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配信ダウンロード売上、MV再生数、Billboard JAPANランキングなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

2021年上半期Billboard JAPAN総括

この記事では2021年上半期のヒット曲をBillboard JAPANを通じて振り返る。

  

2021年上半期のBillboard JAPAN Hot 100年間TOP10は以下のとおりとなった。

 

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HOT 100

 

Billboard JAPAN Hot 100とは

 

Billboard JAPAN Hot 100国内の楽曲人気指標として最も有用な総合音楽チャートである。集計対象は、CD、ダウンロード、ストリーミング、ラジオエアプレイ、ルックアップ(PCによるCD読取数)、Twitter、MV、カラオケの8指標である。広範な集計対象を強みとしており、2017年以降は高人気楽曲をほぼ漏れなくチャート上位表示させることに成功している。

 

各指標の数値は一定の換算率で総合ポイントに変換され、その合計点でHot 100が作成されている。この換算率は非公開だが、上位曲に関しては週間総合ポイント*1、総合ポイント構成内訳*2主要指標数*3が公開されているため、これらのデータを基に主要指標の大雑把な換算率を推し量ることは可能である。

 

毎週上位の数値が公開されている主要指標はCD、ダウンロード、ストリーミングだが、MVも時折数値が公開されている。主要指標の大雑把な換算率は「1総合ポイント=10CD*4=10ダウンロード=2,000ストリーミング=2,000MV」と考えれば、大きな差異は生じない*5

 

今の時代の主な大ヒット指標はダウンロードミリオン、MV1億再生、ストリーミング1億再生だが、2021年上半期のBillboard JAPAN Hot 100上位10曲は全てこの何れかのボーダーラインを突破している。つまり2021年上半期のBillboard JAPAN Hot 100の上位曲を紹介することは2021年上半期の大人気曲を紹介することと同義になる。

 

2021年上半期TOP5

 

1位は優里「ドライフラワー。この曲は優里にとってメジャー2作目となるシングルで、2020年10月に配信された。優里は2019年12月に「かくれんぼ」を配信してインディーズデビューを果たしたが、男性目線で彼女との別れを歌ったこの曲が泣ける曲として話題となり、2020年のBillboard JAPAN Hot 100年間98位にランクイン。ブレイクの兆候は既にこの時から訪れていた。

 

ドライフラワー」はこの「かくれんぼ」のアンサーソングとして2020年10月に配信された。同じ失恋を今度は女性目線で歌ったこの曲は「かくれんぼ」から連続したストーリー性が一層の感情移入を呼び、11月にはBillboard JAPAN Hot 100で初のTOP10入りを果たすなど、自身最大の初速人気を見せた。また、配信早々、2020年に多くのヒット曲を生むきっかけを作った人気動画コンテンツTHE FIRST TAKEに出演し「ドライフラワー」を歌唱。7月には既に「かくれんぼ」もTHE FIRST TAKEで歌唱しており、ここでも両曲で話題性を生み出した。

 

2021年になると、それまであまり機会を設けていなかったTV出演を解禁。1月上旬には「ZIP!」「めざましテレビ」に出演し、歌唱は無いながらも特集が組まれた。1月下旬には「スッキリ!」で「ドライフラワー」を初歌唱。2月上旬には「Mステ」にも初出演して同曲を披露した。

 

下表は「ドライフラワー」の2021年上半期Billboard JAPAN Hot 100週間推移だが、赤枠で囲った上記三度のタイミングで一段ずつチャートアクションのギアが上がっていることが読み取れる。

 

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この三度のギアアップにより、特にストリーミング指標では独走状態を築き上げ、その累計は2.7億再生を突破した。Billboard JAPANの集計では2021年上半期のストリーミング再生数1位となっている。

 

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なおMVに関しては当初フル公開されていたが、何故か2/16にそれまでの再生数を引き継ぎながらもショートver.に差し替えられてしまったため、再生数の伸びが鈍化した。フル再生需要は既存公開動画のTHE FIRST TAKEと、3/18に新規フル公開されたディレクターズカットver.に移行しており、再生数は元のMVが7,000万、THE FIRST TAKEが5,000万、ディレクターズカットver.が2,000万となっている。

 

2月下旬以降はこのMVショートver.化や週刊文春報道により週次推移は減少トレンドに入ってしまったが、その下落率は比較的緩やかに抑えられており、5月には「めざまし8」への出演等で勢いを回復させる動きも見せている。この動向はまだこの先何かをきっかけに上昇トレンドに転じる可能性があると感じさせるものである。


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2位はLiSA「炎」。映画「鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌として2020年10月に発売され、映画と共に歴史的な勢いを見せ2020年のBillboard JAPAN Hot 100年間9位にも入ったこの曲は、2021年上半期集計期間においてもその人気が持続した。2020年の年間チャート発表時点では2021年の年間1位最有力候補ではないかとも考えられたが、「ドライフラワー」が「炎」を上回る勢いを見せたことで上半期は2位となった。

 

上半期は特に年末歌番組への出演や、2020年の日本レコード大賞受賞が各指標に大きな効果を与えた。賞設計に数多くの問題を抱えている日本レコード大賞は、この年も明らかに受賞要件である「大衆の支持」を得ていない曲を優秀作品賞に選出するといった論理破綻を露呈していたが、大賞の選出は楽曲人気上の妥当性が高く、多くの視聴者が納得する結果となった。

 

映画は興行収入歴代1位記録大幅更新となる400億円という異次元の数字を叩き出したが、「炎」の各指標の数字も配信ミリオン、MV1.9億再生ストリーミング2億再生にまで伸びている。特に日本レコード協会から認定された配信ミリオンは2020年代発売曲としてはOfficial髭男dism「I LOVE...」以来2曲目となった。*6


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3位はBTS「Dynamite」。2020年8月に全世界で発売されたこの曲は、新型コロナウィルスの流行で落ち込みがちな世相を元気づけてくれるようなポジティブなダンスナンバーとして人気を博した。自身初の全英詩曲だったこともありアメリカでも受け入れられ、アメリカのBillboard Hot 100でアジア圏のアーティストとしては坂本九以来57年ぶりの週間1位を獲得した。

 

日本でも、この快挙の報道や「THE MUSIC DAY」への出演が話題となったことで大人気を軌道に乗せ、週間チャート上位常連入りを果たした。2021年上半期集計期間においても、日本レコード大賞への出演や、永島優美アナウンサーの踊ってみた動画をはじめとしたUGCが盛り上がりを見せたことなどから勢いが持続した。

 

特にストリーミングチャートではチャート初登場から所要30週3億再生を突破しており、これは史上最速記録である。今なお再生数は積み上げられており、その天井は未だ見えないままとなっている。

 

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4位はYOASOBI「夜に駆ける」2020年のBillboard JAPAN Hot 100年間1位を獲得した本曲は、2021年上半期集計期間においても人気が持続した。特に2020年末の紅白歌合戦への出場が各指標に大きな効果を与えた。YOASOBIはそれまでTVで歌唱する機会を一切設けていなかったが、本番数日前になって出場が決定し、当日は角川武蔵野ミュージアムからの中継で待望のTV初歌唱が実現。近未来感のあるステージが楽曲の魅力を引き立てていたことで、元々の大人気が更に拡大した。

 

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各指標の数字は配信50万ダウンロード、MV2.2億再生ストリーミング5億再生にまで伸びている。特にストリーミング5億再生は他にOfficial髭男dism「Pretender」しか達成しておらず、しかもストリーミングチャート初登場から所要63週での達成は史上最速記録である。今なお再生数を積み上げ続けており、こちらも未だ天井は見えていない。


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5位はAdo「うっせぇわ」。この曲は歌い手として活動していたAdoが2020年10月に配信したメジャーデビューシングルで、作詞作曲はボカロPsyudouが手掛けた。圧倒的な歌唱表現力やタイトルを連呼するサビ、賛否両論を喚起する歌詞はインパクト抜群であり、アニメ仕様のMVの人気も相まってYouTubeでは配信当初から好調な再生数を稼いでいた。

 

本格的に人気に火が付いたのは2021年1月。急逝した人気YouTuberうごくちゃんの遺作として公開された歌ってみた動画が反響を呼んだことでチャートアクションがギアアップし、Hot 100週間TOP10内に浮上。以降は顔出しをしないスタイルながらも多くの音声インタビューに応じるなど各メディアで特集が組まれたことで話題が持続し、週間チャート上位常連入りを果たした。各指標の数字は配信25万ダウンロード、MV1.4億再生、ストリーミング1億再生となっている。


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下半期の展望

 

CD換算率引き下げの実施

 

2021年下半期集計期間は6/2公開週よりスタートしたが、この週よりBillboard JAPAN Hot 100は非常に重要なチャート設計の変更を実施した。初動CD売上が多すぎる曲に関して設けていた反映率制限をさらに厳しくしたのである。具体的には下記のとおり係数という言葉を用いて公式アナウンスされている。

 

 

