Billion Hits!

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DREAMS COME TRUEの配信ダウンロード売上ランキング

DREAMS COME TRUEは1989年に「あなたに会いたくて」でデビューした音楽グループ。ボーカル吉田美和、ベース中村正人の2人組*1である 。1990年代に入ると大ブレイクし、以降30年近くに渡りヒット曲を大量輩出している。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は20曲で、認定総ダウンロード売上は490万(歴代19位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、ドリカムのヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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デビュー-2006年 ~CD売上全盛期~

 

ドリカムがブレイクした90年代はCDバブル期であり、当時の楽曲人気指標の主流はCD売上だった。ダウンロード市場が拡大し、CDに代わる音楽試聴方法の主流となったのは2000年代中盤である。したがって、デビューから2000年代中盤の楽曲人気を把握するには、CD売上を中心に見ることになる。一方でこの時期の楽曲でも、人気が長期にわたり持続している曲は配信売上認定を受けている。

 

デビューから2006年までに発売された楽曲のダウンロード売上データは以下のとおり。配信解禁時期は曲によって異なるが、2005年から順次解禁されている。配信売上と解禁時期を踏まえれば、非常に長きに渡り愛されている楽曲が多いことが分かる。

 

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1989年- ~Epic時代~

 

ドリカムは1988年に元々バックバンドでベースを務めていた中村正人吉田美和に声をかける形で結成され、1989年3月に1stシングル「あなたに会いたくて」と1stオリジナルアルバムDREAMS COME TRUEの同時発売という形でデビューした。両作とも発売当時は売れなかったものの、アルバムは後の人気拡大とともに徐々に売上を伸ばしていき、最終的には登場週数122週ランクインを果たし56万枚をセールスした。

 

ただし、この56万枚という数字は週間TOP100で圏外だった週の売上が含まれていないので、圏外でも長期に渡り売上を積み上げていただろうことを踏まえると実売数はもっと多いのではないかと思われる。実際、日本レコード協会からは出荷ミリオン認定を受けている。さすがに過剰出荷とは考えにくいので、実売数もミリオンに達している可能性はかなり高い。なお年間チャートでは発売4年後の1993年になって初めてTOP100圏内(88位)にランクインしている。

 

1989年11月には早くも2ndアルバム『LOVE GOES ON…』を発売。こちらも、1stアルバムと比べると初動は高くなったものの初登場は13位だった。そこから1st同様、後の人気拡大とともに徐々に売上を伸ばしていき、最終的には週間最高8位、登場週数229週ランクインを果たし150万枚をセールス。年間では1990年32位→1991年71位→1992年34位→1993年41位と推移する記録的なロングヒットとなった。日本レコード協会からは出荷ダブルミリオン認定を受けている。

 

このアルバムの目玉はなんといっても「未来予想図Ⅱ」である。この曲はシングルCD化されていないにも拘わらず、アルバムのラストを締めるラブバラードとして図抜けた人気となった。配信では解禁が2009年にも拘わらず、そこからの積み上げで25万ダウンロードを突破している。

 

ここまで人気が広がったのは、ブレイク作となる次のシングル笑顔の行方のc/wにシングルカットという形で収録されたことも大きい。このシングルは、表題曲が平均視聴率17.0%を記録したドラマ「卒業」主題歌に起用されたことで認知が進み、44万枚を売り上げている。

 

「未来予想図Ⅱ」の歌詞にちなみ、ブレーキランプを5回点滅させたカップルは当時続出したものと思われる。


DREAMS COME TRUE - 未来予想図Ⅱ(from DWL2007 Live Ver.)

 

他にも、3rdシングルのc/wとして先行発売されていた「うれしい!たのしい!大好き!」10万ダウンロードを突破している。c/wながらもCMや映画タイアップが付いたことや、ライブ映えする元気な曲調が受け、3rdシングル表題曲「うれしはずかし朝帰り」を上回る人気となった。配信売上10万以上の認定を受けたドリカムの曲の中ではこの曲が最も古い。

 

1990年11月にはこの勢いで3rdアルバム『WONDER 3』を発売し、登場週数108週を記録して139万枚を売り上げた。年間では集計割れし、1990年22位→1991年14位と推移。累計は前作を下回っているが、ミリオン到達は前作よりも早く、自身初のミリオン達成作品となった。

 

アルバム発売の僅か2週間後には早くも次のシングル「雪のクリスマス」を発売し、32万枚をセールスしたのだが、この曲はなぜかシングル音源がドリカムのアルバムに収録されたことが一度もない。

 

1991年は2枚のシングルを発売し、『Eyes to me/彼は友達』74万枚「忘れないで」31万枚を売り上げた。このうち前者は「Eyes to me」がCMソングになったこともあり初の週間1位と1991年の年間9位を獲得した。11月に発売された4thオリジナルアルバム『MILLION KISSES』はこの曲の人気が牽引する形で、累計236万枚を売り上げる特大ヒットを記録。年間では集計割れを起こしたが、1991年11位→1992年9位→1993年67位と推移した。

 

1992年も2枚のシングルを発売。『決戦は金曜日/太陽が見てる』107万枚「晴れたらいいね」68万枚を売り上げた。この時期には毎週金曜23時にレギュラーで音楽バラエティ番組「うれしたのし大好き」も持っており、「決戦は金曜日」がその主題歌として初のシングルCDミリオンセラーとなる程の人気となった。この曲が牽引する形で11月に発売された5thオリジナルアルバム『The Swinging Star』322万枚を売り上げる超特大ヒットとなり、国内史上初の300万超えを達成。前年にCHAGE & ASKA『Super Best II』が樹立していた当時の歴代1位セールスを更新した(現在は歴代17位)。年間ではまたも集計割れを起こしたが、1992年5位→1993年4位と推移した。

 

1993年は1枚のシングル『go for it!/雨の終わる場所』が発売され、105万枚をセールスする大ヒットに。「go for it!」の人気が牽引する形で12月に発売された6thオリジナルアルバム『MAGIC』258万枚をセールスする特大ヒットとなった。今作では年間の集計割れが起きなかったため、1994年の年間1位を獲得するに至った。

 

アルバム曲のうち、ラストを飾るバースデーソング「HAPPY HAPPY BIRTHDAY」が後年になっても根強く人気を保ち、配信では解禁が2005年にも拘わらず、そこからの積み上げで10万ダウンロードを突破している。この曲の長さは1分少々しかないのだが、逆にそれが手軽な入手を後押ししたのかもしれない。


DREAMS COME TRUE - HAPPY HAPPY BIRTHDAY (from ATTACK25 TOUR 2014 Live Ver.)

 

1994年は3枚のシングルが発売された。このうち、1月に発売された「WINTER SONG」は8thシングル「雪のクリスマス」の英詩バージョン。楽曲は正式には「WINTER SONG (“雪のクリスマス”WORLDWIDE VERSION)」とサブタイトルが付いている。国内興行収入12億円を記録したアメリカ映画「めぐり逢えたら」の日本版主題歌にも採用された。日本語詞とはまた違った味わいが受け、CDでは98万枚をセールス。4年後の1998年にはc/wを差し替えた再発盤がリリースされ、8万枚を売り上げて合計106万枚のセールスを記録した。

 

配信でも、解禁が2009年にも拘わらず、そこからの積み上げで2018年に10万ダウンロードを突破した。 


DREAMS COME TRUE「WINTER SONG」

 

4月には15thシングル「WHEREVER YOU ARE」54万枚、11月には同16th『すき/きづいてよ』59万枚をセールスした。

 

1995年はまず2月に17thシングル「サンキュ.」を発売し、これが106万枚を売り上げるミリオンヒットに。この曲の人気が牽引する形で、3月に発売された7thオリジナルアルバム『DELICIOUS』296万枚を売り上げる特大ヒットとなった。今作でも年間の集計割れが起きなかったことで、1995年の年間1位を獲得した。年間1位は2年連続となった。

 

アルバムが売れ続ける中、7月には18thシングル『LOVE LOVE LOVE/嵐が来る』が発売され、これが248万枚を売り上げる特大ヒットを記録。1995年の年間1位も獲得し、これでシングル・アルバム年間1位同時制覇となった。ここまでのヒットとなった理由は、1曲目「LOVE LOVE LOVE」が最高視聴率28.1%を記録したドラマ「愛していると言ってくれ」主題歌となったことと、この曲がシンプルながらも心に響く歌詞やメロディーで作られた普遍的なラブソングであったことが挙げられる。配信でも、解禁が2009年にも拘わらず、そこからの積み上げで2014年に10万ダウンロードを突破した。 


DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」

 

1995年はこの後も10月に19thシングル『ROMANCE/家へ帰ろ』が発売され、60万枚を売り上げた。

 

また、ボーカル吉田美和のソロ1stオリジナルアルバム『beauty and harmony』も12月に発売され、シングルカットナンバーが1曲もなかったにも拘わらず140万枚のミリオンセラーを記録する大ヒットとなった。

 

1996年は、4月に8thオリジナルアルバム『LOVE UNLIMITED∞』を発売し、「LOVE LOVE LOVE」の人気が牽引する形で243万枚をセールス。年間でも1996年の8位を獲得した。

 

また、ドリカムが全面的に音楽を手掛けた映画「7月7日、晴れ」のサントラ盤7月7日、晴れ サウンドトラック』も同時に発売され、76万枚を売り上げた。本作には多くの既存ヒット曲が収録され、ベスト盤にも近い内容となっていた。特に15thシングル「WHEREVER YOU ARE」は他のアルバムには未収録で、本作にしか収録されていない。

 

11月には20thシングル『そうだよ/誘惑』が発売され、35万枚を売り上げた。

 

1997年は11月には初のベストアルバム『BEST OF DREAMS COME TRUEが発売され、レコード会社主導・本人非公認ながらも217万枚を売り上げる特大ヒットとなり、年間でも1997年6位→1998年97位と推移した。このベストアルバム発売の背景にはレコード会社の移籍があった。

 

1997年- ~EMI時代~

 

11月には移籍後初となるオリジナルアルバム『SING OR DIE』を発売し、「そうだよ」などの人気が牽引する形で88万枚をセールス。翌1998年7月には全米デビューを果たした。この年は海外展開が活動のメインとなった。

 

1999年はまず1月に国内では久々となる新曲「朝がまた来る」を発売。この曲は、最高視聴率24.0%を記録したドラマ「救命病棟24時」主題歌に起用され、70万枚をセールス。配信でも、解禁が2009年にも拘わらず、そこからの積み上げで2018年に10万ダウンロードを突破した。 この曲はポップな曲調と裏腹に大切な人を失い悲しみに暮れるさまが歌詞でリアルに表現されており、ドラマの内容とも相まって多くの人に印象を残した。


DREAMS COME TRUE - 「朝がまた来る」

 

1999年4月には10thオリジナルアルバム『the Monster』を発売。この曲の人気が牽引する形で108万枚のミリオンヒットを記録した。

 

12月には25thシングル「SNOW DANCE」が発売され、30万枚をセールス。

 

2000年2月には初の公認ベストアルバムDREAMS COME TRUE GREATEST HITS “THE SOUL”』が発売され、236万枚を売り上げる特大ヒットを記録。年間でも2000年の5位を獲得した。

  

2001年12月には11thオリジナルアルバム『monkey girl odyssey』が発売され、37万枚を売り上げた。「SNOW DANCE」などの人気がセールスを牽引した。

 

2002年- ~紆余曲折を経てユニバーサルへ移籍~

 

2002年から2003年にかけては、それまでの海外展開が思うような結果にならなかったことや、レコード会社の再移籍の関係で、しばらく活動が停滞した。2003年12月から2004年1月にかけては、移籍に絡みコンセプトベストが2作続けて発売され、バラードベスト『DREAMAGE-DREAMS COME TRUE “LOVE BALLAD COLLECTION”』40万枚、アッパーベスト『DREAMANIA DREAMS COME TRUE 〜SMOOTH GROOVE COLLECTION〜』17万枚を売り上げた。

 

「やさしいキスをして」配信50万ヒット

 

2004年2月は再移籍後初となる31stシングル「やさしいキスをして」が発売された。この曲は、最高視聴率26.3%を記録したドラマ「砂の器」主題歌として書き下ろされたこともあり、31万枚をセールス。報われない恋を歌う内容が、殺人犯に恋するドラマのヒロインの運命とも相まって多くの人の印象に残り、久々のヒット曲となった。

 

この頃になると配信市場も拡大してきており、この曲の配信解禁は2006年だったが、そこからの積み上げで2014年に50万ダウンロードを突破している。配信解禁がCD発売からさほど空かなかったことで、90年代のヒット曲よりも多い配信売上となり、シングルCD売上を上回る数字を記録した。合計すれば81万となり、30万枚という数字だけでこの曲の人気を計ることはできなくなっていた。


DREAMS COME TRUE - 「やさしいキスをして」

 

3月には全英詩企画アルバム『LOVE OVERFLOWS -ASIAN EDITION-』を発売し、15万枚をセールス。

 

12月には待望の12thオリジナルアルバム『DIAMOND15』が発売され、52万枚をセールス。「やさしいキスをして」の人気が牽引する形で売上が回復した。

 

「何度でも」配信75万ヒット

 

翌2005年もヒット曲が誕生した。2月に発売された35thシングル「何度でも」はドラマ「救命病棟24時」の第3シリーズの主題歌に起用され、CD売上枚数は19万枚をセールスした。しかし配信売上ではこの曲がもっと大きな人気となっていることが可視化されており、累計は75万ダウンロードを突破している。推移は以下のとおり。

 

  • 2006年11月に配信解禁
  • 2007年10月に10万ダウンロード突破
  • 2009年11月に25万ダウンロード突破
  • 2011年9月に35万ダウンロード突破
  • 2015年7月に75万ダウンロード達成

 

この曲は何度でも立ち上がるという連呼や1万回だめでも1万1回目は何か変わるかもしれないというフレーズが分かりやすく心に響く人生の応援歌として支持された。2011年に東日本大震災が発生した際は復興を象徴する曲の一つとして挙げられたことで再び注目が集まり、2010年代に入っても配信売上を伸ばし続けた。

 

また、ドラマ「救命病棟24時」シリーズはこれまで全てドリカムが主題歌を担当しており、これで第1シリーズの主題歌「朝がまた来る」に続く2曲目のヒットとなったことで、このタイアップとの相性の良さが示された。

 

参考記録ではあるがCDとダウンロードの合計売上は94万であり、とてもこの曲の人気をCD売上の19万という数字だけで片付けることは出来ない。2000年代の後半に突入すると、音楽環境はCDから配信へシフトしたため、楽曲人気を把握するためには必ず配信売上も参照する必要性が生じていた。この曲のヒットはミリオン級である。


DREAMS COME TRUE - 「何度でも」

 

2005年11月には36thシングル『JET!!!/SUNSHINE』を発売。このシングルはCD売上10万枚を超えず、表題曲も配信売上認定は受けていないのだが、実はc/wに収録されていた「WINTER SONG」のハウスアレンジバージョン「WINTER SONG 〜DANCING SNOWFLAKES VERSION〜」10万ダウンロードを記録している。しかも、この曲の配信解禁は原曲と同じ2009年3月だが、原曲より9年以上早い2009年11月に認定を受けている。原曲よりも早いペースで配信売上が積み上がった理由は、配信解禁のタイミングで発売されたベストアルバムにこのバージョンが収録されたことが大きい。

 

2006年2月には13thオリジナルアルバム『THE LOVE ROCKS』が発売され、46万枚をセールス。「何度でも」の人気が売上を牽引した。

 

2007年-2008年 ~CD→配信への売上移行期~

 

2007年になるとCDと配信が同時に発売されるようになるとともに、完全に配信売上の方がCD売上より高い数字を記録するようになっていく。この時期の楽曲を配信日順に並べたダウンロード売上データは以下のとおり。

 

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「大阪LOVER」配信75万ヒット

 

2007年3月には38thシングル「大阪LOVER」が発売された。この曲は大阪に住む男性と遠距離恋愛する女性の歌。カタコトな関西弁で紡がれる気持ちが可愛らしいと評判になり、配信75万ダウンロード、CD11万枚を売り上げた。配信売上推移は以下のとおりである。

 

  • 配信開始1ヶ月で10万ダウンロード突破
  • 配信開始6ヶ月後の2007年9月に25万ダウンロード突破
  • 配信開始13年10ヶ月後の2021年1月に75万ダウンロード達成

 

2007年内の売上も25万ダウンロードを突破する好調ぶりだったが、その後も息の長い人気が続き、コツコツと売上が積みあがった結果、なんと13年10ヶ月の時を経て75万ダウンロード認定を受けた。CD売上と合計すれば86万となる。


DREAMS COME TRUE - 「大阪LOVER」

 

6月には39thシングルきみにしか聞こえない10万ダウンロードを突破し、2作連続で好調な配信売上を記録した。

 

「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」配信75万ヒット

 

10月には40thシングル「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」を発売。この曲は一つ抜けた配信売上となり、累計75万ダウンロードを記録した。推移は以下のとおり。

 

  • 配信開始1ヶ月で25万ダウンロード突破
  • 配信開始3ヶ月後の2007年12月に50万ダウンロード突破
  • 配信開始2年7ヶ月後の2009年10月に75万ダウンロード達成

 

見てのとおり発売から僅か1ヶ月で25万を売り上げる勢いのある初動を見せ、年内にはハーフミリオンを突破。2009年に75万ダウンロードに到達した。75万ダウンロードは「何度でも」「大阪LOVER」に並び自己最高配信売上となるが、到達所要日数が3曲中最速であることから、冒頭に示した配信ランキングでは本曲を1位としている。

 

なおCD売上は18万枚であり、とてもこの数字だけでこの曲の人気を計ることはできない。参考までに配信売上と合計した数字は93万となる。やはりミリオン級のヒット曲として扱われて然るべきである。

 

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この曲はタイトルにあるように既発曲「未来予想図」「未来予想図Ⅱ」と世界観が繋がっているラブバラードとなっており、この2曲と同様、ストレートに幸せを歌う明るく前向きな内容が支持された。c/wにはこの2曲のリメイクも収録しており、このうち「未来予想図Ⅱ~VERSION'07~」は原曲に並ぶ25万ダウンロードを記録している。合計すれば50万ダウンロードとなる。このシリーズの人気の高さがここからも窺える。


DREAMS COME TRUE - 「ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~」

 

2007年12月には14thオリジナルアルバム『AND I LOVE YOU』が発売され、78万枚をセールス。「大阪LOVER」や「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」の人気が牽引し、前作から売上を伸ばした。Billboard JAPAN Top Albums Salesでも2008年の8位を獲得した。

 

アルバム曲のうち、「またね featuring ルフィ、ナミ、ゾロ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ヒルルク、くれは」が41stシングルとしてカットされ、10万ダウンロードを記録している。ワンピースの映画主題歌となった本曲のカットにあたっては、アルバム音源にはないアニメキャラクターの声が加えられた。

 

2008年11月には43rdシングル「連れてって 連れてって」が発売され、配信開始から1ヶ月の早さで10万ダウンロードを記録した。CD売上も、10万枚は超えなかったが前後作品比好調で、2008年から始まった新たな音楽チャートBillboard JAPAN Hot 100では自身初の週間1位も獲得した。


DREAMS COME TRUE - 「連れてって 連れてって」

 

2009年3月には15thオリジナルアルバム『DO YOU DREAMS COME TRUE?』を発売。この作品は初回限定盤Aにのみ2000年発売ベストの正統続編『GREATEST HITS "THE SOUL 2"』が付属するというやや特殊な発売形態となった。この施策も後押しとなり、累計67万枚を売り上げたほか、Billboard JAPAN Top Albums Salesでも2009年の6位を獲得した。

 

2009年- ~配信シフト完了~

 

この後もドリカムの活躍は続いたが、2009年に入ると音楽環境のCDから配信へのシフトに合わせて、シングルCD売上が10万枚を超える作品は出なくなり、ヒットの主体がダウンロードに完全移行した。この時期に発売された楽曲のダウンロード売上データは以下のとおり。

 

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2009年9月には45thシングル「その先へ」を発売。本作ではFUZZY CONTROLとのコラボが実現し、DREAMS COME TRUE feat. FUZZY CONTROL名義での発売となった。表題曲はドラマ「救命病棟24時」第4シリーズのタイアップとなり、「朝がまた来る」や「何度でも」で見せていた相性の良さが再び現れ、25万ダウンロードのヒットを記録した。CD売上チャートでは堂本剛『RAIN』などに続く3位だったが、総合チャートBillboard JAPAN Hot 100では「連れてって 連れてって」に続く自身2曲目の週間1位を獲得している。当時のビルボードはまだ配信売上は集計対象外だったが、ラジオが要素となっていたことで、25万ダウンロードとなるほどの人気を拾うことに成功していた。

 

2010年は6月から7月にかけてシングル「ねぇ」「生きてゆくのです♡」を2週連続でリリース。CD売上はそれぞれ5万枚、4万枚で両曲ほぼ同じ枚数だったが、配信売上は「ねぇ」のみが20万ダウンロードを記録しており、両曲の人気は開きが見られている。しかし年末の紅白歌合戦では「生きてゆくのです♡」が歌唱曲となり、やや疑問の残る選曲となった。

 

2010年11月には16thオリジナルアルバム『LOVE CENTRAL』を発売し、15万枚を売り上げた。

 

2011年はユニバーサル内のレーベル移籍があったこともあってか新作発売はなかった。

 

2012年5月には久々のシングル「MY TIME TO SHINE」を発売した。CD売上は4万枚で、表題曲も配信売上認定は受けていないのだが、なんとc/wの「愛がたどりつく場所」10万ダウンロードを突破している。この曲はミスタードーナツのCMソングなど複数のタイアップが付くなどc/wにしては豪華な扱いをされ、表題曲を上回る人気曲となった。

 

2013年は7月に50thシングル『さぁ鐘を鳴らせ/MADE OF GOLD -featuring DABADA-』を発売。1曲目の「さぁ鐘を鳴らせ」は再びドラマ「救命病棟24時」とタッグを組み、第5シーズンの主題歌に起用された。ここでもタイアップとの相性の良さが発揮され、10万ダウンロードを超える人気曲となった。

 

2014年8月には17thオリジナルアルバム『ATTACK25』が発売され、17万枚を売り上げた。

 

オールタイムベストのヒットとビルボード年間順位

 

2015年には自身初のオールタイムベストDREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム』を発売。ここまでの約25年の活動を網羅したヒット曲満載のベストアルバムとだけあって大きなヒットとなり、CD97万枚、配信10万ダウンロードを売り上げた。合計すれば100万を超える数字となる。

 

CD売上だけのチャートBillboard JAPAN Top Albums Salesでは2015年3位→2016年37位と推移した。一方で、2015年の下半期からビルボードによって日本初の総合アルバムチャートBillboard JAPAN Hot Albumsも発足しており、2015年下半期内の集計では1位を獲得している。2015年の年間CD売上チャートで本作より上位となった2作は三代目J SOUL BROTHERS『PLANET SEVEN』(年間2位)と嵐『Japonism』(年間1位)であるが、同じ2015年下半期発売である嵐を総合チャートでは上回っての1位となっているため、もし2015年上半期から総合チャートが始まっていれば、2015年上半期発売作の三代目J SOUL BROTHERS次第ではあるが、年間1位となっていた可能性はある。

 

2016年には前年のベストと対になる裏ベストDREAMS COME TRUE THE ウラBEST! 私だけのドリカム』を発売。ミリオンヒットの「go for it!」はこちらに収録されるなど、前年のベストに収録されなかった大ヒット曲の収録もセールスを牽引し、19万枚を売り上げた。

 

2016年は他にも配信限定で新曲「あなたのように」を発売。この曲はかんぽ生命のCMソングとして普及し、10万ダウンロードを記録した。なおこの時期になると、CDシングルはもうほとんど発売しなくなっており、消費者側だけでなく生産者側もCDから配信へ環境をシフトさせていた。

 

2017年には18thオリジナルアルバム『THE DREAM QUEST』を発売。「あなたのように」の人気などが牽引する形で12万枚をセールスした。

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおり、ドリカムはヒットの主体をCDからダウンロードへ徐々に変えながら約30年に渡りヒット作を出し続けており、ここまで長期に渡る第一線での活躍をしているアーティストは他に数えるほどしかいない。普遍的かつ絶妙な表現で紡がれたラブソングや人生の応援歌は多くの人に寄り添い続けていたのである。

 

ここで紹介した曲を手っ取り早く入手するには、2015年に発売されたオールタイムベストDREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム』がおすすめ。

 

DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム

DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム

 

 

一方でこのベストにはミリオンヒットの「go for it!」や50万ヒットの「WHEREVER YOU ARE」「ROMANCE」、80万ヒットアルバム牽引曲「そうだよ」などまだ案外多くのヒット曲が未収録だったりするので、これらを補完したい場合のアイテムとしては7月7日、晴れ サウンドトラック』『DREAMANIA DREAMS COME TRUE 〜SMOOTH GROOVE COLLECTION〜』の2作などがおすすめとなる。

 

7月7日、晴れ(サントラ)

7月7日、晴れ(サントラ)

 
DREAMANIA -DREAMS COME TRUE smooth groove collection

DREAMANIA -DREAMS COME TRUE smooth groove collection

 

 

この記事で紹介したダウンロードデータは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp

 

*1:2002年まではキーボード西川隆宏も在籍していた3人組だった