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2014年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2014年に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全13週をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。2014年の集計対象はCD売上ラジオエアプレイiTunesダウンロード売上、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、Twitterの5指標であった。

 

なお2014年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

 

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1/15公開週1位 グッドモーニングアメリカ「イチ、ニッ、サンでジャンプ」

 

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この週の1位はグッドモーニングアメリカ「イチ、ニッ、サンでジャンプ」オリコンでは岩佐美咲鞆の浦慕情が1位だったが、その売上は1万枚程度と多くなく、2位以下とも僅差だったため、ビルボードサウンドスキャン)では同程度の売上を記録したCD発売2週目ゴールデンボンバー「101回目の呪い」が1位となった。このように当週はCD指標で十分な加点を得た曲が皆無だったため、総合では主にラジオ指標で多くの加点を得たグッドモーニングアメリカが1位となった。

 

2/5公開週1位 SEKAI NO OWARIスノーマジックファンタジー

 

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この週はCD発売2週目SEKAI NO OWARIスノーマジックファンタジーが前週に続き2週連続1位を獲得した。CD売上ではモーニング娘。「笑顔の君は太陽さ/君の代わりは居やしない/What is LOVE?」が1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)では販路限定イベント券付CD複数枚セットの売上が集計対象外となっておりその売上は5万枚程度に留まったため、CD以外の指標の加点により総合ではSEKAI NO OWARIが逆転した。

 

スノーマジックファンタジー」は配信10万ダウンロード、MV4,000万再生を突破している人気曲である。らしさ溢れるファンタジックな世界観を纏ったウィンターソングになっている本曲はJR東日本「JR SKISKI」のCMソングとしても親しまれた。ポップな曲調から抱くイメージとは裏腹に歌詞はハッピーエンドとは言い切れない内容になっていることも考察性を有していた。


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4/23公開週1位 SEKAI NO OWARI炎と森のカーニバル

 

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この週はCD発売2週目SEKAI NO OWARI炎と森のカーニバルが前週から浮上し1位を獲得した。CD売上ではモーニング娘。「時空を超え 宇宙を超え/Password is 0」が1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)では販路限定イベント券付CD複数枚セットの売上が集計対象外となっておりその売上は3万枚程度に留まったため、CD以外の指標の加点により総合ではSEKAI NO OWARIが逆転した。

 

炎と森のカーニバル」は配信10万ダウンロード、MV7,000万再生を突破している人気曲である。よこはまコスモワールドをモデルに制作された本曲は前作に続きファンタジックな世界観が完成されており、遊園地に来ているときのような浮遊感を有している。 


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5/14公開週1位 嵐「GUTS!」

 

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この週はCD発売2週目嵐「GUTS!」が前週に続き2週連続1位を獲得した。CD売上ではももいろクローバーZ「泣いてもいいんだよ」が1位だったが、嵐との差は数千枚程度しかなかったため、CD以外の指標の加点により総合では嵐が逆転した。

 

6/18公開週1位 東方神起「Sweat」

 

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この週の1位は東方神起「Sweat」CD売上ではNEWS「ONE-for the win-」が1位で、その差は約10万枚の大差がついていたが、この頃になるとCD以外の指標の総合チャートに与える影響力も増しており、当週の東方神起の場合は主にiTunesTwitterの指標の加点により総合でNEWSを逆転した。

 

「Sweat」はジャジーな夏うたになっており、大人っぽさのあるセクシーなダンスも人気を博した。なお12月には本曲を収録した8thオリジナルアルバム「WITH」が発売され、26万枚を売り上げている。

 

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6/25公開週1位 UVERworld「7日目の決意」

 

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この週の1位はUVERworld「7日目の決意」オリコンではキム・ヒョンジュン「HOT SUN」が約8万枚の売上で1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)では握手会イベントにおける売上を集計対象外としていたため、 その売上は約4万枚程度に留まった。その結果、約5万枚を売り上げていたUVERworldがCD売上1位となり、そのまま総合でも1位となった。

