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2000年代前半サウンドスキャン週間シングルチャート回顧

この記事では2000年代前半に公開されたサウンドスキャン週間シングルチャートのうち、オリコンと1位が異なった全20週をピックアップして回顧する。該当週の一覧は以下のとおりである。

 

 

 

サウンドスキャンはCD売上枚数を集計しチャートを発表していたサービスであり、いわばオリコンの競合相手である。1996年より年間チャート、2001年より週間チャートが公表されていた。2008年以降はBillboard JAPANによってデータが活用されている。

 

サウンドスキャンでは当時、複数種販売施策に対してオリコンとは異なる集計方法を採っていた。同一タイトルの異なる盤種の売上は、タイトルごとに合算せず、盤種ごとに別集計としていたのである。これにより、各作品の売上はオリコンよりも実際の購入者数に近くなっており、楽曲人気指標として優れた結果を出すことが多かった。

 

それにもかかわらず、長い歴史を持つオリコンが既に権威と知名度を確立していた中で発足した後発サービスであったこともあって、2000年代までのサウンドスキャンは権威と知名度をほとんど有していなかった。改めて2000年代当時のサウンドスキャン週間シングルチャートをオリコンと比較しながら振り返り、当時のヒット認識を多面的に捉え直すことが、本記事連載シリーズの執筆企図である。

 

なお、一部の週においては、旧ジャニーズ問題に対する当ブログの対応に従い、解説を割愛している。

 

 

※付日表記はサウンドスキャンに従う

 

2001/4/10付1位 後藤真希『愛のバカヤロウ』

 

 

2001/4/10付では発売2週目後藤真希『愛のバカヤロウ』2週連続1位を獲得した。オリコンではRe:Japan明日があるさが1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったため、集計誤差*1によりサウンドスキャンでは『愛のバカヤロウ』が1位となった。

 

2001/6/26付

 

 

2002/7/22付1位 Mr.Children『Any』

 

 

2002/7/22付では発売2週目Mr.Children『Any』2週連続1位を獲得した。オリコンではCHEMISTRY『FLOATIN'』が1位だったが、その差は1万枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『Any』が1位となった。

 

2002/8/5付1位 GLAY『逢いたい気持ち』

 

 

2002/8/5付1位はGLAY『逢いたい気持ち』オリコンでは浜崎あゆみ『H』が2週連続1位を獲得していたが、その差は数千枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『逢いたい気持ち』が1位となった。

 

2003/5/6付

 

 

2003/8/12付1位 サザンオールスターズ『涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~』

 

 

2003/8/12付では発売3週目サザンオールスターズ『涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~』3週連続1位を獲得した。オリコンではCHEMISTRYアシタヘカエル/Us』が10万枚の売上で1位だったが、サウンドスキャンでは『アシタヘカエル/Us』の初回限定盤と通常盤の売上を別集計としていたため、初回限定盤が3位、通常盤が16位に売上が分散した。なお初回限定盤にはライブ映像通常盤にはリミックス音源が収録されており、両者を入手するには2枚購入が必要であった。

 

2003/11/4付1位 鬼束ちひろいい日旅立ち・西へ』

 

 

2003/11/4付1位は鬼束ちひろいい日旅立ち・西へ』オリコンではw-inds.『Long Road』が1位だったが、その差は数万枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『いい日旅立ち・西へ』が1位となった。

 

2003/11/18付1位 浜崎あゆみ『No way to say』

 

 

2003/11/18付では発売2週目浜崎あゆみ『No way to say』2週連続1位を獲得した。オリコンではタッキー&翼『夢物語』が1位だったが、サウンドスキャンでは『夢物語』の初回限定盤と通常盤の売上を別集計としていたため、初回限定盤が3位、通常盤が11位に売上が分散した。なお初回限定盤にはトレーディングカードやブックレット等の特典が、通常盤にはc/wに新曲が追加で収録されており、両者を入手するには2枚購入が必要であった。

 

「No way to say」は冬の季節にぴったりなウィンターラブバラード。奥行きのある歌詞と抑揚の強いサビのメロディーが感情に訴える楽曲となっており多くの支持を集めた。本曲は2003年の日本レコード大賞を受賞しており、浜崎あゆみ日本レコード大賞受賞は3年連続であった。なおデジタル指標ではフル配信10万ダウンロード*2を記録している。


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2003/12/9付1位 Mr.Children『掌/くるみ』

 

 

2003/12/9付では発売3週目Mr.Children『掌/くるみ』3週連続1位を獲得した。オリコンではポルノグラフィティ『ラック』が1位だったが、MONGOL800『ヨロコビノウタ』も含めた3作間の差は数千枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『掌/くるみ』が1位となった。

 

2003/12/30付1位 Mr.Children『掌/くるみ』

 

