Billion Hits!

フル配信ダウンロード売上、MV再生回数、ストリーミング再生回数、Billboard JAPANランキングデータなどを通じて国内の人気楽曲を把握するブログ

AKB48の人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

AKB48は2006年に「桜の花びらたち」でデビューした女性アイドルグループ。2008年下旬から勢いを増しはじめ、2010年代前半にかけて大ヒット曲を大量輩出した。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は38曲で、認定総ダウンロード売上は1,440万(歴代3位)となっている。ダウンロードミリオン6曲EXILEの8曲、西野カナの7曲に次ぐ歴代3位記録である。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、AKB48のヒット史を振り返る。

 

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SNSフォロワーの皆様への御礼と今後のSNS更新予定のご報告

前週は当ブログに関して読者の皆様への御礼と今後の更新予定をご報告させていただきました。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

私はブログだけでなくTwitterアカウントも作成しています。ブログでは過去から現在にかけてのヒットデータをメインに更新していますが、TwitterではBillboard JAPANの最新情報や将来予測など、現在から未来にかけてのヒットデータをメインに更新しています。

 

twitter.com

 

Twitterアカウントはブログよりも早い2019年1月に立ち上げました。2019年末時点のフォロワー数は100程度でしたが、2021年11月末時点では1,700に達していました。フォロワーの皆さまの存在がSNS更新の原動力の一つとなっていたことは間違いありません。日頃よりご愛顧いただき、本当にありがとうございます。

 

現在SNSで更新中のコンテンツ一覧は以下のとおりです。

 

(毎週木~金曜日)週間チャート予想

(毎週火曜日)週間チャート最終予想

(毎週水曜日)週間チャート結果分析・予想振り返り

(毎週水曜日)年間チャート暫定順位予想

 

(毎週金曜日)週間チャート途中経過分析

(毎週水曜日)週間チャート結果分析

(毎週水曜日)年間チャート暫定順位予想

(都度)累計再生回数節目突破情報まとめ

 

(毎週水曜日)週間チャート結果分析

(毎週水曜日)年間チャート暫定順位予想

 

(毎週木曜日)週間チャート結果分析

(毎週木曜日)年間チャート暫定順位予想

 

(毎週日曜日)YouTube楽曲・MVチャート結果分析

(都度)累計再生回数節目突破情報まとめ

 

(毎月20日)ダウンロード認定速報

(毎月下旬)ストリーミング認定速報

(毎週月曜日)任意のアーティストのフル配信ダウンロード売上データ紹介

 

  • その他

(毎週土曜日)ブログ記事更新告知

(都度)上記以外の楽曲人気動向に関連する話題

 

このうち太字にしたBillboard JAPANの各種週間チャート予想と結果分析、YouTubeチャートの週間結果分析につきましては、2021/12/8公開週関係分を最後に「更新休止」することとしました。

 

また、任意のアーティストのフル配信ダウンロード売上データ紹介も2021年内を最後に「更新休止」とします。毎週土曜日のブログ更新告知は今後のブログ更新が不定期となることにより今後は「不定期更新」となります。

 

ダウンロード売上データ紹介の休止及びブログ更新の不定期化に関しましては前週更新したブログ記事内で説明済みですので、各種週間チャート予想及び結果分析の更新休止理由を以下より説明します。

 

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ブログ読者の皆様への御礼と今後のブログ更新予定のご報告

日頃当ブログをご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。管理人のあさです。このような形で読者の皆さまにご挨拶するのはブログ開設から丸2年経ちますがこれが初めてとなります。ご挨拶が非常に遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

 

当初の当ブログへのアクセス数は一日数十PV程度でしたが、今では毎日1,000PV前後アクセスいただけるようになり、累計PV数は28万を突破いたしました。読者の皆さまのアクセスが記事更新の原動力の一つとなっていたことは間違いありません。改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

 

当ブログは2019年11月に開設し、当初は数週間に1記事のペースで新規投稿しておりましたが、2020年5月から週1ペースとなり現在に至っています。この2年を通じて、私がブログでまとめたいことはほぼ全て記事としてアウトプットし尽くすことができました。

 

そのため、2021年12月を以て週1ペースでの新規記事投稿を一旦終了することとしました

 

終了までのブログ更新予定は以下のとおりです。なお予定は変更となる場合がありますので予めご了承ください。

 

 

以降の新規記事は不定期更新となり、既存記事の最新情報へのアップデートがメインとなると考えております。

 

以下より本報告の経緯を説明します。

 

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日本音楽ヒットチャートのCD偏重問題 ~2021年第4四半期時点の状況と解決案~

この記事では、2006年以降15年以上もの期間に渡って継続している「日本音楽チャートのCD偏重問題」2021年第4四半期時点の現状を整理し解決案を示す。

 

「日本音楽チャートのCD偏重問題」の内容や歴史に関しては以下記事で詳述している。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

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miwaの人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

miwaは2010年に「don't cry anymore」でメジャーデビューした女性シンガーソングライター。すぐにブレイクを果たし、2010年代に渡りヒット曲を大量輩出した。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は12曲で、認定総ダウンロード売上は260万(歴代43位タイ)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、miwaのヒット史を振り返る。

 

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ヒルクライムの人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

