Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

SNSフォロワーの皆様への御礼と今後のSNS更新予定のご報告

前週は当ブログに関して読者の皆様への御礼と今後の更新予定をご報告させていただきました。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

私はブログだけでなくTwitterアカウントも作成しています。ブログでは過去から現在にかけてのヒットデータをメインに更新していますが、TwitterではBillboard JAPANの最新情報や将来予測など、現在から未来にかけてのヒットデータをメインに更新しています。

 

twitter.com

 

Twitterアカウントはブログよりも早い2019年1月に立ち上げました。2019年末時点のフォロワー数は100程度でしたが、2021年11月末時点では1,700に達していました。フォロワーの皆さまの存在がSNS更新の原動力の一つとなっていたことは間違いありません。日頃よりご愛顧いただき、本当にありがとうございます。

 

現在SNSで更新中のコンテンツ一覧は以下のとおりです。

 

(毎週木~金曜日)週間チャート予想

(毎週火曜日)週間チャート最終予想

(毎週水曜日)週間チャート結果分析・予想振り返り

(毎週水曜日)年間チャート暫定順位予想

 

(毎週金曜日)週間チャート途中経過分析

(毎週水曜日)週間チャート結果分析

(毎週水曜日)年間チャート暫定順位予想

(都度)累計再生回数節目突破情報まとめ

 

(毎週水曜日)週間チャート結果分析

(毎週水曜日)年間チャート暫定順位予想

 

(毎週木曜日)週間チャート結果分析

(毎週木曜日)年間チャート暫定順位予想

 

(毎週日曜日)YouTube楽曲・MVチャート結果分析

(都度)累計再生回数節目突破情報まとめ

 

(毎月20日)ダウンロード認定速報

(毎月下旬)ストリーミング認定速報

(毎週月曜日)任意のアーティストのフル配信ダウンロード売上データ紹介

 

  • その他

(毎週土曜日)ブログ記事更新告知

(都度)上記以外の楽曲人気動向に関連する話題

 

このうち太字にしたBillboard JAPANの各種週間チャート予想と結果分析、YouTubeチャートの週間結果分析につきましては、2021/12/8公開週関係分を最後に「更新休止」することとしました。

 

また、任意のアーティストのフル配信ダウンロード売上データ紹介も2021年内を最後に「更新休止」とします。毎週土曜日のブログ更新告知は今後のブログ更新が不定期となることにより今後は「不定期更新」となります。

 

ダウンロード売上データ紹介の休止及びブログ更新の不定期化に関しましては前週更新したブログ記事内で説明済みですので、各種週間チャート予想及び結果分析の更新休止理由を以下より説明します。

 

 

 

SNS立ち上げまでの経緯

 

2014年まで

 

私は2019年1月にTwitterアカウントを開設しましたが、それよりも遥か以前から趣味嗜好として音楽チャートをはじめとした楽曲人気動向に人一倍の興味関心を持っており、ネットへの公開は全くしてこなかったものの自分の中で分析を続けていました。プロフィール画像にしているオリコン日記を書いていた時期もありました。

 

私がこの趣味嗜好を持つに至った一番最初のきっかけは、音楽チャートにランクインしている自分の好きな曲やアーティストの推移を追いたくなったからでした。しかし次第に、チャートバトル・エンタテインメントの面白さもさることながら、音楽チャートにランクインしている楽曲の多様性に魅入られるようになり、音楽チャートそのものの動向を追うようになっていきました。

 

音楽チャートを追うことで、多様な楽曲との出会いや人気楽曲を共有する喜びを得ることができたほか、楽曲人気普及や流行トレンド形成の過程にあるストーリーを把握でき、それが私の知的好奇心を刺激してくれました。こうした体験は「日本音楽業界の更なる発展と、その土壌から生み出される多様な音楽との出会い」が今後ももたらされることを確信させるものでもありました。

 

しかし2000年代後半になると音楽チャートの機能不全が発生し、音楽チャート上位進出曲の多様性が失われていきました

 

