Billion Hits!

配信ダウンロード売上、MV再生数、Billboard JAPANランキングなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

ナオト・インティライミの配信ダウンロード売上ランキング

ナオト・インティライミは2010年に「カーニバる?」でメジャーデビューした男性シンガーソングライター。同年にブレイクを果たし、2010年代前半から中盤にかけてヒットシーンを彩った。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は9曲で、認定総ダウンロード売上は255万(歴代43位タイ)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、ナオト・インティライミのヒット史を振り返る。

 

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(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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2010年以前

 

ナオト・インティライミは大学生だった2001年に一度なおと名義でメジャーデビューしているが、このときは音楽チャートに載るような売上にはならなかった。挫折を覚えたナオトは卒業後にインプットを増やすべく世界28カ国以上を放浪。2005年よりNAOTO INTI RAYMI名義で再びメジャーデビューした。しかしここでも音楽チャートに載るような売上にはならなかった。

 

転機となったのは2008年。ナオトはかつて柏レイソルのジュニアユースチームに所属していたほどサッカーを特技としており、ミュージシャン仲間とサッカーを通じた交流も重ねていたが、同じくサッカーを趣味とする桜井和寿と草サッカーを通じて出会ったことを機に交流が開始。その才能が桜井に認められる形でMr.Childrenのツアーにコーラス&ギターで参加することが叶うと、徐々に知名度が上昇。2010年4月にナオト・インティライミ名義で三度目のメジャーデビューが実現した。

 

この三度目のメジャーデビューでついに念願のブレイクを果たすこととなった。ブレイク作はデビュー翌月の2010年5月に発売した2ndシングル「タカラモノ~この声がなくなるまで~」である。この曲は結婚式の場でも良く使われるような、ストレートな歌詞で綴られたラブソングで、一途な想いが高揚するさまを4つ打ちで表現したキャッチーなメロディーとともに支持され、フル配信累計で75万ダウンロードを記録した。

 

配信売上推移は以下のとおり。

 

  • 配信3週間で10万ダウンロード突破
  • 配信3ヶ月後の2010年8月に25万ダウンロード突破
  • 配信11ヶ月後の2011年4月に35万ダウンロード突破
  • 配信2年4ヶ月後の2012年9月に60万ダウンロード突破
  • 配信3年9ヶ月後の2014年2月に75万ダウンロード達成

 

見てのとおり配信から1ヶ月も経たずに10万ダウンロードを突破する勢いある初動を見せ、2010年内に25万ダウンロードを突破。その後も知名度の上昇とともに売上を積み上げ続け、最終的には75万ダウンロードに到達した。

 

ここまでのヒット作でありながら、当時の音楽チャートでこの曲が脚光を浴びることはできなかった。これは当時、音楽の聴き方がCDから配信に移行していたにも拘わらず、配信売上を考慮せずにCD売上だけで楽曲人気を評価する旧来手法が不適切に続けられていたためである。本作のCD売上は1万枚程度しかないことから分かるとおり、CDシングル売上は当時既に全く楽曲人気と相関しない指標になっていた。

 

ただ、そんな中でも2008年から始まった新しい音楽チャートBillboard JAPAN Hot 100は楽曲人気を可視化する音楽チャートの実現に奮闘しており、本曲は週間3位を獲得している。CD売上チャートでは16位だったが、当時のビルボードはCD売上だけでなくラジオエアプレイ数も集計対象にしており、まだ集計対象にできていなかったダウンロード売上の代わりにラジオで楽曲人気を拾い上げることに成功していた。

 

今でこそ楽曲人気指標としての知名度と信頼を高めているビルボードだが、発足して日が浅かった当時は知名度が低く、CD売上チャートだけが注目される状況になっていた。とはいえ、このような音楽チャート上の逆風がありながらも、ナオト・インティライミはこのヒットを足掛かりに以降も安定した配信売上を出すようになっていく。 


ナオト・インティライミ「タカラモノ ~この声がなくなるまで~」Music Video

 

2010年9月には3rdシングル「ありったけのLove Song」を発売。前作で得た勢いが続く形で、本曲も10万ダウンロードを突破するヒットを記録した。CD売上チャートでは22位だったが、Billboard JAPAN Hot 100では6位に入っている。

 

2011年

 

2011年2月には4thシングル「今のキミを忘れない」を発売。別れの季節を切なくも温かく爽やかに歌ったこの曲は、北川景子主演の携帯電話のCMソングにも起用されたこともあって支持を広げていき、50万ダウンロードを売り上げる抜き出たヒットとなった。

 

配信売上推移は以下のとおり。

 

  • 配信1ヶ月で10万ダウンロード突破
  • 配信4ヶ月後の2011年6月に35万ダウンロード突破
  • 配信2年1ヶ月後の2013年3月に50万ダウンロード達成(着うたフル25万+PC配信25万)

 

見てのとおり「タカラモノ~この声がなくなるまで~」と遜色ない初動売上を見せ、2年に渡り売上を積み上げ続け、最終的に50万ダウンロードを達成した。

 