ヒルクライムは2009年に「純也と真菜実」でメジャーデビューした男性ヒップホップユニット。デビュー間もなく大ブレイクを果たし、2010年前後のヒットシーンを彩った。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は6曲で、認定総ダウンロード売上は280万(歴代39位タイ)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、ヒルクライムのヒット史を振り返る。

 

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西野カナの人気曲【配信ダウンロード売上ランキング】

西野カナは2008年に「I」でデビューした女性ソロアーティスト。デビューから1年でブレイクを果たし、2019年に活動を休止するまでコンスタントにヒット曲を出し続けた。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は39曲で、認定総ダウンロード売上は1,555万EXILEに次ぐ歴代2位)となっている。ダウンロードミリオン7曲EXILEに次ぐ歴代2位記録である。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、西野カナのヒット史を振り返る。

 

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MISIAの配信ダウンロード売上ランキング

MISIAは1998年に「つつみ込むように…」でデビューした女性ソロアーティスト。すぐに大ブレイクを果たし、以降20年以上に渡りヒットシーンを走り続けている。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は9曲で、認定総ダウンロード売上は285万(歴代38位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、MISIAのヒット史を振り返る。

 

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歴代着うたランキング

この記事では着うたダウンロード売上に関する各種歴代ランキングをまとめている。

 

着うたとは、ガラケー市場が全盛期を迎えていた2000年代中盤に配信市場の主役となっていた楽曲販売方法で、その方法は楽曲をイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、大サビといった具合に切り分け、そのパートごとに手頃な価格で携帯電話の着信音として販売するというものであった。

 

その性質上、「着うた1ダウンロード」は「表題曲のフルサイズ音源を1人が購入した」ことを意味しない。また、1人で1曲の全パートを買いそろえることもあり得る着うたの売上は、CD売上やフル配信ダウンロード売上と比べて大きな規模の数字となる。そのため、着うた1ダウンロードはCD売上1枚やフル配信1ダウンロードとは同じ意味を持たず、それらよりも楽曲人気指標としての価値は低かった。

 

それでも、CD市場が縮小の一途を辿っていた中では、新たな音楽の聴き方として着うた市場の動向も楽曲人気の把握のためには重要だったのだが、CD売上の集計で有名なオリコンはダウンロード売上の集計を一向に開始しなかった。したがって着うた売上を網羅的に確認するには、RIAJが2006年より開始したダウンロード認定着うたカテゴリを確認するほかない。このカテゴリでは、50万ダウンロードを突破して初めて認定が授与される設計になっている。

 

よって歴代ランキングもこのRIAJダウンロード認定データをもとにして作成することになる。具体的な作成方法、及び着うたを除いたフル配信ダウンロード売上に関する歴代ランキングは以下の別記事でまとめている。

 

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着うたダブルミリオン以上を記録している上位18曲は以下のとおりである。

 

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上位曲ピックアップ

 

着うたダウンロード売上歴代1位は、史上唯一の着うた400万ダウンロードを記録した恋のマイアヒである。原題はDragostea Din Teiで、モルドバ出身の音楽グループオゾンが歌唱している。


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2003年よりルーマニア発で世界的に人気を広げていたこの曲は、日本でも2004年に名古屋のFMラジオ局でパワープレイされたことなどから広まり始め、空耳を元にしたFlashムービーが2ちゃんねるを中心に受けたことや、人気バラエティ番組SMAP×SMAPの一コーナー内で大々的に使用されたことなどから、翌2005年にかけて広く流行した。なお空耳に関しては2018年に公式実写ムービーが作成されている。 


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さて、この「恋のマイアヒ」が記録した着うた400万ダウンロードは、従来のCDやフル配信ダウンロード売上に換言するとどれほどの人気と言えるのだろうか。ヒントとなるのが、日本レコード協会が設定している認定下限値である。既述のとおり着うたは50万ダウンロードを突破して初めて認定を受けることができる。他方でゴールドディスク認定や、フル配信ダウンロード認定10万が認定下限値となっている。

 

このことからは、着うたはCDやフル配信ダウンロードと比べ、ヒット指標としての価値は1/5しかないと言うことができる。そのため、着うた400万ダウンロードはCDやフル配信ダウンロードに言い換えれば80万相当となる。

 

この換算率で100万を超える曲、すなわち着うた500万ダウンロード認定を受けた曲が終ぞ現れぬまま市場が消滅したことからは、着うたのヒット指標としての重要性はそこまで高くないと言うことができる。ただしこれは後年から当時のヒットを振り返るうえではの話であり、当時リアルタイムの流行を計るうえでは着うた指標の重要性は極めて高かった。

 

最終的に着うた上位曲のほとんどはフル配信ダウンロード売上でも歴史的な数値を記録しており、基本的には歴代フル配信ダウンロード売上ランキングを確認すれば2000年代のヒット曲を網羅的に把握するには事足りる。ということで、歴代着うたランキング上位曲のほとんどは当ブログのフル配信ダウンロード売上記録を取り上げている各記事のどこかで言及しているので、解説はそれらの記事に譲る。

 

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ただし「恋のマイアヒ」に関してはどういうわけか着うた売上とフル配信ダウンロード売上の数値が乖離しており、着うた400万ダウンロードに対してフル配信認定は35万ダウンロードにしかなっていない。他方で「恋のマイアヒ」を収録したアルバム『DISCO-ZONE~恋のマイアヒ~』80万枚以上のセールスを記録しており、この曲のフルサイズ音源を入手した層もかなりの数存在していることは間違いない。

 

この動向の背景としては、本曲が流行した2005年はまだフル配信市場が黎明期にあったことも考えられる。「恋のマイアヒ」は一過性のブームとして消費された側面が強く、フル配信市場がピークを迎えた2000年代後半になってから更にフル配信ダウンロード売上を伸ばすことは困難だったのかもしれない。

  

もし当時着うたを集計した総合楽曲チャートがあったらどうなっていたか

 

上記で挙げた着うたヒット曲は、当時楽曲人気指標として最も有名だったオリコンが配信売上の集計を一向に開始しなかったことにより、音楽チャート上で人気が十分に可視化されず過小評価された。国内に総合楽曲人気チャートが存在しないという不健全な状況は2006年以降約10年に渡り継続した。

 

当時楽曲人気が適切に可視化されなかった歪な歴史を少しでも修復すべく、ここではもし当時着うたを合算した総合チャートが存在していたら年間ランキングはどのような様相になっていたのか推定し、適切な年間楽曲人気チャートを再構築することを試みる。

 

具体的には、各年の年間シングルチャートで計上された各曲のCD売上と、各年配信曲の各年12月までに認定されたフル配信ダウンロード数及び着うたダウンロード数をポイント換算の上合算し、ランキング化した。換算率は上記で示したとおりRIAJの認定基準を踏まえ、「合算ポイント1点=CD売上1枚=フル配信1ダウンロード=着うた5ダウンロード」とした。その結果は以下のとおりである。

 

2006年

 

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なお、着うたを除外した、CD売上とフル配信ダウンロード数の単純合算ランキングは以下記事で推定している。

 

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それとの比較では、年間1位はKAT-TUN「Real Face」で変わらない。しかし2位以下には高配信売上曲がより一層上位進出する構造になっている。2位はCD・フル配信・着うたの3指標で満遍なく高売上を記録したKaoru Amane「タイヨウのうた。3位には、2006年配信曲で唯一年内着うた200万ダウンロードを突破した倖田來未恋のつぼみが順位を急伸させる形でランクインしている。

 


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2007年

 

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(着うたを除外した、CD売上とフル配信ダウンロード数の単純合算ランキングは以下記事で推定↓) 

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これとの比較ではやはり高配信売上曲がより一層上位進出している。1位に宇多田ヒカルFlavor Of Life、2位にGReeeeN「愛唄」、3位にコブクロ「蕾(つぼみ)」、そして4位にCD売上のみのランキングでは年間1位の秋川雅史千の風になって」が入る構図は着うた売上を集計しなくても変わらない。しかし5位には、着うた200万ダウンロードを記録した宇多田ヒカルFlavor Of Life -Ballad Version-」が躍進する。フル配信売上では累計85万DLとなっており、原曲(125万DL)の方が多い売上となっていたが、着うたではバラードバージョンの方が原曲(100万DL)を上回る認定となっていることは面白い。これは着うたではバラードバージョンが原曲よりも1ヶ月以上早くから先行配信されていたことが影響しているものと思われる。

 


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2008年

 

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(着うたを除外した、CD売上とフル配信ダウンロード数の単純合算ランキングは以下記事で推定↓) 

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2008年は着うたを中心としたダウンロード市場全盛期である。その中で青山テルマ feat.SoulJa「そばにいるね」GReeeeN「キセキ」の2曲は歴史に残る圧倒的高ダウンロード売上をマークしており、フル配信と着うたの双方300万ダウンロード以上の認定を受けている。これは歴史上この2曲しか達成していない。この年に総合楽曲人気チャートを作るならば、この2曲によるワンツー以外の結果は論外である。

 


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なおこの年のCD売上年間1位となった嵐『truth/風の向こうへは、着うた売上を集計しなくともフル配信売上を合算するだけで年間9位に下がっているが、着うた売上も集計すると更に20位にまで順位を落とす形になる。フル配信100万ダウンロード突破曲が多発する中で嵐のCD売上は60万枚程度、かつ当時配信未解禁だったことを踏まえれば当然の結果である。それでも当時はCD売上のみのチャートが最前面で取り上げられており、まるでCD売上年間1位の「truth」がこの年の楽曲人気年間1位であるかの如く扱われていた。こうした形で当時は高配信売上曲の人気過小評価、高CD売上曲の人気過大評価が蔓延していた。これは当時の音楽チャートの責任である。

 

2009年

 

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(着うたを除外した、CD売上とフル配信ダウンロード数の単純合算ランキングは以下記事で推定↓) 

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2009年からはダウンロード市場が縮小傾向に突入する。その中で1位となったのはEXILE「ふたつの唇」。この曲はCD・フル配信・着うたの3指標で満遍なく高売上を記録したが、発売は10月であり、僅か数ヶ月でこれらの数値が積み上げられたことを考えれば、猛烈な勢いで楽曲人気を示していたことが分かる。

 

着うたでは所要181日で200万ダウンロードに到達しているが、これは自己最速記録である。フル配信で自信唯一の200万突破曲となっている「Ti Amo」は着うたでは100万ダウンロード認定に留まっており、「ふたつの唇」もEXILEの代表曲争いでは「Ti Amo」に引けを取らないレベルの勢いとなっていた。