今でこそこの原因は「ダウンロード売上の集計」と「特定アーティストが持つ過度な優位性の是正」の二点を音楽チャート設計者が怠ったためと説明できますが、当時はまだその原因究明に辿り着いておらず、音楽チャート上で脚光を浴びることができなくなったアーティストの増加や、明らかに流行歌が減少しているという体感にやるせなさを抱く日々が続きました。

 

(なお、この体感は後年にまとめた以下データで証明されており、音楽チャートの機能不全と大ヒット曲数の減少には関連性を見出すことができます。)

 

f:id:musicnever_die:20211126004815p:plain

 

こうして「日本音楽業界の更なる発展と、その土壌から生み出される多様な音楽との出会い」の持続性に確信を持てなくなった私は、音楽チャートの分析量やヒット曲のインプット量がどんどん先細りしていきました。

 

2015-2016年

 

先細りの状況に変化が生じたのは2015年です。この年はオリコンのチャート設計思想への疑念が一層強まった出来事がありました。オリコンはこの年、楽曲人気に関係しないチャート上位進出施策として機能していた、大量販売が可能なMUSIC CARDライブチケット付属CDの集計を終了しました。他方、AKB商法によって稼がれたCD売上は集計を継続したのです。その説明は(今では説明文書やインタビュー記事が削除されているため閲覧できませんが)はっきり言って論理の体を成していないものでした。

 

それまでは「CD売上の数字自体は嘘ではないため音楽チャートの機能不全は仕方のない現象ではないか」と思ったこともありましたが、この一連の動きにより「音楽チャート結果はチャート設計次第でどうにでも変えられるものであり、チャート設計思想とチャート結果の適切な説明こそが重要だ」と認識するようになっていきました。

 

そしてこの年は、Billboard JAPAN Hot 100の年間1位が、それまで長らく年間上位を独占していた嵐やAKB48ではなく、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」となりました。

 


www.youtube.com

 

私は2011年の時点で「AKB48の楽曲による年間1位」が未来永劫続く仕組みが整えられたと感じていましたが、実際にオリコンでは2019年までAKB48の年間1位が継続しました。2020年は、NGT48山口真帆暴行未遂事件やコロナ禍突入という特殊要因でAKB商法の再現性と拡張性が損なわれたため年間1位を逸しましたが(2021年も同様となる見込み)、これが取り戻されれば「AKB48の楽曲による年間1位」という結果が復活するでしょう。

 

(AKB48の楽曲人気動向は以下記事でまとめています↓)

billion-hits.hatenablog.com

 

これはAKB48のアーティスト人気の濃さを示す結果ではありますが、楽曲人気とは全く関係なく生み出される結果です。売上チャートとしては適切な結果ですが、楽曲人気チャートとしては適切な結果ではありません。今どの曲が人気なのか知りたいという需要はいつの世も存在するため、それに応える楽曲人気チャートという存在はいつの世も絶対に必要ですが、当時は日本から楽曲人気チャートが消滅していました。

 

そんな中で明らかに当時流行していた「R.Y.U.S.E.I.」を年間1位に据えたBillboard JAPAN Hot 100に私の知的好奇心が向くことは必然でした。この時期はようやくオリコンが楽曲人気指標として機能していないことに対する問題提起が生じるようになり、その中でBillboard JAPAN Hot 100の取り組みにも注目が集まるようになっていました。私もこの年その存在を初めて知り、その設計思想に深い共感を覚えていました。

 

こうして私はBillboard JAPAN Hot 100の分析に本格的に着手しました。まずは2008年のチャート発足以降の8年分約400週の全週間TOP100結果をExcelに落とし込みました。当時は週間総合ポイントが非公開だったため、年間チャート結果などを基に自分で推測し、順位点を付与したりしました。そして各曲の推定累計総合ポイントを計算し降順表示した手元資料を作成しました。作成完了は2016年半ば頃だったと記憶しています。

 

完成してからはひたすらその資料を食い入るように見て次々と新しいデータをインプットしていきました。とにかく新しい発見の連続で興奮する日々した。この形で作成した歴代ランキングでは、「この曲、あまりCD売れてない割に流行ってる感すごいな…」と思っていた曲が軒並み上位表示されていたのです。

