2019年紅白本番を前に、見どころの整理として、発表されている歌唱曲の楽曲人気データをまとめた記事「第70回(2019年)NHK紅白歌合戦歌唱曲の楽曲人気データ - Billion Hits!」を書いたところであったが、2019年12月31日に無事本番が終了。「メドレー」とだけ表記されていて実際に何を歌うか本番までわからなかった歌手の歌唱曲もすべて判明したところで、改めて紅白歌唱曲のリストをアップデートする。
前半
前半でメドレー表記だったのは福山雅治とTWICE。福山雅治は「HELLO」「虹」「零~ZERO~」を披露。「HELLO」と「虹」は2015年のスペシャルメドレーでも披露しており、「零~ZERO~」は昨年に引き続いての歌唱となった。
TWICEは「TT」と「FANCY」のJapanese ver.を披露。「FANCY」の原曲はYouTubeでMV2.4億再生を記録している。
K-POPグループの場合、MV再生数を見ても、そのうち何回が日本国内から再生されたのか(日本国内でどれほど支持されているのか)が分かりにくいという難点があるのだが、Billboard JAPAN Hot 100のChart insightで「FANCY」の指標別動向をみると、MV再生数は公開以来継続してTOP30をキープしている(ビルボードのMV再生数は、数値こそ基本非公表だが、国内からの再生数のみカウントしている)。国内からの人気が高いことは確かなようである。
参考までに、日本向けに発売されたシングルCD表題曲「HAPPY HAPPY」と「Breakthrough」のChart insightも載せておく。「FANCY」の動向の良さが際立つ結果となっている。
後半
後半はメドレーだらけだった。
- DA PUMPは「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~」と「U.S.A.」、King & Princeは「シンデレラガール」と「koi-wazurai」を披露。いずれも過去のヒット曲+今年の曲という組み合わせである。
- 椎名林檎は「人生は夢だらけ~お願いガッテン篇~」という表記だったが、「人生は夢だらけ」をガッテンっぽくアレンジするのではなく、普通にガッテンのテーマ曲である「ジユーダム」を合わせて披露。
- 関ジャニ∞は2007年発売の「ズッコケ男道」と2015年発売の「前向きスクリーム!」の過去曲2曲のメドレー。いずれも過去1回ずつ紅白で披露したことがあるので、人気曲ということなのだろう。
- 星野源はメドレーという形ではないが「おげんさんといっしょ」のコーナーで「ドラえもん」、その後場所を変えて「Same Thing」を披露する形で2曲演奏。Perfumeも「FUSION-紅白ver.-」という表記だったので1曲のみかと思ったが「FUSION」のあとに「ポリリズム」も歌った。何気に紅白で「ポリリズム」を歌うのは11年ぶりである。
- RADWIMPSは「天気の子スペシャルメドレー」という表記だったが、リード曲として扱っていた「愛にできることはまだあるかい」を外すという予想外の選曲。たしかに「グランドエスケープ feat.三浦透子」はMovie editが25万ダウンロード、「大丈夫」も11月に配信開始したオリジナルバージョンがその月のうちに10万ダウンロードとなるなど今回披露した曲も遜色ない動きを見せてはいた。
- 氷川きよしは「大丈夫」と「限界突破×サバイバー」を熱唱。「限界突破×サバイバー」は2017年の曲だがアニメ「ドラゴンボール超」の主題歌として人気があり、アニメサイズのMVが1,600回再生を記録している。
【ドラゴンボール超】新主題歌「限界突破×サバイバー」(歌:氷川きよし)
- 松田聖子は「時間の国のアリス」「Rock'n Rouge」「チェリーブラッサム」「夏の扉」をメドレーで披露。去年に引き続いての過去曲4曲の歌唱となったが、ヒット曲の持ち玉が多いので去年の選曲との被りは一切ない。
- MISIAは「アイノカタチメドレー」との表記だったが、「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」の他、「INTO THE LIGHT」と「Everything」リミックスバージョンの2曲を歌唱。「INTO THE LIGHT」は1998年に発売され74.8万を売上げた1stミニアルバム「THE GLORY DAY」の4曲目に収録されている曲で、この選曲はかなり意外性があったのでは。
- 嵐は「A・RA・SHI」と「Turning Up」の2曲を披露。「BRAVE」を歌わなかったのは他局のラグビーテーマ曲だったからか。「Turning Up」は配信限定シングルということもあり、CD売上でみられるような「一度に大きな数字を記録する推移」ではなく、最初は少ない数字ながらも時間をかけてCD売上並みの数字まで配信実績を積み上げていくのではないかと予想される。実際にMV再生数は2,000万を超えており、今なお再生数を稼ぎ続けている。
ARASHI - Turning Up [Official Music Video]
こうしてデータで見ていくと分かるとおり、今年も多くのヒット曲に彩られた紅白歌合戦であった。ただ個人的にはやはり米津玄師とあいみょんのステージが見たかった…。2020年の紅白もどんな曲が聴けるのか今から楽しみである。