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2022年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2022に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全28をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。集計対象は、CD売上ラジオエアプレイダウンロード、ストリーミング、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、MVTwitter、カラオケの8指標であったが、このうちルックアップとTwitterは2022/11/30公開週を最後に集計が廃止されている。

 

2022年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

 

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本記事で取り上げるBillboard JAPAN Hot 100週間チャート28週の比較対象はオリコン合算ランキングとするが、合算ランキングのCD過剰重視設計により、オリコンの合算ランキングとCD売上ランキングの週間上位はほとんど同一の結果になっている。そのため、実質的にはビルボード総合チャートとCD売上チャートの比較となる。

 

なお本記事連載シリーズの執筆意図は、オリコン等の不適切なCD偏重チャートが日本国内に未だ多く残存することにより、高CD売上曲の陰に隠れがちになってしまう「配信指標を主力とした人気曲」に適切に光を当てることにある。*1

 

 

 

1/26公開週1位 Aimer「残響散歌」

 

 

1/26公開週Aimer「残響散歌」が2週連続通算4週目の1位を獲得した。CD指標ではWEST.「黎明」が19万枚の売上で1位だったが、アニメ「鬼滅の刃」主題歌として歴史的楽曲人気を示していた「残響散歌」は登場7週目の当週もストリーミング827万再生を記録する高動向となり総合では逆転が生じた

 

「残響散歌」は「鬼滅の刃 無限列車編」の後に続くシリーズである「遊郭編」の主題歌である。「遊郭編」では宇随天元が主要登場人物として活躍するが、宇随の派手なキャラクターを表現するように「残響散歌」は疾走感のある華やかなサウンドに仕上がっており、Aimerの独特な歌声により楽曲の個性が確立されている。各指標の累計数値はストリーミング2億再生、MV1.3億再生、フル配信50万ダウンロードを突破している。


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2/2公開週1位 Aimer「残響散歌」

 

 

2/2公開週Aimer「残響散歌」3週連続通算5週目の1位を獲得した。当週はCD指標1位の売上が僅か1万枚に留まる低水準となったため、総合では高配信売上曲による1位争いとなった。オリコン合算1位はKing Gnu『一途/逆夢』だったが、これは「一途」と「逆夢」の2曲で稼がれたポイントが同じCDシングルに収録されている2曲であることを理由に合算されたことによる影響が大きかった。作品単位ではなく楽曲単位の集計となっているビルボードでは、引き続きストリーミング812万再生を記録するなどの高動向が継続していた「残響散歌」が総合1位を継続した。

 

2/9公開週1位 Aimer「残響散歌」

 

 

2/9公開週Aimer「残響散歌」4週連続通算6週目の1位を獲得した。当週もCD指標1位の売上が僅か1万枚に留まる低水準となったため、総合では高配信売上曲による1位争いとなった。オリコン合算1位はKing Gnu『一途/逆夢』だったが、前週と同様の理由により、ビルボードでは引き続きストリーミング811万再生を記録するなどの高動向が継続していた「残響散歌」が総合1位を継続することとなり結果が異なった。

 

2/16公開週1位 Aimer「残響散歌」

 

 

2/16公開週Aimer「残響散歌」5週連続通算7週目の1位を獲得した。CD指標ではOCTPATH「IT'S A BOP」が10万枚の売上で1位だったが、OCTPATHのCD指標以外の加点は乏しかった。Aimerは当週Mステや人気YouTubeチャンネルTHE FIRST TAKEへの出演などそれまで滅多になかったメディア露出を実施し話題性を爆発させたことで「残響散歌」がストリーミング1,014万再生、MV597万再生を記録するほどの急伸を見せて総合1位を継続した

 

3/2公開週1位 Aimer「残響散歌」

 

 