 

2016年のBillboard JAPAN Hot 100年間1位はAKB総選挙投票券付CDシングル表題曲「翼はいらない」となり、まだチャート設計に課題はあると感じたものの、オリコンと比較してどちらが楽曲人気指標として優れているかは明らかでした。2016年下半期からは、今後の進化や普及に期待しつつ、毎週ビルボードをチェックすることが習慣化しました。

 

2017-2018年

 

そして期待に違わずBillboard JAPAN Hot 100は2017年も大きな進化を遂げました。星野源「恋」の特大人気を、週間1位大量獲得年間1位獲得という形で可視化したのです。

 


www.youtube.com

 

他にも週間総合ポイントの公開開始、CD売上で獲得可能な総合ポイントの引き下げ、ダウンロードとストリーミングの指標別チャート公開開始、COUNT DOWN TVにおけるビルボード方式の導入など、その変化は目まぐるしいものでした。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

この年の結果を以て私はBillboard JAPAN Hot 100が楽曲人気チャートとしての合格点を満たし、日本に楽曲人気チャートが復活したと確信しました。そして「恋」が年間1位となった結果はやはり多くの共感を呼んだようで、着実にビルボード知名度が普及していっていることも体感することができました。

 

この動きを意識してか、翌2018年はオリコンも動きを見せました。それまで一貫して集計の必要性を否定し続けていたダウンロード売上の集計を開始し、2018年末からはBillboard JAPAN Hot 100のような合算ランキングを発足させると告知したのです。長らく楽曲人気指標としては機能していないオリコンですが、既に十分知名度と権威が肥大していることもあってこの告知は話題になりました。私もこの動向を興味深く見守りました。

 

しかし2018年12月に満を持して公開されたオリコン合算ランキングの設計は、到底楽曲人気指標としては機能し得ないものでした。CD売上の比重が高すぎたのです。

 

www.oricon.co.jp

 

CDが高収益商品であることは確かですが、「ファンアイテム化」と「楽曲と付属特典の価値逆転」が進んだCDの売上が楽曲人気と相関していないことも確かでした。これを以て私は「オリコンは楽曲人気指標ではなく売上指標である」と確信しました。

 

そして今までにない危機感が私を襲いました。「オリコン合算ランキング」が、既存の肥大した知名度と権威を以て「今の時代を映した楽曲人気指標」として誤用され、実態に沿わない形でBillboard JAPAN Hot 100の役割に取って代わるという最悪の未来が想像されたのです。

 

もしこの想像が実現してしまうと、再び日本から楽曲人気チャートが消滅してしまいます。それは日本音楽業界にとって明らかにマイナスです。邦楽好きとして日本音楽業界がより良い方向に発展してほしいと切に願っている私としても受け入れられないものです。

 

居ても立っても居られなくなった私は、音楽業界に属していない一般人の身分でも何かできることがないかと考えました。そしてBillboard JAPAN Hot 100を広めるためのSNSアカウントを作ろうと考え、2019年1月にTwitterアカウントを立ち上げました。

 

SNS立ち上げ後の歩み

 

2019年

 

私はそれまで公開SNSアカウントを作ったことが一度もなく、ハッシュタグの使い方すらも良く分かっていなかったため、発信内容は試行錯誤の連続でした。当初は単純に最新のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート結果を記したツイートをしていたほか、過去チャートの紹介もしていました。

 

3月からは年間チャート暫定順位予想も公開するようになり、週間チャート以外の切り口でもビルボードに興味を持ってもらえるように努めました。今では更新していませんが、アーティスト別Billboard JAPAN Hot 100ランクインデータ紹介もこの時期以降暫く続けていました。

 

4月頃からはあいみょんマリーゴールドOfficial髭男dism「Pretender」が席巻していたストリーミング指標がHot 100に与える重要性を認識しました。そのため、最も重要なHot 100の構成要素としてBillboard JAPAN Streaming Songsに関しても週間途中経過分析と結果分析を開始しました。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

 