 

2003/12/30付では発売6週目Mr.Children『掌/くるみ』が返り咲き通算4週目の1位を獲得した。オリコンでは年末年始を跨ぐ当週と次週の2週分を合算週として集計・発表しており、SMAP世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』が返り咲き1位を獲得していた。オリコンは合算週の1位を記録上2週連続1位として扱っているが、もし通常通りに1週ずつ集計していれば、1週目の1位は『掌/くるみ』だったのである。

 

2004/2/17付1位 平原綾香『Jupiter』

 

 

2004/2/17付1位は平原綾香『Jupiter』。当時はノンタイアップだったが、楽曲の評判の広がりにより初登場25位から上昇を続け、発売9週目でついに1位に昇りつめた。オリコンではタッキー&翼One Day, One Dreamが1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったうえ、サウンドスキャンでは『One Day, One Dream』の初回限定盤と通常盤の売上を別集計としていたため、初回限定盤が3位、通常盤が9位に売上が分散した。なお初回限定盤にはブックレットが、通常盤にはc/wに新曲が追加で収録されており、両者を入手するには2枚購入が必要であった。

 

こうした動きに阻まれ『Jupiter』はオリコンでは最高2位に終わったが、サウンドスキャンでは楽曲人気に相応する形で1位となっていたのである。

 

「Jupiter」はクラシック音楽として有名な組曲『惑星』の第4楽章「木星」の第4主題に歌詞をつけたもので、傷ついた人に寄り添う深い愛が描かれている。荘厳雄大な旋律と当時10代だったとは思えない平原綾香の堂々とした歌唱によって届けられた歌詞は多くのリスナーの胸を打った。デジタル指標ではフル配信20万ダウンロード、着うた100万ダウンロードを記録した。


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2004/3/23付1位 RIP SLYME『Dandelion』

 

 

2004/3/23付1位はRIP SLYME『Dandelion』オリコンではくず『全てが僕の力になる!』が1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったうえ、サウンドスキャンでは『全てが僕の力になる!』の完全限定生産盤と通常盤の売上を別集計としていたため、完全生産限定盤が3位、通常盤が10位に売上が分散した。

 

2004/4/13付1位 BUMP OF CHICKEN『アルエ』

 

 

2004/4/13付1位はBUMP OF CHICKEN『アルエ』発売2週目で1位に浮上した。オリコンでは浜崎あゆみ『Moments』が2週連続1位を獲得していたが、サウンドスキャンでは『Moments』のDVD付初回盤と通常盤の売上を別集計としていたため、DVD付初回盤が2位、通常盤が4位に売上が分散した。

 

2004/6/8付1位 Mr.ChildrenSign

 

 

2004/6/8付では発売2週目Mr.ChildrenSign2週連続1位を獲得した。オリコンではL'Arc~en~Ciel『自由への招待が1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『Sign』が1位となった。

 

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Sign」は何気ない日常の愛おしさを優しい曲調に乗せて歌うバラードナンバーで、ドラマオレンジデイズ主題歌として書き下ろされた。大学生の青春ラブストーリーを描いたドラマは最高視聴率23%を記録する大人気となり、楽曲も同様に多くの人気を獲得。2004年の日本レコード大賞を受賞した。デジタル指標ではストリーミング1億再生*3を突破している。


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2004/6/15付1位 ORANGE RANGEロコローション

 

 

2004/6/15付1位はORANGE RANGEロコローションオリコンでは堂本剛『WAVER』が1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったうえ、サウンドスキャンでは『WAVER』の初回生産限定盤と通常盤の売上を別集計としていたため、初回生産限定盤が2位、通常盤が5位に売上が分散した。なお初回限定盤にはブックレット等の特典が、通常盤にはc/wに新曲が追加で収録されており、両者を入手するには2枚購入が必要であった。

 

ロコローション」はORANGE RANGEのパブリックイメージをそのまま体現するような盛り上がる夏うたとなっている。デジタル指標ではフル配信10万ダウンロード、着うた100万ダウンロードを記録した。なお、この曲はリトル・エヴァの1962年のヒット曲「ロコ・モーション」のカバーとなっているが、シングル発売時点では原曲側への申し入れがなく、オリジナル曲として発表され、後に原曲側から抗議を受けたことでカバー扱いに変更されたという経緯がある。


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2004/8/17付1位 柴咲コウ『かたち あるもの』

 

 

2004/8/17付1位は柴咲コウ『かたち あるもの』オリコンではNEWS『紅く燃ゆる太陽』が1位だったが、サウンドスキャンでは『紅く燃ゆる太陽』の初回限定生産盤と通常盤の売上を別集計としていたため、初回限定生産盤が2位、通常盤が4位に売上が分散した。なお初回生産限定盤通常盤ではc/wの新曲等の収録内容が異なっており、両者を入手するには2枚購入が必要であった。

