Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

Mr.Childrenの売上・再生回数ランキング

Mr.Childrenは1992年にミニアルバム『EVERYTHING』でメジャーデビューした男性4人組ロックバンド。すぐに大ブレイクを果たし、以降約30年の長きに渡りヒット曲を大量輩出している。

 

Mr.Childrenは活躍期間が長く、その間音楽業界もダイナミックな変化を複数回遂げているため、楽曲人気を計るうえで見るべき指標は一つではない。最も有名な記録は90年代のCD売上記録だが、例えばCDシングル売上だけを見ていては人気規模を十分に把握できない楽曲もあるため注意しなければならない。なおかつ、CD売上以外の主要楽曲人気指標であるダウンロード売上、MV・ストリーミング再生回数それぞれにおいてもMr.Childrenは特筆すべき固有事情があるため、各指標の数値を鵜呑みにするだけでなく、その背景を適切に理解する必要がある。よってここではCD売上に比べ認知度が低い配信3指標のデータを強調しながら、Mr.Childrenのヒット史を振り返る。

 

まずストリーミング再生回数ランキングは以下のとおり。こちらは日本レコード協会Billboard JAPANが公表している再生回数を基に作成した。

 

 

 

(ランキング作成方法および歴代ストリーミング再生回数ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト・トータル・ストリーミング再生回数ランキングはこちら↓) 

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次にYouTubeにおけるMV再生回数ランキングを以下に示す。ここでは1曲ごとに最大視聴回数を記録している動画のみを抽出しており、視聴回数の合算はしていない。

 

 

(歴代MV再生回数ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト・トータル・YouTube再生回数ランキングはこちら↓) 

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そして日本レコード協会のダウンロード認定を元に作成したダウンロード売上ランキングは以下のとおりである。

 

 

(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト・トータル・ダウンロード売上ランキングはこちら↓) 

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特にダウンロード売上ランキングやMV再生回数ランキングにおいては「何故あの大ヒット曲が上位にいないのか」等といった違和感を持って当然の内容になっているが、その背景は順次後述する。

 

 

デビュー~2005年

 

Mr.Childrenミスチル現象と言われるほど人気絶頂を極めていた90年代から00年代前半までの楽曲人気は当時のCD売上に表れており、この時期の楽曲はCD売上をメインに人気を計ることになる。ただ、Mr.Childrenが樹立した歴史的なCD売上記録は既に広く知られているため、ここではまだあまり有名ではないストリーミング・MV再生回数などの配信指標の記録を強調していく。

 

なおCD売上も含む各時代の楽曲人気指標を総合的に考慮し当ブログで作成した『歴代アーティスト・トータル・楽曲人気ランキング』ではMr.Childrenが歴代2位となっており、以下記事にMr.Childrenの総合楽曲人気ランキングも掲載している。

 

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1992年 ~「抱きしめたい」~

 

Mr.Childrenは主要曲の作詞・作曲・ボーカルを一手に担う桜井和寿を中心に結成され、プロデューサーとして小林武史を迎え入れる形でレコード会社トイズファクトリーからデビューを果たした。

 

1992年5月に発売されたデビューアルバム『EVERYTHING』45万枚を売り上げたが、これは後年の大ブレイクに沿って積み上げられたものであり、いきなり売れたわけではない。年間では1994年91位→1995年91位と推移しており、この時期が本作の売上のピークである。

 

同年末に続けて発売された2ndオリジナルアルバム『KIND OF LOVE』も同様に初動は低かったが後年の大ブレイクに沿って売上を伸ばした。こちらは1994年52位→1995年37位と推移し、最終的に117万枚を売り上げてミリオンセラーを達成している。なお本作の週間チャート最高位は13位であり、週間TOP10圏内に一度も入ることなくミリオンセラーとなった。他にこの記録を達成した作品はB'z『BAD COMMUNICATION』しかない。じわじわと人気を拡大させた作品の中でも特に持続力が高かったことがこの記録から読み取れる。

 

本作収録曲中最大人気曲は、2ndシングルとしても発売された「抱きしめたい」。アルバムとの同時発売だったためCDシングル売上は10万枚未満となったが、本曲の初期の代表曲としての人気は配信指標に表れている。本曲は2013年にLive Video*1、2018年にオーディオストリーミング配信が解禁されたが、それぞれMV6,000万再生、ストリーミング5,000万再生を突破している。アルバム売上と併せて考えればミリオン相当の楽曲人気が世代を超えて受け継がれていることが分かる。2017年にはNTTドコモのdヒッツ『娘の帰り篇』CMソングにも起用されている。