2019年下半期で強く印象に残っているのは米津玄師「馬と鹿」嵐「BRAVE」による1位争いです。この週のチャートバトル・エンタテインメントとしての面白さは、Billboard JAPAN Hot 100の面白さも普及させるきっかけになると感じました。

 


www.youtube.com

 

米津玄師がCD売上差を覆す形で嵐を上回り1位となった結果は、なぜCD売上差が覆ったのかをどう説明すれば誤解なく分かりやすく伝わるか頭を捻るきっかけになりました。この背景には、2017年から導入されていた「CD売上が多すぎる曲に適用されるCD換算率引き下げ処理」がありますが、具体的な計算式は非公開であり、当時はあまり理解されていませんでした。

 

そこで私は、30万枚を超える分の売上の換算率を通常の1/10にすれば総合ポイントに近い値が出るのではないかと考え、この計算を基に米津玄師1位の予想を事前に組み立てました。その結果が的中したことは、私の予想方法の実用性への自信を深めることとなりました。私はビルボードのチャート設計への理解を浸透させていくため、この「1/10理論」を広めていくことにしました。

 

Billboard JAPAN Hot 100は2019年に楽曲人気指標としての適切性を年間TOP10の範囲にまで拡大させており、2019年末に発表された年間チャートでは前年から更に進化した姿を見ることができました。一方オリコン合算ランキングの年間結果は殆ど話題になりませんでした。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

2020年

 

2019年の結果に安堵した私は翌2020年も何の躊躇いもなく更新を続けました。

 

2020年上半期からは本格的にBillboard JAPAN Hot 100の週間予想をするようになりました。そのきっかけはコロナ禍突入でした。元々Billboard JAPAN Hot 100は「週間1位のCD偏重問題」を抱えており、オリコンほどではないにしても余程のことがない限りは予想などするまでもなく毎週高CD売上曲の週間1位が確定していました。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

しかしコロナ禍突入に伴う緊急事態宣言発令により全国のCDショップが休業を余儀なくされたことで、高CD売上アーティストの新作発売延期が相次ぎました。そうなると、配信指標を中心に高人気となっていたOfficial髭男dism「I LOVE...」、瑛人「香水」、YOASOBI「夜に駆ける」などの楽曲が高CD売上曲に阻まれることなく週間1位争いを展開するようになりました。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

 

純粋な楽曲人気による週間1位争いが毎週のように展開されたこの時期は私の知的好奇心が大いに刺激され、必然的に週間予想への欲求も高まり、自然と予想作業の手が動くようになりました。その予想を発信することに関しても、それによりビルボードへの理解がより普及すると思えば躊躇うことは全くありませんでした。

 

本格的に週間予想を習慣化したことで、ストリーミング以外の構成要素にも細かく目を向けるようになりました。その一環で注目するようになったのが、MV指標の予想に際して大いに参考になるYouTubeチャートでした。2020年5月からはYouTubeチャートの週間結果も分析対象とするようになりました。

 

ストリーミングに関しても予想精度を高めるため、サブスクリプションサービスの中で唯一実数を公開しているSpotifyに注目するようになりました。具体的には、Billboard JAPANの集計再生数に占めるSpotifyの割合を出すことによって、Spotify再生数とSpotify割合の推移から将来のBillboard JAPANの再生数を逆算して予想する方法を編み出しました。

 

(これは余談ですが、このSpotify割合が2021年になって、ストリーミングチャート上位進出の要因に占める「LINE MUSICでのファンダムの過熱」の影響度を判定する重要な指標になるとは当時は夢にも思っていませんでした。)

 

2020年下半期からは高CD売上アーティストの新作発売が再開したものの、上半期の予想作業を通じて得た大いなる知的好奇心の充足は週間予想を継続する大きなエネルギーとなりました。結果的に2020年のBillboard JAPAN Hot 100は、LiSA「炎」の歴史的ヒットによる週間1位独走などもあって「年間TOP20ランクイン曲の週間1位獲得週数」が適正水準の20週を上回る25週となり、「週間1位のCD偏重問題」が解消され、楽曲人気チャートとして完璧な結果を出したのでした。

 


www.youtube.com

 