本曲もCD売上チャートでは最高位22位、売上も1万枚程度だったが、Billboard JAPAN Hot 100では週間5位を獲得し、年間でも2011年の52位に入った。2011年からビルボードは従来のCDとラジオに加えて集計対象にiTunesにおけるダウンロード売上を入れ始めており、楽曲人気指標として発展を続けていた。


ナオト・インティライミ「今のキミを忘れない」Music Video

 

畳みかけるように2011年4月には5thシングル「Brave」を発売し、こちらも20万ダウンロードを記録。CD売上は1万枚にも満たずCD売上チャート最高位も14位だったが、Billboard JAPAN Hot 100では自己最高位を更新して週間2位に入った。年間でも2011年の61位を獲得している。

 

アルバムを挟んで8月には6thシングル「Hello」を発売し、こちらも10万ダウンロードを記録。CD売上はやはり1万枚程度でCD売上チャート最高位も15位だったが、Billboard JAPAN Hot 100では前作に続いて週間2位を獲得。年間でも2011年の80位に入った。

 

2012年

 

2012年2月には7thシングル「君に逢いたかった」を発売し、20万ダウンロードを記録。これでシングルCD表題曲が6曲連続で10万ダウンロード以上を売り上げるヒットとなり、安定した人気を得ていたことが分かる。CD売上は相変わらず2万枚程度でCD売上チャート最高位も10位だったが、Billboard JAPAN Hot 100では自身3曲目の週間2位を獲得し、年間でも2012年の57位に入った。

 

2012年4月には「Hello」「君に逢いたかった」のヒット曲2曲を収録した3rdオリジナルアルバム「風歌キャラバン」を発売し、オリジナルアルバムでは自身唯一となる売上10万枚突破を達成。Billboard JAPAN Top Albums Salesでも自身初の週間1位を獲得した。

 

なお、このCDアルバムのヒットはCD売上しか集計しないオリコンでも人気を可視化することができた。そのためか、2012年になって初めて紅白歌合戦に出場することが叶った。しかし歌唱曲は何故か前年に発売した「Brave」。本来は前年や前々年に紅白出場していてもおかしくなかったことは配信売上を見れば明らかであり、高配信売上曲の人気過小評価は当時の紅白の選出・選曲にも表れていた。

 

2013年

 

2013年4月には11thシングル「恋する季節」を発売。初夏を彩るような爽やかな曲調に前向きになれる温かい歌詞が乗ったこの曲は、氷結のCMソングに起用されたこともあって支持を広げていき、最終累計50万ダウンロードを突破する久々の抜き出たヒットとなった。

 

Billboard JAPAN Hot 100ではこの曲でついに自身初にして唯一の週間1位を獲得した。CD売上チャートではモーニング娘。ブレインストーミング君さえ居れば何も要らないが1位で、「恋する季節」は6位だったが、ビルボードでは当時モー娘。販路限定イベント券付CD複数枚セットの売上が集計対象外となっていたため両者のCD売上差は小さく、CD売上以外の指標の加点を受けて総合では「恋する季節」の逆転1位が実現した。

 

さらに「恋する季節」はビルボードの年間でも2013年の11位を獲得。CD売上を主力に年間上位に入っていたAKB48や嵐に割って年間TOP10入りしようかというほどの勢いを見せた。なお楽曲人気指標として一切機能していなかったCD売上チャートでは年間TOP100圏外。このような状況でも依然CD売上が楽曲人気指標としてメディアの最前面に使われており、結局この問題は2010年代後半になるまで改善の動きが本格化しなかった。


ナオト・インティライミ「恋する季節」Music Video

 

2014年以降

 

この後の楽曲は暫くダウンロード認定から遠ざかったが、2015年4月に発売した15thシングル「いつかきっと」広瀬すず中川大志が出演した「資生堂SEA BREEZE」のCMソングに起用されたことで人気が普及し、久々に10万ダウンロードを記録した。

 

2015年6月には自身初のベストアルバム「THE BEST!」を発売。「いつかきっと」がヒットしていた好タイミングでの発売だったこともあり、売上は自己最高となる12万枚を記録した。

 

2016年7月には18thシングル「Overflows 〜言葉にできなくて〜」を発売。本曲はバラエティ「痛快TV スカッとジャパン」内の人気コーナー「胸キュンスカッとシリーズ」のテーマソングに起用されたことで人気となり、10万ダウンロードを記録した。


ナオト・インティライミ「Overflows~言葉にできなくて~」Music Video

 

まとめ

 

以上まで見てきたとおりナオト・インティライミは配信を中心にして2010年代前半~中盤にかけて多くのヒット曲を輩出していた。その人気が当時音楽チャートで可視化されなかったことは残念であるが、逆に言えば音楽チャートを使った宣伝に頼らずとも安定してヒットを出し続けることができたほどの人気だったとも言える。改めてこの人気に光が当たってほしいところである。

 

THE BEST! (通常盤)

THE BEST! (通常盤)

 

 

この記事で紹介したダウンロードデータは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp