ORANGE RANGEは2003年に「キリキリマイ」でデビューした男性バンド。デビューしてすぐに大ブレイクを果たし、2000年代中盤に一時代を築いた。
ORANGE RANGEがブレイクした2000年代中盤はダウンロード市場が普及し始めていた時期だったため、楽曲人気は主にダウンロード売上を通じて把握できる。ORANGE RANGEの累計フル配信ダウンロード売上は420万で歴代23位タイとなっている。
ここではデジタル指標を参照しながらORANGE RANGEのヒット史を振り返る。当ブログ独自の計算式により作成した、ORANGE RANGEのデジタル人気楽曲ランキングは以下のとおりである。

(ランキング作成方法および歴代デジタルヒット曲ランキングは以下記事参照↓)
2005年まで
ORANGE RANGEがブレイクしたこの時期は、音楽市場のCDからデジタルへのシフトが始まり、ダウンロード売上規模がCD売上規模を上回りつつあった。そのため、この時期の楽曲もデジタル指標に人気が現れている。
この期間の楽曲に絞ってリリース順に並べたデジタル人気データは以下のとおり。

ORANGE RANGEはもともとデビュー前から地元沖縄のライブハウスやストリートで多くのライブ実績を積んでおり、人気の下地を作っていた。2003年6月に1stシングル「キリキリマイ」でデビューを果たすと、翌月には早くも2ndシングル「上海ハニー」を発売。この曲がラジオ局でパワープレイを獲得したことで、いきなりフル配信10万ダウンロード、着うた50万ダウンロードを記録する人気曲となった。
この曲はORANGE RANGEのパブリックイメージであるコミカルなノリの良い夏うたに仕上がっており、根強い人気を得ていることが窺える。
デビュー2年目の翌2004年は一世を風靡するほどの人気大爆発となった。まず2月に発売した5thシングル「ミチシルベ~a road home~」がフル配信10万ダウンロード、着うた50万ダウンロードを記録。
6月には6thシングル「ロコローション」をリリースし、フル配信10万ダウンロード、着うた50万ダウンロードを記録した。この曲は「上海ハニー」と同系統の盛り上がる夏うたとなっており、連続でこの系統がヒットしたことでORANGE RANGEのパブリックイメージが確立した。なおこの曲は現在、リトル・エヴァの1962年のヒット曲「ロコ・モーション」のカバーとして扱われている。
「花」
極めつけは10月に発売された8thシングル「花」の大ヒットである。この曲は優しく前向きな歌詞で綴られたバラードナンバーとなっており、興行収入40億円を記録したヒット映画『いま、会いにゆきます』の主題歌への起用も相まって、これまでノリの良い曲を多くヒットさせてきたORANGE RANGEの新しい一面がクローズアップされ、フル配信75万ダウンロード、着うた200万ダウンロード、ストリーミング1.4億再生を記録した。
フル配信ダウンロード売上推移は以下のとおりである。
- 配信開始から2年後の2006年10月に25万ダウンロード突破
- 5年10ヶ月後の2010年8月に50万ダウンロード
- 配信開始から10年11ヶ月後の2015年9月に75万ダウンロード達成
見てのとおり、およそ1年5万ダウンロードのペースで売上を積み上げ続けている。ストリーミング再生回数データから言っても、本曲が時代を跨いで支持されていることに疑いの余地はない。なおCD売上を集計していたサウンドスキャン年間シングルチャートでは集計割れを起こし、2004年2位→2005年96位と推移した。
この勢いで12月には2ndオリジナルアルバム『musiQ』をリリースし、ミリオンセラーを記録。アルバム曲の中では、『au by KDDI』のCMソングになった「以心電信」がフル配信25万ダウンロード、着うた100万ダウンロードを記録する人気となった。本曲では遠距離恋愛をしている恋人たちの絆がキャッチーなメロディーに乗せて歌われている。
2004年の圧倒的な勢いは2005年に入っても続き、まず2月にリリースした9thシングル「*~アスタリスク~」がフル配信25万ダウンロード、着うた100万ダウンロードをセールスした。この曲は人気アニメ『BLEACH』の主題歌となったことも後押しし、コミカルさを排したミクスチャーロックサウンドが広く普及し支持された。
続けて5月には10thシングル「ラヴ・パレード」をリリースし、フル配信25万ダウンロード、着うた100万ダウンロードを売り上げた。
「ラヴ・パレード」から僅か2週間後には早くも次のシングル「お願い!セニョリータ」をリリースし、フル配信25万ダウンロード、着うた100万ダウンロードを記録。この曲は「上海ハニー」「ロコローション」に続くノリの良い夏うたにカテゴライズされる。
8月にはこの年4枚目のシングル「キズナ」を発売し、フル配信25万ダウンロード、着うた100万ダウンロードをセールス。これでこの年リリースしたシングル4曲は全てフル配信25万ダウンロード、着うた100万ダウンロードの売上となり、絶大な人気が示された。
2006年以降
2006年に入ると、音楽市場のCDからデジタルへのシフトが本格化し、CD売上が大きく減少した。ORANGE RANGEもこの時期にCD売上を大きく減少させたが、これは必ずしも人気を大きく落としたというわけではなく、CD売上の減少分がダウンロード売上に移行していた面もあるため、この時期の楽曲の人気過小評価には注意しなければならない。
この期間の楽曲に絞ってリリース順に並べたデジタル人気データは以下のとおり。

2006年はまず5月に13thシングル「チャンピオーネ」を発売。この曲は『2006 FIFAワールドカップ』NHK中継のテーマソングという強力なタイアップを得て、フル配信25万ダウンロード、着うた50万ダウンロードを記録した。また、CDシングルのc/wとしてリリースした「Walk on」も複数のタイアップがついて人気となり、フル配信10万ダウンロードを売り上げた。
10月には15thシングル「SAYONARA」をリリースし、フル配信10万ダウンロード、着うた50万ダウンロードをセールス。
12月にはこの年発売のヒット曲を集めた4thオリジナルアルバム『ORANGE RANGE』をリリース。アルバム曲のうち、江崎グリコ『ポッキー極細』『ポッキーチョコレート』のCMソングに起用された「DANCE2 feat.ソイソース」がフル配信10万ダウンロード、着うた75万ダウンロードを売り上げた。
2007年はまず4月に16thシングル「イカSUMMER」をリリースし、フル配信10万ダウンロードを記録。タイトルから分かるとおりこの曲は盛り上がる夏うたにカテゴライズされる曲で、前年にこの系統の楽曲を出さなかったこともあってか、まだ季節は春であるにも拘わらずこのタイミングで発売された。
「イケナイ太陽」
そして7月には頭一つ抜けた大ヒットナンバーが誕生した。17thシングルとして発売された「イケナイ太陽」は前作に続く陽気なサマーソングで、最高視聴率21%を記録したドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』主題歌に起用されたこともあり、フル配信75万ダウンロード、着うた100万ダウンロード、ストリーミング2.0億再生を記録した。フル配信ダウンロード売上推移は以下のとおり。
- 配信開始から1週間で10万ダウンロード突破
- 1ヶ月で25万ダウンロード突破
- 4ヶ月後の2007年11月に50万ダウンロード
- 配信開始から6年6ヶ月後の2014年1月に75万ダウンロード達成
本曲はデジタル指標の記録から自身最大の夏うたヒット曲と言うこともできる。実際に本曲は盛り上がるORANGE RANGEの楽曲として定番人気を獲得しており、2025年には新たに令和版MVを公開したことが話題となったことなどによるリバイバルヒットの動きが見られた。
2008年5月には19thシングル「O2」をリリース。本曲は人気アニメ『コードギアス』主題歌となったこともあり、フル配信25万ダウンロードを売り上げた。
11月には20thシングル「おしゃれ番長 feat.ソイソース」をリリース。この曲は「DANCE2 feat.ソイソース」に続き江崎グリコ『ポッキーチョコレート』のCMソングに起用されたこともあり、フル配信25万ダウンロードを記録した。
ここまで見てきて分かるとおり、ORANGE RANGEは2000年代後半もダウンロード売上において強い存在感を示していたのだが、当時はダウンロード売上を集計するヒットチャートが日本に存在しなかったため、CD売上の減少ばかりが目立つ結果となってしまい、人気の失速が過大に捉えられてしまっていた。この問題は以下記事で詳述している。
結果的にORANGE RANGEは2009年を最後に一時メジャーを離れることになり、以降はインディーズレーベルを立ち上げるなどして、地元でのライブを中心とした活動に切り替えた。しかしその中でも時折地上波音楽番組への出演を果たすなど、全盛期の活躍にスポットが当たる機会も定期的に見られていた。2025年には約15年ぶりにメジャーレーベルのソニー・ミュージックエンタテインメントへ復帰した。
まとめ
ORANGE RANGEの全盛期はCD主体のヒットだった2005年までとされることも多いが、2006年以降もダウンロード売上を中心に多くのヒット曲を輩出していた。2000年代を代表するアーティストであったことに疑いの余地はない。
ここで紹介した曲を手元に所有したい場合は、2009年に発売されたシングルコレクション『ALL the SINGLES』がおすすめ。
この記事で紹介したデータのうちストリーミング再生回数やダウンロード売上はBillboard JAPANの公式サイトや日本レコード協会の公式サイトから検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのデータを検索してみることをお勧めする。
