9週連続TOP10入りするロングヒットを見せ、2011年の年間19位を獲得した。


コブクロ - 流星

 

2011年以降

 

2011年以降になると、さすがに配信ミリオンは出なくなったもの、コンスタントに10万~25万ダウンロードを記録するヒット曲を出し続けた。2011年以降に発表された楽曲に絞って配信開始日順に並べたダウンロードデータは以下のとおり。

 

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2011年-2014年

 

2011年は、2枚のシングル「Blue Bird」あの太陽が、この世界を照らし続けるように。を発売。表題曲は何れも10万ダウンロードを記録した。

 

この後一時的に疲労による休業があったものの、その中でも2012年1月には配信限定シングル「蜜蜂」をリリースし、10万ダウンロードを記録した。

 

9月にはベストアルバム『ALL SINGLES BEST 2』を発売し、73万枚をセールスした。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2012年の年間6位を獲得した。収録曲のうち、インディーズ時代からの人気曲「ココロの羽」が一般発売作品としては初めて音源化され、人気のとおりに10万ダウンロードを記録した。

 

11月には1年7ヶ月ぶりとなる22ndシングル「紙飛行機」を発売し、表題曲は10万ダウンロードを記録。

 

2013年には1枚のシングルと1枚のオリジナルアルバムを発売。シングル『One Song From Two Hearts/ダイヤモンド』からは、2曲目に収録されている「ダイアモンド」10万ダウンロードを記録した。この曲は2013年の熱闘甲子園のテーマソングとしてヒットした。

 

12月に発売された8thオリジナルアルバムOne Song From Two Hearts18万枚をセールスした。収録曲からは、今、咲き誇る花たちよ10万ダウンロードを記録した。この曲は2014年のソチオリンピックパラリンピックNHKのテーマソングとして親しまれ、2014年2月にはシングルカットされている。

 

2015年-

 

その後、しばらく新曲のダウンロード認定が途絶えるも、2015年11月には久々のヒット曲が誕生した。27thシングルCD表題曲「未来」興行収入32.5億円を記録したヒット映画「orange」の主題歌として書き下ろされた切ないバラードナンバーで、映画の人気とともに楽曲も普及し、25万ダウンロードを記録した。

 

この時期になると、ダウンロード市場も縮小してきており、代わりに音楽の聴き方はYouTubeなどのストリーミングサービスに移行してきていた。そこで、YouTubeにおけるMV再生数を見ると、「未来」は「蕾」の8,000万回再生に次ぐ自身2位のMV再生数を記録している。なお公式MVは二つ存在しており、「orange」のコミックス画像から作られたMVが3,000万再生、映画の映像から作られたMVが2,000万再生となっている。6月にはこの曲も収録した9thオリジナルアルバムTIMELESS WORLDが発売され、21万枚をセールスした。 

 

2020年現在、ダウンロード数認定を受けた曲は「未来」が最後となっているが、2017年以降も新曲の発売が途絶えたことはなく、安定的な活動が続いている。

 

2018年12月には結成20周年記念オールタイムベストアルバム『ALL TIME BEST 1998-2018』を発売し、27万枚をセールスした。発売と同時にストリーミングサービスにおいてコブクロの楽曲が全面的に解禁され、過去のヒット曲へのアクセスも開かれた。

 

まとめ

 
以上まで見てきたとおり、コブクロCDよりもむしろ配信で多数のヒット曲を輩出し続けており、2000年代から2010年代の20年間を第一線で駆け抜けたアーティストである。

 

残念だったのは2005年以前の楽曲のMVが長らくYouTube未解禁となっていたことだったが、2021年3月になってようやく全面フル解禁された。これだけ多くのヒット曲があるので、MV全面解禁により今後ますます新たなファンを開拓していくものと思われる。

 

以上までに紹介した大量のヒット曲を手っ取り早く入手するには、2018年に発売されたベストアルバム『ALL TIME BEST 1998-2018』がおすすめ。

 

ALL TIME BEST 1998-2018(通常盤)<4CD>(特典なし)

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  • アーティスト:コブクロ
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: CD
 

 

この記事で紹介したダウンロードデータは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp