Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

星野源の人気曲【売上・再生回数ランキング】

星野源は2010年にアルバム『ばかのうた』でデビューした男性ソロアーティスト。2010年代中盤にブレイクを果たし、大きな旋風を巻き起こした。2020年代に突入した今なお存在感を維持し続けている。

 

星野源がブレイクした時期はMV視聴などのストリーミングサービスが音楽視聴方法の主流であるため、通常であれば楽曲人気もMV再生回数ランキングを通じて把握することになるのだが、星野源の場合はストリーミング配信の解禁が2019年までされなかったほか、MVは間に広告が挿入される形での公開が基本となっていた。そのため、楽曲人気は既に市場が縮小していた配信ダウンロード売上にもしっかり表れる結果になっている。ここではダウンロード、MV、ストリーミングの3指標をもとにしながら、星野源のヒット史を振り返る。

 

まず配信売上を見ると、日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は9曲で、認定総ダウンロード売上は415万(歴代24位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。

 

 

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歴代ヒット曲ランキング【1989-2023】

歴代ヒットランキングとは、その名のとおり複数年以上に渡って網羅的に各種ヒットデータを集計し序列化することで、分かりやすく歴代人気コンテンツを上位表示したランキングを指す。しかし実際には、網羅性の棄損などによる欠陥を抱えたランキングがこれを自称する不適切なケースが後を絶たない。

 

この問題意識を踏まえ、本記事では、この問題を批判するだけでなく、もしこの問題を解決する形で歴代ヒット曲ランキングを作成したらどのような結果になり得るのかをシミュレーションし、一例として提示する。先にシミュレーション結果を示すと、歴代ヒット曲ランキングTOP20は以下のとおりとなった。

 

 

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歴代MV再生回数ランキング(YouTube・日本国内)

米津玄師「Lemon」のMVがYouTubeの集計で国内史上初となる8億再生を突破した。この一報を受けて、「歴代MV再生数ランキングはどうなってるのだろう?」と考えた人も多いのではないだろうか。

 

reissuerecords.net

 

YouTubeは2010年代に日本国内でサービスが普及するにつれて、次第に音楽の聴き方の主流に君臨するようになっていった。音楽の聴き方は2000年代前半まではCD、2000年代後半は配信ダウンロードにより楽曲を購入する方法が主流だったが、YouTubeの普及によりオンライン上の音源にアクセスして聴くという方法に変化していった。この方法をストリーミングと言う。

 

ストリーミングの普及に伴って音楽業界の収益構造も変化しつつあり、広告収入型ストリーミングや定額制音楽配信サービスが新たな収益源になってきている。YouTubeに関しては基本的に消費者は無料で音楽を視聴できるので前者に該当する。対して現在一気に普及が進んでいるSpotifyApple music、LINE MUSICなどで消費者が毎月定額を支払うことで享受できる聴き放題サービスは後者に該当する。この定額制のことを英語でサブスクリプション、略してサブスクと呼ぶ。

 

この音楽の聴き方の変化に伴い、今どの曲が人気なのかを知る手段も変化を続けている。2000年代前半まではCD売上枚数が楽曲人気に直結していたので、CD売上の集計で有名なオリコンランキングを確認すれば良かった。

 

2000年代後半からは配信ダウンロード売上を併せて確認しないと楽曲人気を把握できなくなったが、オリコンは配信売上の集計を一向に開始しなかった。そのため、CD売上が楽曲人気指標であるという古い認識がなかなかアップデートされなかった。このことは歴代配信ダウンロード売上ランキング関連記事でまとめている。

 

billion-hits.hatenablog.com

  

billion-hits.hatenablog.com

 

こうして高配信売上曲の人気過小評価が続く間にダウンロード市場も縮小し始め、代わってストリーミング市場が台頭してきた。YouTubeはその先駆けであるが、YouTubeがメインとするサービスは音源だけではない動画配信であり、Spotifyなどの音源ストリーミングサービスに先んじて動画ストリーミングサービスが普及したことは、世界各国の動向とは異なる日本音楽業界の特徴として挙げられる。

 

したがって、2010年代に人気を博した楽曲を把握するためには、上記ダウンロード売上と併せてYouTubeのMV再生数を確認することが必要となる。そこで、2023年12月31日時点の歴代MV再生数ランキングを以下に示す。これまでに32曲の国内MVが2億再生を突破している

 

(集計対象MVや集計方法は下記画像内注釈を参照)

 

 

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ONE OK ROCKの人気曲【売上・再生回数ランキング】

ONE OK ROCKは2007年に「内秘心書」でメジャーデビューした男性4人組ロックバンド。2010年代に大ブレイクを果たし、以降10年以上に渡りヒット曲を大量輩出している。

 

ONE OK ROCKがブレイクした時期はYouTubeでのMV再生が音楽視聴方法の主流であったため、楽曲人気は主にMV再生回数ランキングを通じて把握する。ここではMV3,000万再生以上を記録した楽曲を抽出する。これまでに16曲がMV3,000万再生以上を突破している。

 

 

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三代目J SOUL BROTHERSの人気曲【売上・再生回数ランキング】

三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEは2011年に「Best Friend's Girl」でデビューした男性7人組ダンス&ボーカルグループ。EXILE TRIBEとしてデビュー当初より人気だったが、2015年には大ブレイクを果たし、現在に至るまで10年弱に渡りヒット曲を大量輩出している。

 

三代目J SOUL BROTHERSがブレイクした時期は配信ダウンロード市場の全盛期だったため、楽曲人気は配信ダウンロード売上を通じて把握することになる。一方で、次なる主流音楽市場であるビデオストリーミングサービスが台頭してきた時期にも重なるため、MV再生数のチェックも必須となる。ここでは両指標をもとにしながら、三代目J SOUL BROTHERSのヒット史を振り返る。

 

なおCD売上はアルバムのみ言及し、楽曲人気指標としての機能が失われているシングルは一切取り上げない。

 

まず配信売上を見ると、日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は25曲The Sharehappiも含めれば26曲)で、認定総ダウンロード売上は510万(歴代18位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。

 

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LiSAの人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

LiSAは2010年にアニメ「Angel Beats!」内のバンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカルとして「Thousand Enemies」でメジャーデビューした女性アーティスト。2011年にソロデビューし、現在まで約10年に渡りアニメソングを中心にしてヒット曲を輩出し続けている。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は12曲で、認定総ダウンロード売上は390万(歴代28位タイ)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、LiSAのヒット史を振り返る。

 

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2019年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

この記事では2019のヒット曲をBillboard JAPAN年間チャートを通じて振り返る。

  

2019年のBillboard JAPAN Hot 100年間TOP30は以下のとおりとなった。

 

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2018年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

この記事では2018のヒット曲をBillboard JAPAN年間ランキングを通じて振り返る。

  

看板チャートであるBillboard JAPAN Hot 100とは、国内の楽曲人気指標として最も有用な総合音楽チャートである。当時の集計対象は、CD、ダウンロード、ストリーミング、ラジオエアプレイ、ルックアップ(PCによるCD読取数)、Twitter、MVの7指標であった。広範な集計対象を強みとしており、2017年以降は高人気楽曲をほぼ漏れなくチャート上位表示させることに成功している。

 

そんなBillboard JAPAN Hot 100の2018年の年間TOP30は以下のとおりとなった。

 

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2017年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

この記事では2017のヒット曲をBillboard JAPAN年間ランキングを通じて振り返る。

 

2017年のBillboard JAPAN Hot 100年間TOP30は以下のとおりとなった。

 

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2016年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

この記事では2016に配信された楽曲のヒットを、主にフル配信ダウンロード売上を通じて振り返る。

 

2005年までは音楽の聴き方の主流はCDを購入することだったため、楽曲人気を把握する主要な手段は依然としてCD売上チャートを確認することであった。しかし2006年以降は配信市場が無視できない規模に拡大。ミリオンセラーがフル配信ダウンロードで続々誕生するようになり、完全にCDに代わる音楽の聴き方の主流に躍り出た。

 

そのような状況にも拘わらず、楽曲人気指標としての役割が期待されていたオリコンは配信売上の集計を一向に開始せず、CD売上チャートだけを提示し続けた。そのCD売上チャートも、楽曲人気に関係しない要因によって特定アーティストにより過度に独占されるようになったため、楽曲人気指標としては使用不可能になった。