 

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8/27公開週1位 藍井エイルIGNITE

 

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この週の1位は藍井エイルIGNITEオリコンではEXILE TRIBE「THE REVOLUTION」約32万枚もの売上で1位だったが、これはライブツアーの販路限定チケット販売に当CDを付属することで劇的に売上を伸ばしたことによるものである。ビルボードサウンドスキャン)ではこの分の売上を全て集計対象外としたため売上は1万枚程度にまで減少した。結果、約3万枚を売り上げたゴールデンボンバー「ローラの傷だらけ」がこの週のCD売上1位となったが、藍井エイルとの差は数万枚程度しかなく、CD以外の指標の加点差により総合では逆転が生じた。

 

IGNITE」は配信で25万ダウンロードを記録しており、藍井エイルの代表曲の一つである。アニメ「ソードアート・オンラインII」主題歌として人気となった本曲は、登場人物の心情や葛藤を表現した曲調と歌詞になっており、パワフルな歌声と相まって多くの支持を得た。


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9/24公開週1位 2PM「ミダレテミナ」

 

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この週の1位は2PM「ミダレテミナ」オリコンではEXILE TRIBE「THE REVOLUTION」が約15万枚もの売上を記録し返り咲き1位となったが、これは前述したライブチケット付商法の追加公演分の計上があったことによるものである。ビルボードでは該当売上を全て集計対象外としていたためこのようなことにはならず、約8万枚の売上を記録した2PMがCD売上1位となり、そのまま総合でも1位となった。

 

11/5公開週1位 キング・クリームソーダ「祭り囃子でゲラゲラポー」

 

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この週の1位はキング・クリームソーダ「祭り囃子でゲラゲラポー」。人気アニメ「妖怪ウォッチ」の主題歌対決となったこの週、オリコンではDream5+ブリー隊長「ダン・ダン デュビ・ズバー!」が1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)では発売記念イベントにおける売上を集計対象外としていたため、約5万枚の売上を記録したキング・クリームソーダがCD売上1位となり、そのまま総合でも1位となった。

 

11/12公開週1位 東方神起「Time Works Wonders」

 

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この週の1位は東方神起「Time Works Wonders」CD売上ではNMB48「らしくない」が1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)では劇場盤を集計対象外としていたため売上は7万枚程度に留まった。東方神起NMB48のCD売上差が数万枚程度にしかならなかったことで、CD以外の指標の加点で大差をつけた東方神起が総合では逆転する結果となった。

 

11/26公開週1位 Mr.Children「足音〜Be Strong」

 

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この週の1位はMr.Children「足音〜Be Strong」オリコンではSexy Zone「君にHITOMEBORE」約33万枚もの売上で1位だったが、これは廉価のMUSIC CARDの6枚セット購入にハイタッチ会参加権利を付与したことによる売上大幅増であった。この結果によりMr.Childrenの20年以上に及ぶオリコンシングル連続1位記録が30作で途切れることとなったため、その手法の是非を巡って大炎上が発生する事態となった。

 

ビルボードサウンドスキャン)ではそもそもCDですらないMUSIC CARDを最初から集計対象外としていたためSexy Zoneの売上は5万枚程度に留まった。その結果、約11万枚を売り上げたMr.ChildrenがCD売上1位となり、そのまま総合でも1位となった。

 

こうした形でビルボードオリコンと比較して楽曲人気指標としての機能不全が緩和されており、ビルボードは既に当時国内で最も楽曲人気チャートに近い存在になっていたのだが、その知名度はまだ普及途上であった。当時の論調はSexy Zoneの商法に否定的なものが多く、オリコンの結果に納得がいかないという声が大多数であったが、依然としてオリコンの権威があまりにも肥大しすぎていたため、納得の結果を出していたビルボードが取り上げられることはこの機会でもほとんどなかった。

