Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

テイラー・スウィフトの人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

テイラー・スウィフトは2006年にアルバム『テイラー・スウィフト』でデビューしたアメリカの女性ソロシンガーソングライター。すぐに世界的な大ブレイクを果たし、日本にもその人気は波及した。日本レコード協会によれば、これまでに日本国内の集計でダウンロード売上10万以上を記録した曲は8で、認定総ダウンロード売上は250万(歴代49位)となっている。これは洋楽アーティストとしては歴代2位のダウンロード認定総数となる*1。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、テイラー・スウィフトのヒット史を振り返る。

 

 

 

(ランキング作成方法および歴代ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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(歴代アーティスト別ダウンロード売上ランキングはこちら↓)

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デビュー~『フィアレス』

 

テイラー・スウィフトは幼少期の頃より音楽業界での成功を志しており、母親とともにレコード会社への働きかけを積極的に行い、16歳となった2006年にアルバム『テイラー・スウィフト』で念願のメジャーデビューを果たした。自身の音楽性のルーツとなっていたカントリーミュージック路線で制作されたこのアルバムが同部門で成功を収めたことが、後の世界的スターへの飛躍の足掛かりとなった。

 

続く2ndアルバム『フィアレス』では本格的な世界展開が実現。日本でも1stアルバムに先駆けて発売が解禁されると、自身初のRIAJ10万枚出荷認定を受領する人気となった。

 

収録曲の中では、シングルでも発売された「ユー・ビロング・ウィズ・ミー」25万ダウンロード「ラヴ・ストーリー」10万ダウンロードを記録した。このうち前者は1stアルバムを踏襲するカントリーミュージック路線をベースとしたポップな楽曲で、王道少女漫画の主人公ような心情と展開を描いた歌詞とMVが支持された。なおMVでは本人が本曲の主人公と恋敵の二役を演じている。


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『スピーク・ナウ』~『レッド』

 

2010年には3rdアルバム『スピーク・ナウ』を発売し、やはり世界的に大ヒット。日本でもRIAJ10万枚出荷認定を受領し、収録曲のうち先行発売されたシングル「マイン」10万ダウンロードを記録した。

 

2012年には日本における自身最大のヒット曲が誕生した。4thアルバム『レッド』に収録された私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない~We Are Never Ever Getting Back Together」である。Billboard Hot 100で自身初の1位を獲得するなど全米でも過去以上のヒットを記録したこの曲は、日本でも恋愛リアリティ番組テラスハウス」主題歌に起用されたことで支持を広げ、配信ミリオンの大ヒットとなった。ノリの良い印象的なサビメロや、元カレからの復縁要請を拒絶する意志の強い歌詞が同性からの支持を集めた。


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なお2012年発売曲中、日本で配信ミリオンを達成した曲はこの曲以外にはカーリー・レイ・ジェプセン「CALL ME MAYBE」、シェネル「ビリーヴ」、miwa「ヒカリヘ」だけであり、合計4曲しかない。この中でも「We Are Never Ever Getting Back Together」は最速でミリオンに到達していることから、日本で最も人気となった2012年発売曲であると言っても差し支えない。

 

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洋楽の国内フル配信ダウンロードミリオンは、K-POPを除けば他にレディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」、カーリー・レイ・ジェプセン「CALL ME MAYBE」しかなく、合計3曲しか存在しない。昔のシングルCDやLPでも、ミリオンはダニエル・ブーン「ビューティフル・サンデー」、セリーヌ・ディオン with クライズラー&カンパニー「TO LOVE YOU MORE」、マライア・キャリー恋人たちのクリスマスしか達成しておらず、いかにこのミリオンが偉業かが読み取れる。

 

Billboard JAPAN Hot 100でもこの曲のロングヒットが可視化され、登場週数107週を記録。年間では2012年28位→2013年16位→2014年52位→2015年49位と推移。登場週数100週超え4年連続年間TOP100入りはともに2008年に発足したBillboard JAPAN Hot 100史上初の記録であった。

