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2023年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2023に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートを回顧する。

 

この一年間の週間1位変遷表は以下のとおり。このうち回顧対象とする週は色を付した35週とする。

 

 

 

(2023年のBillboard JAPAN年間チャートは以下記事参照↓)

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回顧対象週の選定方法

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。集計対象は、CD売上ラジオエアプレイダウンロード、ストリーミング、MV、カラオケの6指標である。

 

2006年以降は、既存のCD購入に取って代わり、新たな音楽の聴き方としてダウンロード購入ストリーミング再生が主流となったため、ヒットチャートであれば後者のデジタル指標群を重視した設計に変わるべきであったが、オリコンをはじめとした日本のヒットチャートの動きは遅かった。結果、この年以降10年以上に渡り「日本音楽ヒットチャートのCD偏重問題」が生じることとなってしまった。

 

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オリコンはCD、ダウンロード、ストリーミングの3指標を集計対象とした合算ランキングを作成しているが、そのチャート設計はCD売上を重視したものとなっており、CD売上ランキングの週間上位とほぼ同一の結果になっている。

 

一方、Billboard JAPAN Hot 100はCD換算率を段階的に引き下げ続け、CD偏重問題改善を進めていた。2022年になるとその成果が顕在化するようになり、依然CD偏重チャート設計を維持するオリコン合算ランキングとの間で週間1位結果が異なる週の数は大幅に増加した。その週数はこれまで10週~15週程度で推移していたが、2022年は合計28週、そして2023年はなんと合計40週となり、8割近くの週でオリコンと1位結果が異なった。

 

本記事連載シリーズでは、両者の1位結果が異なる週を比較しながら振り返ることにより、CD偏重問題によって陰に隠れがちなデジタル市場でヒットしている楽曲の動向を捕捉することを目的としているが、以上の状況を踏まえ、2022年より回顧対象週をより厳選し記事量の肥大化を抑制すべく、回顧対象週選定条件として以下を追加している。

 

  • Hot 100首位獲得曲が、同週のApple Music週間ソング・ランキングでもTOP10圏内にランクインしていること(=重要性が高い楽曲人気規模となっていること)

 

本条件設定理由となるApple Music週間ソング・ランキングの重要性の説明については以下記事に譲る。

 

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1/11公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

1/11公開週1位はOfficial髭男dism「Subtitle」。オリコン合算1位はNewJeans『OMG』だったが、これは表題曲「OMG」とc/w曲「Ditto」の2曲で稼がれたポイントが同じCDシングルに収録されている2曲であることを理由に合算されたことによる影響が大きかった。作品単位ではなく楽曲単位の集計となっているBillboard JAPAN Hot 100では、引き続きストリーミング1,404万再生を記録する圧倒的高動向となっていた「Subtitle」が6週連続通算10週目の1位を獲得した。

 

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「Subtitle」はドラマ『silent』の主題歌として書き下ろされた壮大なラブバラード。ろう者とのラブストーリーを描いた『silent』は泣けるドラマとして大きな話題となり、民放公式テレビ配信サービス『TVer』の配信再生回数の記録を大きく塗り替えるほどの支持を集めた。「Subtitle」には「字幕」という意味があり、歌詞では音のない世界で想いを届けようとする純粋な感情が丁寧に表現されている。

 


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1/18公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

1/18公開週1位はOfficial髭男dism「Subtitle」引き続きストリーミング1,348万再生を記録する圧倒的高動向を見せ7週連続通算11週目の1位を獲得した。この週の1位により「Subtitle」は星野源「恋」に並び当時の1位獲得週数最多タイ記録に到達した。なおOfficial髭男dismはこの週新曲「ホワイトノイズ」も5位に登場させ、10位の「ミックスナッツ」とともに3曲同時週間TOP10入りを達成した。

 

1/25公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

1/25公開週1位はOfficial髭男dism「Subtitle」引き続きストリーミング1,261万再生を記録する圧倒的高動向を見せ8週連続通算12週目の1位を獲得した。この週の1位により「Subtitle」は星野源「恋」を抜き当時の1位獲得週数最多記録を樹立した。