 

それにも拘わらず当時のEXILE陣営は年末歌番組において「Someday」を推しており、日本レコード大賞も「Someday」がノミネートされた。楽曲人気指標としての機能が当時既にほとんど消失していたCD売上では「Someday」と「ふたつの唇」の売上にほぼ差がなかったこともあり、「ふたつの唇」の大人気にはあまり光が当たらなかった。実際には2009年の楽曲人気年間1位でもおかしくないほどの大人気だったことは今からでも押さえておきたい。


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なおこの年のCD売上年間1位となった嵐/矢野健太 starring Satoshi Ohno『Believe/曇りのち、快晴はこの合算ランキングでは年間10位に下がっており、やはり歪な楽曲人気評価が継続していた。

 

2010年

 

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(着うたを除外した、CD売上とフル配信ダウンロード数の単純合算ランキングは以下記事で推定↓) 

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これとの比較では、年内に着うた100万ダウンロードを記録した西野カナ「会いたくて 会いたくて」AKB48のワンツー体制を崩し2位にまで浮上している。AKB48は着うたに関してはヘビーローテーションの累計75万ダウンロードが自己最高となっており、2010年内にはまだ何の認定も受けることができていなかった。しかし「ヘビーローテーション」はフル配信で年内60万ダウンロードを突破するほどの人気を示しており、CD売上とも合算したランキングでは年間1位となる。

 

何れにしてもこの年はAKB48西野カナの勢いが凄まじかったのだが、やはり当時はCD売上チャートが最前面で扱われていたため西野カナの歴史的人気には十分に光が当たらず、専らこの年のCD売上年間チャートを独占したAKB48と嵐の人気ばかりが最前面で取り上げられる格好となった。

 


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2011年

 

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(着うたを除外した、フル配信ダウンロード数のみのランキングは以下記事で推定↓) 

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この年からはCD売上の楽曲人気指標としての機能が完全消滅したため、CD売上を集計対象から除外する。

 

年間1位は、年内にフル配信60万ダウンロード、着うた75万ダウンロードを突破した薫と友樹、たまにムック。「マル・マル・モリ・モリ!となった。引き続き大人気を示していたAKB48Everyday、カチューシャはフル配信では2011年配信曲で唯一年内に75万ダウンロード突破を果たし、「マル・マル・モリ・モリ!」とは合算ポイントで同点となったが、配信から75万ポイント到達までに要した日数の早さで「マル・マル・モリ・モリ!」に軍配が上がった。

 


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2012年以降

 

2012年以降に配信された曲で着うた認定を受けた曲は存在しない。この頃になると携帯電話のガラケーからスマートフォンへの置換が進んだことに合わせて着うた市場は殆ど消失していた。そのため、以降の楽曲人気はフル配信ダウンロード売上記録を頼りに計ることとなる。詳細は以下の各記事で解説している。

 

2012年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

2013年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

2014年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

2015年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

2016年のヒット曲【配信ダウンロード売上ランキング】

 

2017年以降はBillboard JAPAN年間チャートを参照して各年のヒット曲を振り返っている。

 

2017年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

2018年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

2019年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

2020年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

2021年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

2022年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

2023年のヒット曲【Billboard JAPAN年間チャート総括】

 

歴代アーティスト・トータル・着うたダウンロード売上ランキング

 

続いてアーティスト別着うた売上ランキングを紹介する。ここでは認定総数300万以上を突破している上位20組を抽出した。このうち上位5組が認定総数1,000万ダウンロードを突破している。

 

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歴代1位はEXILE。これは以下記事で取り上げているフル配信ダウンロード売上の歴代アーティストランキングと同様の結果である。2位以下もやはり上位はフル配信ダウンロード売上の歴代上位とほとんど変わらない面子となっている。そのため詳細解説は以下記事に譲る。

 

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フル配信ダウンロードランキングとの違いを挙げるとすれば、着うたランキングでは倖田來未ORANGE RANGEなど、2000年代中盤に活躍したアーティストがより上位に来ている。これは2000年代中盤の配信市場の主役が着うただったことを意味している。2000年代後半になると主役はフル配信に移行しており、それを表すようにフル配信ダウンロードランキングは2000年代後半以降に活躍したアーティストがより上位に入っている。

 

まとめ

 

この着うたランキングからは主に2000年代中盤のヒットシーンを読み取ることが可能であった。この時期はCD売上が楽曲人気指標として機能しなくなる直前ギリギリのタイミングであり、CD売上を通じてヒットを把握することもまだ辛うじてできた時代ではあったが、CD売上の全体的な減少傾向が続いていたことから、90年代のヒット曲とCD売上を単純比較する形で楽曲人気規模が過小評価される事態も生じ始めていた時期である。是非とも上述した「CD売上1枚=着うた5ダウンロード」の換算率で当時のヒット曲のCD売上にダウンロード売上も加味して今からでも当時のヒット規模認識を上方修正していきたいところである。

 

なお、上記データは日本レコード協会HP内の下記サイトで検索することができる。自分の好きな曲がどれだけダウンロードされているのか、検索してみるのも楽しいかもしれない。

 

www.riaj.or.jp

 

 

おまけ・着うたミリオン(100万)達成曲一覧

 