 

本曲は結婚式で使用されることも多い純愛バラードナンバー。恋人に寄り添い今後の未来を共に歩もうとする想いを描いた歌詞表現が多くの支持を集めており、終始優しい曲調の中の大サビの転調も映える仕上がりとなっている。


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1993年

 

1993年9月には3rdオリジナルアルバム『Versus』を発売。こちらも後年の大ブレイクに沿う形で売上を伸ばし、1994年52位→1995年37位と推移して最終累計80万枚を記録した。

 

11月には4thシングルCROSS ROADを発売。最高視聴率20.4%を記録したドラマ『同窓会』の主題歌に抜擢されたこともあって自身初のミリオンセラーとなる125万枚を記録。本曲でMr.Childrenは大ブレイクを果たした。

 

1994年 ~「innocent world」「Tomorrow never knows」~

 

CROSS ROAD」での大ブレイク状態から社会現象級の人気にまで到達したのがこの年である。

 

6月に発売された5thシングル「innocent world」日本コカ・コーラアクエリアス ネオ/アクエリアス イオシス』のCMソング。それまでの楽曲で多かったラブソングとは一線を画し、自己を見つめる桜井和寿の内面を表に出した歌詞となった。この歌詞がキャッチーなサビのメロディーにも嵌る形で強い支持を集め、1994年の年間1位を記録。最終的には193万枚をセールスした。この大人気は世代を超えて受け継がれており、配信では2018年に解禁されて以降の積み上げでストリーミング5,000万再生を突破している。

 

なお本曲は1994年の日本レコード大賞も受賞しているが、放送当日はスケジュールの都合がつかず授賞式を欠席するという異例の事態となった。


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この勢いで9月に発売された4thオリジナルアルバム『Atomic Heart』も達成順では自身初のアルバムミリオンセールスを記録。年間では1994年3位→1995年6位と推移し、最終的には342万枚を売り上げた。これは当時のアルバムセールス歴代1位記録であった。

 

11月には6thシングルTomorrow never knowsを発売。本曲は最高視聴率18.3%を記録したドラマ若者のすべて主題歌。歌詞は前作からさらに内省的となり、綺麗事ばかりではない達観した生き様に至る境地が卓越した歌詞表現で以て描かれた。これがサウンド構成によって壮大な名バラードに昇華されており、青春群像劇だったドラマの内容にも嵌ったことで特大楽曲人気を獲得。2010年までの集計では歴代7位のCD売上となる276万枚を売り上げた。年間では集計割れを起こし、1994年22位→1995年4位と推移した。

 

本曲の特大人気も世代を超えて受け継がれており、YouTubeにおいては2013年に解禁されて以降の積み上げでMV7,000万再生を突破している。

 

なお本曲は原曲の他に2年後に発売されたアルバム『BOLERO』に収録されたremixバージョンが存在する。両者の違いはベースとドラムのサウンドが打ち込みか生音かという些細なものであるが、ベスト盤を含むアルバム収録においては軒並みremixバージョンが採用されたことから、しばらくの間原曲のシングルバージョンは入手するためのやや高いハードルが存在した。音楽配信環境が整えられた現在では両者ともに気軽に聴けるようになったが、RIAJストリーミング認定においては別集計されており、原曲とremixの双方ストリーミング5,000万再生を突破している。参考までに両者を合計すれば1億再生を超えていることとなる。


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立て続けに12月には7thシングル「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」を発売。ライブで盛り上がるアップテンポなロックナンバーとして勢いのままに大ヒットし、124万枚を売り上げた。

 

1995年 ~「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」~

 

1995年1月には、当時同じく小林武史からプロデュースされていた桑田佳祐とのコラボが実現し、桑田佳祐&Mr.Childrenとして「奇跡の地球」をリリース。本作は売上で得た収益を全てエイズの啓発運動「アクト・アゲインスト・エイズ(AAA)」に充てるチャリティソングとして位置づけられており、期間限定販売だったが、171万枚をセールスし1995年の年間7位を記録した。

 

5月には8thシングル「【es】 〜Theme of es〜」を発売し、157万枚をセールス。

 

8月には9thシングル「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」を発売。ノンタイアップながら1995年の年間5位を記録し、181万枚を売り上げる大ヒットとなった。配信でも2018年に解禁されて以降の積み上げでストリーミング5,000万再生を突破しており、息の長い人気を維持している。本曲はシングルでは当時まだ多くなかったアッパーなポップロックナンバーで、歌詞も久々のラブソングと言える内容であり、カラオケ等で盛り上がるMr.Childrenの楽曲としての地位を築いている。