3/2公開週Aimer「残響散歌」7週連続通算9週目の1位を獲得した。CD指標ではNMB48「恋と愛のその間には」が18万枚の売上で1位だったが、NMB48のCD売上以外の指標の加点は乏しかった。そのため総合では引き続きストリーミング948万再生を記録するほどの高動向を見せていた「残響散歌」が1位を継続した。なお7週連続1位星野源「恋」と並ぶ歴代1位タイ記録通算9週1位も「恋」に次ぐ歴代2位記録となっている。

 

3/16公開週1位 BE:FIRST「Bye-Good-Bye」

 

 

3/16公開週1位はBE:FIRST「Bye-Good-Bye」CD売上で1位だったSKE48「心にFlower」等を上回った。

 

「Bye-Good-Bye」はこの週ストリーミング週間1,354万再生を記録し、これが総合ポイントの半分近くを占めたが、この再生回数大暴騰はLINE MUSIC再生回数キャンペーン等の楽曲人気ではない動向が主因である。これを証明するデータが、この曲が当週市場シェアが大きいSpotifyApple musicAmazon musicで軒並みTOP20圏外であったことや、Spotifyでの再生数が全体に占める割合4.1%という上位他曲の平均的動向と比較した著しい低さである。

 

 

この問題の詳細解説は以下記事に譲るが、現在は再生回数カウント方法が改良されたためこの問題は解決済みである。当週と同様の事態が今後再現されることは無い。

 

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以上のとおり当週時点では「Bye-Good-Bye」のチャートアクションの主因はファンダムの過熱だったが、以降じわじわと楽曲人気が浸透したことでロングヒットの軌道に乗り、累計ではストリーミング1億再生を突破した。夢に向かうための別れをテーマとしたこの曲は切なさがありつつも未来への期待も感じさせるような軽やかさが歌詞とサウンドで表現されており、生活環境が変わりやすい春に聴くにはピッタリのダンスポップナンバーとなっている。


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3/23公開週1位 King Gnu「カメレオン」

 

 

3/23公開週1位はKing Gnu「カメレオン」CD指標ではKinKi Kids「高純度romance」が16万枚の売上で1位だったが、KinKi KidsのCD指標以外の加点は乏しかった。そのため総合ではストリーミング807万再生を記録するなどの高動向を見せた「カメレオン」が1位となった。

 

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本曲は美しさを感じさせるバラードナンバー。凝ったサウンドと楽曲構成が新鮮な印象を与えており、タイアップ先ドラマ「ミステリと言う勿れ」に沿って人間の多面性を描いた歌詞も支持された。ドラマが最高視聴率13.6%を記録する人気となったこともあり広く普及した本曲は累計でストリーミング1億再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。


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5/18公開週1位 Official髭男dism「ミックスナッツ」

 

 

5/18公開週1位はOfficial髭男dism「ミックスナッツ」CD指標ではアンジュルム「愛・魔性」が1位だったが、その売上は8万枚と多くはなかったため、総合ではストリーミング952万再生を記録するなどの高動向を見せた「ミックスナッツ」が1位となった。

 

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人気アニメ「SPY FAMILY」の主題歌として書き下ろされたこの曲は、アニメの作風に合わせた賑やかな演奏と歌詞が聴きどころの楽曲で、特に演奏の良い意味での忙しなさは技巧が光るものとなっている。こうした要素がアニメファンに限らず広く支持されたことで本曲は配信当初からチャート上位を走り、各指標の累計はストリーミング2.5億再生、MV7,000万再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。


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5/25公開週1位 米津玄師「M八七」

 

 

5/25公開週1位は米津玄師「M八七」CD指標ではAKB48「元カレです」が41万枚の売上で1位だったが、AKB48のCD指標以外の加点は乏しかった。「M八七」は当週フル配信4万ダウンロード、ストリーミング737万再生、MV263万再生を記録するなど集計対象8指標全てでTOP10入りを果たして万遍なくポイントを獲得。2022年度最高総合ポイント20,881点を記録し文句なしの総合1位となった。

 

米津玄師はこの「M八七」と後述する「KICK BACK」により2022年度週間総合ポイントランキングでワンツーを達成している。

 

 