 

もし当時からビルボード知名度と権威があれば、オリコンの結果に納得がいかない場合はビルボードに目を向ければ良いだけの話なので、大炎上は回避できたはずである。本件はSexy Zoneにも直接批判の声が向けられる事態となり、Sexy Zoneのファンとファン以外の層の間の分断も招いてしまっていた。こうした形で最新音楽文化の受容理解発展が阻害されていたことを考えれば、当時の音楽チャートの責任は重大である。本当に残念な事態であった。

 

なおMUSIC CARDはオリコンでも2015年4月から集計対象外となった

 

ちなみにBillboard JAPAN Hot 100はオリコンと異なり○作"連続"1位記録という概念がない。総合楽曲チャートであるビルボードは、CDシングル表題曲だけでなく、アルバム曲やc/w曲など全楽曲がランクイン対象だからである。

 

そもそもたった一度1位を逃しただけで途切れてしまうような記録がアーティスト人気持続指標として使用できるはずもなく、○作連続1位記録は運が良いというだけの話に過ぎない。アーティスト人気持続指標としては、"連続"ではなく"通算"1位記録を参照することが適切である。

 

よってMr.Childrenオリコンシングル連続1位記録が途切れたことに関して騒ぐ必要性は全くなかったのだが、前述のとおり当時はオリコン連続1位記録の権威が必要以上に肥大化しすぎていたため、大炎上に至ってしまった。

 

こうして楽曲以外の場面での話題が多くなってしまった「足音~Be Strong」だが、もちろん楽曲にも注目は集まっていた。本曲は自身初のセルフプロデュースであることが話題性を有しており、メンバー4人が奏でるバンドサウンドや、現実を踏みしめながら一歩ずつ前に進むことを後押しする歌詞が響いていたことから人気曲となった。なお2015年6月には本曲を収録した18thオリジナルアルバム「REFLECTION」が発売され、58万枚を売り上げている。


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12/17公開週1位 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE「O.R.I.O.N.」

 

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この週の1位は三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「O.R.I.O.N.」CD売上ではSKE48「12月のカンガルー」が1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)では劇場盤を集計対象外としていたため三代目J Soul BrothersとのCD売上差は数万枚程度しかなく、CD以外の指標の加点差により総合では逆転が生じた。

 

当時の三代目J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」日本レコード大賞にノミネートされたことで注目度が高まっており、「O.R.I.O.N.」も「R.Y.U.S.E.I.」と同系統のEDMを駆使したダンスナンバーとして支持された。「R.Y.U.S.E.I.」が大賞を受賞し翌年にかけて一気に注目を集めたことで「O.R.I.O.N.」はやや陰に隠れる形となってしまったが、それでも配信25万ダウンロード、MV4,000万再生を記録しており、十分な人気を示している。

 

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12/24公開週1位 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE「O.R.I.O.N.」

 

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この週も1位は三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「O.R.I.O.N.」。前週に続き2週連続1位を獲得した。オリコンではSUPER JUNIOR「MAMACITA -AYAYA-」が約6万枚の売上で1位だったが、ビルボードサウンドスキャン)ではMUSIC CARDを集計対象外としていたためその売上は1万枚程度に留まった。その結果、predia「美しき孤独たち」がCD売上1位となったが、その売上も2万枚程度にしかならなかったため、CD以外の指標でも多くの加点を得ていた三代目J Soul Brothersが総合では逆転した。

 

まとめ

 

以上が2014年に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうちオリコンと1位が異なる週の振り返りとなる。 当時はまだ知名度が乏しかったビルボードだが、2010年代後半になると知名度が高まり、楽曲人気指標としての権威を確立した。2014年の週間チャートも、最も楽曲人気指標に近い公式なチャートとして、今からでも押さえておきたいところである。

 

(次年2015年のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧はこちら↓)

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(前年2013年のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧はこちら↓)

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