 

そんな中でもCD売上を楽曲人気指標として誤用する動きはなかなか改善されず、そうこうしているうちに、スマートフォンの普及によりこれまで着うたフルが牽引してきたダウンロード市場が2010年代に入って一気に縮小を始めた。

 

ダウンロードに代わって音楽の聴き方の主流となったのがストリーミングであり、日本国内で先陣を切って普及し始めたストリーミングサービスがYouTubeである。この変化に伴い、以降は徐々に楽曲人気を計る指標もダウンロード売上からMV再生回数に移行していくこととなる。

 

2016年はこのような変化の過渡期だったことを踏まえ、ダウンロード売上をメインに取り上げつつも、MV再生回数データにも適時触れながら、ヒットシーンを振り返っていくこととする。

 

累計配信売上は日本レコード協会のダウンロード認定で確認する。2016年配信曲で最終累計50万ダウンロード以上を記録した全曲のデータをランキング化した表は以下のとおり。このうち2曲が配信ミリオンを突破している。

 

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2015年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

この記事では2015に配信された楽曲のヒットを、主にフル配信ダウンロード売上を通じて振り返る。

 

2005年までは音楽の聴き方の主流はCDを購入することだったため、楽曲人気を把握する主要な手段は依然としてCD売上チャートを確認することであった。しかし2006年以降は配信市場が無視できない規模に拡大。ミリオンセラーがフル配信ダウンロードで続々誕生するようになり、完全にCDに代わる音楽の聴き方の主流に躍り出た。

 

そのような状況にも拘わらず、楽曲人気指標としての役割が期待されていたオリコンは配信売上の集計を一向に開始せず、CD売上チャートだけを提示し続けた。そのCD売上チャートも、楽曲人気に関係しない要因によって特定アーティストにより過度に独占されるようになったため、楽曲人気指標としては使用不可能になった。

 

そんな中でもCD売上を楽曲人気指標として誤用する動きはなかなか改善されず、そうこうしているうちに、スマートフォンの普及によりこれまで着うたフルが牽引してきたダウンロード市場が2010年代に入って一気に縮小を始めた。

 

ダウンロードに代わって音楽の聴き方の主流となったのがストリーミングであり、日本国内で先陣を切って普及し始めたストリーミングサービスがYouTubeである。この変化に伴い、以降は徐々に楽曲人気を計る指標もダウンロード売上からMV再生回数に移行していくこととなる。

 

2015年はこのような変化の過渡期だったことを踏まえ、ダウンロード売上をメインに取り上げつつも、MV再生回数データにも適時触れながら、ヒットシーンを振り返っていくこととする。

 

累計配信売上は日本レコード協会のダウンロード認定で確認する。2015年配信曲で最終累計50万ダウンロード以上を記録した全曲のデータをランキング化した表は以下のとおり。このうち3曲が配信ミリオンを突破している。

 

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2014年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

この記事では2014に配信された楽曲のヒットを、主にフル配信ダウンロード売上を通じて振り返る。

 

2005年までは音楽の聴き方の主流はCDを購入することだったため、楽曲人気を把握する主要な手段は依然としてCD売上チャートを確認することであった。しかし2006年以降は配信市場が無視できない規模に拡大。ミリオンセラーがフル配信ダウンロードで続々誕生するようになり、完全にCDに代わる音楽の聴き方の主流に躍り出た。

 

そのような状況にも拘わらず、楽曲人気指標としての役割が期待されていたオリコンは配信売上の集計を一向に開始せず、CD売上チャートだけを提示し続けた。そのCD売上チャートも、楽曲人気に関係しない要因によって特定アーティストにより過度に独占されるようになったため、楽曲人気指標としては使用不可能になった。

 

そんな中でもCD売上を楽曲人気指標として誤用する動きはなかなか改善されず、そうこうしているうちに、スマートフォンの普及によりこれまで着うたフルが牽引してきたダウンロード市場が2010年代に入って一気に縮小を始めた。

 

ダウンロードに代わって音楽の聴き方の主流となったのがストリーミングであり、日本国内で先陣を切って普及し始めたストリーミングサービスがYouTubeである。この変化に伴い、以降は徐々に楽曲人気を計る方法もダウンロード売上からMV再生回数に移行していくこととなる。

 

2014年はこのような変化の過渡期だったことを踏まえ、ダウンロード売上をメインに取り上げつつも、MV再生回数データにも適時触れながら、ヒットシーンを振り返っていくこととする。

 

累計配信売上は日本レコード協会のダウンロード認定で確認する。2014年配信曲で最終累計50万ダウンロード以上を記録した全曲のデータをランキング化した表は以下のとおり。このうち3曲が配信ミリオンを突破している。

 

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2012年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

この記事では2012に配信された楽曲のヒットをフル配信ダウンロード売上を通じて振り返る。

 

2005年までは音楽の聴き方の主流はCDを購入することだったため、楽曲人気を把握する主要な手段は依然としてCD売上チャートを確認することであった。しかし2006年以降は配信市場が無視できない規模に拡大。ミリオンセラーがフル配信ダウンロードで続々誕生するようになり、完全にCDに代わる音楽の聴き方の主流に躍り出た。

 

そのような状況にも拘わらず、楽曲人気指標としての役割が期待されていたオリコンは配信売上の集計を一向に開始せず、CD売上チャートだけを提示し続けた。そのCD売上チャートも、楽曲人気に関係しない要因によって特定アーティストにより過度に独占されるようになったため、楽曲人気指標としては使用不可能になった。

 

累計配信売上は結局日本レコード協会のダウンロード認定でしか確認できないため、ここではこのデータを使って2012年のヒット曲を振り返る。2012年配信曲で最終累計50万ダウンロード以上を記録した全曲のデータをランキング化した表は以下のとおり。このうち4曲が配信ミリオンを突破している。

 

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2011年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

この記事では2011に配信された楽曲のヒットをフル配信ダウンロード売上を通じて振り返る。

 

2005年までは音楽の聴き方の主流はCDを購入することだったため、楽曲人気を把握する主要な手段は依然としてCD売上チャートを確認することであった。しかし2006年以降は配信市場が無視できない規模に拡大。ミリオンセラーがフル配信ダウンロードで続々誕生するようになり、完全にCDに代わる音楽の聴き方の主流に躍り出た。

 

そのような状況にも拘わらず、楽曲人気指標としての役割が期待されていたオリコンは配信売上の集計を一向に開始せず、CD売上チャートだけを提示し続けた。そのCD売上チャートも、楽曲人気に関係しない要因によって特定アーティストにより過度に独占されるようになったため、楽曲人気指標としては使用不可能になった。

 

累計配信売上は結局日本レコード協会のダウンロード認定でしか確認できないため、ここではこのデータを使って2011年のヒット曲を振り返る。2011年配信曲で最終累計50万ダウンロード以上を記録した全曲のデータをランキング化した表は以下のとおり。このうち9曲が配信ミリオンを突破している。

 

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2010年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

この記事では2010に配信された楽曲のヒットをフル配信ダウンロード売上を通じて振り返る。

 

2005年までは音楽の聴き方の主流はCDを購入することだったため、楽曲人気を把握する主要な手段は依然としてCD売上チャートを確認することであった。しかし2006年以降は配信市場が無視できない規模に拡大。CDシングルでは出なくなったミリオンセラーがフル配信ダウンロードで続々誕生するようになり、完全にCDに代わる音楽の聴き方の主流に躍り出た。

 

そのような状況にも拘わらず、楽曲人気指標としての役割が期待されていたオリコンは配信売上の集計を一向に開始せず、CD売上チャートだけを提示し続けた。よって2006年以降のオリコンチャートは総合的な楽曲人気指標としては使用不可能になった。

 

累計配信売上は結局日本レコード協会のダウンロード認定でしか確認できないため、ここではこのデータを使って2010年のヒット曲を振り返る。2010年配信曲で最終累計50万ダウンロード以上を記録した全曲のデータをランキング化した表は以下のとおり。このうち16曲が配信ミリオンを突破している。

 

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