 

「かたち あるもの」は最高視聴率19%を記録したドラマ世界の中心で、愛をさけぶの主題歌に起用されたことで普及した。元々このドラマは青春恋愛小説が原作となっており、この小説に柴咲コウが寄せた書評が帯に載ったことがベストセラー化のきっかけの一つとなり、ドラマに先立って映画化された際は柴咲コウ自らヒロインを務めるなど、縁が深い作品である。それもあって、落ち着きのある中でも感情のこもった歌唱は一際リスナーの胸に迫るものがあった。デジタル指標ではフル配信35万ダウンロード、着うた100万ダウンロードを記録している。


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2004/8/24付1位 柴咲コウ『かたち あるもの』

 

 

2004/8/24付では柴咲コウ『かたち あるもの』2週連続1位を獲得した。オリコンでは嵐『瞳の中のGalaxy/Hero』が1位だったが、サウンドスキャンでは『瞳の中のGalaxy/Hero』の初回生産限定盤2種類と通常盤の売上を別集計としていたため、初回生産限定盤(A)が3位、同(B)が4位、通常盤が6位に売上が分散した。なお初回生産限定盤(A)には「瞳の中のGalaxy」のMVが、同(B)には「Hero」のMVが、通常盤にはc/wに新曲が追加で収録されていたため、当時全てを入手するには3枚購入が必要であった。

 

こうした動きに2週連続で阻まれ『かたち あるもの』はオリコンでは最高2位に終わったが、サウンドスキャンでは楽曲人気に相応する形で2週連続1位となっていたのである。

 

2004/9/14付1位 東京事変群青日和

 

 

2004/9/14付1位は東京事変群青日和オリコンではGorie with Jasmine & Joann『Mickey』が1位だったが、サウンドスキャンでは『Mickey』の初回限定盤と通常盤の売上を別集計としていたため、初回限定盤が3位、通常盤が4位に売上が分散した。なお翌週は『Mickey (通常盤)』が1位に浮上している。

 

群青日和椎名林檎が当時新たに発足させたバンド東京事変のデビュー曲。歌い出しの印象的なフレーズから始まり、奔放なギターポップサウンドに独自の感性が光る歌詞を乗せて駆け抜けるバンドナンバーとなっている。デジタル指標ではフル配信10万ダウンロードを記録しており、東京事変を代表する人気楽曲となっている。


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2004/11/9付1位 ORANGE RANGE『花』

 

 

2004/11/9付では発売3週目ORANGE RANGE『花』3週連続1位を獲得した。オリコンではT.M.Revolutionignited -イグナイテッド-が1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『花』が1位となった。

 

この曲は優しく前向きな歌詞で綴られたバラードナンバーとなっており、興行収入48億円を記録したヒット映画いま、会いにゆきますの主題歌への起用も相まって、これまでノリの良い曲を多くヒットさせてきたORANGE RANGEの新しい一面がクローズアップされ、自身を代表する人気楽曲となるまでに至った。主なデジタル指標ではフル配信75万ダウンロード、着うた200万ダウンロードを記録している。


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2004/12/7付1位 EXILE『HERO』

 

 

2004/12/7付1位はEXILE『HERO』オリコンでは福山雅治『泣いたりしないで/RED×BLUE』が1位だったが、その差は数千枚程度しかなかったため、集計誤差によりサウンドスキャンでは『HERO』が1位となった。本曲はデジタル指標でフル配信10万ダウンロード、着うた50万ダウンロードを売り上げた人気曲である。

 

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まとめ

 

以上が2000年前半に公開されたサウンドスキャン週間シングルチャートのうちオリコンと1位が異なる週の振り返りとなる。

 

この時期はCDバブル期の余韻もあり、複数種販売施策がそれほど普及していなかったため、サウンドスキャンとオリコンで週間1位結果が異なる週は少なかった。しかし本記事で示したように、2004年以降、CD市場縮小への対策として複数種販売施策が普及していくとともに、両者の結果の相違が頻発するようになっている。

 

2005年以降もその傾向は進んでいき、ヒットチャートは変質していくこととなる。そのような時代だったからこそ、当時のヒットを多面的に捉えるべく、今からでもサウンドスキャン週間シングルチャートを押さえておきたいところである。

 

(2005年のサウンドスキャン週間シングルチャート回顧に続く↓)

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*1:サウンドスキャンとオリコンでは集計方法、対象、母数が異なるため、完全に同じ売上枚数が出力されることはない。

*2:累計ダウンロード売上は日本レコード協会認定値。以下同様。

*3:累計ストリーミング再生回数はBillboard JAPAN公表値を引用し、1億再生未満切り捨て表示。