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第70回(2019年)NHK紅白歌合戦歌唱曲の楽曲人気データ

年末の音楽の祭典、紅白歌合戦が今年もやってくる。歌唱曲も発表されたので、見所の整理も兼ね、各曲がどれほどの人気となっているのか、楽曲人気を示す客観的かつ定量的なデータを集め、調べてみた。

 

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以下詳しく解説する。なお今年の紅白歌唱曲は以下公式HPより確認できる。

 

www.nhk.or.jp

 

 

 

 

現代の楽曲人気指標

 

各紅白歌唱曲の人気を測るために今回用いるデータは以下のとおりである。

 

2000年代後半~2010年代前半の音楽視聴方法の主流。10万ダウンロード以上を「ヒット」、100万ダウンロード以上を「大ヒット」とした。

 

  • ストリーミング再生数(Billboard JAPAN Streaming Songs)

最近になって爆発的に普及してきた音楽視聴方法。1,000万再生以上を「ヒット」、1億再生以上を「大ヒット」とした。

 

2010年代の音楽視聴方法の主流。1,000万再生以上を「ヒット」、1億再生以上を「大ヒット」とした。

 

  • 紅白歌唱回数

シングル売上がさほど高くない曲でも、長く歌い継いでいくにつれて人気が出る曲もある。紅白で複数回歌われているということは、それだけ世間の需要も大きいということであるとみなせる。過去1回以上歌われているならば「ヒット」とした。

 

  • シングル売上枚数

シングル売上は2011年以降楽曲人気指標として用いることができなくなっていることから、2010年以前の楽曲についてのみ記載する。10万枚以上を「ヒット」、100万枚以上を「大ヒット」とした。

 

  • アルバム売上枚数

たとえば女子十二楽坊「自由」のように、シングルではなくアルバムの売上が中心となって世間に広まったヒット曲もある。対象曲がアルバム収録曲中最大ヒット曲であれば、アルバムの売上を牽引した曲だったとみなし、アルバム売上も対象曲の人気を示すデータとする。10万枚以上を「ヒット」、100万枚以上を「大ヒット」とした。

 

なお、上記で示した「ヒット」に達していない曲は紅白出場の資格なしなどと言うつもりは毛頭ない。秋川雅史千の風になって」のように、紅白出場前はほとんど知名度がなくとも、紅白をきっかけに大ヒットに至る曲もある。今後の飛躍に期待したい。

 

前半歌唱曲

前半歌唱曲と楽曲人気データは以下のとおり。ヒット曲は黄色、大ヒット曲はオレンジ色を塗色している。

 

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いきなりFoorinの大ヒット曲「パプリカ」で幕を開ける。この曲は2018年発売ではあるが、昨年の紅白歌合戦出場をきっかけとしてここまでの人気を獲得するに至っており、Billboard JAPAN Hot 100においては、2018年間チャートTOP100圏外だったところ、2019年間チャートで7位に躍進した。紛れもなく2019年にヒットした曲である。


歌謡コーラス・グループである純烈は銭湯などにおけるCD販売をメインにした活動が実を結び、2年連続の紅白出場。その活動形態から、現代の中心的楽曲人気指標であるデジタル指標ではほとんど顔を出すことはない。演歌界はそろそろCDから配信へ販売のアプローチを切り替えた方が持続的な文化の普及につながるのではないかと思うが…。一応今年の歌唱曲「純烈のハッピーバースデー」日本レコード協会よりCD10万枚出荷認定を受けている。


純烈「純烈のハッピーバースデー」MVフルバージョン+オフショット

 

Hey!Say!JUMP坂本九上を向いて歩こうのカバーで出場。カバーは山田涼介主演のスペシャルドラマ「もみ消して冬 2019夏 ~夏でも寒くて死にそうです~」の主題歌として起用されたが、現在までのところCDや配信での発売はされていないようだ。

 

島津亜矢中島みゆき「糸」のカバーで出場。2015年に発売されたカバーアルバム「SINGER3」に収録されている。本家は配信ミリオン認定を受けており、カラオケでも長期間上位に滞在し続けている人気曲。発売時期は関係ないと言うことだろう。


中元みずき「イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままには2019年11月公開映画「アナと雪の女王2」エンディングテーマ。前回に引き続き松たか子は出場しないようだが、今回は前回ほど松たか子待望論が聞かれない気がする。それはともかく、映画の興行収入は80億を突破する大ヒットになっていることから、足下ではまだ配信実績が積み上がっていないものの、将来的に10万ダウンロードくらいは到達するのではないかとみている。

 

「君はともだち」「ホール・ニュー・ワールド」はそれぞれ大人気ディズニー映画「トイ・ストーリー」「アラジン」の劇中歌。今年は「トイ・ストーリー4」および実写版「アラジン」が興行収入100億を突破する大ヒットになった。配信実績が積み上がっていなくとも、知名度が抜群であることは自明である。

 

おしりたんてい「ププッとフムッとかいけつダンス」は同名人気児童書を原作にしたアニメ「おしりたんてい」の主題歌。絵本第1巻の発売は2012年で、アニメ化は2018年のこと。書籍発行部数は累計600万部を超えている。児童を中心に流行していることは確かなようだ。2007年にヒットした「おしりかじり虫」もそうだが、やはり子どもにはおしりがウケるのか。


おしりたんてい「ププッとフムッとかいけつダンス」 / Butt Detective "A Wind-Breaking Victory Dance"

 

Kis-My-Ft2はデビュー年がすでにCD売上が楽曲人気指標として使用できなくなった2011年であり、フル配信未開禁であることから人気曲の捕捉が大変困難になっているが、一応アルバムKis-My-1st収録4シングルのうち最大シングル売上となっているのがデビュー曲「Everybody Go」である。カラオケJOYSOUNDの歌手別ページで人気順に並べてもこの曲が最上位なので、この曲が自身トップクラスの人気であることは確からしい。

 

山内惠介「唇スカーレット」は純烈同様日本レコード協会よりCD10万枚出荷認定を受けている。山内惠介としてもこれで5年連続の紅白出場。やはりCD販売をメインにした活動なのでなかなか人気を捕捉しづらいものの、演歌界を牽引する人気歌手の一人であることは間違いないようだ。なお公式MVはアップロードされているものの、残念ながらショートバージョンである。


山内惠介 - 唇スカーレット MUSIC VIDEO (Short Ver.)

 

三浦大知「Blizzard」MV再生数3,100万を記録しており、これは自身最大の再生数である。自己最高ダウンロード数の25万を記録している「EXCITE」のMVがショートバージョンのアップロードに留まっていることには留意すべきであるが、自身トップクラスの人気となっていることは間違いない。この曲の発売は2018年といっても12月19日なので、ほとんど2019年のヒット曲と言ってしまって差し支えない。実際、Billboard JAPAN Hot 100の2019年間チャートでは44位を記録した。


三浦大知 (Daichi Miura) / Blizzard (映画『ドラゴンボール超 ブロリー』主題歌)

 

LiSA「紅蓮華」は現在飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている漫画「鬼滅の刃」のアニメ主題歌としてヒットし、ダウンロードでは自身最速の25万認定を受領した。ダウンロード開始から半年遅れてストリーミングも解禁したところ、紅白出演決定を受けるなどして目下ストリーミングチャートを駆け上がっており、年明け以降に配信実績を大幅に積み上げることが予想されている。今はまだ大ヒットへの歩みを進めている途中かもしれない。MVがショートバージョンのアップロードに留まっていることが唯一残念だ。Billboard JAPAN Hot 100の2019年間チャートでは26位を記録。


LiSA 『紅蓮華』 -MUSiC CLiP YouTube EDIT ver.-

 

King Gnu「白日」は2019年発売曲の中ではマストで押さえておくべき大ヒット曲の一つ。ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」主題歌に起用されたこともあり、MV再生数は1億を突破。ストリーミング再生数でも1億を突破しBillboard JAPAN Streaming Songsの2019年間チャートでは3位。Billboard JAPAN Hot 100の2019年間チャートでも4位となった。Foorin「パプリカ」と並ぶ前半の目玉曲である。


King Gnu - 白日

 

後半歌唱曲

後半歌唱曲と楽曲人気データは以下のとおり。ここでもヒット曲は黄色、大ヒット曲はオレンジ色を塗色している。

 

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Little Glee Monster「ECHO」NHKラグビーワールドカップ2019のテーマソング。準々決勝の日本対南アフリカ平均視聴率41.6%を記録。これはおそらく今年の紅白歌合戦でも超えることは難しい数字だと思われる。多大な注目を集めたラグビーのテーマソングということで、耳にしたことがあるという人はかなり多いはずだ。紅白を経て、配信実績がさらに積み上がることが予想される。


Little Glee Monster 『ECHO』

 

Official髭男dism「Pretender」は絶対に外すことができない今年一番の目玉曲。映画「コンフィデンスマンJP -ロマンス編-」に起用され人気を博し、MV再生数、ストリーミング再生数で1億を突破し、Billboard JAPAN Streaming Songsでは2019年間2位、Billboard JAPAN Hot 100では2019年間3位を記録した。なおHot100の2019年間2位は「マリーゴールド」、同1位は「Lemon」なので、2019年発売曲としては最高位を記録したことになる。あいみょんと米津玄師は紅白不出場(米津玄師はドキュメント映像でのみ出場)なので、紅白出場歌手中では年間Hot100最高位獲得アーティストである。


Official髭男dism - Pretender[Official Video]

 

YOSHIKI feat.KISS<YOSHIKISS>X JAPANYOSHIKIとKISSによる夢の共演。「Rock & Roll All Nite」は1975年に発売され、KISSにとってブレイクのきっかけとなった代表曲である。もともとライブ・バンドとして高い評価を得ていたKISSは、1975年に発売したライブアルバム「地獄の狂獣 キッス・ライヴ」が自身初となる米レコード協会プラチナディスクを獲得し人気を確立したが、そのライブアルバムのセールスを牽引したのがこの曲であった。シングルカットされたライブバージョンは自身初の米ビルボードTOP20入りを果たしている。YOSHIKIとの共演でどのように演奏されるのか注目したい。