これは米津玄師が「アーティスト人気」と「楽曲人気」の双方で極めて高い水準を誇る国内最高峰の「混合型ファンダム」を有していることを意味する。ファンダムの類型は以下のビルボード公式分析記事で説明されている。

 

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「M八七」は興行収入40億円を突破した映画「シン・ウルトラマン」主題歌として書き下ろされたバラードナンバー。サウンド・楽曲構成・歌唱表現・歌詞といった要素がドラマチックに仕上がっており、壮大な作品世界観を想起させる内容になっている。各指標の累計はフル配信10万ダウンロード、ストリーミング5,000万再生を突破している。


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6/22公開週1位 BTS「Yet To Come (The Most Beautiful Moment)」

 

 

6/22公開週1位はBTS「Yet To Come (The Most Beautiful Moment)」CD指標ではNEWS『LOSER/三銃士』が13万枚の売上で1位だったが、NEWSのCD指標以外の加点は乏しかった。当週はストリーミング週間1,000万再生突破曲が2曲誕生し、高配信売上曲によるハイレベルな総合1位争いとなった中、ストリーミング週間1,243万再生を記録した「Yet To Come」が僅差で総合1位を制した

 

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「Yet To Come」はBTSの活動休止報道が世界を駆け巡る中で発売されたアンソロジーアルバム『Proof』に収録されているリードシングル。その位置づけに相応しく、過去を振り返りながらもこれからの歩みも感じさせる内容が歌詞やMVで表現されている。累計ではストリーミング5,000万再生を突破している。


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6/29公開週1位 SEKAI NO OWARI「Habit」

 

 

6/29公開週1位はSEKAI NO OWARI「Habit」CD指標ではHKT48「ビーサンはなぜなくなるのか?」が16万枚の売上で1位だったが、HKT48のCD指標以外の加点は乏しかった。当週はストリーミング週間1,000万再生近い高水準を叩き出していた「Habit」とOfficial髭男dism「ミックスナッツ」の2曲が同時にCDシングルでも発売されたため、この2曲による一騎打ちの様相となった中、ストリーミング週間981万再生を記録したうえMV指標で大きな優位を取った「Habit」が僅差で総合1位を制したSEKAI NO OWARIの総合1位獲得は2015年の「SOS」以来7年ぶりとなった。

 

「Habit」は映画「ホリック xxxHOLiC」の主題歌として4月に配信された。本曲の歌詞は「自分で自分を分類するな」というテーマがセカオワらしさ溢れるアイロニカルな視点で描かれているほか、MVでもそれを表現したコミカルなダンスを披露している。この歌詞とダンスが強いフックとなった本曲はチャートを駆け上がり、このタイミングでピークを記録。各指標の累計はストリーミング1億再生、MV1.1億再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。


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7/6公開週1位 Official髭男dism「ミックスナッツ」

 

 

7/6公開週Official髭男dism「ミックスナッツ」が返り咲き通算2週目の1位を獲得した。CD指標ではつばきファクトリー『アドレナリン・ダメ/弱さじゃないよ、恋は/アイドル天職音頭』が1位だったが、その売上は9万枚と多くなかったため、総合ではストリーミング週間937万再生という高水準を叩き出した「ミックスナッツ」が「Habit」との接戦を制して1位となった

 

7/13公開週1位 Official髭男dism「ミックスナッツ」

 

 

7/13公開週Official髭男dism「ミックスナッツ」が2週連続通算3週目の1位を獲得した。CD指標では関ジャニ∞「喝采」が15万枚の売上で1位だったが、関ジャニ∞のCD指標以外の加点は乏しかった。その結果当週は引き続き「ミックスナッツ」と「Habit」による一騎打ちの様相となり、ストリーミング945万再生を記録した「ミックスナッツ」がこれを制して1位となった

 

8/3公開週1位 BE:FIRST「Scream」

 

 

8/3公開週1位はBE:FIRST「Scream」CD売上で1位だったKinKi Kids「Amazing Love」等を上回った。

 

「Scream」はこの週ストリーミング829万再生を記録し、これが総合ポイントの半分近くを占めたが、この再生回数暴騰は楽曲人気ではなくLINE MUSIC再生回数キャンペーンが主因である。これを証明するデータが、この曲が当週市場シェアが大きいSpotifyApple musicAmazon musicで軒並みTOP50圏外であったことや、Spotifyでの再生数が全体に占める割合5.7%という上位他曲の平均的動向と比較した著しい低さである。

 

 

既述したとおりこのキャンペーン問題は解決済みであり、キャンペーンを主因に獲得可能な再生回数には限度が設けられたが、その中でもBE:FIRSTが同要因由来の再生回数をトップクラスで稼いでいることからは、特筆すべきファンダムの熱量の存在が導ける。なお「Scream」はこの翌週TOP10圏外に急落したが、これはストリーミング時代に突入した2020年代以降で初めて記録された「CD指標の加点無しで総合1位を獲得した曲が翌週TOP10圏外に急落する」事例となった。

 

8/24公開週1位 Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」

 

 

8/24公開週Ado「新時代」が前週に続き2週連続1位を獲得した。CD指標ではKis-My-Ft2「Two As One」が17万枚の売上で1位だったが、映画「ONE PIECE FILM RED」主題歌の「新時代」は映画公開を機に楽曲人気が大爆発しており、当週は当時史上4曲目の週間1,800万再生超えとなるストリーミング1,874万再生という歴史的高水準を叩き出していたため、2位以下に圧倒的大差をつけて総合1位を獲得した。Adoはこの週映画関連曲を6曲同時にTOP10に送り込んだが、同一アーティストによる6曲TOP10入り史上最高記録である。

 

この映画は音楽の力に焦点を当てた内容になっており、主要オリジナルキャラクターであるウタの歌唱パートをAdoが担当し、劇中では「新時代」を含め7曲を歌唱している。映画が興行収入180億円を超える大ヒットとなったこともあり、主題歌である「新時代」には一際大きな注目が集まった。作詞作曲は中田ヤスタカが担当しており、海外でザ・ウィークエンドハリー・スタイルズが取り入れてトレンドになっているシンセサウンドが印象的な仕上がりになっている。そこにAdoの伸びやかな歌唱表現が乗ったことで楽曲は多くのリスナーを惹きつけた。各指標の累計はストリーミング2億再生、MV1億再生、フル配信10万ダウンロードを突破している。


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9/7公開週1位 Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」

 

 

9/7公開週Ado「新時代」が返り咲き通算3週目の1位を獲得した。CD指標では乃木坂46「好きというのはロックだぜ!」が72万枚もの売上で1位だったが、アーティスト人気でどれだけCDを売り上げようとも楽曲人気とは全く関係がないため、歴史的楽曲人気規模となっていた「新時代」とは大接戦となった。結果的に「新時代」は当週もストリーミング1,587万再生、MV302万再生という歴史的高水準を叩き出し、僅差で乃木坂46を退け総合1位を獲得した

 

9/14公開週1位 Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」

 

 

9/14公開週Ado「新時代」が2週連続通算4週目の1位を獲得した。CD指標ではSexy Zone「Trust Me, Trust You.」が21万枚の売上で1位だったが、「新時代」は当週もストリーミング1,421万再生という歴史的高水準を叩き出し、大差でSexy Zoneを退け総合1位を獲得した

 

9/28公開週1位 Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」

 

 

9/28公開週Ado「新時代」が返り咲き通算5週目の1位を獲得した。CD指標ではNMB48「好きだ虫」が19万枚の売上で1位だったが、NMB48のCD指標以外の加点は乏しかった。「新時代」は当週もストリーミング1,193万再生という歴史的高水準を叩き出し総合1位を獲得。「新時代」と「私は最強」でAdoによるワンツー達成となった。

 

10/5公開週1位 Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」

 

 

10/5公開週Ado「新時代」が2週連続通算6週目の1位を獲得した。CD指標では=LOVE「Be Selfish」が19万枚の売上で1位だったが、=LOVEのCD指標以外の加点は乏しかった。「新時代」は当週もストリーミング1,107万再生という歴史的高水準を叩き出し=LOVEを退け総合1位を継続した

 

10/19公開週1位 米津玄師「KICK BACK」

 

 

10/19公開週1位は米津玄師「KICK BACK」CD指標ではJO1『MIDNIGHT SUN』が60万枚の売上で1位だったが、アニメ「チェンソーマン」主題歌として高い注目を集めていた「KICK BACK」は初動で6万ダウンロード、ストリーミング1,255万再生を突破する圧倒的な初動楽曲人気を見せた。特にストリーミング初動1,255万再生はLINE MUSICキャンペーンを実施していない楽曲では国内史上最高初動記録であり、週途中の水曜配信開始だったため集計期間が5日に留まるというハンデを抱えながらこれを達成する驚異の動向となった。万が一これほどの歴史的高動向でも総合で高CD売上曲に及ばなかったとなればBillboard JAPAN Hot 100のCD偏重チャート設計には多大な疑義が生じてもおかしくない状況だったが、結果は超僅差でJO1を退けての総合1位獲得となった

 

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「KICK BACK」はシリアスさとコミカルさが同居したようなアップテンポナンバー。目まぐるしい楽曲構成と純真な欲望を描いた歌詞で原作世界観が表現されている。その中には仕掛けが多く散りばめられており、例えば歌詞ではモーニング娘。のヒット曲そうだ!We’re ALIVEをサンプリングしたフレーズを織り込んでいる。King Gnu常田大希が参加していることもあってか、がなり立てる歌唱表現などから米津玄師の新たな一面を見出すこともできる。こうした稀代の話題性から爆発的楽曲人気を獲得した本曲は、LiSA「炎」に並ぶ歴代2位タイ(週数基準)のスピード記録となる初登場から所要7週ストリーミング1億再生を突破した。


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10/26公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

10/26公開週1位はOfficial髭男dism「Subtitle」CD指標ではAKB48「久しぶりのリップグロス」が42万枚の売上で1位だったが、AKB48のCD指標以外の加点は乏しく、総合では4位に留まった。「Subtitle」は前週歴史的初動を記録した米津玄師「KICK BACK」と同日に配信され、初動規模では「KICK BACK」の後塵を拝したものの、タイアップ先ドラマ「silent」の人気拡大もあって楽曲人気が急伸し、当週一気にストリーミング1,811万再生を記録する歴史的人気規模に膨れ上がった。これにより当週は「KICK BACK」と「Subtitle」という歴史的人気楽曲2曲による1位争いとなり、僅差で「Subtitle」に軍配が上がった

 

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ろう者とのラブストーリーを描いた「silent」は泣けるドラマとして大きな話題となり、民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」の配信再生数の記録を大きく塗り替えるほどの支持を集めた。「Subtitle」はこの主題歌として書き下ろされた壮大なラブバラード。タイトルには「字幕」という意味があり、歌詞では音のない世界で想いを届けようとする純粋な感情が丁寧に表現されている。圧倒的な共感を集め爆発的楽曲人気を獲得した「Subtitle」はRIAJから史上最速ストリーミング1億再生認定を受けたほか、Billboard JAPAN集計でも史上最速ストリーミング2億再生を突破している。


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11/2公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

11/2公開週Official髭男dism「Subtitle」2週連続1位を獲得した。CD指標では日向坂46「月と星が踊るMidnight」が45万枚の売上で1位だったが、引き続き楽曲人気が大爆発していた「Subtitle」は当週ストリーミング2,078万再生を記録し、LINE MUSICキャンペーンを実施していない楽曲では国内史上初のストリーミング週間2,000万再生超えを達成。大記録達成に相応しい形で総合1位を継続した。

 

11/9公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

11/9公開週Official髭男dism「Subtitle」3週連続1位を獲得した。CD指標ではSixTONES『Good Luck!/ふたり』が39万枚の売上で1位だったが、引き続き楽曲人気が大爆発していた「Subtitle」は当週ストリーミング2,104万再生、MV309万再生を記録する前例のない高動向で総合1位を継続した

