Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

KARAの人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

KARAは2010年に「ミスター」でデビューした5人組女性K-POPアイドルグループ。同時期にデビューした少女時代とともに一大K-POPブームを巻き起こした。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は6曲で、認定総ダウンロード売上は355万(歴代32位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、KARAのヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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2010年

 

「ミスター」配信ミリオン

 

KARAは2007年に韓国でデビュー。その後メンバーチェンジがありながらも、2009年に「Mr.」がヒットしてブレイクを果たしていた。日本デビューは2010年。デビュー曲にはその「Mr.」を日本語詞にした「ミスター」が選ばれた。8月に発売されると、ヒップダンスと呼ばれる特徴的な振り付けやポップな曲調が韓国同様に大きな支持を受け、配信125万ダウンロード、CD14万枚を売り上げる自身最大の大ヒットとなった。

 

配信売上推移は以下のとおりである。

 

  • 発売1ヶ月で10万ダウンロード
  • 発売3ヵ月で25万ダウンロード
  • 発売4ヵ月後の2010年12月に35万ダウンロード突破
  • 発売5ヶ月で60万ダウンロード
  • 発売6ヶ月で75万ダウンロード
  • 発売9ヶ月後の2011年5月に配信ミリオン突破(着うたフル75万+PC配信25万)
  • 発売1年6ヶ月後の2012年2月に125万ダウンロード達成(着うたフル75万+PC配信50万)

 

2010年のヒット曲として認識されている本曲だが、2010年末時点の売上は35万ダウンロードであり、実は売上の過半が2011年に稼がれている。これは年末の忘年会等でヒップダンスの需要が大きかったことや、Mステスーパーライブ等の年末歌番組出演効果が翌年に強く表れたことを示している。

 

デビュー当時、女性K-POPアイドルグループはまだ日本で馴染みがない存在だったが、同時期にデビューした少女時代と共にメディアによる猛烈なプッシュが行われたため、いきなりのブレイクに成功した。大量宣伝効果によって翌2011年にかけての認知の浸透がもたらされたことも上記配信推移の要因と言える。

 

2010年当時は音楽の聴き方がCDから配信に移行していたにも拘わらず、シングルCD売上が楽曲人気指標として使用され続けていたため、高配信売上曲の楽曲人気過小評価が頻発する憂慮すべき事態になっていた。CD売上が14万枚に留まった「ミスター」もその危険があったが、上述の大量宣伝によってその事態は避けられ、むしろAKB48や嵐と並ぶアイドル戦国時代を構成する一大勢力として実態と認知の双方を獲得することに成功した。

 

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なお本曲のMVは、アーティスト自身のアカウントと所属事務所のアカウントの双方がYouTubeにアップロードしているため、再生数に票割れが生じている。前者が2,000万再生、後者が3,000万再生なので合計すれば5,000万再生を超える。これは日本語曲としては自身1位のMV再生数となる。


KARA - ミスター M/V

 

9月には、これまで韓国で発表してきていた楽曲をまとめたベストアルバム『KARA BEST 2007-2010』を日本向けに発売。「ミスター」のヒットに沿って売上を積み重ね、21万枚を記録した。

 

「ジャンピン」配信ミリオン

 

11月には、日本向けの1stオリジナルアルバムの先行シングルとして2ndシングル「ジャンピン」を発売した。この曲は韓国でも同じタイミングで発売されているが、日本向けのシングルでは歌詞が日本語になっている。両国でヒットとし、日本での売上は配信ミリオン、CD11万枚となった。

 

配信売上推移は以下のとおり。

 

  • 発売3週間で10万ダウンロード
  • 発売2ヵ月後の2011年1月に35万ダウンロード突破
  • 発売4ヵ月後の2011年3月に50万ダウンロード突破
  • 発売7ヶ月で75万ダウンロード
  • 発売4年後の2014年11月に配信ミリオン達成

 

やはり売上の過半が2011年以降に稼がれているが、「ミスター」発売時よりも認知度が上昇していたことにより、50万ダウンロードまでは「ミスター」を上回る自己最速ペースで売上が稼がれた。その後も売上を伸ばし、最終的には4年かけてフル配信ミリオンセラーを達成した。

 

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ミリオン達成所要日数は「ミスター」に及んでいないため、冒頭で示したダウンロード売上ランキングでは本曲を2位としている。しかし配信ミリオンという実績は、「ミスター」の陰に隠れたままにしておくわけにはいかない大ヒットである。本曲は「ミスター」と同系統の親しみやすいダンスナンバーとして、MVのヴィジュアルとも相まって大きな支持を受けた。めざましどようびの主題歌だったことも楽曲の普及を後押しした。


KARA - 점핑(Jumping) M/V (Japan Ver.)

 

同月に発売されたアルバム『ガールズトーク44万枚を売り上げた。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2011年の年間9位を獲得している。収録曲のうち、韓国で2月に発売されヒットしていた楽曲「Lupin」の日本語版である「ルパン」10万ダウンロードを記録した。

 

2011年

 

2010年の活躍が知れ渡っていった2011年も好調な売上が維持された。この年からはAKB商法の本格台頭によってシングルCD売上が楽曲人気指標としての機能を完全に失ったため、シングルCD売上枚数については言及しないが、CDと配信の双方で安定した数字を残している。

 

まず4月に3rdシングル「ジェットコースターラブ」を発売。この曲は最初から日本向けに作られた楽曲で、これまでの楽曲よりもキュートさを強調した仕上がりになっている。当初は3月発売予定だったが、東日本大震災が発生した影響で2週間延期されたほか、収益の一部が義援金として寄付されることとなった。このような状況下でこの曲の明るさに元気をもらえたという声も多くあり、支持が集まったことで売上は50万ダウンロードを記録した(着うたフル25万、PC配信25万)。

 

Billboard JAPAN Hot 100では週間2位を獲得している。ちなみにこの週の1位はMr.Childrenの配信限定シングル「かぞえうた」だった。


KARA - ジェットコースターラブ

 

6月には4thシングルGO GO サマー!を発売。この曲も日本向けに作られたオリジナルナンバーで、前作同様キュートさが強調された夏うたになっている。パラパラを取り入れたダンスも話題になったことで前作を上回るペースで50万ダウンロード突破を果たした(着うたフル25万、PC配信25万)。

 

Billboard JAPAN Hot 100では2週連続で週間2位を獲得しただけでなく、CD売上以外の加点(ラジオエアプレイやiTunesセールス)により嵐「Lotus」を上回るなどして2011年の年間8位を記録した。


KARA - GO GO サマー!

 

10月には5thシングルウィンターマジックが発売され20万ダウンロードを記録(着うたフル10万、PC配信10万)。

 

11月には2ndオリジナルアルバム『スーパーガール』が発売された。本作は2011年に発売された3枚のヒットシングルを収録しただけでなく、初回盤に限り「ミスター」「ジャンピン」も収録するというまるでベスト盤のようなお買い得仕様となったことで売上を伸ばし、74万枚をセールス。Billboard JAPAN Top Albums Salesでは2012年の年間4位を獲得した。

 

2012年以降

 

2012年以降は、日韓関係の悪化も影響してK-POPブームが終焉したことで、ダウンロード認定を受ける曲は出なくなってしまったが、それでも2012年10月発売の7thシングルエレクトリックボーイでは自身初のBillboard JAPAN Hot 100週間1位を獲得(オリコン1位は指原莉乃 with アンリレ「意気地なしマスカレードだったが、ビルボードでは劇場盤を集計対象外としていたため異なる結果となった)。3rdオリジナルアルバムガールズ フォーエバー12万枚を売り上げた。

 

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さらに2013年8月に発売された9thシングル「サンキュー サマーラブ」でも2曲目のBillboard JAPAN Hot 100週間1位を獲得(オリコン1位は登場2週目のSKE48「美しい稲妻」だったが、ビルボードでは劇場盤を集計対象外としていたため異なる結果となった)。定期的に存在感が示され続けていた。

 

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しかし2014年にメンバーのニコルとジヨンが脱退。新規メンバーとしてヨンジが加入する動きもあったが、2016年にギュリ、スンヨン、ハラも事務所との契約を終了したことで事実上の解散となった。

 

グループは解散したものの個々の活躍はその後も日本国内で見られており、2016年にはジヨンがJY名義で発売したソロ2ndシングル好きな人がいることが同名月9主題歌に起用され、25万ダウンロードを売り上げている。

 

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また、2019年にハラが急逝した際は多くの追悼の声が日本国内から上がり、それまでの功績に改めて注目が集まることとなった。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、KARAは女性K-POPアイドルグループの先駆者として日本国内の道を開拓しており、その全盛期の絶大な人気は配信ダウンロード売上が証明していた。もちろん当時のメディアの猛プッシュの恩恵もあってのことではあったが、売上を見ればKARAの楽曲が受容され、支持されていたことに疑いの余地はない。

 

ここで紹介した数々のヒット曲を手っ取り早く入手するには、2011年に発売された2ndオリジナルアルバム『スーパーガール』の初回盤*1がおすすめ。10万ダウンロード以上を記録した6曲のうち、「ルパン」以外の5曲が1枚のCDに収められている。

  

スーパーガール(初回盤C)

スーパーガール(初回盤C)

  • アーティスト:KARA
  • 発売日: 2011/11/23
  • メディア: CD
 

 

この記事で紹介したダウンロード売上データは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード売上を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp

 

 

*1:初回盤はA,B,Cの3種類があるが何れも可。AにはDVD、Bにはフォトブックが付属する。CはCDのみ。通常盤を選択すると「ミスター」「ジャンピン」が入手できないので注意。