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1996年 ~「名もなき詩」~

 

1996年2月にはまたも特大ヒット曲が生み出された。最高視聴率25.9%を記録したドラマ『ピュア』の主題歌にも起用された名もなき詩である。本曲はイントロのギターサウンドも印象深い爽やかなロックナンバーで、愛の真髄を描いたような歌詞もラブソングとして強い支持を集めた。

 

本曲のCD売上は累計230万枚を記録し1996年の年間1位を獲得したが、それ以上に有名だったと思われる記録が初動売上(発売初週売上)120万枚であり、これは当時から2010年に至るまでの歴代1位記録であった*2。2011年以降はAKB48等に記録を更新されているが、CD売上記録は2011年以降楽曲人気指標として一切使用できなくなったため(詳細は後述する)、その変質に触れないまま記録を比較することは何の示唆ももたらさない行為である。「名もなき詩」の初動売上記録は楽曲人気指標として使用可能なCD売上記録としては歴代1位と言える。

 

(ちなみにAKB48が全盛期に大人気となっていたことはCD売上ではなく配信ダウンロード売上記録で証明されており、以下記事にその偉業をまとめている。)

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こうして歴史的な売上爆発を起こすほどだった「名もなき詩」の特大楽曲人気は後世ににも受け継がれており、配信でも2018年に解禁されて以降の積み上げでストリーミング5,000万再生を突破している。また、本曲はMVが制作されなかったが、YouTubeでは代わりにLive Videoが公開されている。


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4月には11thシングル「花 -Mémento-Mori-」を発売。153万枚を売り上げて1996年の年間5位に入った。そして6月には5thオリジナルアルバム『深海』を発売。1996年の年間6位に入り、最終累計274万枚を記録した。なお本作ではコンセプトが重視されており、前作以降1995年までに発売された大ヒットシングル表題4曲は収録されていない。8月にはアルバム収録曲からのシングルカットとして12thシングル『マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-』を発売し、73万枚を売り上げた。

 

1997年

 

2月には13thシングル「Everything (It's you)」を発売。121万枚を売り上げて1997年の年間8位に入った。3月には本曲と、前作で収録されなかった1994年から1995年までの4シングルを収録した6thオリジナルアルバム『BOLERO』を発売。収録内容が豪華だったこともあり1997年の年間2位を獲得し最終累計328万枚を記録した。

 

大ブレイク以来ヒットシーンの第一線を走り続けた疲労などから、本作を以てMr.Childrenは一時的に活動を休止した。

 

1998年 ~「終わりなき旅」~

 

1998年2月には14thシングルニシエヒガシエを発売し、66万枚をセールス。当時はまだ活動休止期間中だったため、TV披露などのプロモーションは行われなかった。

 

10月には15thシングル「終わりなき旅」を発売。本作より本格的な活動再開となり、積極的なプロモーションも行われた。本曲は最高視聴率12.9%を記録したドラマ殴る女の主題歌。7分を超える大作ロックバラードであり、歌詞は夢を追い求める人生を熱く表現した内容だったことから、人生の応援歌として多くのリスナーから支持を受け、107万枚を売り上げた。この大人気は世代を超えて受け継がれており、配信では2018年に解禁されて以降の積み上げでストリーミング5,000万再生を突破している。


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1999年

 

1999年1月には16thシングル「光の射す方へ」を発売し、45万枚をセールス。2月には7thオリジナルアルバム『DISCOVERY』を発売。181万枚を記録して1999年の年間10位に入った。5月にはアルバムからのシングルカットとして17thシングル「I'LL BE」を発売し、30万枚を売り上げた。

 

9月にはライブアルバム『1/42』を発売し、55万枚を売り上げた。

 

2000年

 

2000年は1月に18thシングル「口笛」、19thシングル「NOT FOUND」を発売し、それぞれ72万枚、60万枚を記録。9月にはこの2曲を収録した9thオリジナルアルバム『Q』を発売し、89万枚を売り上げた。

 

2001年

 

2001年7月にはこれまでの軌跡を総括した2枚のベストアルバムをリリース。このうちMr.Children 1992-1995』2001年の年間6位を獲得している。本作は必聴盤として世代を超えて売れ続けており、累計売上は240万枚を突破している。もう1枚のベストMr.Children 1996-2000』も同様に累計売上182万枚を突破している。

 

『深海』以降のMr.Children桜井和寿疲労や苦悩もあって難解な作風の楽曲も多くなっていたが、本年以降は吹っ切れたようでキャッチーな明るい楽曲が再び多くなっていく。ベスト盤発売直後の8月にリリースされた20thシングル「優しい歌」はそれを象徴するような楽曲で、47万枚を売り上げた。

 

11月には21stシングルyouthful daysを発売。本曲は最高視聴率18.5%を記録したドラマ『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』の主題歌として普及し、69万枚をセールス。年間では集計割れを起こし、2001年36位→2002年40位と推移した。なおドラマでは本曲に限らずMr.Childrenの多くの過去曲や未発表曲が劇中使用されており、本曲だけでなくMr.Childrenの楽曲全体の人気普及を後押しすることとなった。

 

2002年

 

2002年元日には22ndシングル「君が好き」を発売し、51万枚をセールス。本曲もドラマ『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』の挿入歌として使用されていた楽曲である。5月には10thオリジナルアルバム『IT'S A WONDERFUL WORLD』を発売し、2002年の年間6位を獲得。累計では122万枚を売り上げた。当時日本音楽業界全体でCD市場の縮小が進んでいた中で2作ぶりのミリオンセールスとなり、力強い人気回復を見せた。

 

7月には23rdシングル「Any」を発売し、50万枚をセールス。12月には24thシングル「HERO」を発売し、55万枚を売り上げた。こちらは2003年の年間6位も記録している。

 

2003年 ~「くるみ」~

 

この年は前年の桜井和寿の小脳梗塞発症等に伴い活動ペースが緩やかとなり、2003年の新作は11月に発売された『掌/くるみ』一作のみだったが、本作も65万枚を売り上げて変わらぬ売上を維持し、2004年の年間5位を獲得した。本作は両A面シングルであるが、YouTubeにおいては「くるみ」MV3,000万再生を突破しており、「掌」よりも再生回数が多い。「くるみ」のMVはストーリー仕立てとなっており、当時も話題だったが今でも人気を集めている。


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2004年 ~「Sign」~

 

2004年4月には11thオリジナルアルバム『シフクノオト』を発売し、2004年の年間2位を獲得。累計売上は141万枚を記録した。

 

直後の5月には26thシングルSignを発売。本曲は何気ない日常の愛おしさを優しい曲調に乗せて歌うバラードナンバーで、ドラマオレンジデイズ主題歌として書き下ろされた。大学生の青春ラブストーリーを描いたドラマは最高視聴率23.0%を記録する大人気となり、楽曲も同様に多くの人気を獲得。2004年の年間2位にランクインし、累計売上は77万枚を記録した。本曲の人気も世代を超えて受け継がれており、配信ではストリーミング5,000万再生、MV4,000万再生を突破している。

 

なお本曲は2004年の日本レコード大賞も受賞。「innocent world」に続き2度目の受賞となり、前回は欠席した授賞式にも出席した。


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2005年

 

2005年6月には27thシングル四次元 Four Dimensionsを発売。4曲A面という豪華収録内容だったこともありミリオン目前の92万枚を売り上げ、2005年の年間3位を記録した。YouTubeにおいては、1曲目の「未来」のLive Videoが収録曲中最も多くの視聴回数を記録している。

 

9月には12thオリジナルアルバム『I ♥ U』を発売し、2005年の年間8位を記録。累計では113万枚を売り上げた。

 

2006年-2010年

 

2000年代はCD市場の縮小傾向が本格化した一方、新たに着うたiTunesなどに代表される配信ダウンロード市場が拡大した。2006年以降になると主流市場のCDから配信への移行が本格化したため、CD売上だけでなく配信売上も併せて見なければ楽曲人気の全貌を把握できなくなった。

 

そのような中、Mr.Childrenを始めとするレコード会社トイズファクトリー所属アーティストは配信市場への参入に消極的な姿勢を見せた。次第に、他のアーティストが徐々に売上をCDからダウンロードへ移行させていく中で、当該勢力のようにCDに売上を集中させる配信未解禁アーティストがCD売上チャートで優位性を築き相対的に上位進出するようになった。

 

Mr.Childrenにおいても例外ではなく、既に2000年代前半よりCD売上チャートにおける優位性獲得の兆候はあったが、2000年代後半も一部を除き基本的に楽曲の配信ダウンロード未解禁、CD限定販売という姿勢を貫いた。このような背景を踏まえながら、この時期は特にCD売上チャート成績に関してはそれが全てではないという視点を持ちながら楽曲人気を把握していく必要がある。

 

2006年 ~「しるし」~

 

2006年はまず7月に28thシングル箒星を発売し、41万枚をセールス。

 

続いて11月には29thシングル「しるし」をリリース。本曲は最高視聴率22.4%を記録したドラマ14才の母主題歌として書き下ろされた。究極のラブソングとも言えるような本曲は7分を超える渾身の大作バラードとなっている。ドラマは未成年の妊娠をテーマにした重い内容だったが、楽曲はそこで描かれた様々な愛に寄り添った。累計売上は74万枚を記録し、年間では集計割れを起こしたものの2006年7位→2007年31位と推移した。

 

本曲の人気も世代を超えて受け継がれており、配信ではストリーミング5,000万再生、MV7,000万再生を突破している。


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2007年

 

2007年1月には30thシングル「フェイク」を発売。40万枚限定生産と銘打たれたが、実際にはもっと生産枚数を絞っていたのか、累計売上32万枚を記録した時点で早々にCDショップからは完売でほぼ姿を消していた。

 

3月には13thオリジナルアルバム『HOME』を発売し、120万枚をセールス。本作は2007年の年間1位を獲得した。アルバムチャートの年間1位獲得は自身初となった。

 

5月にはc/w集『B-SIDE』を発売し、47万枚をセールス。

 

10月には31stシングル「旅立ちの唄」を発売し、2007年の年間8位を獲得。累計では39万枚を売り上げた。

 

2008年 ~「HANABI」~

 

2008年はまず7月に32ndシングル「GIFT」を発売し、33万枚をセールス。本曲はNHK北京オリンピックパラリンピック放送テーマソングに起用された。その縁もあり同年末、自身初となる紅白歌合戦出場が実現し、本曲が歌唱曲に選ばれた。また、2012年には資生堂『MAQuillAGE』CMソングに、2022年にはキリンビール麒麟特製 豊潤レモンサワー』CMソングに起用されるなど、定期的にピックアップされていることもあり、本曲の人気も息が長く、配信ではストリーミング5,000万再生、MV3,000万再生を突破している。

 

続いて9月に発売された33rdシングルHANABI新たな代表曲と言えるほどの大人気を獲得した。その大きな原動力となったのが、大人気ドラマコード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-の主題歌として起用されたことである。ドラマは救急医療現場で奮闘する若手医師たちの葛藤や成長を描いた内容。楽曲の歌詞は、日々の自問自答や喪失感の中でも刹那的に輝いて見える理想を追い求めるような内容で、ドラマの中の様々な場面に置き換えて当てはめることができる普遍性を有していた。青春の煌めきや儚さを想起するアコースティックなサウンドも風情を感じさせる仕上がりとなっていた。


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ドラマは好評によりシリーズ化され、2010年に2nd season、2017年に3rd season、2018年には劇場版が制作されたが、その全てにおいて「HANABI」が主題歌に用いられたことで、本曲の人気は一際息の長いものになっている。

 

ただし、この楽曲人気をデータで把握しようとするうえでは、やや長い説明が必要となる。

 

HANABI」のCD売上

 

まず本曲のCDシングル売上は48万枚であるが、これだけでは当然本曲の楽曲人気規模の全貌を語ることはできない。各シングルのCD売上枚数を並べればこの数字は自身の中でも下位に位置する。これは言わずもがなCDシングル市場の縮小の影響が大きく、楽曲人気要因ではない。いよいよMr.Childrenの楽曲人気もCDシングル売上だけでは計れなくなったことを本曲の売上が象徴している。

 

なおCDシングル売上の年間チャートではTOP10入りしていたが、これは前述したとおり、Mr.Childrenが当時配信市場に積極的に参入しなかったことによる相対的な上位進出という構造的要因が大きい。

 

他方、アルバムに関しては当時依然としてCD市場が配信市場に対して圧倒的優位だったため、収録曲の楽曲人気を推し量るうえでCDアルバム売上は有用なデータとなっていた。「HANABI」を収録した15thオリジナルアルバムSUPERMARKET FANTASY127万枚を記録しており、こちらの方が本曲の大ヒットを表すに相応しいデータである。本作は2008年12月に発売され、Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2009年の年間3位を獲得している。

 

HANABI」のダウンロード売上

 

HANABI」のフル配信ダウンロード販売が解禁されたのは、デビュー25周年を迎えた2017年のことであった。この年に前述したドラマの3rd seasonが放送されたことから、「HANABI」はダウンロード指標にてリバイバルヒットの動きを見せ、Billboard JAPAN Download Songsの年間では2017年8位→2018年23位と推移した。

 

この推移から、本曲はダウンロードでも2017年以降の積み上げで相当程度の売上を記録しているはずであるが、結論から言えばそのダウンロード数は不明である。時代網羅的にダウンロード売上を確認する適切な手段は、レコード会社の申請に基づき日本レコード協会が公表しているダウンロード認定を見る他存在しない*3が、Mr.Childrenが所属するレコード会社トイズファクトリー2012年末まで日本レコード協会に非加盟だった関係から、2012年までのトイズファクトリーの楽曲群は同認定の対象外となっているようなのである*4。よって本曲のダウンロード売上規模は想像上で補うしかない。非常に残念な事態となっている。

 

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HANABI」のMV再生回数

 

HANABI」は現在YouTubeLive Video9,000万回視聴を突破しており、これが動画視聴回数自身最多記録となる。通常とは異なりライブ映像がMusic Videoより多い視聴回数となっている背景にはやはり複雑な経緯が存在する。

 

Music VideoがYouTubeでフル公開されたのは2013年のことであり、以降2017年までに約2,000万回視聴を積み上げていた。しかし、前述したダウンロード販売解禁のタイミングでMusic Videoが非公開化されしまい、視聴回数カウントがストップした。これは世のデジタル化の流れに逆行するような措置であったが、当時は日本音楽業界全体がCD売上偏重志向に染まっており、配信市場への意識のシフトが遅れていたことがこの背景にある。

 

代わりにこの年から公開されたのが、Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』からのライブ映像である。そしてこのタイミングから「HANABI」のリバイバルヒットが生じたため、YouTubeにおいてはこのライブ映像が活性化した楽曲への需要の受け皿となり、大きく視聴回数を伸ばしたのである。

 


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非公開となっていたMusic Videoは2020年に再度公開され、2017年までに約2,000万回再生を稼いでいたところから再び視聴回数を伸ばし、現在ではMV8,000万再生を突破している。そのうちライブ映像の視聴回数を再度逆転するかもしれない。参考までにライブ映像と合計すれば1億回視聴を余裕で超えることとなる。

 

なおMr.ChildrenYouTubeにて過去曲をMV公開したタイミングは、「HANABI」等が一斉に解禁された2013年と、「innocent world」等が一斉に解禁された2020年の二段階が存在する。当然ながらMV再生回数ランキングにおいては早くにMVが公開されていた楽曲が有利となっており、上位進出していない大ヒット曲は2020年までMVが公開されていなかったと捉えて良い。

 

HANABI」のストリーミング再生回数

 

HANABI」がストリーミング解禁されたのは2018年のことである。この年にMr.Childrenの全楽曲が配信ダウンロード・ストリーミング市場に一斉解放された。結果的にダウンロード市場への本格参入は極端に遅れたが、ストリーミング市場への参入タイミングは日本音楽業界の平均的動向に沿っていると言えるものであった。

 

前述したとおりこの年は『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-が公開され、興行収入93億円を記録する盛り上がりとなったこともあり「HANABI」のリバイバルヒットが継続していた。そのため解禁早々に「HANABI」はストリーミングチャート上位に進出。Billboard JAPAN Streaming Songsでは週間1位を獲得し、年間でも2018年5位→2019年39位→2020年78位と推移した。累計ストリーミング1億再生も記録したが、これは自身最多にして唯一であるだけでなく、2000年代の楽曲としても史上初の達成であった。

 

このように「HANABI」はアルバム売上から言ってミリオン相当の大人気が世代を超えて受け継がれており、一際大きなリバイバルヒットによって現在自身最大人気となっていると言っても良いほどの地位を築いているのである。

 

2009年

 

2009年以降、Mr.ChildrenはCDシングルをあまり発売しなくなった。この年に発表した新曲は「fanfare」のみだが、本曲は配信限定シングルとしての発売であった。前述した理由によりそのダウンロード売上は不明である。このように、Mr.Childrenも一部楽曲はダウンロード販売していたが、それはCDシングルとして発売しなかった楽曲に限られ、CDシングルとフル配信ダウンロードの双方で楽曲販売を解禁することは2017年までなかった。

 

2010年 ~「365日」~

 

CDシングルの発売がないまま、2010年12月には16thオリジナルアルバム『SENSE』を発売。本作は自身初めてCDシングルとして発売した楽曲を一切収録しないアルバムとなった。そのうえ、先入観なく楽曲群を受け止めてほしいとのメンバーの思いから、プロモーション活動は殆ど行われなかった。それでも78万枚を売り上げ、Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2011年の年間1位を獲得した。

 

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本作収録曲中最大人気となったのは「365日」である。本曲はCDシングル化されなかったため、当然ながらCD売上だけを見ていては本曲の人気に気づくことはできないが、配信ではMV7,000万再生、ストリーミング5,000万再生を突破しており、何れも本作収録曲中最多を記録していることから、アルバム売上を牽引した本曲の人気を把握できる。なお本曲はMVが制作されていないため、代わりにMr.Children TOUR 2015 REFLECTION』からのライブ映像が動画視聴回数を稼いでいる。

 

本曲はNTT東日本NTT西日本CMソングとして前年から既にオンエアされ話題となっていたラブソング。純真一途な片想いの気持ちが歌われており、優しいサウンドで関係性の進展を後押ししてくれるようなバラードナンバーとなっている。2017年にはNTTドコモNTT docomo group × Mr.Children 25th Anniversary コラボキャンペーン』ブランドCMソングにも起用されるなど、世代を超えて取り上げられる機会も多い人気曲である。


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2011年以降

 

2011年以降は、日本音楽業界全体の動向として、CDシングルの複数種販売施策が激化したことにより、CDシングル売上を楽曲人気指標として使用することが不可能となった。Mr.ChildrenはCDシングルの複数種販売を積極的に行わなかったが、結局CDシングル売上指標自体が変質してしまっていたため、誰であっても同じことであった。よってこの時期以降は配信各指標とCDアルバム売上を主として楽曲人気を把握していく。

 

2011年には配信限定シングル「かぞえうた」を発売。この年発生した東日本大震災の復興支援ソングとして急遽リリースされた楽曲である。前述した理由によりそのダウンロード売上は不明であるが、それなりの売上が記録された可能性が高く、その証拠に当時iTunesのダウンロード売上を集計対象に含めていたBillboard JAPAN Hot 100では、同週CD11万枚を売り上げたKARA「ジェットコースターラブ」を退けて週間1位を獲得している。

 

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2012年5月には、21世紀以降の活躍を総括した2枚のベストアルバムMr.Children 2001-2005 <micro>』『Mr.Children 2005-2010 <macro>』をリリースし、それぞれ117万枚、121万枚をセールス。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは後者が2012年の年間1位、前者も2012年の年間2位を記録しワンツーフィニッシュを達成した。

 

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さらに同年11月には17thオリジナルアルバム[(an imitation) blood orange]を発売し、77万枚をセールス。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2013年の年間2位を獲得した。

 

2014年5月には6th配信限定シングル「放たれる」を発売。2013年以降のトイズファクトリーの作品がダウンロード認定の対象として新たに加わったことは前述したとおりだが、その中で本曲は自身初となる10万ダウンロード認定を受領した。

 

同年11月には35thシングル「足音 〜Be Strong」をリリース。本曲はCDシングルとして発売されたためダウンロードではタイムリーに解禁されなかったが、YouTubeではCD発売と同時期にMVが公開されており、MV3,000万再生を突破している。さらに2018年に解禁されて以降の積み上げでストリーミング5,000万再生も突破している。

 

なお本曲はCD売上チャートでは複数種販売施策を展開したSexy Zone「君にHITOMEBORE」に次ぐ2位となり、Mr.Childrenの20年以上に及ぶCDシングル売上チャートにおける連続1位記録が30作で途切れたことで、複数種販売施策の是非をめぐり炎上状態となった。しかし前述したとおり既にCD売上指標自体が変質を遂げていたため、本来この件で騒ぐ必要性は皆無であった。Billboard JAPAN Hot 100では上記の複数種販売施策が一部無効となっていたため「足音 〜Be Strong」が1位となっている。この一連の詳細は以下記事に譲る。

 

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本曲は自身初めて小林武史から離れたセルフプロデュースによる作品であることが話題性を有しており、メンバー4人が奏でるバンドサウンドや、現実を踏みしめながら一歩ずつ前に進むことを後押しする歌詞が響いていたことから人気曲となった。本曲は最高視聴率15.8%を記録したドラマ信長協奏曲主題歌にも起用された。


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2015年には18thオリジナルアルバム『REFLECTION』を発売し、58万枚をセールス。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2015年の年間4位を獲得した。

 

2017年1月には36thシングルヒカリノアトリエを発売し、配信では10万ダウンロードを突破。本作以降はCDシングル発売とダウンロード販売のタイミングがほぼ同時期に行われるようになった。