Charts FAQにも本変更の説明を追記している。

 

JAPAN HOT 100ではシングルセールスを合算するときにどのように合算していますか。

 

2017年度以降、私たちは各指標のレシオの平均値(半期毎)を基準とし、週間チャートにおける実数値が大きく乖離していると判断した場合、全指標の計算係数を見直し、その乖離をできる限り抑え、なおかつマーケットの占有率とも乖離しないレシオになるよう、独自の計算公式による個別の係数を設定する場合があります。

 

(中略)

 

 2021.6.2追記:2021年上半期チャートのレシオを鑑み、上記の計算公式を見直しました。

 

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「係数」は非公開だが、手元計算では、従来は一週間に30万枚を超える分のCD売上の反映率を通常の1/10とすると、総合ポイントに近い値が算出できるようになっていた。

 

この措置によって、例えAKB48が総選挙投票券付CDを初動で250万枚売っても、係数処理後は52万(30万+220万/10)相当にしかならなくなり、CD売上を稼ぐだけでは年間チャート上位進出が約束されなくなった。特定アーティストが楽曲人気に関係なく年間チャート上位を独占する状況とはならなくなったことで、Billboard JAPAN Hot 100は楽曲人気チャートとして最低限求められる合格ラインを突破した。

 

今回の変更では、手元計算の結果、この30万枚以上というボーダーラインが10万枚まで引き下げられた可能性が高いことが分かった。この措置によって、例えAKB48が総選挙投票券付CDを初動で250万枚売っても、係数処理後は34万(10万+240万/10)相当にしかならなくなる。高CD売上曲が一週間で得られるポイントが更に減少することになる。

 

この変更は「週間1位」が未だ高CD売上曲で占拠され、楽曲人気指標として機能不全を起こしている問題を改善するための措置と推測される。以下に、2019、2020、2021各年の上半期集計期間内の週間TOP3の並びを示す。各年上半期TOP10に入った曲は背景を塗色している。

 

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これを見れば分かるとおり、「上半期TOP10ランクイン曲の1位獲得週数」2019年8週→2020年13週と推移していところ、2021年は5週にまで減少した。週間1位の楽曲人気指標としての機能不全は前年同期の改善傾向から一転、当年は歴史上最悪レベルに陥ったことがこのことから読み取れた*7

 

普通に考えれば、TOP10に入った10曲が1週ずつ1位を獲得したとして、該当週は少なくとも10週存在するはずである。数週前後の揺らぎは生じ得るとしても、半分の5週にまで減少するとは通常考えにくく、Billboard JAPAN Hot 100の週間チャート設計が歪であると言わざるを得ない状況になっていた*8

 

特に2021年上半期は、「上半期TOP10に入る大人気曲」が「上半期TOP10に入らない高CD売上曲」に週間1位を阻まれ続けていた構図が一目瞭然となっている*9。もはや週間1位だけは別のチャートの結果なのではないかと思えるほどその顔ぶれはガラリと異なっており、週間1位の曲よりも週間2位や3位の曲の方が高人気となっている歪な逆転現象が可視化されている。

  

事実、上半期1位の優里「ドライフラワー、上半期3位のBTS「Dynamite」ストリーミング週間1,000万超えを連発したにも拘らず、未だ週間1位を獲得できていない

 

特に「ドライフラワー」の週間1位を阻んだ高CD売上曲乃木坂46「僕は僕を好きになる」、SKE48「恋落ちフラグ」、関ジャニ∞[エイト]「キミトミタイセカイ」、SixTONES「僕が僕じゃないみたいだ」、STU48「独り言で語るくらいなら」、Kis-My-Ft2Luv Bias」の6曲だが、このうち翌週もTOP10に残ったのは乃木坂46SixTONESだけであり、SKE48STU48に至っては翌週100位圏外にまで吹き飛んでいる。

 

乃木坂46SixTONESの初動CD売上規模は40-60万、対して残りの4曲は10-20万クラスである。後者はCD売上1位水準としてはよくあるレベルの数字である。特に後者のような曲を「ストリーミング週間1,000万超えを連発するような特筆すべき大人気曲」が上回れないHot 100のチャート設計比重は、明らかにCDに偏っていた*10

 

しかし今般の変更で、そのような大人気曲が「年間TOP10に入らない高CD売上曲」に週間1位を阻まれる図式は減少することが期待される。一方で、そういった大ヒット曲が人気のピークを迎えていない限りは、高CD売上アーティストが引き続き週間1位を獲得することも可能と思われる。週間1位の多様性が増すことで、Billboard JAPAN Hot 100の週間チャートへの注目度が今後ますます高まっていくことを期待したい。

 

年間1位争いは「優里 vs BTS」 ?