 

なお当週の2位は米津玄師「KICK BACK」。奇しくも「Subtitle」と同日にリリースされたこの曲はアニメ『チェンソーマン』主題歌として大人気となり、1位常連のJO1などを退け通算2週1位を獲得したが、「Subtitle」に次ぐ2位も9週獲得しており、もし「Subtitle」がいなければ11週1位となりやはり当時の1位獲得週数最多タイ記録となっていた。歴史的ヒット曲が立て続けに誕生していたこの時期はヒットシーンがかつてない活況に沸いていた。

 

「KICK BACK」はシリアスさとコミカルさが同居したようなアップテンポナンバー。目まぐるしい楽曲構成と純真な欲望を描いた歌詞で原作世界観が表現されている。その中には仕掛けが多く散りばめられており、例えば歌詞ではモーニング娘。のヒット曲「そうだ!We’re ALIVE」をサンプリングしたフレーズを織り込んでいる。King Gnu常田大希が参加していることもあってか、がなり立てる歌唱表現などから米津玄師の新たな一面を見出すことも可能となっている。

 


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3/8公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

3/8公開週1位はOfficial髭男dism「Subtitle」引き続きストリーミング947万再生を記録する高動向を見せ6週ぶり返り咲き通算13週目の1位を獲得した。当時の1位獲得週数史上最多記録自己更新となり、参考までにオリコンシングルランキングの1位獲得週数記録と照らしても、1991年にCHAGE & ASKA「SAY YES」が記録して以来約32年ぶりとなる通算13週目の1位獲得であった。

 

なお当週の2位はVaundy「怪獣の花唄」。2020年5月に発売されて以来水面下で驚異的なロングヒットを続けていた本曲は2022年末の『NHK紅白歌合戦』にVaundyが初出場した際に満を持してのTV初披露となったことをきっかけに人気が爆発しピークを迎えていたが、当週2位にまで上り詰め自己最高位を記録するに至った。

 

本曲はキャッチーなメロディーにエモーショナルな歌唱、忘れていた少年時代の情熱を取り戻そうとする歌詞等が聴きどころとなっており、それまでVaundyが存在感を見せていたシティポップ路線とは異なる王道J-POPとも言えるようなロックサウンドが展開されている。

 


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4/19公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

4/19公開週1位はYOASOBI「アイドル」。アニメ『推しの子』主題歌の本曲はアニメ放送開始と同時に発売されるやいなや話題を搔っ攫い、週途中の水曜配信のため集計5日だったにも拘らず、初動でストリーミング886万再生、MV433万再生を記録するロケットスタートを見せて初登場1位を獲得した。

 

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『推しの子』は芸能界の裏側を生々しく描いたヒューマンドラマとして人気となっていた。その序盤では予想外の衝撃的な展開が繰り広げられているが、「アイドル」はその展開に即して制作されており、アニメの話題性が楽曲にも大きく波及した。そして本曲のMVはアニメ『推しの子』を制作する動画工房が直接手掛けたことで精巧緻密なアニメーションムービーに仕上がっており、話題性を益々増幅させることとなった。楽曲もそれまでのYOASOBIにない新境地と言えるような内容で、癖になるikuraの歌唱表現や、コーラス・掛け声等多くの要素を取り入れめまぐるしく変化する楽曲構成が強い中毒性を有していた。

 

こうした背景から本曲は日本音楽史上トップクラスの爆発的楽曲人気となり、数々のヒットレコードを更新した。先に言ってしまえばHot 100では連続1位獲得週数史上最多記録となる21週連続1位を獲得している。

 


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しかしここまで前例のない歴史的楽曲人気規模となった本曲ですらも、CD偏重チャート設計となっているオリコン合算シングルランキングでは21週中1週しか1位を獲得していない。そのため本記事では「アイドル」が1位を獲得した全21週のうち20週を一つ一つ回顧していくこととなる。

 