この年に得た大いなるエネルギーはアルバムチャートの分析作業にも向けられました。9月からはBillboard JAPAN Hot Albumsの週間結果分析と年間暫定順位予想も発信するようになりました。12月からはアーティスト人気指標Billboard JAPAN Artist 100も発足したため、その週間結果と年間暫定順位予想も程なくして発信するようになりました。

 

この年にはSNSアカウント運営の方針も明確となりました。初期は音楽と関係のない個人的なツイートや好きなアーティストに関するツイートもしていましたが、次第に発信内容を音楽ヒットデータの話題に特化していき、それに該当しない過去のツイートはほぼ全て削除しました。音楽チャート設計への批判や週間チャート予想の発信に説得力を持たせるうえで、客観性と中立性は何よりも重要な要素だったからです。

 

2021年

 

2020年のBillboard JAPAN Hot 100の充実ぶりは、翌2021年もその分析の発信を続けることに何の躊躇いも生じさせないものでした。2020年末にはストリーミング市場の拡大により週間1,000万再生以上を記録する曲も続出していたため、2021年もこのまま上位曲の再生数水準が上がっていきヒットシーンがますます盛り上がりを見せるという確信を抱いていました。

 

しかし現実はなかなか予想通りには進まないものでした。ストリーミング上位曲の再生数水準が低下したのです。併せて高CD売上アーティストの新作CD発売ペースが回復したことにより、Billboard JAPAN Hot 100の週間チャートは再びCD偏重問題が顕在化することとなりました。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

上の記事で詳述していますが、「週間1位のCD偏重問題」は現在のBillboard JAPAN Hot 100が抱えている最重要問題です。この問題によって生じている「年間上位面子と週間1位面子の乖離」は「週間1位が楽曲人気指標として機能していない」と言える客観的なサインです。

 

f:id:musicnever_die:20211201004749p:plain

 

コロナ禍突入という特殊要因による一時的なものだったとはいえ、2020年に一度解消された「週間1位のCD偏重問題」の再発は、進化を続けていたBillboard JAPAN Hot 100の歩みが止まったように私の目には映りました。ただしこの問題に対しBillboard JAPANは何もしていなかったわけではなく、2021年半ばにはCD換算率引き下げ等を実施しています。しかしそれらは残念ながら適切な週間1位結果には結びつきませんでした。

 

一年を通して「失敗だった」と言える2021年の週間結果と、2019年以降で初めて楽曲人気チャートとしての適切性が前年比で悪化したことは、私のモチベーションに大きなダメージを与えました。これを受けて私はBillboard JAPANの週間チャート予想と結果分析をSNSで発信する必要性について改めて考えました。

 

そもそも私がSNSを立ち上げたきっかけは既述のとおりオリコン合算ランキングがビルボードに代わって不適切に普及することを危惧してのことでした。しかしそれは杞憂に終わり、オリコン合算ランキングは殆ど話題にならないまま年月が経過しています。合算ランキングはCD売上チャートと殆ど変わらない上位結果になっており、今考えれば話題にならないのは当然でした。

 

また、目的としていたBillboard JAPAN Hot 100の知名度普及に関しても大きな手応えを感じる出来事がありました。2021/11/10公開週でのBEFIRST「Gifted.」INI「Rocketeer」による週間1位争いがかつてないほど大きく盛り上がったのです。両ファンダムが必死により良い結果を出そうと試行錯誤し、実際にそれが両曲の週間総合2万点超えというハイレベルな結果に現れたことは、Billboard JAPAN Hot 100がオリコンと並ぶ無視できないチャートとして十分に普及したと私に確信させました。

 

以上を踏まえ、「オリコンと比較してベターだから」という相対的な理由Billboard JAPANを推す段階は終わったと判断しました。

 

絶対的な視点で言えば、楽曲人気指標として不適切な1位結果となっているBillboard JAPAN Hot 100の週間チャートは、楽曲人気指標に興味がある私にとっては本来、分析対象にならないものです。週間1位を無視して週間2位以下のみを分析することは不可能です。よってその判断に従い、Billboard JAPAN Hot 100の週間予想と結果分析の発信は2021/12/8公開分を最後に休止することとしました。

 

Billboard JAPANの他のチャートであるStreaming Songs、Hot Albums、Artist 100の週間チャート分析も、Hot 100分析へのモチベーションがあって継続できていたことですので、これらの発信も休止します。同時にYouTubeチャートの週間分析も更新休止とします。音楽の聴き方が多様化した現代において何よりも重要なのは「集計対象の網羅性」を有する総合チャートなので、総合チャートを無視して指標別チャートのみを分析することはできません。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

なお、2022年度年間集計期間初週(2021/12/8公開週)からBillboard JAPAN Hot 100のチャート設計が調整され、CD偏重問題が解決する可能性もあります。そしてその可能性には大いに期待を寄せています。

 

しかし、適切な楽曲人気動向の反映が実現しなかった2021年度週間チャートの予想分析作業は、私の中で「チャート結果に対する知的好奇心の充足」を「疲労」が上回り、この一年でかなり疲労が蓄積してしまいました。そのためチャート設計変更の有無にかかわらず一度休息を取る必要があると判断しました。

 

もしCD偏重問題が解決され、「2022年上半期チャートTOP10ランクイン曲の週間1位獲得週数」が適正水準である10週を超えた場合は、2022年下半期から週間予想及び結果分析の発信を再開するかもしれません。逆に言えば、CD偏重問題が解決されない限り、発信を再開することはありません。

 

なお今回全面的に更新を休止するのは「週間」単位のヒットデータです。CD偏重問題が既に解決されていて楽曲人気指標として問題なく機能しているBillboard JAPANの「年間」チャートに関係する分析や暫定順位予想の発信は継続します(ただし暫定順位予想の更新頻度やタイミングは流動的となる可能性があります)。また、1億再生突破等、楽曲人気指標の「累計」に関する節目突破速報の発信も継続します。

 

まとめ

 

以上がBillboard JAPAN等週間チャートの予想及び結果分析の発信を休止する理由です。このような問題を気にせず音楽チャート分析を楽しんでいるという方も多いと思います。毎週私の分析を楽しみにしてくださっているフォロワーの皆さまに対しては本当に申し訳ない思いを抱いています。

 

以上の問題を抱えていてもなお、Billboard JAPAN Hot 100の週間チャートが相対的には日本国内で最も楽曲人気指標としての機能性が高い週間総合チャートだということは確かです。なので、もっとBillboard JAPAN Hot 100の週間予想及び結果分析をする人が多くいても良いと思います

 

特に週間予想に関しては、私のように各指標の予想値を積み上げる形での週間チャート予想の作成と公開を毎週継続しているアカウントを他に全く見かけませんでした。

 

アメリカのBillboard Hot 100に関しては毎週予想を行っていてフォロワーも多く抱えているチャート分析アカウントをTwitterで複数見かけました。日本のビルボードに関してもそのようなアカウントがもっと多く存在していても良いはずです。その面からも、今後の音楽チャート文化の定着と盛り上がりに期待します。

 

一度は日本から楽曲人気チャートが消滅し、音楽チャートは特定アーティストのファンからしか興味を持たれず、世間に無視されるかあるいは馬鹿にされる対象になりました。しかし楽曲人気チャートは「それだけが全てではない」ですが「いつの世も絶対に必要なもの」です。似たようなことは米津玄師さんも以前発言しています。

 

――チャートは世の中に必要だと思いますか。

米津玄師:それが全てになってしまうとつまらない世の中になってしまうと思いますが、チャートのようなわかりやすいものは必要だと思います。それが大きく音楽に潜り込んでいくきっかけになると考えています。

www.billboard-japan.com

 

壊滅的だった日本の音楽チャート文化を改善に導いているBillboard JAPANはやはり引き続き重要な存在です。週間楽曲人気チャートが完全復活した先に待っている未来は、「日本音楽業界の健全な発展と、その土壌から生み出される多様な音楽との出会い」です。Billboard JAPANの今後の更なる問題改善と発展に向けた歩みに、大いに期待しています。

 

www.billboard-japan.com