Ring a Ding Dong」 木村 カエラ
「WON'T BE LONG」 EXILE倖田來未
「夢のうた」 倖田 來未
「明日がくるなら with JAY'ED」 JUJU
明日晴れるかな」 桑田 佳祐
「ユメクイ」 大塚 愛
Flavor Of Life」 宇多田 ヒカル
「遥か」 GReeeeN
「Love Forever」 加藤 ミリヤ×清水 翔太
「Lovin' Life」 FUNKY MONKEY BABYS
タイヨウのうた」 Kaoru Amane
「Ti Amo」 EXILE
A Perfect Sky」 BONNIE PINK
イケナイ太陽」 ORANGE RANGE
「素直になれたら feat.Spontania」 JUJU
蒼く 優しく」 コブクロ
「会いたくて 会いたくて」 西野 カナ
「もっと強く」 EXILE
Prisoner Of Love」 宇多田 ヒカル
「ひまわり」 遊助
「ガールフレンド」 アヴリル・ラヴィーン
「君のすべてに」 Spontania feat.JUJU
Jewelry day」 絢香
「Precious」 伊藤 由奈
「Baby Don't Cry」 安室 奈美恵
「君って」 西野 カナ
「歩み」 GReeeeN
「気分上々↑↑」 mihimaru GT
「Good-bye days」 YUI
「宙船(そらふね)」 TOKIO
「春夏秋冬」 ヒルクライム
「LIFE」 キマグレン
「Believe」 AI
ルパン・ザ・ファイヤー」 SEAMO
「ここにいるよ」 SoulJa
I believe」 絢香
「Butterfly」 木村 カエラ
I Believe」 EXILE
「ただ・・・逢いたくて」 EXILE
「ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~」 DREAMS COME TRUE
「羞恥心」 羞恥心
「POP STAR」 平井 堅
プラネタリウム」 大塚 愛
「HEAVEN」 浜崎 あゆみ
「運命」 倖田 來未
キズナ」 ORANGE RANGE
ENDLESS STORY」 伊藤 由奈
「GLAMOROUS SKY」 中島 美嘉
「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」 ダニエル・パウター
「Best Friend」 西野 カナ
「もう一度...feat.BENI」 童子-T
お願い!セニョリータ」 ORANGE RANGE
「ラヴ・パレード」 ORANGE RANGE
「SMILY」 大塚 愛
恋におちたら」 Crystal Kay
ここにしか咲かない花」 コブクロ
「刹那」 GReeeeN
「イチブトゼンブ」 B'z
「*~アスタリスク~」 ORANGE RANGE
「NO MORE CRY」 D-51
「以心電信」 ORANGE RANGE
「Love Story」 安室 奈美恵
「CAROLS "Original Mix"」 浜崎 あゆみ
「かたちあるもの」 柴咲 コウ
「ツバサ」 アンダーグラフ
ロコローション」 ORANGE RANGE
リルラ リルハ」 木村 カエラ
ココロオドル」 nobodyknows+
瞳をとじて」 平井 堅
「3月9日」 レミオロメン
「愛しい人へ」 ET-KING
さくらんぼ」 大塚 愛
「Jupiter」 平原 綾香
永遠にともに」 コブクロ
銀河鉄道999」 EXILE
ハナミズキ」 一青 窈
「愛のうた」 倖田 來未
「愛をこめて花束を」 Superfly
PEACH」 大塚 愛
「道」 EXILE
CHU-LIP」 大塚 愛
「ジレンマ feat. ケリー・ローランド」 ネリー
愛をとりもどせ!!」 クリスタルキング
雪の華」 中島 美嘉
恋人たちのクリスマス」 マライア・キャリー
残酷な天使のテーゼ」 高橋 洋子
アンパンマンのマーチ」 ドリーミング

 

おまけ・着うたトリプル・プラチナ(75万)達成曲一覧

 