なおこの21週のBillboard JAPAN Hot 100とオリコン合算シングルランキングの1位変遷対比表は以下のとおり。日本国内で有名なヒットチャートとされる両者の中身が全く異なっていることをこの表からも読み取ることができる。

 

 

4/26公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

4/26公開週1位はYOASOBI「アイドル」。前週で圧倒的な初動楽曲人気を掴んだ本曲は登場2週目の当週に急伸を見せ、特にストリーミング指標ではBTS「Butter」、Official髭男dism「Subtitle」に続く史上3曲目となる週間2,000万再生超えを達成。Spotifyではこの週の土曜に当時の国内デイリー再生回数歴代最多記録を樹立した。総合ポイントでは19,790点を獲得し、Billboard JAPANに『異次元の加点』と言わしめる圧倒的高動向で2週連続1位を獲得した。

 

5/3公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

5/3公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週も圧倒的な初動楽曲人気による伸びが続き、ストリーミング2,578万再生、MV903万再生を記録する『超ハイレベル』な動向で3週連続1位を獲得した。

 

なお当週は既に1位常連となっていたBE:FIRSTの新曲「Smile Again」がCDと配信の双方でリリースされており、LINE MUSIC再生回数キャンペーン等によりBESTYと呼ばれるファンダムの過熱を促す施策を実行していたため、当初の総合1位最有力候補だったが、「アイドル」が史上空前の楽曲人気規模となったため週前半時点で劣勢となっていた。しかし所属事務所BMSGの社長SKY-HIはなんと週後半土曜日の朝4時にファンコミュニティサイト(通称アキテク)向けインスタライブにて劣勢状況と諦めない姿勢を婉曲的にBESTYに向けて発信するという前例のない1位への異常執着を見せた。これを受けてBESTYは自主的な応援行動を更に強化し、特に追加複数ダウンロード購入の動きを顕著に見せた結果、ダウンロード指標における本曲の売上が週後半に暴騰を見せ、週間総合ポイントを19,494点にまで膨れ上がらせた。これは前週「アイドル」が記録しBillboard JAPANが『異次元の加点』と評した19,790点に肉薄する水準だった。しかしそれでも「アイドル」が当週更に総合ポイントを伸ばす前代未聞の歴史的楽曲人気を見せたため結局及ばず、CDシングル表題曲では自身初めて1位を逃すこととなった。なお「Smile Again」は週間単位でここまで高水準のポイントを叩き出したにもかかわらず以降それに見合うロングヒットには至らず年間TOP100入りすら逃している。現代のヒットチャートでは週間単位成績への異常執着が長期的な成果に直結するとは限らないことを証明する好例となった。

 

5/10公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

5/10公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週も圧倒的な初動楽曲人気による伸びが続き、ストリーミング2,543万再生、MV857万再生を記録する『ダントツ』『異次元の強さ』で4週連続1位を獲得した。

 

5/17公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

5/17公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング2,586万再生を記録するなどの圧倒的高動向で5週連続1位を獲得した。週間ストリーミング再生回数はこの週にピークを記録するとともに、この週で当時の史上最速記録となる初登場から所要5週での累計ストリーミング1億再生突破を達成した。なおSpotifyデイリー再生回数はこの週の最終日に記録した68.3万回がピークとなった。

 

なお当週の2位はスピッツ「美しい鰭」。本曲は奇しくも「アイドル」と同週に発売され、初登場週で「アイドル」に次ぐ2位を記録していたが、その週以来となる2位返り咲きとなった。「美しい鰭」は次週も2位を記録し、「アイドル」に次ぐ2位を通算3週記録もし「アイドル」がいなければ通算3週1位を獲得していたことになる。

 

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本曲は興行収入130億円を記録したアニメ映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』主題歌として書き下ろされた。同作でスポットが当てられた人気キャラクター灰原哀の心情を表現したような歌詞や清涼なサウンドは映画の大ヒットとともに多くのリスナーに支持された。

 


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5/31公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

5/31公開週1位はYOASOBI「アイドル」。本曲は前週YouTubeにおいて国内史上最速でMV1億再生突破を達成するなど勢いが止まらず、当週もストリーミング2,406万再生、MV930万再生を記録するなどの歴史的高動向7週連続1位を獲得。これを以て「夜に駆ける」の6週を上回り1位獲得週数自己最多記録を更新した。週間MV再生回数はこの週にピークを記録したが、これは当週本曲の英語バージョンがリリースされ、その再生回数が合算された効果もあった。

 

6/7公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

6/7公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング2,321万再生を記録するなどの歴史的高動向8週連続1位を獲得した。当週はグローバルチャートBillboard Global Excl. U.S.でも国内楽曲として史上初の1位を獲得。もはや国内に留まらず国外でも特筆すべき楽曲人気規模となっていた。

 

なお当週の2位はMAN WITH A MISSION×milet「絆ノ奇跡」。本曲は奇しくも「アイドル」と同週に発売され、初登場週で4位を記録して以来ロングヒットを続けていたが、CDリリース週となった当週に最高位となる2位に浮上した。「絆ノ奇跡」は次週も2位を記録し、「アイドル」に次ぐ2位を通算2週記録もし「アイドル」がいなければ通算2週1位を獲得していたことになる。

 

本曲は5人組ロックバンドMAN WITH A MISSIONと女性ソロシンガーソングライターmiletによるコラボ曲で、大人気アニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』主題歌として書き下ろされた。作詞作曲を手掛けたMAN WITH A MISSIONとしては珍しい全編日本語詞と和楽器サウンドが取り入れられた本曲はアニメとの相性も良く、それぞれのボーカルの個性が際立つ歌割りも心地よい疾走感をもたらしている。

 


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6/14公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

6/14公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング2,322万再生を記録するなどの歴史的高動向9週連続1位を獲得した。なお当週を以て累計ストリーミング2億再生を史上最速で突破している

 

6/21公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

6/21公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング2,385万再生を記録するなどの歴史的高動向10週連続1位を獲得した。当週はApple Musicのグローバルチャートでも1位を獲得したことが話題となっていた。

 

6/28公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

6/28公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング2,258万再生を記録するなどの歴史的高動向11週連続1位を獲得した。当週はCDリリースもされたことでその売上が加点される形で総合ポイント24,359点を記録。これが総合ポイントのピークとなった。

 

7/5公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

7/5公開週1位はYOASOBI「アイドル」。アニメ『推しの子』が最終回を迎えた当週もストリーミング2,090万再生を記録するなどの歴史的高動向12週連続1位を獲得した。なお当週水曜には本曲のライブ映像が新規公開されたが、この動画の再生回数はMV指標に加点された形跡がなく、集計欠測状態になっているものと思われる。しかしMVはそんなアクシデントをものともしない勢いで再生回数を積み上げており、当週YouTubeにおいて国内史上最速でMV2億再生を突破した

 

7/12公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

7/12公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,967万再生を記録するなどの歴史的高動向13週連続1位を獲得した。この週でOfficial髭男dism「Subtitle」が4ヶ月前に樹立した当時の1位獲得週数歴代最多記録に並んだ。さらに、前週公開されたもののBillboard JAPANでは再生回数集計欠測となったライブ映像に関しては、YouTubeチャートにて欠測なく再生回数が加算され、それもあって「アイドル」は同映像公開後7日フル集計初週となったYouTubeグローバル楽曲チャート国内楽曲史上初となる1位浮上を果たした

 

7/19公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

7/19公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,882万再生を記録するなどの歴史的高動向14週連続1位を獲得。この週で1位獲得週数歴代最多記録を更新した。また、当週を以て累計ストリーミング3億再生を史上最速で突破した。週間総合ポイントは、MV指標において一部集計欠測が生じたため、前週比▲12.5%と比較的大きな下落となった。

 

なお当週の2位はJung Kook「Seven (feat. Latto)」。当週後半の金曜日に全世界でリリースされた本曲は集計3日ながら高初動楽曲人気となりいきなり初登場2位を獲得した。7日フル集計初週となった次週もポイントを伸ばしての2位となり、「アイドル」に次ぐ2位を通算2週記録もし「アイドル」がいなければ通算2週1位を獲得していたことになる。