 

11/23公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

11/23公開週Official髭男dism「Subtitle」が返り咲き通算4週目の1位を獲得した。CD指標ではなにわ男子「ハッピーサプライズ」が51万枚の売上で1位だったが、引き続き楽曲人気が大爆発していた「Subtitle」は当週ストリーミング2,170万再生、MV302万再生を記録する前例のない高動向で総合1位を継続した

 

12/7公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

12/7公開週Official髭男dism「Subtitle」が返り咲き通算5週目の1位を獲得した。CD指標ではKing & Prince『ツキヨミ/彩り』が11万枚の売上で1位だったが、これは発売4週目の売上であった。「Subtitle」は当週もストリーミング1,800万再生、MV269万再生を記録する歴史的高動向を見せていたためこれに脅かされることはなかった

 

12/14公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

12/14公開週Official髭男dism「Subtitle」が2週連続通算6週目の1位を獲得した。CD指標では乃木坂46「ここにはないもの」が83万枚もの売上で1位だったが、どれだけ多くのCDを売り上げようとも楽曲人気とは全く関係がないため、歴史的楽曲人気規模となっていた「Subtitle」を総合ポイントで上回ることは困難であった。Official髭男dismは当週FNS歌謡祭に出演し「Subtitle」をTV初披露したことで前週から総合ポイントを伸ばしており、ストリーミング1,808万再生、MV275万再生を記録するなどの歴史的高動向を維持して総合1位を継続した。

 

12/21公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

12/21公開週Official髭男dism「Subtitle」が3週連続通算7週目の1位を獲得した。CD指標ではKis-My-Ft2「想花」が24万枚の売上で1位だったが、CD売上80万枚級の乃木坂46でも及ばない水準となっていた「Subtitle」の優位性がこれで揺らぐはずもなく、当週もストリーミング1,746万再生、MV287万再生を記録して2位以下を圧倒した。

 

12/28公開週1位 Official髭男dism「Subtitle」

 

 

12/28公開週Official髭男dism「Subtitle」4週連続通算8週目の1位を獲得した。CD指標ではモーニング娘。'22「Swing Swing Paradise」が12万枚の売上で1位だったが、CD売上80万枚級の乃木坂46でも及ばない水準となっていた「Subtitle」の優位性がこれで揺らぐはずもなかった。当週はCDTVライブ!ライブ!への出演やドラマ「silent」最終回が放送された効果により前週からポイントを伸ばしており、ストリーミング1,791万再生を記録するなどにより2位以下を圧倒した。

 

1位獲得週数通算8週は星野源「恋」の11週、Aimer「残響散歌」の9週に続きLiSA「炎」に並ぶ歴代3位タイ記録である。まさに歴史的楽曲人気と言える高動向であるが、オリコン合算ランキングではこの8週は全て高CD売上曲が1位となっており、「Subtitle」は一度も1位を獲得していない。よって当記事では8週全てをピックアップした。

 

まとめ

 

以上が2022年に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうちオリコンと1位が異なる週の振り返りとなる。

 

2022年にBillboard JAPAN Hot 100とオリコンで1位が異なった週は合計28週となったが、これは2008年にBillboard JAPAN Hot 100が発足して以降、2009年の17週を大きく上回る過去最高記録となった。これはBillboard JAPANが段階的にCD偏重チャート設計を見直し、楽曲人気指標として相応しい週間チャートの姿を確立したことを意味する。Billboard JAPAN Hot 100は、日本に17年ぶりに復活した週間楽曲人気チャートとして、益々目が離せないものとなったのである。

 

(次年2023年のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧はこちら↓)

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(前年2021年のBillboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧はこちら↓)

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*1:CD売上指標は楽曲人気指標としては一切使用できなくなっているが、アーティスト人気の濃度を計る目的や、各アーティストがどれほどの利益を生んでいるのかを計る目的としては有用である。