恋愛写真」 大塚 愛
「I'll be there」 倖田 來未
「流星」 コブクロ
Lifetime Respect -女編-」 RSP
「虹」 Aqua Timez
「ORION」 中島 美嘉
「KISSして」 KOH+
「DANCE2 feat. ソイソース(サビ)」 ORANGE RANGE
「BLUE BIRD」 浜崎 あゆみ
「この夜を止めてよ」 JUJU
「BUT」 倖田 來未
マル・マル・モリ・モリ!」 薫と友樹、たまにムック。
「if」 西野 カナ
「おかえり」 絢香
「何度も」 青山 テルマ
FOREVER LOVE」 清水 翔太×加藤 ミリヤ
「熱帯夜」 RIP SLYME
「LIFE」 中島 美嘉
フレンジャー」 大塚 愛
「優しい光」 EXILE
たらこ・たらこ・たらこ」 キグルミ
「キミに歌ったラブソング」 Lil'B
「もっと…」 西野 カナ
「Winter Love」 BoA
「CHE.R.RY」 YUI
「JEWEL」 浜崎 あゆみ
やさしさで溢れるように」 JUJU
「Someday」 倖田 來未
「Dear…」 西野 カナ
「Keep Tryin'」 宇多田 ヒカル
「Real voice」 絢香
「ミスター」 KARA
「NEW LOOK」 安室 奈美恵
「ありがとう」 いきものがかり
「anytime」 倖田 來未
「you」 倖田 來未
「Someday」 EXILE
「DANCE2 feat. ソイソース」 ORANGE RANGE
「千の夜をこえて」 Aqua Timez
「Only Human」 K
「太陽の下」 レミオロメン
「僕のキモチ」 WaT
「Moon Crying」 倖田 來未
「Cry Baby」 SEAMO
「恋のブチアゲ♂天国(恋のマイアヒ)」 まえけん♂トランス・プロジェクト
「SCREAM」 GLAY×EXILE
「fairyland」 浜崎 あゆみ
「決意の朝に」 Aqua Timez
「Butterfly」 倖田 來未
ヘビーローテーション」 AKB48
「STEP you」 浜崎 あゆみ
「じょいふる」 いきものがかり
「let go」 m-flo loves YOSHIKA
「大好きだよ。」 大塚 愛
サンライズ」 BENNIE K
「INSPIRE」 浜崎 あゆみ
「Aitai」 加藤 ミリヤ
キューティーハニー」 倖田 來未
全力少年」 スキマスイッチ
「奏(かなで)」 スキマスイッチ
「Pure」 EXILE
「Together When…」 浜崎 あゆみ
「ニホンノミカタ ―ネバダカラキマシタ―」 矢島美容室
「こいのうた」 GO!GO!7188
「ルーズ・ユアセルフ」 エミネム
「アイ・ウォント・イット・ザット・ウェイ」 バックストリート・ボーイズ
「I SHOULD BE SO LUCKY」 mihimaru GT
また君に恋してる」 坂本 冬美
涙そうそう」 夏川 りみ
ラスト・クリスマス」 ワム!

 

おまけ・着うたダブル・プラチナ(50万)達成曲一覧

 

「ふたりで・・・」 倖田 來未
イケナイ太陽(サビVer.)」 ORANGE RANGE
崖の上のポニョ」 藤岡藤巻と大橋のぞみ
「キミが好きで」 Lil'B
A winter fairy is melting a snowman」 木村 カエラ
「glitter」 浜崎 あゆみ
LAST CHRISTMAS」 EXILE
「LOVE RAIN ~恋の雨~」 久保田 利伸
「SUMMER TIME LOVE」 EXILE
風の詩を聴かせて」 桑田 佳祐
「時の描片~トキノカケラ~」 EXILE
「空はまるで」 MONKEY MAJIK
「Beautiful World」 宇多田 ヒカル
「Sunrise ~LOVE is ALL~」 浜崎 あゆみ
「WHITE DAYS」 コブクロ
「扉」 GReeeeN
「My SunShine」 ROCK'A'TRENCH
「Distance」 西野 カナ
「また明日...」 JUJU
「一色(サビver.)」 中島 美嘉
「BLACK DIAMOND」 DOUBLE & 安室奈美恵
「はつ恋」 福山 雅治
「何かひとつ feat. JAY'ED & 若旦那」 JAMOSA
「TREE CLIMBERS」 木村 カエラ
「ちっぽけな勇気」 FUNKY MONKEY BABYS
「heavenly days」 新垣 結衣
「マイルズ・アウェイ」 マドンナ
「あなたと」 絢香×コブクロ
「GO GO サマー!」 KARA
「かけがえのない詩」 mihimaru GT
「こころ」 小田 和正
「ひと恋めぐり」 柴咲 コウ
「泣かないで」 羞恥心
「Everything」 EXILE
「ジャンピン」 KARA
ハネウマライダー」 ポルノグラフィティ
Sunshine Girl」 moumoon
「最愛」 KOH+
「Cherry Girl」 倖田 來未
「I Wish For You」 EXILE
「This Love」 アンジェラ・アキ
「君に会いたくなるから」 西野 カナ
「Hello, Again~昔からある場所~」 JUJU
「Magic Music」 木村 カエラ
たとえ どんなに…」 西野 カナ
チャンピオーネ」 ORANGE RANGE
「HOME」 清水 翔太
「Stay Gold」 宇多田 ヒカル
「時の足音」 コブクロ
フライングゲット」 AKB48
ホットペッパーの唄」 木村 カエラ
「Kiss & Cry」 宇多田 ヒカル
君という名の翼」 コブクロ
「Dream Lover」 INFINITY 16 welcomez 湘南乃風,MINMI,MOOMIN
「七色の明日~brand new beat~」 BoA
「ギフト」 ET-KING
「stay with me」 倖田 來未
「ロンドン・ブリッジ」 ファーギー
「VICTORY」 EXILE
「Do Me More」 安室 奈美恵
「Day by Day」 MEGARYU
「ビコーズ・オブ・ユー」 Ne-Yo
「純情~スンジョン~」 DJ OZMA
「たんぽぽ」 遊助
「Around The World」 MONKEY MAJIK
「影」 柴咲 コウ
「マイペース」 SunSet Swish
「Rising Sun」 EXILE
「赤い糸」 コブクロ
「WIND」 倖田 來未
「六本木~GIROPPON~」 鼠先輩
「Garden feat.DJ KAORI,Diggy-MO',クレンチ&ブリスタ」 May J.
「Gee」 少女時代
「No Regret」 倖田 來未
「Everlasting」 BoA
「MR.TAXI」 少女時代
「人」 GReeeeN
「YELL」 いきものがかり
「SAYONARA」 ORANGE RANGE
「This Is Love」 宇多田 ヒカル
Everyday、カチューシャ」 AKB48
「Promise」 倖田 來未
「Be My Last」 宇多田 ヒカル
「flower」 倖田 來未
「ハング・アップ」 マドンナ
「LALALA feat. 若旦那 (湘南乃風)」 加藤 ミリヤ
ベイビー・アイラブユー(English ver.)」 シェネル
「Sweet Mom」 柴咲 コウ
「帰りたくなったよ」 いきものがかり
まねきねこダックの歌」 たつやくんとマユミーヌ
「キミのとなりで」 BoA
「SO SICK」 Ne-Yo
「桜色舞うころ」 中島 美嘉
「未来の地図」 Mi(エムアイ)
黒毛和牛上塩タン焼680円」 大塚 愛
「hands」 倖田 來未
「HERO」 EXILE
月光花」 Janne Da Arc
「メリクリ」 BoA
「ルーズ・マイ・ブレス」 デスティニーズ・チャイルド
「You're Beautiful」 ジェイムス・ブラント
「恋文」 Every Little Thing
「ダニー・カリフォルニア」 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
「思いがかさなるその前に・・・」 平井 堅
「Alright!!」 Superfly
「何度でも」 DREAMS COME TRUE
ボクノート」 スキマスイッチ
「Easy Breezy」 Utada
「Share The World」 東方神起
「19 Memories」 加藤 ミリヤ
「大阪LOVER」 DREAMS COME TRUE
「Moments」 浜崎 あゆみ
「アイのうた」 福井 舞
「ミチシルベ ~a road home~」 ORANGE RANGE
明日への扉」 I Wish
FIREWORKS」 EXILE
「I WAS BORN TO LOVE YOU」 QUEEN
「サンキュー!!」 HOME MADE 家族
「桜」 河口 恭吾
I AM YOUR SINGER」 サザンオールスターズ
Choo Choo TRAIN」 EXILE
「You were…」 浜崎 あゆみ
「上海ハニー」 ORANGE RANGE
「Together」 EXILE
「たしかなこと」 小田 和正
One Night Carnival」 氣志團
月のしずく」 RUI
TOUGH BOY」 TOM★CAT
「逢いたくていま」 MISIA
READY STEADY GO」 L'Arc~en~Ciel
「もらい泣き」 一青 窈
「FUNKY TOWN」 安室 奈美恵
「クレイジー・イン・ラヴ(フィーチャリング Jay-Z)」 ビヨンセ
誰かの願いが叶うころ」 宇多田 ヒカル
サヴァイヴァー」 デスティニーズ・チャイルド
WE WILL ROCK YOU」 QUEEN
「SAKURA」 いきものがかり
いつかのメリークリスマス ~「恋するハニカミ!」バージョン~」 B'z
「OCEAN」 B'z
「Days」 浜崎 あゆみ
創聖のアクエリオン」 AKINO
「ブルーバード」 いきものがかり
「メリッサ」 ポルノグラフィティ
魂のルフラン」 高橋 洋子
「Hide&Seek」 安室 奈美恵
「会いたかった」 AKB48
「アゲハ蝶」 ポルノグラフィティ