 

「Seven」BTSの最年少メンバーJung Kookのソロ活動の本格的な幕開けを飾った一曲で、新世代女性ラッパーLattoをフィーチャーしている。1週7日間毎日常に愛する人と一緒にいたいと歌う情熱的な歌詞が甘美且つ優雅なダンスサウンドとボーカルによって奏でられている。世界的な支持を受けた本曲は、全英詞ながらサビのフレーズやメロディーがキャッチーなこともあり日本でも人気となった。

 


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7/26公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

7/26公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,783万再生を記録するなどの歴史的高動向15週連続1位を獲得した。週間総合ポイントは、MV指標において前週発生した一部集計欠測が解消したため、他指標が軒並み漸減となる中でも前週比+2.4%となった。

 

8/2公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

8/2公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,657万再生を記録するなどの歴史的高動向16週連続1位を獲得した。なお当週は「アイドル」のアナログレコード盤が発売されたためCD売上指標において微増を見せている。

 

8/9公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

8/9公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,532万再生を記録するなどの歴史的高動向17週連続1位を獲得した。参考程度ではあるが、日本の有力総合ヒットチャートの歴史上、1位獲得週数17週ピンキーとキラーズ「恋の季節」がオリコンで記録して以来約54年ぶりの大記録樹立であった。

 

8/16公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

8/16公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,496万再生を記録するなどの圧倒的高動向で18週連続1位を獲得した。参考程度ではあるが、これでピンキーとキラーズ「恋の季節」がオリコンで記録した1位獲得週数17週を上回り、日本の有力総合ヒットチャートの歴史上、当時の1位獲得週数歴代最多記録となった。

 

なお当週の2位はキタニタツヤ「青のすみか」。人気アニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』主題歌として7月のアニメ開始と同時にリリースされた本曲はいきなりTOP10内登場を果たす高初動楽曲人気を見せていたが、アニメが佳境になるにつれて本曲の人気も拡大していき、前週全5話の最終回を迎えた反響により登場6週目となる当週に自己最高位となる2位を獲得。総合ポイントもピークとなった。「青のすみか」は次週も2位となり、「アイドル」に次ぐ2位を通算2週記録もし「アイドル」がいなければ通算2週1位を獲得していたことになる。

 

本曲はかつてボカロPとしても有名だった男性ソロシンガーソングライターのキタニタツヤがアニメのために書き下ろしたロックナンバー。登場人物の関係性を暗喩した歌詞は考察しがいのある非凡な表現となっており、爽やかながらもどこか不穏さも感じるサウンドも物語とリンクしていたことでアニメファンから強い支持を受けた。

 


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8/23公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

8/23公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,310万再生を記録するなどの圧倒的高動向で19週連続1位を獲得した。参考程度ではあるが、これはリル・ナズ・X「Old Town Road feat. ビリー・レイ・サイラス」が米Billboard Hot 100で記録した1位獲得週数にも並び、日米合わせて当時の1位獲得週数歴代最多タイ記録であった。

 

8/30公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

8/30公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,239万再生を記録するなどの圧倒的高動向で20週連続1位を獲得した。参考程度ではあるが、これでリル・ナズ・X「Old Town Road feat. ビリー・レイ・サイラス」が米Billboard Hot 100で記録した1位獲得週数も上回り、日米合わせて当時の1位獲得週数史上最多記録となった。当週は火曜日に人気YouTuberのHIKAKINが「アイドル」MV完全再現動画を公開したことが大きな話題となり、その再生回数も合算される形でMV指標が大きな伸びを見せ、総合ポイントは前週比+8%となった。

 

9/6公開週1位 YOASOBI「アイドル」

 

 

9/6公開週1位はYOASOBI「アイドル」。当週もストリーミング1,181万再生を記録するなどの圧倒的高動向で21週連続1位を獲得した。当週が「アイドル」の約5ヶ月に及ぶ前人未踏の連続週間1位記録の最終週となった。なおこの週を以て累計でストリーミング4億再生MV3億再生をそれぞれ史上最速で突破した。

 

9/27公開週1位 Ado「唱」

 

 

9/27公開週1位はAdo「唱」。2週前に初登場8位を記録する高初動楽曲人気を見せた本曲は以降も急激なペースで人気拡大を見せ、当週ストリーミング1,205万再生を記録するなどの圧倒的人気規模となり1位に到達した。週間ストリーミング再生回数1,000万超えは2023年発売曲では「アイドル」「美しい鰭」「Seven (feat. Latto)」に続く4曲目の快挙であった。

 

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本曲はユニバーサル・スタジオ・ジャパンハロウィンショーイベント『ゾンビ・デ・ダンス』の主題歌に起用されたダンスナンバー。作詞はFAKE TYPE.TOPHAMHAT-KYO、作曲・編曲はGigaTeddyLoidが務めており、Adoにしか歌いこなせないような高難度楽曲となっている。縦横無尽に飛び跳ねながらも要所を締めるようなメロディーラインとEDMサウンドや、サビのキャッチーな振付けが多くの視聴者を虜にした。

 

こうした背景から本曲は歴史的楽曲人気となり、先に言ってしまえばHot 100では2023年公開週にて通算12週1位を獲得し、当時の1位獲得週数歴代3位記録を樹立した。

 


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しかし本曲もCD偏重チャート設計となっているオリコン合算シングルランキングでは12週中1週しか1位を獲得していない。そのため本記事では「唱」が1位を獲得した全12週のうち11週を一つ一つ回顧していくこととなる。

 

なおこの12週のBillboard JAPAN Hot 100とオリコン合算シングルランキングの1位変遷対比表は以下のとおり。日本国内で有名なヒットチャートとされる両者の中身が全く異なっていることをこの表からも読み取ることができる。

 

 

10/4公開週1位 Ado「唱」

 

 

10/4公開週1位はAdo「唱」。当週も初動楽曲人気拡大が止まらず、ストリーミング1,343万再生を記録するなどの圧倒的高動向で2週連続1位を獲得した。

 

なお当週の2位はKing Gnu「SPECIALZ」。人気アニメ『呪術廻戦 渋谷事変』主題歌として9月のアニメ開始と同時にリリースされた本曲はいきなり初登場2位となる高初動楽曲人気を見せていたが、前週木曜に満を持して公開されたMVが大きな話題となったことで総合ポイントの力強い回復が起き当週2位に返り咲いた。なお「SPECIALZ」の最高位は通算2週2位となったが、初登場時の2位は高CD売上曲に阻まれての2位であった。

 

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本曲はアニメのストーリーに沿って主人公の敵側からの視点で書き下ろされており、呪いのこもったような不気味なサウンドやMVはその世界観への没入を誘うものとなっている。

 


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10/11公開週1位 Ado「唱」

 

 

10/11公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,425万再生を記録するなどの圧倒的高動向で3週連続1位を獲得連続1位獲得週数では自身最多記録を更新した。

 

なお当週の2位はYOASOBI「勇者」。人気アニメ『葬送のフリーレン』主題歌としてアニメ開始と同時に前週リリースされた本曲は、「アイドル」を収録したアルバム『THE BOOK 3』の一曲目としてのリリースだったことも注目を集め、7日フル集計初週となった当週に最高位となる2位を記録する高初動楽曲人気を見せ、総合ポイントもピークを記録した。

 

『葬送のフリーレン』は、勇者とそのパーティーにより魔王を倒した後の後日譚を描いたファンタジーで、パーティーに属していた長寿種族エルフの主人公が、旅を通じて過去を振り返りながら登場人物の人生の機微に触れていく内容。「勇者」の歌詞にはそんな主人公の優しい想いが描かれており、ファンタジックなピアノサウンドとikuraの透明感のある歌唱も雰囲気を盛り立てている。

 


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10/18公開週1位 Ado「唱」

 

 

10/18公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,422万再生を記録するなどの圧倒的高動向で4週連続1位を獲得した。

 

11/1公開週1位 Ado「唱」

 

 

11/1公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,486万再生を記録するなどの圧倒的高動向で返り咲き通算5週目の1位を獲得した。週間総合ポイントは前週比+13%と大きく伸びているが、これは当週から次週にかけてハロウィンシーズンのピークが到来したことで本曲のタイアップ効果が最大化されたため。ハロウィン当日を迎えた次週には週間ストリーミング再生回数1,500万超えを達成し、総合ポイントとともにピークを記録した。また、そのタイミングで自身最速での累計ストリーミング1億再生突破を果たしている

 

11/15公開週1位 Ado「唱」

 

 

11/15公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,372万再生を記録するなどの圧倒的高動向で3週連続通算7週目の1位を獲得。これで「新時代」で記録していた6週を上回り、通算1位獲得週数自身最多記録を更新した。

 

11/22公開週1位 Ado「唱」

 

 

11/22公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,235万再生を記録するなどの圧倒的高動向で4週連続通算8週目の1位を獲得した。ハロウィンが終了して以降は全体的に数値が漸減傾向に突入した本曲だが、それでも依然として2位以下を寄せ付けない楽曲人気規模を維持していた。

 

11/29公開週1位 Ado「唱」

 

 

11/29公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,133万再生を記録するなどの圧倒的高動向で5週連続通算9週目の1位を獲得した。

 

12/6公開週1位 Ado「唱」

 

 

12/6公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,052万再生、MV329万再生を記録するなどの圧倒的高動向で6週連続通算10週目の1位を獲得した。連続1位獲得週数ではこれが本曲のピークとなった。当週土曜には『ベストアーティスト2023』に出演し「唱」を披露。顔出しをしないシルエットでの出演ではあるが、これがAdoにとってTVスタジオでの初歌唱となった。以降も年末歌番組へ出演し本曲を披露する機会が増えたことで、本曲の総合ポイント漸減ペースは緩やかに抑えられていった。

 

12/20公開週1位 Ado「唱」

 

 

12/20公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング1,035万再生を記録するなどの圧倒的高動向で返り咲き通算11週目の1位を獲得した。通算11週1位は2017年に星野源「恋」が記録して以来長らく1位獲得週数歴代単独最多記録であったが、2023年に入り「Subtitle」「アイドル」「唱」により立て続けにこの記録が達成・更新されていったことは、CD偏重問題の解消により歴史的人気楽曲がその人気に見合う1位獲得週数を記録できるようになったことを示すものであった。

 

12/27公開週1位 Ado「唱」

 

 

12/27公開週1位はAdo「唱」。当週もストリーミング970万再生を記録するなどの圧倒的高動向で2週連続通算12週目の1位を獲得した。これで当時の1位獲得週数ランキングTOP3は「アイドル」「Subtitle」「唱」の順となり、全て2023年に更新された記録によって埋められた。当週は月曜にAdoが『CDTVライブ!ライブ!』に出演し「唱」など4曲を披露したことが話題となったほか、日曜にはYouTubeにて当時歴代5位のスピード記録となる公開から所要109日でのMV1億再生突破を果たした。

 

まとめ

 

以上が2023年に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートの振り返りとなる。

 

Billboard JAPANが段階的にCD偏重チャート設計を見直した成果は2023年に大爆発を起こし、歴史的楽曲人気に見合う形で週間1位独走事例を数多く誕生させることに成功した。

 

他方で記事中でも時折言及したとおり、CD偏重問題が完全解決したとは言い切れず、高CD売上曲が1位獲得の翌週TOP100圏外に大暴落してしまう事例も発生していた。この問題は以下記事でまとめている。

 

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2024年以降もBillboard JAPAN Hot 100では、歴史的人気楽曲の1位独走と、高CD売上曲による1位獲得翌週のTOP100圏外大暴落という、両極端な推移が併発していくこととなる。

 

(次年2024年のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧に続く↓)

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(前年2022年のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧はこちら↓)

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