 

アルバム『レッド』も日本でRIAJ25万枚出荷認定を受領。他の収録曲でも、「トラブル」「22」の2曲が10万ダウンロードを記録した。この頃になると音楽性もカントリーミュージックに限らず幅広いポップスを手掛けるようになっていた。

 

『1989』

 

2014年には5thアルバム『1989』を発売し、これまた世界的な大ヒットを記録。日本でもRIAJ25万枚出荷認定を受け、Billboard JAPAN Top Albums Salesの年間では2014年48位→2015年29位と推移するロングヒットとなった。

 

収録曲中最も人気となったのは本作の1stリードシングル「シェイク・イット・オフ」。先行シングルとして9月に配信され、米Billboard Hot 100において1位を獲得したほか、日本でも家庭教師トライのCMソングなどに起用されたことで広く普及。周囲の雑音は気にせず生きていくことを歌う芯の強さが支持されたことで75万ダウンロードを売り上げた。


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Billboard JAPAN Hot 100でもこの曲のロングヒットが可視化され、登場週数112週を記録。年間では2014年34位→2015年12位→2016年62位→2017年100位と推移し、自身2曲目の登場週数100週超えと4年連続年間TOP100入りを達成した。なお2017年当時、4年連続年間TOP100入りを達成した曲はテイラー・スウィフトの2曲以外に秦基博ひまわりの約束しか存在しなかった。このことから如何に当時テイラー・スウィフトの楽曲が長期的に支持されていたかが窺える。

 

また、『1989』の2ndリードシングル「ブランク・スペース」10万ダウンロードを記録した。

 

『レピュテーション』以降

 

テイラー・スウィフトの楽曲の日本でのダウンロード認定受領は発売日順では「ブランク・スペース」が最後となっているが、これは楽曲の聴き方がダウンロード購入からストリーミング再生に移行していった時代の流れも関係している。2017年には「Look What You Made Me Do」等を収録した6thアルバム『レピュテーション』を発売しRIAJ10万枚出荷認定を受領したが、日本でのゴールドディスク認定受領もこれが自身最後となっており、音楽聴取方法は所有モデルからアクセスモデルへと変化を遂げていった。

 

これを象徴するように、2019年に発売した7thアルバム『ラヴァー』に収録された先行シングル「ME! (feat. Brendon Urie of Panic! At The Disco)」は日本でストリーミング3,000万再生認定を受領している。

 

以降も世界的な存在感が発揮され続けており、2022年に10thアルバム『ミッドナイツ』が発売された際には、米Billboard Hot 100において史上初めてアルバム収録曲による週間TOP10独占を達成した。

 

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まとめ

 

以上が主として日本国内におけるテイラー・スウィフトの楽曲人気を示す主なデータである。ポップな音楽性やリアルな感情を主張した歌詞等が支持されたことで、国外アーティストでありながらその中でも一際高い人気となっており、その人気は主にダウンロード売上に表れていた。今なお世界的なカリスマとして注目を浴び続けており、今後の動向からも目を離すことはできない。

 

テイラー・スウィフトは特にベストアルバムの類を発売していないので、ここで挙げたヒット曲をパッケージ単位で入手するにはオリジナルアルバムを辿っていくことになる。入り口となるアルバムとしては順当に『レッド』『1989』をお勧めする。

 

レッド

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1989(通常盤)

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この記事で紹介したダウンロードデータは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのダウンロード数を検索してみることをおすすめする。

 

www.riaj.or.jp

 

 

*1:1位は認定総数280万ダウンロードを記録しているレディー・ガガ。なおK-POPを含めれば、日本レコード協会では洋楽扱いされているKARAが認定総数355万ダウンロードを記録している。少女時代や東方神起は邦楽にカテゴライズされており、何故か扱いが異なる。