 

今後の最大の注目点は「ドライフラワー」がこのまま年間でも1位の座を守るのかだが、昨年分析したとおり、仮に下半期に「ドライフラワー」と同級の大ヒット曲が出たとしても、集計期間の不利により当年の年間1位争いに加わることは難しいことから、その座はかなり有力にも思える。しかし足元では、「ドライフラワー」を上回る特大初速人気を見せている曲が誕生している。BTS「Butter」である。

 


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5/21(金)に配信されたこの曲は集計3日ながら配信初週再生数歴代最高となるストリーミング1,402万再生を記録。7日フル集計となった翌週は週間2,993万再生に達し、週間再生数歴代1位記録を樹立した。かつてない初速人気規模を見せているこの曲が年間チャートでどこまで上位進出するかは大きな注目点となる。

 

そこで、優里「ドライフラワーBTS「Butter」、そして「Butter」の人気に引っ張られての更なる粘りが見込めるBTS「Dynamite」の3曲を取り上げ、今後のチャート推移をシミュレーションしてみた。

 

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シミュレーションでは、「ドライフラワー」の今後の推移を、直近動向を参考に前週比減少率-3.0%で試算。同様に「Dynamite」は-2.0%で試算した。「Butter」は初動型推移になる可能性も考慮し、キープ型推移となっていた「Dynamite」の初登場以降の前週比率推移と、初動型推移となっていたLiSA「炎」の同推移の平均をとって今後の前週比率を予測した。6/9公開週は3曲とも足元の実勢を踏まえて個別に予想している。

 

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シミュレーション結果は、「ドライフラワー」の年間1位となったもののBTSとの差は僅差で、「Dynamite」や「Butter」の年間1位もあり得る予測となった。2020年は上半期1位となったOfficial髭男dism「Pretender」YOASOBI「夜に駆ける」が下半期に猛追、僅差で逆転する結果となったが、2021年も同様の構図になる可能性がある。

 

「夜に駆ける」が2020年上半期までに稼いでいた総合ポイントは推定4.4万点。下半期に約34.8万点を稼いでの年間1位となったが、「Butter」は2021年上半期最終週に初登場し1.8万点を稼ぎ、その翌週は週間3.0万点の高水準を記録した。今後「夜に駆ける」とほぼ同等のペースになるだけで、昨年の年間1位水準となるポイントを稼ぐことが可能な数字になっている。

 

尤も、国内史上最速でストリーミング5億再生を突破した「夜に駆ける」と同等のペースを記録することは決して容易ではない。しかし足元の前例のない週間2,000万前後の再生ペースがもし下半期に渡って維持されるようなことがあれば、結果はどうなるか分からない。

 

「Dynamite」も、もし「Butter」に連れて粘りの推移を記録すれば、「ドライフラワー」を逆転して年間1位になることがあり得る。「優里 vs BTS」の構図になっている年間1位争い、下半期にどう展開されていくのか注目していきたい。

 

HOT Albums

 

Billboard JAPAN Hot Albumsは、国内のアルバム人気指標として最も有用な音楽チャートである。

  

Hot Albumsの構成要素はCD、ダウンロード、ルックアップ(PCによるCD読取数)3指標である。換算比率は非公開だが、大雑把に「CD売上100枚=配信36ダウンロード」として集計されているようである。

 

アルバムもかつてはCD売上が作品人気指標の筆頭だったが、シングルCDほどではないにせよ、徐々にその中身は「アルバム人気の量」から「アーティスト人気の濃度」に変化してきている。この傾向を踏まえてか、CDよりもダウンロードの方が約3倍ほど高いウェイトになっている。

 

アルバムのダウンロード市場は年間に10万ダウンロードを超える作品が出るかどうか程度の小さい規模であるため、CD売上が順位決定の大きな要素であることに変わりはない。それでもそのまま集計するよりはCD売上の人気指標としての機能不全を幾分緩和することができている。

 

既にアルバムにおいてもCD売上だけで作品人気を計る時代は終了している

 

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1位はSixTONES「1ST」。昨年1月にデビューを果たしたジャニーズ事務所所属アイドルグループSixTONESの1stオリジナルアルバムである。本作はCD指標上半期1位となる57万枚の売上が牽引する形で上半期総合1位を獲得した。

 