 

2020年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2020に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全15週をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。集計対象は、CD売上ラジオエアプレイダウンロード、ストリーミング、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、MVTwitter、カラオケの8指標であった。

 

2020年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

オリコンは長らくCD売上だけのチャートを大々的に発表し続けており、ダウンロード売上などの配信指標の集計を一向に開始しなかったことなどから、楽曲人気チャートとしては一切機能していない。2017年にBillboard JAPAN Hot 100が楽曲人気チャートとしての合格点を満たすようになると、両チャートの結果は特に年間チャートにおいて一段と乖離するようになった。

 

しかしこうしたビルボードの動きを意識してか、オリコンは前年よりCD、ダウンロード、ストリーミングの3指標を集計対象とした合算ランキングを発足させた。しかし、合算ランキングのチャート設計はCD売上を重視したものとなっており、楽曲人気指標として使用できるものではなかった。そのうえ、CD売上チャートを最前面で取り上げる姿勢も変化はしなかった。

 

本記事で取り上げるBillboard JAPAN Hot 100週間チャート15週の比較対象はオリコン合算ランキングとするが、合算ランキングのCD重視設計により、オリコンの合算ランキングとCD売上ランキングの週間上位はほとんど同一の結果になっている。そのため、実質的にはビルボード総合チャートとCD売上チャートの比較となる。

 

なお本記事連載シリーズの執筆意図は、音楽チャートの不適切な設計上、高CD売上曲の陰に隠れてしまう「配信指標を主力とした人気曲」に適切に光を当てることにある。*1

 

*1:CD売上指標は楽曲人気指標としては一切使用できなくなっているが、アーティスト人気の濃度を計る目的や、各アーティストがどれほどの利益を生んでいるのかを計る目的としては有用である。

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2019年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2019に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全13週をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。集計対象は、2019年からは新たにカラオケが集計対象に加わり、CD売上ラジオエアプレイダウンロード、ストリーミング、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、MVTwitter、カラオケの8指標であった。

 

2019年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

  

billion-hits.hatenablog.com

 