Kiss - Rock And Roll All Nite (From Kiss eXposed)

 

RADWIMPSの曲目は今のところ「天気の子スペシャルメドレー」としか発表されていないが、さすがにリードナンバーとして扱われていた「愛にできることはまだあるかい」を外すとは思えないのでリストに入れておいた。メガヒット映画「君の名は」主題歌「前前前世」と比べることはさすがに酷だが、それでもダウンロード数とMV再生数で好調な数字を記録している。ストリーミング未開禁なのが惜しく、解禁していればより楽曲の広がりに寄与していたと思うが…。Billboard JAPAN Hot 100では2019年間29位を記録。


愛にできることはまだあるかい RADWIMPS MV

 

Superfly「フレア」NHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」主題歌。2020年1月発売予定のアルバム「0」の先行シングルとして、配信のみでリリースされた。ドラマは毎週視聴率19%前後を推移しており、この曲も親しまれていると思われることから、この先配信実績が積み上がることが予想される。なお「スカーレット」の前番組「なつぞら」主題歌を歌っていたスピッツは紅白不出場となることが30日にプロデューサーより明言された。


Superfly-フレア(Music Video) NHK連続テレビ小説「スカーレット」主題歌

 

菅田将暉まちがいさがしは作詞作曲プロデュースを米津玄師が担当し、ドラマ「パーフェクトワールド」の主題歌にも起用されたことで発売当初から人気となり、ダウンロード50万、MV再生数およびストリーミング再生数7,000万を記録。MV再生数およびストリーミング再生数はこの先大台の1億が十分視野に入っていると思われることから、ぜひ今のうちから外すことなくチェックしておきたいヒット曲だ。Billboard JAPAN Hot 100でも2019年間6位を記録している。


菅田将暉 『まちがいさがし』

 

竹内まりやは1978年デビューから42年目にして紅白初出場。歌唱曲は、2008年度下半期のNHK朝の連続テレビ小説「だんだん」の劇中歌として主演の茉奈佳奈に提供し、2012年にセルフカバーした「いのちの歌」。2014年に発売され25万枚以上のセールスとなったアルバム「TRAD」にも収録され、一応同アルバム収録シングル中最高売上を記録している。今後楽曲が更に普及するための下地は十分整っているといえるだろう。竹内まりやは夫の山下達郎同様ストリーミング未開禁なのが今後の楽曲の広がりを期待するうえではネックではあるが…。

 

嵐「カイト」米津玄師作詞作曲という、ビッグアーティスト同士の夢のコラボレーション楽曲。紅白の舞台で初めてお披露目となるので、当然それまで楽曲は未発売という状態である。おそらく2020年開始早々にダウンロード等が解禁されるのではないかと思われる。楽曲の制作ドキュメンタリー映像も放送されることが発表され、同映像には米津玄師も出演。個人的にはこの後の流れで米津玄師がサプライズで「馬と鹿」を歌唱することに期待したいのだが…。この後が松任谷由実ノーサイド」なのでラグビーつながりの流れもきれいだし。まあこれは願望込みということで。

 

その松任谷由実ノーサイド1984年発表のアルバム「NO SIDE」収録曲。アルバムは60万以上のセールスを記録している。このアルバムはシングルなしの全曲新曲で構成されているので、60万セールスを牽引した曲が何だったのかはよく分からないが、ベスト盤「日本の恋と、ユーミンと。」には「ノーサイド」も選曲されているので、同曲がアルバムの顔となっていたのだろう。

 

MISIAの歌唱曲は「アイノカタチメドレー」としか発表されていないが、タイトルを冠した「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」を外すとは思えないので入れておいた。2018年に発売され、ドラマ「義母と娘のブルース」主題歌にも起用されたことで人気となり、ダウンロード50万を記録。Billboard JAPAN Hot 100でも、2018年間27位→2019年間31位と息の長いチャートインを記録している。圧巻のステージで紅組のトリを務めてくれることと思われ、大いに期待したい。

 

まとめ

 

ということで、以上までが紅白歌唱曲の楽曲人気データの整理と補足情報のまとめである。

 

一点難儀なのは、歌唱曲が「メドレー」としか公表されていないアーティストが最近の傾向として多くなっていることで、こういったアーティストが実際に何を歌うかは当日のお楽しみとなる。しかしこういうケースは振り返ってみると「メドレーでは実際に何を歌ってたんだっけ…」と忘れてしまいがちで、せめて本番終了後に公式HPが実際の歌唱曲を追記してくれれば良いのだがそれもなく、個人的には過去の歌唱データを見たいときに非常に困る。なのでこの記事も、本番後にメドレー歌唱曲を追加し、それらの曲の楽曲人気データも後日追記する形でアップデートを忘れずに行うこととしたい。

 

 →1/6追記しました。以下の記事をご参照ください。

billion-hits.hatenablog.com