 

同年5月にはデビュー25周年を記念した配信限定ベストアルバムMr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』を1年間の販売期間限定で2作同時発売した。言い換えればこの2作に収録された楽曲はこの年(2017年)からダウンロード販売解禁となった。アルバムは2作とも10万ダウンロードを突破しており、Billboard JAPAN Download Albumsの年間では2017年の1位と2位を記録しワンツーフィニッシュを達成。CD発売はされなかったが、ダウンロード売上だけで総合アルバムチャートBillboard JAPAN Hot Albumsの年間でも2017年の7位と10位を記録した。

 

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なお両作の期間限定販売が終了したタイミング(2018年)で、Mr.Childrenの全ての過去楽曲のダウンロード販売・ストリーミング配信が解禁されている。

 

2017年7月には37thシングル「himawari」を発売し、10万ダウンロードを記録。翌年に解禁されて以降の積み上げでストリーミング3,000万再生も突破している。

 

2018年1月には配信限定シングル「here comes my love」を発売。本曲はドラマ『隣の家族は青く見える』の主題歌としても普及し、25万ダウンロードを記録した。公表されている限りにおいてだが、これはこの指標における自身最多記録となる。本曲はドラマ仕立てとなっているMVや歌詞での愛情表現や、凝った楽曲展開が魅力のロックバラードとなっている。


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同年10月には19thオリジナルアルバム『重力と呼吸』を発売し、44万枚をセールス。Billboard JAPAN Hot Albumsでは2018年の年間8位を獲得した。

 

2020年には20thオリジナルアルバム『SOUNDTRACKS』を発売し、38万枚をセールス。Billboard JAPAN Hot Albumsでは2021年の年間6位を獲得した。

 

2022年には、2011年以降の活躍を総括した2枚のベストアルバムMr.Children 2011-2015』『Mr.Children 2015-2021 & NOW』をリリースし、それぞれ24万枚、26万枚を売り上げた。

 

2023年には21stオリジナルアルバム『miss you』を発売し、16万枚を売り上げた。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、Mr.Childrenは卓越した桜井和寿の歌詞表現とバンドサウンドアレンジが支持される形で30年以上に渡りヒット作を輩出し続けていた。紆余曲折を経ながらも楽曲の全面的なデジタル解禁が実現したことで、今後も新旧作品の人気がますます広がりを見せていくものと思われる。

 

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ここで紹介したヒット曲をヒット曲を手元に所有したい場合は、入り口として以下4枚のベストアルバムをお勧めする。

 

Mr.Children 1992-1995

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Mr.Children 1996-2000

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Mr.Children 2001-2005 (通常盤)

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Mr.Children 2005-2010 (通常盤)

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この記事で紹介したデータのうちストリーミング再生回数やダウンロード売上はBillboard JAPANの公式サイト日本レコード協会の公式サイトから検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのデータを検索してみることをお勧めする。

 

 

*1:Music VideoのYouTube解禁は2020年だったため、それまでの約7年間はLive Videoが実質的に本曲のMVとして機能し視聴回数を伸ばすこととなった。

*2:ただし当時の集計ルールでは、発売前週のフラゲ日における売上も発売当週分に含めていたため、月曜発売であった「名もなき詩」の初週売上はフラゲ日にあたる前週の金曜から日曜までの3日間を含む実質9日間の売上であった。1997年にルールが変わりこの措置が廃止されて以降の日本音楽業界では、確実にフラゲ日の売上が発売初週に含まれ且つ集計期間を最大限初週売上加算に活用できる水曜発売が一般化している。

*3:ダウンロード市場全盛期は2000年代後半から2010年代前半にかけてだが、その間は当時最もヒットチャートとして有名だったオリコンをはじめとして誰も全国網羅的なダウンロード売上チャートを作成していなかった。オリコンBillboard JAPANが当該ダウンロード売上を集計するようになったのは2010年代後半からであるため、これらのデータは歴史的な権威や比較可能性が乏しい。90年代のCD売上記録を完全無視して2000年代以降のCD売上データだけを集計してもそれは歴代ランキングにはならないことと同様である。そもそもオリコンBillboard JAPANは基本的に累計ダウンロード売上を一般公開しておらず、データへのアクセスが困難であるという問題もある。

*4:日本レコード協会の賛助会員となった現在は過去曲も申請可能な状態となっているはずだが、依然としてダウンロード認定の動きはなく、一連の背景が何らかの影響を及ぼしている可能性が高い。