本作には1stシングル「Imitation Rain」、2ndシングル「NAVIGATOR」、3rdシングル「NEW ERA」等が収録されている。このうち「NEW ERA」は2020年間集計期間の終了間際に発売され週間1位を獲得したが、2021年上半期集計期間内においても最高26位、登場週数12週を記録した。本曲は男性ファンも開拓可能と言えるような、クールなミクスチャーラウドロックナンバーに仕上がっており、アニメ「半妖の夜叉姫」主題歌としても普及した。 


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なお「1ST」は配信未解禁となっている。「1ST」のキャッチコピーは「待ってろ、世界」なのだが我々はいつまで配信解禁を待っていれば良いのだろうか…。

 

しかしHot AlbumsのTOP10まで視野を広げると、このチャートがCD売上だけではなく配信売上も考慮して作成されていることが分かる。実際に、配信アルバムチャートで高順位となっているYOASOBI「THE BOOK」宇多田ヒカル「One Last Kiss」がCD売上のみの上半期順位に比して順位を上昇させている。

 

TOP Artists

 

Billboard JAPAN TOP Artistsは、国内のアーティスト人気指標として最も有用な音楽チャートである。

 

TOP Artistsは上記HOT 100とHOT Albumsの週間TOP300圏内での獲得ポイントをアーティストごとに集計する形で作成されている。ただし集計にあたりアルバムのポイントはシングルとの価格差を考慮して1.5倍されている。

 

2021年からはArtist 100として週間チャートTOP100の公開も開始された。

 

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1位はYOASOBI。Hot 100の上半期TOP10には4位に「夜に駆ける」、8位に「怪物」、10位に「群青」が入ったほか、Hot Albumsの上半期TOP10にも1stEP「THE BOOK」が2位に入る活躍を見せ、これらのポイントが牽引する形での1位獲得となった。

 

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2021年配信曲の中で最高位を記録した「怪物」はアニメ「BEASTARS」主題歌として人気を拡大させ、配信10万ダウンロード、MV9,000万再生、ストリーミング1億再生を記録した。この曲は「BEASTARS」原作者の板垣巴留が書き下ろしたショートショート「自分の胸に自分の耳を押し当てて」をもとに制作された。この作品は「BEASTARS」とも密接に関連しており、登場人物の葛藤や決意が歌詞や曲調に反映されている。


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まとめ

 

以上がBillboard JAPANを用いた2021年上半期のヒットシーンの振り返りである。下半期もどのような大ヒット曲が誕生するのか、音楽市場はどう変化するのか、年間1位争いはどうなるのか等、注目点は目白押しである。今後のBillboard JAPANからも目を離すことはできない。

 

なおBillboard JAPAN週間チャートの動向は、Twitterをメインにして予想や結果分析を行っている。

 

 

(前年2020年のヒットシーン振り返り記事はこちら↓)

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*1:週間TOP100を公開しているチャートページにて公開

*2:Chart Insightにて公開

*3:毎週の週間結果解説記事にて公開

*4:ただし、多すぎるCD売上に対しては換算率を抑制する措置が2017年より採られている。具体的な内容は後述。

*5:3/3公開週から換算率が変更されて以降の式。この際はCDとストリーミングの換算率が下げられ、ダウンロードとMVの換算率が上げられた。ただ変更規模は小さく、全体への影響は軽微であり、特に公式アナウンスもされていない。

*6:以下、ここではダウンロード売上の数字はRIAJダウンロード認定を参照している。

*7:ちなみに2020年上半期の改善は緊急事態宣言発令で新作CDの発売延期が相次いだことにより、大人気曲が高CD売上曲に阻まれることなく週間1位となるケースが増加したことが大きな要因であり、本質的な改善とは言えないものであった。

*8:実際、総合楽曲人気指標として機能していた2005年までのオリコンシングルランキングを見ても、該当週が5週にまで減少した年の存在は確認できていない。

*9:ただし、色を付けていない週のうち3/24公開週1位の宇多田ヒカル「One Last Kiss」、4/7公開週1位のNiziU「Take a picture」はCD加点なしでの週間1位となる。宇多田ヒカルはCD売上がアルバム扱いされたこと、NiziUはCD発売一週前に先行配信を実施したことによるもの。

*10:なおこの話はあくまでチャート設計の問題であり、高CD売上アーティストを批判するものではない。チャート設計に応じてどのような形で上位進出を狙うかは各アーティストの自由である。楽曲人気チャートとして、商法で得られた大量のCD売上をどう反映するかは、チャート設計者が責任を持って検討し判断することである。私個人としても高CD売上アーティストを嫌う感情は持ち合わせていない。