オリコンは長らくCD売上だけのチャートを大々的に発表し続けており、ダウンロード売上などの配信指標の集計を一向に開始しなかったことなどから、楽曲人気チャートとしては一切機能していない。2017年にBillboard JAPAN Hot 100が楽曲人気チャートとしての合格点を満たすようになると、両チャートの結果は特に年間チャートにおいて一段と乖離するようになった。

 

しかしこうしたビルボードの動きを意識してか、オリコンは前年、それまで一貫してダウンロード売上集計の必要性を否定し続けていた姿勢を覆し、ダウンロード売上チャートを発足させた。そして当年からはストリーミングランキングも発足させるとともに、ついにCD、ダウンロード、ストリーミングの3指標を集計対象とした合算ランキングも発足させるに至った。

 

これらの動きは少なからずダウンロード売上及びストリーミング再生数の楽曲人気指標としての知名度を高めることに繋がった。しかし、ストリーミングランキングの集計対象の網羅性はビルボードに大きく劣っていたほか、合算ランキングのチャート設計はCD売上を重視したものとなっており、何れも楽曲人気指標として使用できるものではなかった。そのうえ、CD売上チャートを最前面で取り上げる姿勢も変化はしなかった。

 

本記事で取り上げるBillboard JAPAN Hot 100週間チャート13週の比較対象はオリコン合算ランキングとするが、合算ランキングのCD重視設計により、オリコンの合算ランキングとCD売上ランキングの週間上位はほとんど同一の結果になっている。実際、両者で週間1位が異なった週は2019年では僅か1週しかない。そのため、実質的にはビルボード総合チャートとCD売上チャートの比較となる。

 

なお本記事連載シリーズの執筆意図は、音楽チャートの不適切な設計上、高CD売上曲の陰に隠れてしまう「配信指標を主力とした人気曲」に適切に光を当てることにある。*1

 

*1:CD売上指標は楽曲人気指標としては一切使用できなくなっているが、アーティスト人気の濃度を計る目的や、各アーティストがどれほどの利益を生んでいるのかを計る目的としては有用である。

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2018年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2018に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全7週をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。2018年の集計対象はCD売上ラジオエアプレイダウンロード、ストリーミング、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、MVTwitterの7指標であった。

 

2018年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

  

billion-hits.hatenablog.com

 

オリコンは長らくCD売上だけのチャートを大々的に発表し続けており、ダウンロード売上などの配信指標の集計を一向に開始しなかったため、楽曲人気チャートとしては一切機能していない。前年にBillboard JAPAN Hot 100が楽曲人気チャートとしての合格点を満たすようになると、両チャートの結果は特に年間チャートにおいて一段と乖離するようになった。

 

しかしビルボードの普及を意識してか、オリコンは当年、それまで一貫してダウンロード売上集計の必要性を否定し続けていた姿勢を覆し、ダウンロード売上チャートを発足させた。この動きは少なからずダウンロード売上の楽曲人気指標としての知名度を高めることに繋がった。ただビルボードのような総合チャートはまだ発足していなかったうえ、CD売上チャートを最前面で取り上げる姿勢に変化はなかった。

 

そのため、本記事で取り上げるBillboard JAPAN Hot 100週間チャート7週の比較対象とするオリコンチャートはCDシングルチャートとする。ただ、オリコンのダウンロードチャートと比較すれば、この7週のうち6週の1位が一致する結果となっている。10年以上に渡り人気が過小評価されていた「ダウンロード売上を主力とした人気曲」にもようやく光が当たり始めたのである。

 

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2017年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2017に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全10週をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。2017年の集計対象はCD売上ラジオエアプレイダウンロード、ストリーミング、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、MVTwitterの7指標であった。

 

なお2017年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

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RADWIMPSの配信ダウンロード売上ランキング

RADWIMPSは2005年に「25コ目の染色体」でデビューした男性3人組ロックバンド。デビュー以降ジワジワと人気を拡大・維持していき、2016年には大ヒット映画主題歌を担当したことで大きな脚光を浴びるなど、現在まで約15年に渡りヒット曲を大量輩出している。日本レコード協会によれば、これまでにダウンロード売上10万以上を記録した曲は24曲で、認定総ダウンロード売上は525万(歴代17位)となっている。これらのデータをランキング化した表は以下のとおりである。この表をもとにしながら、RADWIMPSのヒット史を振り返る。

 

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2016年Billboard JAPAN Hot 100週間チャート回顧

この記事では2016に公開されたBillboard JAPAN Hot 100週間チャートのうち、オリコンと1位が異なった全12週をピックアップして回顧する。

 

Billboard JAPAN Hot 100とは、「社会への浸透度を計る」ことを明確に理念に掲げ、複数の要素も加味して作成されている総合チャートである。2016年の集計対象はCD売上ラジオエアプレイダウンロード*1、ストリーミング*2、ルックアップ(PCによるCD読取り数)、MVTwitterの7指標であった。

 

なお2016年のBillboard JAPAN年間チャートは下記記事内で総括している。

 

billion-hits.hatenablog.com

 

*1:1月まではiTunes売上のみが集計対象だったが、2月からは全国網羅的なダウンロード売上の集計体制を実現させた。

*2:11月までは歌詞表示回数から推計する形での集計だったが、12月からは各サブスクサービスの実数の合算も開始した。

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